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直行直帰のメリット・デメリットとは?労働時間・ルール、システム化で業務を効率化しよう

最終更新日:(記事の情報は現在から816日前のものです)
直行直帰のメリットとデメリットを解説し、直行直帰にありがちな労働時間の問題を解説します。また、直行直帰を管理可能な勤怠管理システムや、直行直帰時の交通費申請に役立つ経費精算システムについても紹介します。

直行直帰とは

直行直帰とは、会社に出社せずに直接現場へ出向き、作業終了後会社に戻らず直接帰宅することです。

たとえば朝一番や定時前に顧客の場所へ向かわなければならず、会社に寄る時間や必要がない場合に起こります。

アルコールチェック義務化における直行直帰

2022年4月に改正道路交通法が施行されたことで、自家用車・社用車など白ナンバーを持つ一定の会社もアルコールチェックが義務化されました。主な内容は次の通りです。

(1) 酒気帯びの有無の確認及び記録の保存(令和4年4月1日施行)
ア 運転前後の運転者に対し、当該運転者の状態を目視等で確認することにより、当該運転者の酒気帯びの有無を確認すること(第6号)。
イ アの確認の内容を記録し、当該記録を1年間保存すること(第7号)。
(2) アルコール検知器の使用等(令和4年10月1日施行)
ア (1)アの確認を、国家公安委員会が定めるアルコール検知器を用いて行うこと(第6号)。
イ アルコール検知器を常時有効に保持すること(第7号)。
引用:警視庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について(通達)」

ただし、(2)に関しては、アルコール検知器(アルコールチェッカー)の検知器の供給状況等から、延期が決定されています。ここでポイントとなるのが、直行直帰の扱いです。警視庁によれば、直行直帰の場合のアルコールチェックは次のように定められています。

運転者の酒気帯び確認の方法は対面が原則であるが、直行直帰の場合など対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよく、例えば、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、
① カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法
② 携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法
等の対面による確認と同視できるような方法が含まれる。
引用:警視庁「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令等の施行に伴う安全運転管理者業務の拡充について(通達)」

ただし検知器による測定に関しては、検知器の利用が義務化された後の義務となります。そのため直行直帰を行う場合のアルコールチェックに関しては、事前に方法を検討し、ルールを定める必要があります。

また将来的には検知器によるチェックが義務化されるため、個別の手配も必要となるでしょう。

直行直帰における労働時間の考え方

そもそも直行直帰において、労働時間はどのように考えればいいのでしょうか?まず厚生労働省の労働基準局によれば、「労働時間とは、使用者の指揮命令下にある時間のことをいい、使用者の明示または黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たること。」とされています。

つまり労働者が会社や上司の命令で動いている時間が労働時間です。これに照らし合わせると、直行直帰は労働時間に含まれる場合と、含まれない場合があります。次に直行直帰の、それぞれのケースについて詳しく紹介します。

※出典:厚生労働省労働基準局「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインについて」(2022年9月25日閲覧)

労働時間に含まれる場合

  • 上司や監督者から(暗黙の)命令で直行直帰した
  • 直行直帰の移動時間も業務を行う
  • 会社の指示に従っている

このような場合は指揮命令下にあり、労働時間と判断されます。具体的には上司から現場へ直行するよう命令された、もしくは現場に集合することが暗黙の了解となっている場合などが、労働時間に含まれます。

また社用車に顧客を乗せ、接待しながら運転する場合なども労働時間に含まれるでしょう。たとえば18時終業で18時30分まで顧客を乗せて接待をしながら最寄り駅まで移動、その後直帰したとします。この場合は、移動時間も労働時間扱いされ、30分の残業が発生します。

労働時間に含まれない場合

  • 上司や監督者からの命令がない
  • 移動時間が自由

集合場所や集合時間を、本人が自由に決められる場合は、労働時間には含まれません。また出張で遠い勤務先へ行く場合の移動時間も、読書やゲーム、睡眠、食事など時間を自由に使える場合は労働時間として扱われないのが一般的です。

