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生体認証システムおすすめ比較8選!選び方や事例

最終更新日:(記事の情報は現在から62日前のものです)
生体認証システムとは、顔や指紋、音声といった生体情報をもとに本人を特定できるシステムです。身体的な特徴を登録だけで済み、従業員のID管理の手間を抑えられるメリットがあります。本記事では、生体認証システムの特徴や選び方のポイント、おすすめ製品などを紹介します。

生体認証システムとは

生体認証システムとは、身体的な特徴から本人を判別できるシステムです。バイオメトリクス認証とも呼ばれています。生体認証で判別可能な身体的特徴としては、指紋や掌紋、顔、静脈、音声などの種類があります。

生体認証システムの仕組み

生体認証システムはあらかじめ装置に特定の人物の身体的特徴を登録すると、「テンプレート」と呼ばれるデータに変換されます。そして、登録時と認証時のテンプレート同士を照合することで、本人かどうかを判別する仕組みです。

生体認証システムのメリット・デメリット

生体認証システムを導入するメリットとしては、本人確認時の利便性が向上することです。パスワードやICカードを利用する必要がなく、自身の顔や指紋、音声などのみで認証を行えるため、本人確認の手間や工数を抑えられます。また、パスワードやICカードを紛失する恐れもないので、セキュリティを高められるのもメリットです。

生体認証システムのデメリットは、身体的特徴が変化するとエラーが発生しやすいことがあげられます。たとえば、眼鏡やマスクを着用したり、指に怪我をしたりすると、正確に認証できません。エラーが発生すると生体情報の再設定が必要なので、かえって手間がかかることも考えられるでしょう。

生体認証システムの種類

生体認証システムには次のような種類があります。それぞれの特徴や認証方法を詳しく解説します。

  • 顔認証
  • 指紋・掌紋認証
  • 静脈認証
  • 音声認証

顔認証

顔認証とは、目や鼻、口、輪郭といった顔のパーツによって本人を特定する生体認証の手法です。あらかじめカメラで特定の人物の顔を撮影し、AIがその特徴を解析します。そして、認証時に撮影した映像と照らし合わせて本人確認を行う仕組みです。

カメラで撮影すれば生体情報の登録や認証を行えるため、装置に触れる必要がなく、衛生的に使用できるメリットがあります。ただし、顔のパーツを細かく判別する必要があるため、高精度なセンサーやAI技術が搭載された製品を導入しなければならない点には注意が必要です。

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指紋・掌紋認証

指紋・掌紋認証とは、装置に指紋や掌紋をかざして認証を行う手法です。顔認証に比べて読み取る範囲が狭いため、スマートフォンやタブレットで手軽に認証手続きを行えるメリットがあります。また、顔認証に特化したシステムに比べ、低価格で導入できるのも利点です。

デメリットとしては、状態変化によるエラーが起こりやすいことがあげられます。手や指は気候や温度の影響を受けやすく、ほんの少しの状態変化で生体情報に適合しない場合があります。たとえば、乾燥によるひび割れや入浴後のふやけなどが代表的な状態変化です。

静脈認証

静脈認証とは、静脈の状態や動きから本人を特定する手法です。静脈は動脈に比べて皮膚に近い箇所を流れているため、装置によって容易に生体情報を読み取れます。一般的には、赤外線センサーを使って静脈の分布パターンを検知します。

静脈認証のメリットは認証精度が高いことです。ただし、赤外線センサーといった専門的な装置を導入しなければならず、コストがかさみやすい点には注意しましょう。

音声認証

音声認証とは、声色やトーン、調音などの情報から本人を特定する手法です。あらかじめ特定の人物の声を録音し、マイクを使って生体情報を照合します。

ほかの認証方法に比べて必要な装置が少なくて済み、導入コストを抑えられるのがメリットです。一方、別の人物でも声が似通るケースがあり、状況によっては認識精度が低くなる可能性があります。そのため、認証制度の低さを補完できる他の手法と組み合わせるのがおすすめです。

