IaaSとは?サービス比較おすすめ12選 - 導入メリット・デメリット

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IaaSとは
IaaS(Infrastructure as a Service)とは、OSやサーバー、ストレージ、ネットワークなどの、ハードウェアやインフラを提供するクラウドサービスのことを意味します。「アイアースや「イアース」と読み、日本語訳は「サービスとしてのインフラ」です。
クラウドサービスとは、手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由でサービスとして利用者に提供するものです。クラウドサービスにはIaaSのほか、PaaSやSaaS、HaaSといったものもあります。
クラウドサービスに関して知りたい方は、次の記事をご覧ください。
PaaS、SaaS、HaaSとの違い
IaaS、PaaS、SaaS、HaaSはそれぞれ意味が異なり、クラウドサービスとして果たす役割も異なります。「〜aaS」という言葉は多いため、それぞれの違いを理解しましょう。
PaaSとは
PaaSとは「Platform as a Service」の略で、システム開発領域をターゲットにするクラウドサービスです。PaaSは、「パース」と読みます。
コンピュータ上で利用するアプリケーションを実行するための基礎部分を、インターネットを通じて提供するものです。
SaaSとは
SaaSとは「Software as a Service」の略で、従来はパッケージとして提供されていたアプリケーションを、インターネット上で利用するために提供するクラウドサービスです。SaaSは、「サース」と読みます。
HaaSとは
HaaSとは「Hardware as a Service」の略で、サーバやストレージ、ネットワーク回線といったシステム構築に必要なハードウェアを提供するクラウドサービスのことです。HaaSは、「ハース」と読みます。HaaSはIaaSの前の呼び方だったと言われています。
次の記事では、「〜aaS」に関する内容を紹介しているので、ぜひご覧ください。
ホスティングサービスとの違い
IaaSとホスティングサービスとの違いは、クラウドサービスにはサーバーの必要がないということです。他にも料金やサーバー作成の自由度、サーバーの作成スピードが挙げられます。
ホスティングサービスとは、サーバの利用者がサーバの運営・管理をしなくてもいいように、有料または無料でサーバ機のHDDの記憶スペースや情報処理機能が利用できるサービスです。
ホスティングについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
IaaSサービス比較おすすめ12選
IaaSのおすすめ13サービスを紹介します。IaaSのサービスはいくつも種類があるので、それぞれのサービスを比較し、より適したサービスを選ぶための参考にしてください。
Azure IaaS
- 最既存のWindows環境をクラウドに移行しやすい
- Windows以外のさまざまなOS、DB、開発言語にも対応
- 12か月無料、22,500円分無料、いつでも無料のサービスがある
Azure IaaSは、可用性が高く仕事に適応できる幅が大きく、安全なクラウドインフラストラクチャを活用できます。また、料金形態は分単位の従量課金であり、使用したリソースの分だけ支払いで済むのもメリットです。
Microsoftが提供していることから、Microsoft製品・サービスであるActive DirectoryやOffice365と連携しやすい点が大きなメリットです。
Amazon Web Services(AWS)
- 日本国内で10万社以上の導入実績
- 毎月750時間分のインスタンスが無料利用可能
- 料金は従量課金制で利用した分だけ支払う
Amazon Web Serviceは、ビジネスのニーズを満たすのに役立つ信頼性の高いクラウドベースのソリューションを提供しています。世界各地でリソースを提供しており場所の制限を受けないため、あらゆる顧客にソリューション提供ができるでしょう。
料金形態は従量課金であり、秒単位です。グローバルでも国内でもシェア1位を誇り、APIが充実しているため、運用管理を自動化しやすい特徴があります。
Z.com Cloud
- コールセンター業務も提供
- Eコマース運用にも適したサービス
- 課金プラットフォーム「KaKing」と連携
Z.com Cloudは、クラウド導入から設定、運用・カスタマーサポートまでをワンストップで提供しているサービスです。
自社システムをクラウドに移行、大容量動画配信システムの制作、DBを設置してビッグデータを処理など、ビジネスに欠かせない基盤を整備できます。共有サーバと占有サーバの両方が構成可能です。