事業場外みなし労働時間制について

事業場外みなし労働時間制とは、あらかじめ指定した時間の分を働いたとみなす制度のことです。これは労働者に時間の配分を任せた方が合理的なケースや、そもそも労働時間の把握が難しいケースに対応するためにあります。

実労働時間に関係なく指定した時間を働いていたとみなすため、直帰直行でも労働時間の管理がしやすい制度です。ただし、事業場外みなし労働時間制が認められるには、次の条件をクリアする必要があります。

事業場外みなし労働時間制の導入条件

  • 会社以外の場所で働いている
  • 労働時間の算定が困難

会社以外の場所は、たとえば家や営業先の会社などが該当します。しかし会社以外の場所で労働しても労働時間の管理ができれば、事業場外みなし労働時間制とは認められません。

たとえば日報の提出や出張前後のタイムカード打刻なども、管理されていると判断されます。通信環境が整っている現代ではほぼ管理が可能であるため、導入は難しいでしょう。

直行直帰のメリット

直行直帰のメリットは次のとおりです。

  • 時間の有効活用
  • 自由に主体的な仕事が可能

時間の有効活用

直行直帰をすることによって会社へ出社するための時間をなくせるため、一件でも多く営業先を回れたり、現場での仕事の時間を長く確保できます。自分でスケジュール管理をして動けるため、時間が有効活用できます。

自由に主体的な仕事が可能

一日の仕事の流れに時間的な縛りがないため、自分が主体的になって仕事に取り組めます

上司に言われた作業をただこなすだけの仕事ではなく、自分で管理することによって、仕事に主体性が出てくるためモチベーションも上がります。

直行直帰のデメリット

一見いいことばかりにみえる直行直帰ですが、次のようなデメリットもあります。

  • 仕事のプロセスが不明瞭
  • 自己管理能力が必要

仕事のプロセスが不明瞭

仕事を遂行するときには、上司の管理下のもと進められるのが一般的です。しかし、直行直帰で現場に出ている場合、結果しか見られないため仕事のプロセスが不明瞭です。

結果が出ていれば問題ありませんが、結果が出なかった場合には本当に業務を遂行しているのかが客観的に判断できません。しっかりと仕事について記録を残すことが重要です。

1日のスケジュールをきちんと共有すれば「もしかしてサボっているんじゃ…」と思われてしまうことを防げます。

自己管理能力が必要

会社内のだれにも仕事を見られない時間が多いため、自己管理能力が求められます

どこかでサボって仕事をしていなくても気付かれることがないため、怠けようと思えば、好きなだけ怠けられるからです。
そのため、責任感を持って自己管理できない人にとっては難しいケースがあります。

直行直帰の交通費・通勤手当について

直行直帰の交通費や通勤手当については、その直帰直行が一時的か、日常的かによって異なるため、それぞれの支給方法を紹介します。

一時的な直行直帰の場合

直帰直行が一時的な場合は、自宅から目的の場所までのルートから計算して交通費を支給します。これは、自宅から会社までの通勤に支払われる通勤手当とは別に支給します。計算方法に関しては、通常の交通費精算方法による処理で問題ありません。

日常的な直行直帰の場合

業種・業務の関係で日常的に直帰直行する場合は、通勤手当として計算し支給します。この場合は従業員の勤務先を会社の住所から、直行する現場の住所に変更する届出書を出してもらい、通勤手当扱いとします。

直行直帰が多い業種

上記のように、直帰直行はほぼしない場合と、かなりの頻度でする場合にわかれます。そこで次に、どの業界で直行直帰が多いのかを紹介します。

飲料業界

飲食業界は会社に行かず、直接担当している店舗に向かうケースが多く、社内会議などの用事がない限り、直行直帰が一般的です。
理由としては、毎日会社でやることがない場合が多く、現場でやることの方が多いためです。

