SES管理ツールおすすめ比較!料金やメリット・選び方のポイントなどを解説
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SES管理ツールとは?
SES管理ツールは、SES(System Engineering Service)を提供する企業向けの業務効率化ツールです。営業活動やSESの契約管理、エンジニアの労働時間の記録やクライアントへの請求対応などの業務を一元的に管理し、効率化するのに役立ちます。
SES管理ツールを導入することで、ExcelやGoogleスプレッドシートで管理していた情報を集約し、データ連携によりさまざまな業務の自動化が推進できます。ただし、ツールによって対応している業務が異なるため、自社で効率化したい業務を整理することが重要です。
SES管理ツールの選び方
SES管理ツールを選ぶ際は、次の流れで自社に合った製品・サービスか確認しましょう。
- SES管理ツールの導入目的を確認する
- SES管理ツールの機能を確認する
- SES管理ツールを導入する際の注意点を確認する
- SES管理ツールの料金・価格相場を確認する
SES管理ツールの導入目的を確認する
まずは、SES管理ツールの導入目的を明確にする必要があります。そのうえで、必要な特徴や強み・機能を備えたサービスを選びましょう。多くの企業がSES管理ツールを導入する目的は、主に次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
契約をはじめとするSES業務を幅広く管理したい | 汎用タイプのツールを選ぶ |
勤怠管理や請求業務の効率化に注力したい | 請求管理や勤怠管理に強みをもつツールを選択する |
営業活動やプロジェクト要員を管理したい | 営業管理・要員管理に強みをもつツールを選ぶ |
SES管理ツールの機能を確認する
SES管理ツールでできること、利用できる機能は次のとおりです。必要な機能を洗い出し、確実に利用できるツールを選択しましょう。
機能 | 詳細 |
---|---|
契約管理 | SESの契約に関する情報(契約書・契約期間・報酬など)を一元的に管理できる機能。契約の更新や、契約の締結状況を把握できる |
プロジェクト管理 | プロジェクトの進捗状況や担当者のスケジュールを把握し、リソースの最適化を支援する機能 |
要因管理 | エンジニアのスキルセットや稼働状況、プロジェクトへのアサイン状況を管理し、最適な配置をサポートする機能 |
ダッシュボード | プロジェクトの状況やエンジニアの稼働状況、業務の進捗を一目で把握できる機能。データを視覚的に表示し、合理的な意思決定を可能にする |
勤怠管理 | エンジニアの勤務時間や休暇・残業状況を管理する機能。勤怠の確認・承認プロセスを簡便化でき、給与計算に連携できるツールも多い |
請求管理 | クライアントへの請求書作成や支払い状況の確認ができる機能。契約にもとづいた請求金額を自動算出できるサービスもある |
予実管理 | プロジェクトの予算や実績を比較し、収益性や効率性を分析できる機能。プロジェクトのコスト管理や利益率の把握が可能 |
情報共有・タスク管理 | チーム内での情報共有やタスク管理をサポートする機能。チャットや掲示板・タスク管理ツールなどを統合し、円滑なコミュニケーションを支援できるツールもある |
SES管理ツールを導入する際の注意点を確認する
SES管理ツールを導入する際には、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
操作性 | ツールの管理画面がわかりやすく、機能をすぐに呼び出せるか確認する。導入後、現場のスタッフやエンジニアが問題なく使用できるか |
拡張性(スケーラビリティ) | 将来の事業拡大にも対応しやすいか確認する。プロジェクトやエンジニア数が増えても、パフォーマンスを維持できるかがポイント |
カスタマイズ性 | 柔軟にカスタマイズできるか確認する。業務フローや契約条件に応じた設定変更が可能かなど |
セキュリティ | エンジニアや顧客に関する情報を保護するために、暗号化やアクセス制限といった機能を有しているか確認する |
サポート体制 | サービスベンダーから、十分な導入・運用サポートを受けられるか確認する |
モバイル対応 | 外出先やテレワークでも、モバイルアプリからアクセスできるか確認する。システム管理者が場所を選ばず利用できると便利 |
連携サービス | すでに導入しているツールやクラウドサービスと連携できるか確認する |
