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[PR] 100年続く老舗おでん屋「大多福」がデータ経営に着手、「勘と経験」から脱却するICT活用のススメ

最終更新日:(記事の情報は現在から2533日前のものです)
浅草千束にある「浅草おでん大多福」(おたふく)。伝統の味を守り続けて100年になる老舗おでん屋は、この10月から仮店舗での営業を開始した。美味しいおでんをお客様に楽しんでもらうための、さまざまな環境整備と隠れた工夫について、大多福 代表取締役 舩大工 茂氏に話を聞いた。

おでんの鍋は「大人の宝石箱」100年以上の歴史にファンが集う

伝統の味を守り続けて100年。浅草の老舗おでん屋「浅草おでん大多福」(おたふく)は、大正時代に創業した日本でも珍しいおでん専門店である。浅草演芸場の芸人や歌舞伎役者も、その変わらぬ味に惚れ込み、いまも足繁く通う隠れた名店である。

「浅草おでん大多福(おたふく)」。100年続く老舗のおでん屋として有名だ

店主の大多福 代表取締役 舩大工 茂氏は、「おでんは、大人から子供まで幅広く食べられる料理で、ターゲットを選びません。そういう場所は他の飲食店では見当たらないでしょう。子供のころに駄菓子屋に並ぶお菓子を指さして、店のおばさんに『アレもください』『コレもください』と宝探しのように迷いながら選んだ記憶はだれにもあると思います。おでんの鍋は、そういう『大人の宝石箱』のような存在なのです」と穏やかに語る。

店舗を移転したからこそ理解できた先人の思いと、さらなる前進への工夫

そんな歴史ある大多福だが、実は2017年の10月に仮店舗の大川橋店(台東区花川戸1-2-6)に移転した。仮店舗に移ったのには大きな理由があった。

千束の本店を地震に備えて耐震工事することになったのだが、店の土台に大正4年当時の大谷石が敷き詰められており、このままでは土台が持たないということがわかったため。そんな折、店の裏手が再開発をすることになり、ちょうどよい具合にタイミングが重なり、同時に店を基礎から新築することになったのだ。

大多福はこれまで、浅草に来てからずっと同じ千束で営業を続けてきた。店を建て直すには2年ほどかかる。そのため一時休業も考えたが、思い切って仮店舗の大川橋店で営業を続けることにしたという。

仮店舗の店舗づくりや、お客さんにおでんを楽しんでもらうために、惜しみない努力を続けてきた舩大工氏。新たに店舗を設計するのには時間も労力もかかるため、舩大工氏は「できれば、店舗まわりのネットや電話などの通信インフラに関しては、どこかの事業者に一括して任せたかった」と当時の心境を語る。

Wi-Fi整備にセキュリティ強化、老舗おでん屋が取り組んだICT化とは

そんな折、以前から付き合いのあったNTT東日本に、窓口を一本にまとめてサポートしてもらうことになった。NTT東日本の白井 稔浩氏は、今回の提案について次のように説明する。

「これまでもひかり電話や複合機なども含めてサポートさせていただいておりました。今回は、移転を機にWi-Fiなどを追加し、1台のアクセスポイントで店舗来客用と業務利用のアクセスを分けることやカメラで遠隔から店舗の安全を確認できることを提案しました。これにより高いセキュリティとコストを抑制した安心安全な通信環境を実現できます」

新店舗の店づくりにはICT化が欠かせない。そこで大多福が取り組んだのが、店舗利用者用のWi-Fiを用意することだ。

最近は、ホットペッパーや食べログといったグルメ情報サイトにもその店舗のWi-Fi設備の有無が明記されるようになっており、飲食店経営においてWi-Fiの導入は顧客満足向上のためにも欠かせないものとなりつつある。