S-Port Cloud Vシリーズ
- 物理サーバから仮想サーバへの移行扶助
- CPU最大4コア、追加メモリ32G
- データセンターと接続可能
S-Port Cloud Vシリーズは、Linux・Windows上でVMwareを使用し、仮想アプライアンスによるクラウドサービスのBPOを行うIaaSです。データセンターと接続し、パブリッククラウドに移行することで管理コストの削減を図れます。
10台までのロードバランサを備えており、運用監視オプションや、SSL証明書発行アドオンを利用できます。初期設定は迅速で、5営業日以内で導入可能な点が魅力です。
IDCFクラウド
- 最小構成月額500円から開始可
- WordPress対応
- SSDも使用可能
IDCFクラウドは、リモートアクセスVPNやPush配信(サーバからユーザローカルにデータ送信)のオプションを有し、WebサーバとしてもDBサーバとしても利用できるクラウドサーバーのIaaSです。
ネットワーク・アプライアンスとしてはSSDなどのフラッシュディスクも使用できます。無料通信容量はサービスによりますが、サーバーあたり3T〜4Tの転送量が目安となっています。
VDC PRO
- サービス品質保証(SLA)99.99%
- 管理画面アクセスIP制限
- 詳細なセキュリティ設定が可能
VDC PROは、ハイブリッドクラウドをワンストップで提供するサービスです。VMwareと統合脅威管理機器「FortiGate」を組み合わせることで構築されています。
仮想アプライアンスの設定、カスタマイズも可能です。高可用性クラスタによるサーバの採用により、障害発生時のダウンタイムを最小化できます。
VPManageServ.(VPMS)
- 障害時、代替アプライアンスに自動切り替え
- マイクロセグメンテーション
- クラウドとオンプレミスの柔軟な共存
VPMSは、クラウドもオンプレミスも複合して扱えるハイブリッドクラウドです。プライベートネットワークも自由に構成可能。ネットワークを小さな区分に分けることでセキュリティ性を高めています。サーバー性能は必要に応じて選択できます。
JGranz IaaS(ジェイグランツイアース)
- VMwareによる構成
- 共有サーバーと占有サーバーを選択可
- 自動バックアップサービス
ジェイグランツイアースは、「ティア4」のサービスレベルを備えたデータセンターで運用するIaaSです。利用するには、3か月以上の契約期間が必要なので注意しましょう。
エンドユーザの可用性99.99%以上かつ、高レベルでのシステム冗長化を行い、耐災害性のあるプライベートクラウドを安価で実現できます。占有サーバー環境では約3TのHDD・256GBのメモリ構成も可能です。
ニフクラウド
- 大規模オンラインゲームへの採用実績
- DBの自動バックアップ・定期ジョブ実行
- @nifty法人IDで簡単ログイン
ニフクラウドは、VMwareを基盤とした国産のパブリッククラウド・サービスです。サーバー構成は自由に増設でき、柔軟な環境の構築が可能です。
ストレージや、「複数サーバーに加重ラウンドロビン方式(優先度順に送信先を振り分ける方法)で負荷分散」というPaaSも提供されます。
Bit-isle Cloud(ビットアイルクラウド)
- ロードバランサの監視ポート数上限なし
- アプライアンスにSSDを選択可能
- 仮想化時に追加処理は不要
ビットアイルクラウドは、データセンターや他社パブリッククラウド、オンプレミス環境と接続できるハイブリッドクラウドを提供するIaaSです。
ベアメタルクラウド(初期化された専用アプライアンスを用いたサーバー)を選択可能で、セキュリティ設定やOS・ミドルウェア運用を自由に行えます。「ビットアイルCONNECT」というレイヤ3接続サービスも利用できます。
HPE SimpliVity/Synergy
- 常時圧縮と重複削除機能
- サーバー台数を増加しても省スペース
- 60秒未満で1TBの仮想マシンをリストア
HPE SimpliVity/Synergyは、データをミニマムな状態で取り扱い、ストレージへの効率的なアクセス・運用が可能なHCIサービスです。
HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)は、仮想アプライアンスにサーバーコントロール機能とストレージ機能の両方を持たせた仕組みで、省スペースで多数のサーバーを併用できることが利点の一つです。
また、サーバー運用においては設定変更時のリードタイムが必要ですが、このサービスではテラバイト・オーダーの容量に対して短期間で再設定を実行できるため、迅速なトラブルシューティングが可能となります。
Hyper Cloud(ハイパークラウド)
