ネットワーク監視とは?必要性・監視対象・項目・方法の種類 - システム比較も
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ネットワーク監視とは
ネットワーク監視とは、ネットワークが何らかの原因でダウンしたり、性能が著しく低下したりしていないかを監視することです。ネットワークの管理責任者を設けて監視することが多く、近年ではネットワーク監視システムの導入も進んでいます。
ネットワーク監視の必要性
ネットワーク監視は、レスポンスの悪化を防いだりネットワーク障害時の早期復旧をしたりする重要な役割を果たします。ネットワーク監視を導入することで、トラブルが発生する前の段階で解決を図る目的です。
障害の早期復旧は当然として、ネットワークのダウンやレスポンスの悪化が発生しないような体制を前もって整える必要性が出てきました。
ネットワーク監視が重要な理由
ネットワーク監視を導入することで、ネットワーク障害の予防や検知、早期復旧だけでなく人的コスト削減や管理コストの削減にもつながるため、企業にとって非常に重要なサービスとなってきます。
ネットワーク障害が発生すると、長時間ネットワークを利用できない可能性もあるため、大きな損失になりかねません。企業の情報を動画や音声として配信するケースが増えてきており、電話や書面のやり取りが主だった時代と比べて、たった数時間のネットワークトラブルが致命的になりうるのです。
ネットワーク監視の対象
ネットワーク監視をする対象は、大きく分けて次の4つが挙げられます。
- ハードウェア監視
- サービス・プロトコル監視
- トラフィック監視
- TRAP監視
それぞれ何を監視対象とするのか、詳しく解説します。
ハードウェア監視
ハードウェア監視は、監視対象機器のCPU使用率、メモリ使用率、ハードディスク使用率、プロセス数、ネットワーク使用状況などが対象です。性能や環境なども監視対象になります。
サービス・プロトコル監視
サービス・プロトコル監視は、インターネット上で提供されているサービスを対象としています。Webサイトがダウンしていないか、サービスに異常が出ていないかなどを監視します。
トラフィック監視
トラフィック監視は、サーバーやネットワーク機器のトラフィック量を監視し、停止や遅延が発生していないかを確認します。
TRAP監視
TRAP監視では、監視しているネットワーク機器に障害や故障を含む問題が発生した場合に通知される「TRAP」の発生有無を監視対象としています。このTRAPを監視することで、異常が起こっていないかどうかを確認可能です。
ネットワーク監視の主な監視項目と方法
ネットワーク監視の監視項目としては、主に「死活監視」「遅延監視」「経路監視」「状態監視」の4つに分類できます。これらはどれもネットワークの稼動状況を監視して、障害や性能の低下が発生する前に原因を発見して解決をはかることを目的としています。
大まかには下図のようなイメージになりますが、企業によって監視するネットワーク範囲や対象とする機器に違いが出てきます。
死活監視
死活監視とは、ネットワーク監視では最も基本的かつ重要な監視項目です。サーバーやその周りのシステムが正常に動いているか、外部から継続して監視することをいいます。
ネットワークを利用するユーザーにとって、まずは欲しい情報を与えてくれるサーバにきちんと辿り付けるかどうかが大前提であるとも言えます。死活監視はそのサーバーの役割をもつコンピュータを含めたシステムについて、継続してきちんと稼動しているかを外部から監視します。安定したネットワーク環境を維持することが狙いです。
具体的な方法として、ネットワークを通して定期的に特定の信号を送り込み、応答を確認するのが一般的です。ただし、死活監視では対象とするネットワークが正常に稼動しているかどうかを調べるのみであり、内部の状態まで精査することはありません。
遅延監視
サーバやネットワークが正常に稼動していたとしても、レスポンスに時間がかかってしまう場合があります。ユーザーはアクセスに時間がかかってしまうことによりストレスを感じますし、目的の情報になかなかたどり着かないと途中で離脱してしまうかもしれません。特に動画や音声を利用したプロモーションを行っている企業サイトでの遅延の発生は、大きな損失をもたらしかねません。