大多福では「guest-otafuku」のSSIDを用意し、来店者が自由に利用できるようになっている。「浅草も外国人観光客が増えており、ここ大多福にもレビューブログなどを見ていただき、ふらっと来店頂けることも増えてきた」と語る舩大工氏。外国人観光客の満足度向上や口コミの拡散のためにも、安心安全なお客様向けのWi-Fi環境を用意することは効果的と言えるだろう。

セキュリティ強化で店舗にWi-Fiカメラを導入

そしてもうひとつ、飲食店のセキュリティという観点では、監視カメラ導入が進んでいる。外国人観光客など客層が多様化していることもあるが、飲食店ではトラブルが発生しやすいレジ回りや出入り口付近などにカメラを設置することが一般的になってきた。

大多福のように、テナントを借りて運営している店舗のセキュリティ対策にあたっては「ギガらくWi-Fiカメラオプション」がうってつけだ。「ギガらくWi-Fi」を利用していれば、Wi-Fiへの接続設定が済んだ状態のカメラが手元に届く。電源をつなぐだけで設置が完了してしまうのだ。

「自分が店を外している営業時間外や夜間でも、カメラが動体を検知すると自動で通知が届きます。その性能の良さには、ただただ驚きですね。スマホを使ってすぐにリアルタイムで状況の確認ができるので、本当に助かっています」

特にテナントビルは自社単独の店舗と違って不特定多数の人の出入りが多いのが実態だ。店舗の営業時間外に出入りする業者も少なくない。その安全確認がいつでもどこでも取れるのは、経営者にとって大きな安心につながっているようだ。

また「カメラオプション」は画角が広いのも大きな特徴だ。大多福では帳場と入口の双方を1台のカメラだけで捉えることができている。

「いくつもの監視カメラを設置してこだわりの店内の景観を損ねたくないし、何よりお客様に嫌な思いをしてほしくないのです」と語る、そんなオーナーの思いにも応えてくれるサービスだ。

ICTの力で客数の変化を「見える化」

「のれん分けや独立した若い経営者が陥りやすいのが、夏枯れを見込まずに秋口から開業してしまうことです。冬場の繁盛期はうまくいっても、夏場の閑散期を乗り切れない、というケースもあります。そのことをしっかり認識できているか否かで、おでん屋経営の年間計画は大きく変わってくるのです」(舩大工氏)

「独立した彼らを1年目から苦しめることはしたくない。彼らが上手く行かなくなるのは私たちの責任でもある。 だからこそ、自分の経験や感覚を数値化して示してあげたいという思いがある」と語る舩大工氏。

経営に関しては、先代まで仕入れも売上げ管理も本人の長年の勘と経験と感覚で行ってきた。しかし、舩大工氏はもっと商売の数字を明確にして、従業員にもオープンな形で経営に参加してもらいたいと考えた。

昔ながらの勘と経験を頼りにしてきたという大多福では、これまで職人を育てるという傾向が強かったという。しかし「これからの店舗経営には、従業員の働き方と未来にも深く配慮し、新しい時代に向けた「商売人」を育てなければなりません」と舩大工氏は語る。

後継者や独立する若手が、代々受け継がれてきたおでん屋経営の「勘所」を、客観的なデータに基づきより早い段階で、精緻に身につけることができる可能性を秘めている。

さらに、このサービスにはカメラに映った来訪者数を期間ごとにカウントし分析できるピープルカウント機能がついている。

おでん屋の夏は、冬場と比較すると客数が1/3程度まで落ち込むそうだ。ピープルカウント機能は、おでん屋に限らず、季節ごとで売上の変動が大きい店舗の経営を支援する。

POSデータに加えてピープルカウント機能を活用すれば、季節変動や時間帯での客数の変化も見える化することができる。

日本の伝統的なおでん料理とICT。一見すると、まったく関係がないようにも思えたのだが、現在に即した形で上手に先進的な環境を取り入れることで、これからも大多福は200年、300年と繁栄する企業として生き残っていくに違いない。

※2019年7月2日追記:提供元の依頼により一部画像を調整しました。掲載内容は記事公開時点(2017年)のものです。

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