サーバーレスアーキテクチャとは?AWS Lambdaの機能・メリット・仮想サーバーとの違い
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サーバーレスアーキテクチャとは
サーバーレスアーキテクチャとは、サーバーの構築や管理の必要がないアプリケーション実行環境のことです。
SNSやIoTが常識となった現在でも、Web上のサービスやアプリケーションの裏側ではサーバーが動いています。サーバーの運用がオンプレミスから、Amazon EC2のようなクラウド上の仮想サーバーとなっても、依然としてサーバーの構築や管理は続いています。
しかし、小さなイベントに反応してコードを実行する、スクリプト実行環境であるサーバーレスアーキテクチャであれば、さまざまなサービスを組み合わせることによって、サーバー保守は不要で、コスト面でも大きなメリットを享受できる可能性があります。
サーバーレスアーキテクチャの代表的なサービスは、AWSが提供する「AWS Lambda(ラムダ)」です。Lambdaの登場以降、競合となる企業もサーバーレスアーキテクチャの開発を進め、現在ではさまざまなサービスが登場しています。グーグルが提供する「Google Cloud Functions」、マイクロソフトが提供する「Microsoft Azure Functions」などがその代表例です。
AWSのLambda(ラムダ)とは
サーバーレスアーキテクチャという言葉を有名にしたのがLambdaです。Lambdaは、「Lambda関数」というスクリプトを実行することにより、紐付けられたAmazon S3 / SES / DynamoDBなどのサービスを動作させ、サーバーレスアーキテクチャ環境を提供するサービスです。
Lambdaの機能
スクリプト実行のために登録されたアプリケーションを持つLambdaは、リクエストがあった場合、即座にアプリケーションをロードして連携された他のサービスへのスクリプトを実行し、処理が完了すると終了します。
Lambdaのメリット
Lambdaはその機能のため、サーバーを必要としません。そのため、時間と回数で課金されるLambdaは、常時起動の仮想サーバー環境に比べ、場合によっては90%以上のコストカットというメリットもあり、状況に応じたスケールアップも気にする必要がありません。
Lambdaのデメリット
Lambdaはサービス開始から日が浅いことから、使用できるプログラミング言語が限られているなどの制限が少なくありません。
また、リクエストに対して複雑な処理を必要とする場合、多数のイベントを起動する必要があるため、リソースの制限や制御が難しいなどのデメリットもあります。
サーバーレスと仮想サーバーの違いは
Amazon EC2は、従来のオンプレミスサーバーなどをクラウド上の仮想マシンに置き換えた、AWSが提供する仮想サーバー環境です。仮想といっても、ハードウェアが見えないだけでオンプレミスサーバーとほぼ同じ環境を提供します。
EC2の機能
EC2は仮想サーバーのため、基本的にはOSが用意されているだけです。そのため、プログラムを実行するには、ミドルウェアやアプリケーションのインストール/各種設定などが必要ですが、従来からのサーバーと同様の機能を持っています。
EC2のメリット
Amazon EC2は、管理者がシステム構築を行うことにより、用途に応じた自由度の高いシステムが実現し、多数のプログラミング言語に対応した開発環境と、複雑なアプリケーション開発が可能というメリットがあります。
EC2のデメリット
常時サーバーを起動しておく必要があるため、時間による課金となるAmazon EC2はコスト面で不利になります。また、ハードウェア面での管理は多少軽減されますが、システムの監視・管理といった保守は必要であり、デメリットといえるでしょう。
サーバーレスアーキテクチャと仮想サーバーの違いは?
サーバーレスアーキテクチャを採用したAWS Lambdaと、従来のサーバーを仮想化したAmazon EC2では、機能やコスト、保守などの運用面で大きな違いがあります。
AWS Lambdaにはセキュリティ面でのメリットもありますが、運用するにあたって、それぞれのメリット/デメリットをそのまま受け止めていいのかというと、一概にはいえない部分もあります。
用途に応じてシステム内容をしっかり把握しておく必要はあるでしょう。
サーバーレスアーキテクチャの可能性を見極める
ここまで解説してきたように、仮想サーバーとサーバーレスアーキテクチャには大きな違いが存在します。
リクエストがあった場合だけ起動・実行を行い、その間のみの課金がされるサーバーレスアーキテクチャは、コスト面で有利になる場合が多く、リクエストが集中する時間が見えなかったり、リクエスト自体が多くない場合は大きなメリットがあるでしょう。
反面、複雑なプログラムの実行が必要な場合、サーバーレスアーキテクチャでは対応言語が少なかったり、多数のイベントを起動する必要があることから、オーバーロードを起こしてしまう場合があり、こうしたケースでは仮想サーバーの方が向いているともいえます。
しかし、サーバーレスアーキテクチャのサービスは、これからも進化していく余地を多く残しており、将来的に大きな可能性を秘めています。
使用用途を明確にし、その可能性を見極めながら運用を検討していくことが重要です。
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