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KJ法とは?ブレーンストーミングとの関係とメリットを解説

最終更新日:(記事の情報は現在から1608日前のものです)
東京工業大学名誉教授の川喜田二郎氏が考案した、アイディアをカード操作によるグルーピングや並び替えを行うKJ法の詳細やブレインストーミングについて、やり方、メリットとデメリット、ポイントについて解説します。

KJ法とは

KJ法とは、東京工業大学名誉教授の川喜田二郎氏が考案したデータをまとめるための手法で、KJは考案者のイニシャルから因むものです。

これは、データをカードに記述していき、そのカードをグルーピングすることで図解し、論文にまとめていくという手法です。

ブレインストーミングとKJ法

ここではブレインストーミングとKJ法の関係について説明します。
一般的には、ブレインストーミングによって収集した情報をKJ法を用いて整理することが多く、それぞれについて以下で解説をします。

ブレインストーミングとは

ブレインストーミングとは、基本原則に基づき、問題について自由にアイデアを出し合うことです。
その基本原則である「他人の批判をしない」「自由な発言」「質より量を出す」「連想や結合を大事にする」といったポイントに沿って進めていかなければいけません。

ブレインストーミングに関しては以下の記事で詳しく紹介しています。

ブレインストーミング(ブレスト)とは?意味とやり方・成功に導くルールを徹底解説
ブレインストーミングとは、複数人でアイデアを出し合い、ユニークで新しいアイデアを生み出すことを目的とした会議手法の...
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KJ法による発想

KJ法は上述のブレインストーミングで出たアイデアを、全体的な視点から整理することで新しい着想やアイデアを得るための手法です。
この手法では、集まったアイデアを論理的に整序して、現在の問題を見える化することで、解決の道筋を明らかにします。

KJ法のやり方〜4つのステップ〜

ここでは、KJ法の具体的なやり方について解説します。
以下ではブレインストーミングによって出てきたアイデアを収束させ、文章化するまでの4つのステップを紹介します。

アイデアを付箋やカードに記入する

まずは、ブレインストーミングによって出たアイデアをポストイット(付箋紙)やカードに記入して、アイデアの見える化を行います。

ここでは、ホワイトボードやノートに書き落としていくのではなく、ポストイット(付箋紙)やカードを使って、アイデアを単位化することがポイントです。

グルーピングする

次に、記入したアイデアをカテゴリ別にグループ化していきます。

グルーピングをする際には、まずは2,3枚の小グループを作ることを意識し、グループ分けできないものは、そのまま独立させておきます。
グループを作ることができたら、それらのグループにタイトルをつけ、グループ分けをします。

並び替える

次に、グループ化したカードを大きな紙の上に置き、意味の近いもの同士を近くに集めるように並び替えることで、グループの位置関係を俯瞰します。

そうすることで、位置関係を整理することができ、共通項のある小グループ同士を囲み、小さなグループの集合体である大きな島を作ることができます。

全体の文章化

   
KJ法は、アイデアを図解して終わりではなく、並び替えたことででき上がった配置から、全体の関係性を文章化していかなければいけません。

一度にすべてを文章化することは難しいため、関係のあるものをひとつなぎにしていくことで、文章を断片的に作成していくことから始めましょう。

KJ法のメリット

ここでは、KJ法の活用することのメリットについて解説します。一体なぜKJ法を使うのでしょうか。

「思いつき」を効率よく可視化できる

だれでもアイデアは思いつくものですが、KJ法を活用すれば、その頭の中に浮かんだ思いつきや発想を可視化することができます。

言葉を書き表し、見える化することによって、思いつきのアイデアを忘れてしまうことなく残すことができます

課題を明確にすることができる

実際には何が問題かをきちんと捉えていないというケースは少なくありません。

しかし、KJ法を活用すれば、目の前の問題の本質を捉えられたり、課題を明確にすることができます。
一体今問題になっていることは何なのか?課題は何なのか?ということがはっきりとしていない時に役立ちます。

課題に対してさまざまな見解を得られる

個人だけの意見では比較的思考が偏ってしまいがちですが、グループでKJ法を用いることにより、さまざまな角度からいろいろな見解を得ることができます
できるだけ多くの意見を集めるために、ブレインストーミングを複数人で行う方が効果的なのと同じで、KJ法もグループで用いることで、多種多様な見解を得られます。

少数意見も考慮に入れることができる

一般的な話し合いは多数決の原理に基づいて進めてしまわれがちです。
しかし、KJ法では少数意見も無視されずに考慮に入れられる点が強みでもあります。少数意見が全面的に採用されるかは別問題ですが、考慮することにより、一方に偏っていない幅のあるアイデアを組み立てることができます。

KJ法のデメリット

ここでは、同じくKJ法のデメリットについて解説します。

付箋やカードを用意する手間がかかる

ホワイトボードや議事録を書くという方法で行わないため、付箋やカードを用意する必要があります。そのため、それらを常備していないのであれば、わざわざ入手するための時間や手間がかかってしまいます。

メンバーによって集まる情報に偏りが生じる

いくらグループで議論を行ったとしても、結局のところグループのメンバーの考え方が偏っている場合、集まる情報も偏ってしまうことがあります。
そのような場合には、話し合いはスムーズに行われますが、集まる情報に偏りが生じてしまいやすくなります。

メンバーの人間関係が反映される可能性がある

話し合いは常にフェアで行われるべきですが、メンバー間に上下関係などがあると、フラットな意見が出にくい可能性があります。「あの人がいるから言いづらい」という状況では、本来の出るべき意見が出されずにKJ法の効果を薄めてしまいます。

KJ法を活用する際のポイント

ここでは、KJ法を活用する際のポイントを簡単に説明します。 

周辺情報を広く集める

目に見えやすい部分の情報だけでは、問題の本質や物事の本質を捉えきれないことがあります。
そのため、なるべく収集する情報に偏りがないように、さまざまな角度から情報を収集することが必要です。

共通点や文脈を意識する

アイデアを付箋に落とし込む際に、ただ思ったことを挙げていくのではなく、情報の共通点やアイデア同士の文脈を意識することがポイントです。

そうすることで、抽象的なタイトルにならず、最終的に文章化しやすくなります。

柔軟なグルーピングをしてみる

アイデアを挙げていく中で、ある程度傾向が見えてくることがあります。そうすると、アイデアに先入観を持ってしまい、それに合わせてグルーピングしてしまいがちです。

しかし、そうではなく先入観に囚われずに柔軟な分類をしてみることが大切です。

全員の同意のもとで作業を進める

KJ法はグループでやることがポイントです。

そのため、一人の独壇場にしてしまうのではなく、それぞれのプロセスで全員が納得してから作業を進める必要があります。全員の同意のもとで作業を進めることで意見の偏りを防ぎ、より精度の高い成果を得ることができます。

KJ法を使ってアイデアを整理してみよう

以上が川喜田二郎氏が考案したKJ法のブレインストーミングとの関係とメリットについてでした。
KJ法を用いることによって、ホワイトボート上だけでは落とし込めない詳細の部分までを見つめることができるようになります。

問題やアイデアを「見える化」することによって、だれでも情報を整理できるようになり、文章にまとめられるようになります。これまでKJ法を知らなかった方は、ぜひKJ法を使ってアイデアを整理してみましょう。

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