SES管理ツールの料金・価格相場を確認する
自社のニーズに応じて、納得できる料金プランで利用できるかもチェックしましょう。
SES管理ツールはクラウド型の場合、初期費用と月額利用料がかかります。初期費用は無料のケースもありますが、30,000円~100,000円程度が相場です。月額利用料は契約数やユーザー数、請求データ数、使用機能などによって異なるものの、月額6,000円~55,000円程度です。
一方、オンプレミス型の場合、自前で管理サーバーを設置するならば、導入に数百万円以上かかるケースが珍しくありません。さらにサービスベンダーの保守・サポートを依頼する場合、追加負担も発生する可能性があります。
おすすめのSES管理ツール比較【汎用タイプ】
代表的なSES管理ツールについて、それぞれの特性や機能性をチェックしてみましょう。まずは、機能が豊富で多くのニーズに対応できるサービスから紹介します。
SESクラウド - 株式会社LiNew
SESクラウドは、SES業務に特化したマッチング機能をはじめ、注文書・請求書といった帳票も一元的に管理できるサービスです。案件管理・要因管理など、SES契約に必要な各種帳票を扱えるのに加えて、バックオフィスの業務負荷の軽減、営業効率の向上による人件費の削減も可能です。
名刺の整理やエンジニアの情報管理だけではなく、メールの送信機能や契約管理まで網羅しています。条件に見合う要員・案件情報をマッチング検索し、スムーズに把握できるので、プロジェクトに必要な人員を手早く手配できるのが強みです。初期費用50,000円、月額費用10,000円から利用できる手軽さも魅力です。
SES支援システム - 株式会社イルミナ
SES支援システムは、SES企業が蓄積してきたノウハウをベースとして開発された製品で、営業から契約管理・経営分析まで幅広いニーズに対応しています。
要員情報(レジュメやスキルシート)や案件・取引先情報をはじめ、契約書や教育資料などの社内資料もまとめて管理が可能。詳細なステータス管理機能により、担当者のフィルタリングで各営業が担当している案件・要員を一目で確認できます。
さらに、経営方針や営業スタイル・営業戦略に沿って管理画面や機能面のカスタマイズができるので、さまざまなニーズに幅広く対応できるのが特徴です。トライアル版でもユーザー数無制限で利用できるため、まずは操作性や機能性を確かめてみるとよいでしょう。
SESコンパス - 株式会社トラント
SESコンパスは、SESに関する営業から契約処理まで、一貫して対応できるシステムです。契約書の作成・管理をはじめ、見積書・請求書の発行や売上・仕入れ・利益管理など、SES業務に必要な機能を網羅しています。
営業が未経験であってもスムーズに営業活動できるように、優れた営業管理機能を備えているのも特徴です。営業担当者の求められるアクションが自動表示されるほか、各営業担当の活動情報や、全体の売上もシステムで常時確認できます。SES業界特有の受発注処理や帳票の自動発行、顧客への自動送信も可能。従来手作業でこなしていた作業工数を、大幅に削減できます。
Fairgrit® - 株式会社エージェントグロー
Fairgrit®は、SES業務にかかる請求業務や勤怠管理もまとめて対応でき、人材の定着率アップにつながるシステムです。契約するエンジニアが増えるたび、大きくなる管理コストを削減できるのが特徴で、コストを利益に変える仕組みを構築できます。
勤怠入力の効率化に加えて、請求書もシームレスに発行・送付できるので、勤怠表の回収や請求額の計算、請求書の作成にかかる手間を大幅に省力化。勤怠不良や超過労働など、フォローアップが必要な人員を自動で抽出できるので、トラブルが起こる前に迅速な対応が可能です。
SESWORKS - 株式会社メイプルシステムズ
SESWORKSは、エンジニアの情報をまとめて管理し、契約管理や勤怠回収・請求処理まで、幅広く対応できるツールです。プロジェクトごとに、エンジニアの経歴を随時更新できるため、個々のスキルや実績を正確に把握し、最適なプロジェクトアサインを可能にします。
各種データは簡単にレポート化できるのも特徴で、経営層への情報共有や透明性の確保にも寄与します。さらに、案件提案や進捗メモなど営業をサポートする機能も実装されており、契約の延長確認の連絡もシステム上から一括で送付可能です。初期費用0円、月額800円(1件あたりの契約件数)の料金形態で、気軽に利用できるのも魅力です。
Cotom - 株式会社LiNew