- VPSまたは共有サーバーで運用
- 使用アプライアンスは自由に組み合わせ可
- ブラウザからのフルコントロール
ハイパークラウドは、国内のデータセンターを利用したパブリッククラウドのIaaSです。現在はVPSと共用プランのみですが、専有やハイブリッド型の提供も計画されているようです。新しくサーバーを作成開始後、最短100秒程度でサーバー設定が完了するため、柔軟なトラフィック・コントロールが可能です。
IaaS導入のポイント
IaaSを導入する際に意識したいポイントは次の3つです。それぞれのサービスの特徴を理解したうえで、比較しましょう。
長期的な運用コスト
IaaSは利用時間による従量課金制が多いものの、時間単位はベンダーによって異なります。一般的にIaaSは、一度導入すると長時間利用する場合が多いです。そうすると時間あたりでは小さな料金の差が、月間や年間で考えると大きな差になり得ます。
時間あたりの料金を単純比較するのではなく、月間や年間といった中長期の目線で料金を比較することが大切です。
利用形態の柔軟性
利用容量の変更のスピードやオプションのバリエーションといった利用形態に注目しましょう。さらに、今後はクラウドとオンプレミスを組み合わせた利用形態であるハイブリッドクラウドの導入が増加するでしょう。
そのため、ハイブリッドクラウドに変更する可能性があることも念頭に置いておきましょう。
セキュリティと安定性
導入するIaaSがどのようなセキュリティ基準に沿っているのかを確認しましょう。過去の稼働実績を見ることで、安定稼働できる環境なのかチェックできます。
サーバー本体についてユーザー側のメンテナンスは必要ありません。そのため、データセンターの所在地や複数の拠点に分散しているかを確認し、災害の発生時でも安定して稼働できるか知っておきましょう。
IaaS導入のメリット
IaaSを導入することで、次のようなメリットがあります。メリットを理解し、サービス導入を検討しましょう。
コスト削減
ユーザーは、自社で環境を構築せずにサーバーやソフトウェアといったインフラを利用可能です。面倒な作業がなくなり、導入後の管理作業もベンダーに任せられるためコストの削減につながるでしょう。
また、サービスの使用料金は従量課金であり、サーバーの利用時間やトラフィック量などに基づいて決まるため、無駄なコストが発生しにくくなります。
自由に環境を構築できる
IaaSではシステム構築に必要なインフラのみを借りるため、ユーザー側は任意のプラットフォームやアプリケーションを入れられます。自身にあった環境を構築できる点は大きなメリットです。
状況に応じた運用が可能
IaaSは、遠隔地のデータセンターにシステムやデータを預けることで自動的にバックアップがされています。そのため、IaaSを導入することでBCP対策になるでしょう。
企業が取り組むべきBCP対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。
IaaS導入のデメリット
IaaSには魅力的なメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットも把握したうえで、サービスを導入しましょう。
専門知識が必要
IaaS導入後のOSのインストールといった作業は、自らの力で行わなければいけません。IaaSはハードウェア部分のみを貸し出すサービスであるため、導入後の作業には専門知識が必要とされます。
ユーザーの自由度が高い反面、このようなデメリットがある点に注意しましょう。
インターネットがないと利用できない
IaaSはインターネットにつながっていることが前提とされるサービスゆえに、インターネットがない場所では利用できません。
インターネットネット環境が常に整っていれば大した問題ではありませんが、急遽外出しないといけないときやネット環境に不具合が起きたときに困ります。
不正アクセスの可能性
IaaSは作成したアカウントでサービスにログインし、サービスの提供を受ける形式です。IDとパスワードが第三者に知られた場合、利用中のサービスにアクセスされるといった、なりすまし被害に遭う危険性があります。
ベンダーが対策を取っているものの、100%安全とは言い切れない点を覚えておきましょう。
IaaSを導入し、クラウドサービスを使いこなそう
IaaSのサービス紹介、比較ポイント、メリット、デメリットについて紹介しました。クラウドサービスはIaaSだけでなく、PaaSやSaaSもあり用途によって使うものは異なります。
本記事でIaaSについて理解を深められたら、次はPaaSやSaaSについても理解しクラウドサービスを使いこなせるようになりましょう。
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