生体認証システムの選び方

生体認証システムを選ぶ際のポイントは次のとおりです。

  • 専用装置の有無
  • セキュリティ
  • 外部システムとの連携範囲

生体認証システムにはさまざまな種類があるため、複数の比較要素から検討を行い、適切な製品を選別しましょう。

専用装置の有無

生体認証の手法によっては、スマートフォンやタブレットだけで本人確認が完結する場合もあります。その場合、専用装置は必要ありません。

一方、静脈認証や音声認証の場合、赤外線センサーやマイクなどの装置の導入が必要です。装置の有無によって導入コストが大きく変わるため、どのような装置が必要か事前に検討することが大切です。

セキュリティ

生体認証システムを選ぶうえでセキュリティも重要なポイントです。仮に生体情報が外部に流出すると、システムの不正利用や不審者の侵入といった重大なトラブルに発展しかねません。

生体情報の流出を避けるには、IPアドレス制限やログ監視の機能も備えたシステムを導入するのがおすすめです。システムに対して不正な侵入があれば、IPアドレスやログから判別できるため、生体情報の流出を避けられます。

外部システムとの連携範囲

最後に、外部システムとの連携範囲もチェックしましょう。生体認証システムは、連携できる外部システムが増えることで活用シーンの幅が広がります。

生体認証システムと連携できるのは、入退室管理システム勤怠管理システムが代表的です。また、電子錠と連携してドアの施錠や解錠をシステム上で管理するのも良いでしょう。

生体認証システムのおすすめ8選

生体認証システムにはさまざまな製品が存在し、それぞれ特徴や強みが異なります。まずは現状の課題や導入目的を明確にしたうえで、最適な生体認証システムを選びましょう。

HPE IceWall

HPE IceWallは、日本ヒューレット・パッカード合同会社が提供している生体認証システムです。多要素認証とSSO(シングルサインオン)の機能が搭載されており、業務システムやアプリケーション、クラウドサービスの多要素認証化を実現できます。

ログオン時のIDとパスワードは1種類のみで充足するため、手間なく設定できるのが利点です。また、認証情報を一元管理できるIdP(Identity Provider)の仕組みも搭載されています。

FreeiD - DXYZ株式会社

FreeiDは、DXYZ株式会社が提供する、顔認証の機能に特化した生体認証システムです。システム上で顔の情報を登録すると、複数の認証システムで本人確認を行えます。複数の部署や支店で異なるシステムを稼働させる場合でも、状況に合わせてデバイスを選択できるのがメリットです。

また、クラウドサービスやアプリケーションで利用するIDを、一つの生体情報に統合できるのもFreeiDの強みだといえるでしょう。クラウドサービスやアプリケーションへのログオン時、顔を撮影するだけで認証手続きが可能です。

SmartSESAME PCログオン - 株式会社シーイーシー

SmartSESAME PCログオンは、パソコンの情報漏えい対策として開発された、株式会社シーイーシーの生体認証システムです。多要素認証に対応しており、生体情報に加え、ID・パスワードなどの知識情報やICカード・USBトークンなどの所持情報を組み合わせて認証を行えます。

スタンドアローン版のプランを選択すると、パソコンのみでシステムの構築が完結するため、専用の装置を導入する必要がありません。また、顔認証機能を利用する際は、既存のWebカメラと連携できるのも利点です。

docomo business RINK IDaaS - エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

docomo business RINK IDaaSは、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社が提供している生体認証システムです。多要素認証やSSO、アクセス制御などの機能が備わっており、クラウド上で一元的なID管理を行えます。

SIEM(Security Information and Event Management)システムと連携できるのもポイントです。SIEMシステムとは、プロキシやファイアウォールから取得できるログデータを組み合わせ、相関分析を行える製品で、サイバー攻撃やマルウェアなどの検知に活用できます。

Capy FIDO生体認証 - Capy株式会社

Capy FIDO生体認証は、Capy株式会社が提供している生体認証システムです。FIDO Alliance社によって制定されたFIDO(Fast Identity Online)の認証を取得しており、国際標準規格に則って安全に生体認証を行えます。

モバイル端末での生体認証に対応しているため、専用の装置を導入する必要がありません。そのため、導入コストや運用コストを最小限に抑えたい場合におすすめです。また、Web APIやJavaScriptを活用することで、既存のWebサイトに生体認証の仕組みを容易に実装できます。

