大切なことは面倒、それでも前を向き続けて組織を作るスタートアップ経営者の矜持
【インタビュー】
株式会社RevComm 代表取締役 會田 武史氏
三菱商事株式会社に入社し、自動車のトレーディング、海外市場での販売/マーケティング施策の企画・立案・実行、クロスボーダーの投資案件・新会社設立、政府向け大口入札案件、M&A案件などに従事。2017年7月に株式会社RevCommを設立。
スタートアップで異例の「フルリモート」「フルフレックス」
株式会社RevComm(レブコム)は「コミュニケーションを再発明し、人が人を想う社会を創る」というミッションのもと、音声解析AI搭載型のクラウドIP電話サービス「MiiTel(ミーテル)」を主軸に、良好なコミュニケーションを実現するソリューションを提供する企業です。
日本における労働力人口は急速に減り続けています。労働力人口は2060年には2000年時点の半分になる予測ですから、日本のGDPを維持するためには飛躍的に生産性を伸ばさないといけません。
生産性向上は企業の共通課題です。そこで、音声コミュニケーションをAIで解析することにより、営業活動の成約率向上や教育コスト低下を目指すのが「MiiTel」です。音声コミュニケーションが最適化されれば、日本の生産性は必ず向上します。
音声コミュニケーションをAIで解析するMiiTel
人と人、企業と企業、文字と音声、非言語と言語。さまざまなコミュニケーションが行き交う世の中ですが、実際に行われているコミュニケーションは曖昧だったり、正確性に欠けていたりするものです。そんな課題に対し、最新のテクノロジーを駆使することで、より効率的に、より多くの物事を詳細に伝えられる世界を実現したい。効率的で正確なコミュニケーションが可能になれば、単に物事を伝えられるだけではなく、コミュニケーションにおいて本来重視すべき「想い」や「感性」など心に訴えかける余白を生み出せるようになると思っています。私は人が人を想う社会を実現したいのです。
組織も現代に則す形で型を作っています。現代は、組織の在り方が変わる転換点です。昨今は、組織論として「ティール組織」や「ホラクラシー」が語られ、同時に「コーチング」「ワークエンゲージメント」「1on1」などがキーワードとして挙がっています。中央集権のトップダウンなマネジメントから、1on1でエンゲージメントを上げ、個々人のモチベーションを上げる経営が重要になっていく過渡期だと思っています。
故に物理的な空間を共有せずとも一緒に働ける在り方が重要だと考え、RevCommでは創業当初から「フルリモート」と「フルフレックス」を選べる形にしました。
先輩経営者からは真反対の意見をいただきました。「スタートアップ企業は部活動なようなもので、みんなで集まるからこそ組織カルチャーが生まれる」とアドバイスいただいていたのですが、感覚的には理解できても、ロジカルに腹落ちしませんでした。歴史的にみてもフルリモート・フルフレックスで一気に成長してその後も持続的に延びている会社は私が知る限りなかったので、おそらくこのアドバイスは正しいのだろうとも思いましたが、ブルーオーシャンなのでまず挑戦してみることにしました。
結果、コロナ禍でリモートワークにせざるを得なくなった2020年以降は、よりその効果を実感しています。さらに言えば、RevCommでは、コロナ禍において世間一般で起こったようなネガティブな影響は一切なかったと言えます。結果的に、スタートアップで「フルリモート」「フルフレックス」を実施できている企業は少なく、採用面でも優位に立てています。
方針はマクロのトレンドを見て決める
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