外観検査システムおすすめ比較5選!メリット・注意点・選び方

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- 外観検査システムとは
- 外観検査システムの仕組み
- 外観検査システムを導入する3つのメリット
- メリット1. 人件費の削減
- メリット2. 属人化の解消
- メリット3. 検査精度の均一化
- 外観検査システムを導入時の3つの注意点
- 注意点1. イニシャルコストがかかる
- 注意点2. 学習のためのモデルやデータが必要
- 注意点3. カメラや照明に検査精度が影響される
- 外観検査システムを選ぶ3つのポイント
- ポイント1. モデルを作成できるか
- ポイント2. 装置開発やサポートの体制があるか
- ポイント3. 検査設定はしやすいか
- おすすめの外観検査システム5選
- Impulse - ブレインズテクノロジー株式会社
- Phoenix Eye - 株式会社 VRAIN Solution
- AISIA-AD - 株式会社システムインテグレータ
- InspectAI - 株式会社アラヤ
- オキカエ for AI外観検査 - 株式会社 ASTINA
- AI搭載の外観検査システムで生産性を高めよう
外観検査システムとは
外観検査システムとは、製品の外観を自動で検査するシステムのことです。カメラやセンサー、画像処理技術などを活用し、人の目視検査に近い精度で検査を行います。外観検査システムにより、製品の傷や汚れ、異物混入などを自動で検出可能です。
近年、製造業では人手不足が深刻化しており、検査工程の自動化が求められています。また、品質管理の重要性が増し、より高精度な検査が求められるようになりました。このような背景から、外観検査システムは製造現場において必要不可欠な存在となっています。不良品流出のリスクを抑え、品質向上に大きく貢献します。
外観検査システムの仕組み
外観検査システムは、AIに正常な製品の画像を学習させることで、画像から異常を検知します。良品画像をAIに学習させることで、基準となる正常な状態をAIが認識します。これにより、画像に写った製品と基準とを比較し、傷や汚れなどの異常を検出可能です。
システム運用前には、AIに学習させるための画像データを用意する必要があります。この学習データを用いてAIはモデルを構築し、検査の基準を学習します。適切なデータ量と質のデータを用意することが、検査精度を高めるうえで重要です。
運用開始後も検査結果の見直しや、実務を通してデータを学習させることで、AIのチューニングが可能です。継続的なチューニングを行うことで、AIの識別精度は向上し、より高精度な検査が実現します。
外観検査システムを導入する3つのメリット
外観検査システムを導入することで、さまざまな恩恵を受けられます。検査工程の自動化に役立つ外観検査システムのメリットを解説します。
- 人件費の削減
- 属人化の解消
- 検査精度の均一化
メリット1. 人件費の削減
外観検査システム導入の大きなメリットの一つは、人件費の削減です。これまで人の手で行っていた検査工程を自動化することで、検査にかかる人員を削減できます。これにより、人件費の抑制につながり、経営コストを最適化できるでしょう。
システム導入後は、複数人でラインについていた検査員をほかの業務に配置転換させられます。また、24時間稼働させられるため、夜間帯の検査にかかる人件費も削減できます。
100%の精度で確認することは難しくても、人員を削減できる点が大きなメリットと言えるでしょう。
メリット2. 属人化の解消
外観検査システムを導入することで、検査の属人化を解消し品質の安定化を図れます。
これまで人の手で行う外観検査は、担当者の熟練度によって検査品質にばらつきが生じやすいという課題がありました。外観検査システムによる自動検査は、人による判断のばらつきを排除して常に一定の基準で行われます。誰が検査を行っても同じ品質が担保されるため、品質管理のレベルが向上します。
メリット3. 検査精度の均一化
外観検査システムを利用すれば、24時間365日同じ質で検査可能です。従来の目視による検査では、集中力の低下や体調などによって検査精度にばらつきが生じてしまいます。疲労や体調に左右されず、常に高い精度で検査を実行可能なのは大きなメリットです。微細な傷や汚れも見逃さずに検出できるため、不良品流出のリスクを大幅に低減できます。
外観検査システムを導入時の3つの注意点
外観検査システムは多くのメリットをもたらしますが、導入にあたってはいくつかの注意点も存在します。これらの注意点を理解することで、導入後のトラブルを未然に防ぎ、スムーズな運用につなげられます。
- イニシャルコストがかかる
- 学習のためのモデルやデータが必要
- カメラや照明に検査精度が影響される
注意点1. イニシャルコストがかかる
外観検査システムの導入には、ある程度のイニシャルコストがかかります。システム本体の購入費用だけでなく、設置費用や導入時の設定費用なども考慮しなければなりません。導入前に必要な費用をしっかりと見積もり、予算を確保しておきましょう。
イニシャルコストを十分に考慮せず導入を進めてしまうと、予算不足で必要な機能が搭載できなかったり、導入後の運用に支障をきたしたりする可能性があります。
注意点2. 学習のためのモデルやデータが必要
外観検査システム、とくにAIを活用したシステムでは、検査を行うための学習モデルやデータが必要です。このようなシステムは、AIに良品と不良品を学習させることで検査の精度を高める仕組みになっています。そのため、導入前には十分な量の学習データを用意しなければなりません。
十分なデータがない状態で運用を開始してしまうと、AIが正確に良品と不良品を識別できず、誤検出や見逃しが発生するかもしれません。