Cotomは、SES管理に特化したサービスで、使いやすいデザインと豊富な機能が強みです。営業活動から売り上げ管理まで、SESに関わる業務の一元管理が可能で、営業成績のグラフ化にも対応しています。日次・月次ごとの営業成績をグラフ表示できるので、自社の課題を明らかにできます。
さらに、スマホ操作に最適化されたデザインも特徴で、多くのスタッフにとって使いやすいのも魅力です。オフィスでも出先でも、簡単に情報の確認・更新ができるほか、営業チームのグルーピング機能や、柔軟なアクセス制限の設定が可能。管理者にとって便利な機能を豊富に搭載しています。
飛鳥SES - HL株式会社
飛鳥SESは、帳簿付けから経営状態の確認をはじめ、試算表・決算資料・経理自動化・会社資金状況の管理など、幅広く対応しているSES事業総合管理システムです。オンプレミス型のシステムで、ユーザーアカウントには管理・経理・事務といった6種類のアクセス権限を付与でき、安全にシステムを運用できます。
一度作成したテンプレートを登録しておけば、その後の作業がスムーズになり、検索・表示機能を便利に活用できるのも特徴。高齢者の雇用状況の報告や、会議室の管理といったように、ほかのSES管理ツールにはない独自の機能も有しています。管理・経理・事務など、それぞれ個別のシステムとして利用できるので、必要なものを選んで導入しましょう。
おすすめのSES管理ツール比較【請求管理や勤怠管理に強み】
次に、請求管理や勤怠管理に強みをもつ、SES管理ツールを紹介します。特に請求書周りや勤怠管理に課題を感じている場合は、ぜひ導入を検討してみましょう。
請求ナビ - 株式会社サクヤ
請求ナビは、SES向け請求管理システムで、業務ごとに分散していた情報をシステム上にスマートにまとめられます。SES事業のワークフローにおいて必要な機能を集約しており、請求書・契約書などの書類作成から、SFA・CRMに関するデータにも対応。SES業界特有の複雑な業務プロセスをまとめて効率化できるのが特徴です。
さらに、売上の状況や買掛金・売掛金など、最新のデータを即時に把握できるので、経営者の素早い判断や意思決定を強力にサポートします。初期費用0円、請求データ1件につき200円(税抜)で手軽に利用できます。
i-seiQ - 株式会社アイエンター
i-seiQは、SES特化型の契約管理・帳票発行システムで、インボイス制度・電子帳簿保存法にも対応しています。わかりやすい管理画面で、契約情報を登録すると、見積書や注文書などの書類が簡単に発行可能。稼働時間を入力すれば、超過控除の計算が自動的に実行され、請求書データをスムーズに作成できます。
さらに、入力された契約情報をベースとして、SES業界で必要な各種帳票をすぐ発行できるのも特徴です。請求データをもとに多角的な分析もできるので、取引先の状況やバランスを意識した経営計画が立てられます。無料デモ版の利用も含め、まずは導入に関する無料のオンライン相談を受けてみるとよいでしょう。
Hi-Clerk - APクラスタ株式会社
Hi-Clerkは、SES事業者専用の請求管理システムです。契約の締結から売上管理・請求業務に至るまで、SESにおける多くの業務課題を解決でき、属人化の防止とコア業務への注力を強力にサポートします。法人・部署などの請求先や、入金サイトの情報をあらかじめ登録し、スピーディーに請求書を発行できるのが強みです。
また、一目でわかりやすい管理画面も特徴で、現在の売上状況や過去の売上をすぐに確認できます。SESや派遣をはじめ、スポット・リピートといったセグメントでレポートを抽出可能。計上予定や納期を軸としたタイムリーな売上管理を実現します。
キンクラ - CLINKS株式会社
キンクラはSESに最適化された勤怠システムで、初期費用0円かつ、専用機器も不要でスムーズに導入できます。出社・常駐先・テレワークなど、勤務地は打刻する際に自動登録されるため、一人ひとりの勤務状況を正確に把握でき、申請の種類ごとに最大5段階の承認ルールを設定可能です。
経費精算機能とSES案件管理機能も実装されており、給与管理ソフトとの連携にも対応。勤怠申請の提出から、承認も集計もまとめて管理できるので、担当者の負担を大幅に削減できるでしょう。管理アラート機能も充実しており、残業時間が増えている社員もすぐに把握できます。
おすすめのSES管理ツール比較【営業管理・要員管理に強み】
続いて、営業管理・要員管理に強みのあるSES管理ツールを紹介します。営業機会の創出に役立つ機能や、各種レポート機能などが充実しているので、こちらも導入を検討してみましょう。
Qoala - リフ株式会社