遅延監視はそういったネットワークからのレスポンスに遅延トラブルが発生していないかどうかを監視します。具体的には、アクセスに対する反応にかかった時間の変化をグラフ化する方法をはじめ、レスポンスの遅れが定常的なものかどうかを判断します。
経路監視
たとえネットワークに問題がなかったとしても、そこを利用するトラフィック(データ量)が集中してしまうと結果としてレスポンスが遅くなってしまいます。
場合によっては、アクセスそのものができなくなってしまうケースもあります。そこでネットワークを利用しているトラフィックも監視の対象となります。いわば、高速道路の混雑状況を把握するためのトラフィックカウンターや、渋滞を確認して管制センターに連絡をする交通管理隊のような役割が必要とされるわけです。
具体的にはサーバーや周囲のネットワーク機器のトラフィックを常時監視しておき、問題が発生してもすぐに対応策を取れるような体制を整えます。
状態監視
ネットワーク内にある機器の状態をなるべく詳細に監視します。ネットワークの状態が健全でも、サーバーやその他のネットワーク機器の状態に問題があればサービスが利用できなくなってしまうこともあるからです。
状態監視では対象とする危機のCPUやメモリの状態、ハードディスクの使用状況といったさまざまなリソースを監視します。それによって異常や障害が発生する前の段階で問題を特定、解決を図ることを狙いとしています。
異常が検出された際には当該機器の診断を実施し、異常検出箇所を切り分けることによって被害を最小限に抑えるといった対策をとるケースが多いです。その後リモートで復旧措置を実施したり、技術者を派遣したりして復旧を行います。
ネットワーク監視サービス比較
具体的なネットワーク監視サービスを、サービスごとの特徴とともに比較していきます。
また、こちらの記事でもネットワーク監視ツールを紹介しているので、あわせてご覧ください。
DARKTRACE Enterprise Immune System - 株式会社サムライズ
- 導入の手間が少ない
- 事前の定義設定は不要
- 未知の脅威の検出・防御
DARKTRCE Enterprise Immune Systemは、事前の定義設定は不要で導入の手間がかからないサービスです。人間の免疫システムをサイバーセキュリティに応用し、ネットワークに接続された機器の挙動を管理し、通常と異なる動きを検知することにより、新種、亜種などの未知の脅威による被害を視覚化することを可能にした自己学習型の製品です。
System Answer G3
- 障害時アラートメール・電話機能
- サーバ応答時間を専用ページで一覧
- クラウド系の監視パッケージも有り
システムアンサーは、SNMPやAPIなどの情報通信技術を用いて、ネットワーク性能監視システムを行うソリューションです。クラウド系の監視は「System Answer RS」を用いて行えます。システム応答時間のチェックはスマートデバイスでも可能です。エージェントを使用せずに、低負荷で動作し、広範囲のネットワークを監視します。
Zabbix
- インシデント発生時に手順書に基づき対応
- Zabbixによるネットワーク監視
- DBサーバの冗長構成化などもサポート可
ザビックスは、サーバ運用を、365日代行する監視システムです。夜間や休日のみのスポット契約も可能。人的リソースの配置効率上昇や、急な事業拡大にも柔軟な対応ができます。あらかじめ対応手順を打合せておき、インシデントやアクシデントの発生時には、打合せに沿った対応を迅速に行います。
ネットワーク監視の重要性を理解しよう
インターネットが私たちの生活だけでなく、あらゆる分野のビジネス環境にも定着してから、安定したネットワーク環境を構築・維持することが企業にとって非常に重要な課題になってきました。特に商業サイトを運営している企業は、ネットワークに問題が起こることによって大きな機会損失を被るだけでなく信用問題へと発展しかねません。今や、ネットワーク障害はそれぐらい深刻な被害を引き起こす可能性のある問題なのです。
ぜひ本記事を参考にネットワーク監視についての理解を深めつつ、実際に問題が起きる前に解決できるような体制を整えておきましょう。まずは基本的な監視サービスの導入から検討してみてはいかがでしょうか?
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