注意点3. カメラや照明に検査精度が影響される
外観検査システムの検査精度は、使用するカメラや照明などのハードウェアに大きく影響を受けます。高解像度のカメラや適切な照明環境を整えることで、より高精度な検査が可能になります。これらの環境が整っていないと、期待する検査精度を得られないでしょう。
たとえば、解像度の低いカメラを使用した場合は微細な傷や汚れを検出することが難しくなります。また、照明環境が不安定だと画像にムラが生じ、AIの判断に影響を与えるかもしれません。
外観検査システムを選ぶ3つのポイント
外観検査システムは多種多様であり、どのシステムが自社に最適かを見極めなければなりません。外観検査システムを選ぶ際に特に重要な3つのポイントについて解説します。
- モデルを作成できるか
ポイント1. モデルを作成できるか
外観検査システム、特にAIを活用したシステムでは、検査対象に合わせたモデルを作成できるかどうかが重要です。検査対象物の種類や検査項目は企業によって異なるため、汎用的なモデルでは十分な精度が出ない場合があります。そのため、自社でモデルをカスタマイズできることを確認しましょう。
具体的には、自社でデータを用意しAIに学習させて独自のモデルを構築できるか、あるいはベンダーが提供するモデルカスタマイズのサポートが充実しているかを確認しましょう。

ポイント2. 装置開発やサポートの体制があるか
外観検査システムは、導入後の運用やメンテナンスも重要です。そのため、ベンダーの装置開発力やサポート体制が充実しているかを確認することが大切です。装置の安定稼働はもちろんのこと、トラブル発生時の迅速な対応や、将来的なシステム拡張への対応力などを確認しましょう。
具体的には、次のような部分を確認する必要があります。導入事例やユーザーレビューも参考にすると良いでしょう。
- ベンダーの技術力や開発実績
- サポート体制(対応時間・対応方法・対応範囲など)
- 導入後のトレーニングや保守サービスの内容 など
ポイント3. 検査設定はしやすいか
現場の担当者が容易に検査設定を行えるかどうかも、システム選定の重要なポイントです。複雑な操作や専門知識が必要なシステムでは現場での運用が難しく、せっかく導入しても十分に活用されない可能性があります。そのため、直感的でわかりやすいインターフェースを備えているか、操作マニュアルやトレーニングが充実しているかなどを確認しましょう。
デモ機を実際に操作してみたり、操作マニュアルを確認したりすることで、操作性や設定のしやすさを評価できます。
おすすめの外観検査システム5選
Impulse - ブレインズテクノロジー株式会社
- インライン検査とオフライン検査どちらも対応
- 動画データ・静止画データをもとに良否判定
- 画像解析による製品の良否判定と異常箇所の検知
Impulseは、目視検査を自動化し、微細な不良品を正確に検出できる外観検査システムです。ダッシュボード機能や撮影データの前処理機能が搭載されており、検査にかかる業務負担を低減できます。
Phoenix Eye - 株式会社 VRAIN Solution
- 熟練した検査員と同等な検査基準に設定できるため、検査精度の向上と人員削減によるコストカットを実現
- 色の濃淡差などルールに落とし込めない検査や撮像条件の変化しやすい環境下における検査などにも対応
- カメラやPLCなどの現場設備と直接接続できる
Phoenix Eyeは、最新のアルゴリズムを複数搭載することで、従来の画像処理では難しかった難易度の高い検査の自動化を可能にしたAI外観検査ソフトウェアです。リアルタイム検査やAI・ルールベースのハイブリッド検査により、高精度で高速な処理ができます。
AISIA-AD - 株式会社システムインテグレータ
- 既存検査画像を活用することで、不良データ分析のメンテナンス作業を効率化
- AIモデルや機器類を組み合わせてクライアントの条件に合った外観検査システムを構築
- 熟練検査員のスキルを再現するため、経験や技をAIに学習させAIモデルを作成
AISIA-ADは、AI画像認識技術を利用して異常を自動感知する外観検査システムです。判定根拠を可視化したり、算出根拠が確認できたりする機能が搭載されており、安定した検査とより良い判定精度の向上が図れます。
InspectAI - 株式会社アラヤ
- 異常品の画像データが不要なため、モデル構築のための学習データ作成の手間を削減
- 1〜2時間程度のモデルの学習で運用開始できる
- 人とロボットの連携を強化し、時間的ロスを削減
InspectAIは、AI技術により、人による目視検査の工程の自動化を図る外観検査用パッケージソフトウェアです。圧縮技術や受託開発で培われた経験により、タクトタイムに合わせた高速処理を実現します。
オキカエ for AI外観検査 - 株式会社 ASTINA
- ランダム模様やグラデーション、凹凸がある画像にも対応可能
- 食品業界や化学製品業界、化粧品などさまざまな業界に対応
- 装置開発・設置・運用・保守まで一貫してサポート
オキカエ for AI外観検査は、柔軟物や不定形など均一ではない表面の物体の外観検査にも対応したAI外観検査システムです。曲面印字や印字ズレ・かすれの認識機能が搭載されており、印字類にも幅広く対応可能です。
AI搭載の外観検査システムで生産性を高めよう
外観検査システムを導入することで、人件費の削減や属人化の解消、検査精度の均一化といった効果が期待できます。それらが改善されることで、品質管理の強化に貢献できます。
システムを選ぶ際には、学習に必要なモデルやデータ、カメラ、照明環境などを確認しましょう。これらの注意点を踏まえ、自社の検査対象や環境に最適なシステムを選定することで、導入効果を最大限に高められます。