地銀も在宅勤務制度導入へ、メリット・デメリット・事例について徹底解説

テレワークの一種である在宅勤務は自宅で仕事ができるので、仕事と家庭の両立を目指す方に合っている働き方です。 大手企業を中心に在宅勤務制度が導入され始めていますが、まだ手探りで制度を進めている会社も多く、職種によって利用率も違います 。社員と企業の視点から在宅勤務のメリットとデメリットを説明し、大企業で導入されている例を紹介します。

地銀も在宅勤務制度導入へ、メリット・デメリット・事例について徹底解説

群馬銀行、8月1日から在宅勤務制度導入へ

群馬銀行は柔軟な働き方により、生産性を向上させることを目的に、8月1日から在宅勤務制度を導入することを発表しました。本部行員は、週2回月10回まで、支店行員は勤務日の朝7時から出勤時間まで、および退勤時間から21時までの時間帯で1日4時間以内で在宅勤務が可能だといいます。

銀行というと在宅勤務制度とは程遠いイメージがありますが、このように近年少しずつ在宅勤務制度が普及してきています。

本記事ではそもそも在宅勤務制度とは何なのか、テレワークとの違いは何か、メリット・デメリットなどについて詳しく解説していきます。

在宅勤務とは

在宅勤務とはメールや電話、社内SNSを活用して、職場ではなく自宅で仕事をする働き方のことで、「時間や場所にとらわれない柔軟な働き方」として、従業員側と企業側両方からニーズが高まっています。

オフィス勤務と併用する場合も多く、在宅勤務の利用は個人の状況や企業の方針によって異なります。

在宅勤務とテレワークの違いとは

「在宅勤務」はテレワークの一種です。混同されがちですが、テレワークには「在宅勤務」、「モバイルワーク」、「サテライトオフィス」の3種類の働き方があります。

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中でも在宅勤務は、仕事場所を自宅に限定された働き方です。

在宅勤務導入の現状

政府が推進する「働き方改革」の中で、柔軟な働き方がしやすい環境整備として在宅勤務を含むテレワークが推進されています。

しかしテレワークの導入率は、2015年の16.2%に対し、翌2016年には13.3%に減少しています。

総務省:平成29年版情報通信白書

またテレワーカーの中で在宅勤務は16.9%、モバイルワークやサテライトオフィスも決して高くはなく、ニーズが高い一方で、利用率は低いことがわかります。

テレワークは「ちゃんと働いているのか」確認することが難しく、目に見える場所で働いて欲しいという上司が多いことも事実です。

従業員からの需要は高いものの、テレワークは育児中や介護中、通院中の従業員に限っている企業も少なくありません。特別な理由がある場合に限って許可制で利用する働き方のままでは、テレワークの利用率は中中上がらないのではないでしょうか。

国土交通省:平成29年度 テレワーク人口実態調査

政府ではテレワーク導入企業を増やす施策の一つとして地域IoT実装推進ロードマップ
を公表。IoTを普及させ地域活性化を目指すとしています。

在宅勤務のメリット

在宅勤務はメリットが大きく、企業側・従業員側双方からニーズが高い働き方です。ここからは政府も推進する在宅勤務のメリットを説明します。

家庭との両立

在宅勤務は、仕事の合間に育児や介護、家事などができるのが大きなメリットです。

育児休業育児休業を早めに切り上げて働くこともでき、キャリアを中断しなくてもよいので、家庭と仕事を両立して働けます。しかし仕事の合間に家のことをするのは、予想以上に大変です。そのため効率的に仕事をするように努めるので、タイムマネジメントのスキルも上がります。

通勤時間のカット

アットホームの調査によると、日本人の平均通勤時間は片道58分で、1日往復2時間近くを通勤に使っています。その点では、在宅勤務は通勤時間分がプライベートに費やせることになり、従業員にとって大きなメリットです。

特に多くの企業が集まる大都市圏では通勤時の電車は混雑しており、そういった電車に乗車するストレスも、在宅勤務にはありません。身体的また精神的にもストレスが軽減されることで、生産性の向上も期待できます。

離職しなくてもいい環境

出産や育児、介護などで、職場に通うことが難しくなることもあります。そのようなときに在宅勤務であれば、休職や退職しなくても仕事を続けられます。会社にとってもベテラン社員を失わないので、変わりの社員の採用や教育コストが削減できます。

また近年、治療と仕事を両立するニーズが高まっていますが、在宅勤務を導入することで、通院の時間を作れます。

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居住地による制限を受けない

在宅勤務は自宅で仕事ができるので、会社の近くや都市部に住む必要がありません。パートナーが転勤した場合も、家族の働き方に合わせながら仕事を続けられます。

そのうえ地価の安い地方に住んで都市部の会社に勤めることは、働く側にとっても経済的メリットがあります。また企業にとっては、優秀な人材を遠隔地から採用できるため、採用の幅が広がるというメリットがあります。

在宅勤務のデメリット

在宅勤務の働き方は、一部企業での実施に留まっています。

運用にいくつかの問題点があり、制度化するにあたって“壁”となるデメリットについて説明します。

曖昧な労働時間

仕事の合間に家事ができる反面、仕事とプライベートの線引きが曖昧になることがあります。

仕事の合間に家事や育児をすると、労働時間が細切れになって集中できず、結果として夜も仕事をするなど長時間労働となり、生産性が下がる可能性があります。そのため自宅での労働時間とプライベートの線引きには、就業時間を自己管理するなど、働く側に自立性が問われます。

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結果のみで評価する環境

仕事をしている姿を上司が直接見ないので、「成果」だけで評価される可能性があります。顧客対応や後輩指導、目標を達成するまでの過程など、通常であれば評価に反映されることも、在宅勤務では含まれません。在宅勤務は、オフィス出社の勤務と比べると、評価の機会が少ないのです。

あくまでも「成果」のみで評価されるので、在宅勤務者の中には、ちゃんと仕事をしているのか疑われることが不安で、つい働きすぎてしまう人もいます。

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不十分なコミュニケーション

同じ空間で仕事をしないので、直接顔を合わせる機会がなく、十分なコミュニケーションの時間を確保できません。

コミュニケーションが少ないとお互いに一定の距離を感じてしまい、本音が言えず意見が言いづらい関係性ができてしまいます。そのため、確認に時間がかかったり、意思疎通に問題があったりして、生産性が落ちる可能性があります。

「間違っても大丈夫」と思えず、ビクビクして上司の意向ばかりを伺うようでは、「心理的安全性」を確保できません。そうすると指示どおりに仕事ができても、より品質の高い成果物に挑戦したり、生産性を上げたりするための改革をしようとしたりはしません。社員の自己成長を会社の生産性につなげるためにも、適切なコミュニケーションをとって、心理的安定性のある関係を築くことが必要です。