Qoalaは、案件・人材のメールをAI (人工知能)でマッチングできる、SES・IT人材派遣向けのクラウドサービスです。案件・人材メールの情報を自動でデータベース化し、マッチング候補の提案や複数の条件での検索を通じて、成約数の最大化を図れるのが特徴です。
成約確度が高い候補をAIがリスト化してくれるのに加えて、任意の条件での絞り込みも可能。通常では気付きにくいマッチング機会の発掘にも役立ちます。さらに、各種レポート機能も充実しており、相場分析やBP分析などにより、意思決定の精度向上を図れます。
ようかん - 株式会社エス・ジー
ようかんは、SES事業者の要員の稼働に関する情報や売上情報を、クラウドで一元管理できるソリューションです。要員とプロジェクトを紐づけて管理することで、参画状況をシステム上で簡単に把握できるのが特徴です。部署・期間・稼働率といった検索条件により、空き要員をすぐに把握できます。
さらに、要員ごとの売上計画に対する達成状況のグラフ化や、部署・取引先・プロジェクトなどの条件によるデータ分析も可能。経歴確認や技術経歴書作成機能も実装されており、迅速に必要な人材の情報を把握できます。
SES管理ツールを利用するメリット
SES管理ツールを導入するメリットは、主に次のとおりです。
- 各種業務の効率化が可能に
- 契約にかかるリスクを軽減できる
- プロジェクトに関する収益を最適化できる
それぞれのポイントをみていきましょう。
各種業務の効率化が可能に
SES管理ツールを導入すれば、SES契約に関わる書類作成や管理業務を効率化・自動化できるため、手作業にかかる時間の大幅な削減が可能です。契約書の作成や更新、請求書の発行までを一元管理できる機能により、煩雑な手続きがシンプルになり、担当者の負担を軽減します。
効率化によって得られた時間を、ほかの業務や戦略的なタスクに振り分けられるため、社員の業務効率が大きく向上するでしょう。
契約にかかるリスクを軽減できる
契約の進捗状況の把握や期限の管理がしやすくなることで、期限切れの契約を放置するといった人的ミスを防げるようになるのも、SES管理ツールのメリットです。契約の更新漏れによるトラブルや、収益機会の損失を回避できます。
また、契約内容を自動的にチェックできるツールも多く、コンプライアンス違反のリスクも低減するでしょう。法令や取引条件に準拠した運用が可能になるため、内部統制の強化にもつながります。
プロジェクトに関する収益を最適化できる
SES管理ツールの導入により、エンジニアの稼働状況や請求状況をリアルタイムで把握できるため、稼働率の最適化と収益向上につながります。特定のプロジェクトにおけるエンジニアの稼働が不足している場合や、逆に稼働過多の場合は、即座に状況の確認・調整が可能です。
さらに正確な契約・稼働データをベースとして、利益率やコストパフォーマンスの分析ができるため、事業戦略における意思決定の合理性を担保できるのもメリットです。プロジェクトの運営効率を高めつつ、収益の最大化を図れます。
SES管理ツールを利用するデメリットや注意点は?
SES管理ツールは多くのメリットがある一方で、社内のワークフローに合わせるのに時間を要することに注意が必要です。
SES管理ツールは、企業ごとのワークフローに合ったものでなければ、かえって管理が煩雑化し、逆に非効率になる可能性があります。また、既存の業務プロセスを大きく変更する場合、社員に抵抗感が生まれるケースもあるでしょう。
現場のニーズや作業フローを十分にヒアリングしたうえで、環境に合った機能を有するツールを選ぶことが重要です。さらに必要に応じて、カスタマイズの対応や導入後のサポートが充実しているサービスを選定すれば、スムーズに運用を始められるでしょう。
SES管理ツールでエンジニアの業務負担を軽減する
SES管理ツールを導入すれば、勤怠管理や契約書の作成、稼働率の把握といった業務の自動化・一元化が可能です。管理者が本来の業務に集中できる環境を整えられます。さらに、稼働状況やスキル情報の可視化により、プロジェクトに最適な配置が可能となり、エンジニアのスキルアップやキャリア形成にもつながるでしょう。
導入するツールを選ぶ際には、次のポイントを意識しましょう。
- 現場で使いやすいシステムか、必要な機能をすぐに呼び出せるか
- 十分な拡張性・カスタマイズ性を備えているか
- 高いセキュリティ基準を満たしているか
- サービスベンダーのサポート体制に問題はないか
- 連携できるツールやクラウドサービスは何か
SES管理ツールをより深く検討したい方は、各ベンダーのサービス資料を請求し、比較・検討するとよいでしょう。