保険業界

保険業界は顧客の予定に合わせてスケジュールを組むことが多いため、始業や定時前などの時間とかぶることがよくあります。

また、直接顧客のところへ営業に行くことがメインの仕事であるため、一件でも多く営業回りをするためには、直行直帰が一番効率よく時間を使えるからです。

直行直帰の勤怠管理を効率化する方法

直行直帰の勤怠管理を効率化するには、次のような方法があります。

  • 労働時間を明確に定める
  • ルール(就業規則)を確立させておく
  • システムの導入による厳格な労働時間測定

それぞれの内容について説明します。

労働時間を明確に定める

直行直帰の場合には、顧客のスケジュールに合わせて動く必要があるため、労働時間が曖昧な場合があります。とくにフレックスタイム制は、出勤時間・退社時間を従業員自身で決められることから、曖昧になりがちです。

しかし、それが曖昧なまま仕事をしてしまうと、だらだらとした時間を過ごしやすくなります。そのため、あらかじめ労働時間を明確に定めることによって、業務時間をきちんと理解させることがポイントです。

よくある例では次のように労働時間を定めています。

  • 直行の始業時間…最初に訪問先をたずねた時間 (通常の始業時間より遅い場合は、通常の始業時間からを労働時間とする)
  • 直帰の終業時間…最後の訪問先を出た時間 (通常の終業時間より早い場合は、通常の終業時間までを労働時間とする)
  • 休日の直帰直行…訪問先での対応時間のみ労働時間 (移動時間が長く、対応時間が短い場合は手当を出すケースもある)

ルール(就業規則)を確立させておく

仕事は結果がすべてと言いますが、そこには必ず結果を生むためのプロセスがあります。そのため、客観的に「どのようなプロセスで仕事をしているのか?」がわかるようにすることがポイントです。

たとえば直行直帰のルールとして、先ほど紹介した一日のスケジュールを全体共有する、日報を上司にあげる、届出制にする、などが挙げられます。また、これらのルールや手続きの方法を従業員に周知し、就業規則に記載することで混乱なく労働時間の管理ができるようになるでしょう。

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システムの導入による厳格な労働時間測定

最近ではクラウドでの勤怠管理システム経費精算システムが増えてきたこともあり、会社に戻らなくても勤怠管理をすることが容易にできます。

そのため、直行直帰の従業員も会社に出社する従業員と同等のルールで管理するために、システムを導入することがおすすめです。

直行直帰に対応した勤怠管理システム

直行直帰の勤怠管理ができるおすすめのサービスを紹介します。

今回紹介した勤怠管理システムや、今回紹介しきれなかった勤怠管理システムの詳細はこちらからご覧になれます。

ジンジャー勤怠 - jinjer株式会社

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※出典:ジョブカン勤怠管理公式サイト(2022年9月25日閲覧)


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直行直帰の交通費申請に役立つ交通費精算システム

直行直帰の交通費申請に役立つおすすめ交通費精算システムを紹介します。

今回紹介した経費精算システムや、紹介しきれなかった経費精算システムの詳細は無料でダウンロードできる資料で確認できます。

ジョブカン経費精算 - 株式会社DONUTS

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楽楽精算については次の記事でも詳しく解説しています。

楽楽精算の使い方・導入事例!クラウド経費精算ツールの評判と口コミ
楽楽精算とは、経費精算を合理化するサービスをクラウド経由で提供している経費精算システムです。累計導入8,000社を...
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マネーフォワードクラウド経費については次の記事でも詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

マネーフォワード クラウド経費の使い方!機能・評判・料金・アプリ・導入事例
経費精算の効率を向上させるマネーフォワード クラウド経費について、使い方や機能、料金、導入事例を解説。アプリで簡単...
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直行直帰によるリスクを管理しつつ仕事を効率化しよう

直行直帰はメリットも多いですが、デメリットもあります。デメリットを補い、メリットをより生かすためにも、紹介したシステムの中から自社に合ったサービスを導入し、直行直帰によるリスクを管理しつつ仕事を効率化させましょう。

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