ぱすとり - KDDIデジタルセキュリティ株式会社

ぱすとりは、パスワードからの解放をコンセプトとした、KDDIデジタルセキュリティ株式会社が提供する生体認証システムです。顔認証または指紋認証のみで本人確認を行えるため、パスワード管理からの脱却を図れます。また、ショルダーハッキングやブルートフォース攻撃など、パスワードを狙った攻撃を防げるのも利点です。

料金形態は、端末ログインとSaaSの認証に対応したエンタープライズプランと、SaaSの認証に特化したスタータープランの2種類に分かれています。クラウドサービスに生体認証の仕組みを採り入れる場合、スタータープランを選択することでコスト削減が可能です。

Digital Persona SDK - 株式会社ヒューマンテクノロジーズ

Digital Persona SDKは、株式会社ヒューマンテクノロジーズが提供している生体認証システムです。指紋認証に特化しており、専用のソフトウェアと指紋リーダーを同時提供しています。

パソコンやPOSレジ、レセプトコンピュータといった物理的な端末に実装できるほか、勤怠管理システムや顧客管理システムといったアプリケーションにも対応しています。独自の指紋リーダーにはシリコンラバーが付いており、乾燥や手荒れなど本来は認識しにくい指の状態でも、正確に認識できるのが強みです。

bitlock PRO(ビットロックプロ)powered by workhub - 株式会社ビットキー

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bitlock PRO(ビットロックプロ)powered by workhub 顔認証オプションは、株式会社ビットキーが提供している生体認証システムです。入退室管理システムと生体認証システムがセットになっており、オフィスや会議室、生産現場などのドアに直接設置できます。サムターン型の電子ロックを採用しているため、工事不要で手軽に設置できるのが利点です。

また、役職や業務内容、雇用形態に応じて解錠方法を細かく設定できます。設定できる条件は12種類あり、運用実態に則って最適なアクセスコントロールが可能です。

生体認証システムの活用事例

生体認証システムを導入する際は、他社の活用事例を参考にすることをおすすめします。現状の課題を近い事例を参考にすることで、生体認証システムの具体的な活用方法が見えてきます。

株式会社リコー

株式会社リコーは、複写機やレーザープリンターなどを開発・販売するメーカーです。DX実現のための価値創出拠点「RICOH BUSINESS INNOVATION LOUNGE TOKYO」を移転・拡大するに伴い、施設内の高度なセキュリティを確保できるよう、顔認証による入退室管理の仕組みを導入しました。

これまではICカードを用いて入退室管理を行っていましたが、数万人の従業員の個人情報を管理するためには膨大なコストや手間がかかります。一方、顔認証システムであれば顔の情報を登録するだけで本人確認でき、管理工数の削減が可能です。結果として、顧客とのコミュニケーション促進という同拠点におけるコア業務に注力できる環境が整っています。

出典:SECURE Case「スタイリッシュな空間に融合した「先進性と拡張性」を重視した入退室管理システム」(2025年2月14日閲覧)

株式会社Warranty technology

株式会社Warranty technologyは、修理や補修といった保証関連業務をワンストップで受託する企業です。同社は福岡県に新設したコンタクトセンター向けに、顔認証に特化した生体認証システムを導入しました。

コンタクトセンターでは多数の個人情報を扱っているため、高度なセキュリティが欠かせません。従来は非接触カードとビル警備システムでセキュリティ対策を行っていましたが、生体認証システムに切り替えることで、カードの紛失や置き忘れなどのリスクを抑えることに成功しています。

出典:FreeiD 導入事例「FreeiD(フリード)の顔認証システムが株式会社Warranty technologyの福岡コンタクトセンターに導入」(2025年2月14日閲覧)

生体認証システムでセキュアなオフィス環境を構築しよう

生体認証システムを導入すると、顔や指紋、音声など、生体情報を使って本人確認を実施できます。IDやパスワード、ICカードなどを利用する必要がなく、身体的な特徴を登録するだけで利用できるのが利点です。そのため、オフィスの入退室管理やクラウドサービスのアクセス管理など、さまざまなシーンで活用できます。

ただし、生体認証システムには数多くの種類があり、製品ごとに特徴が異なります。そのため、まずは現状の課題を認識し、適切な課題を設定したうえで製品選びに取りかかることが重要です。本記事で紹介した選び方のポイントやおすすめ製品を参考に、最適な生体認証システムを選んでみてください。

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