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サーバーとは?初心者でもわかる種類や役割、知っておきたいIT用語

最終更新日:(記事の情報は現在から370日前のものです)
サーバー(Server)とは、サービスを提供しているソフトウェアやその機能が稼働しているコンピュータを指します。サーバーの役割は、ネットワーク上でクライアントが求めるサービスを提供することです。種類もたくさんあり、覚えるのは大変かもしれませんがサーバーごとの役割を理解しましょう。

サーバーとは

サーバー(Server)とは、サービスを提供しているソフトウェアや、この機能が稼働しているコンピューターのことです。Serverは「Serve(提供する・与える)する者」といった意味があり、IT業界においては「情報を提供するコンピューター」と定義づけられます。

サーバーはイメージ図のように、ユーザーの要求(リクエスト)に応じて、データの保存や求められたデータの提供といった応答(レスポンス)をするのが役割です。サーバーはWebページ閲覧やメール、ゲーム、ネットショッピング、SNSといったインターネットにある多くのサービスで用いられています。

クライアントとは

クライアントとは、サーバーからサービスを受け取る(要求する)側のことを指します。私たちも普段利用しているパソコンや、スマートフォンといった端末から、サーバーに対して要求を行っているため、よくクライアントになっています。

アップロードとダウンロード

クライアントがサーバーからファイルを受け取ることを、ダウンロードといいます。インターネット上の画像を、パソコンに取り込むことが例として挙げられるでしょう。

逆に、クライアントがサーバーに情報を提供することをアップロードといいます。例として、SNSでの写真投稿が挙げられます。

サーバーとインターネットの関係

インターネット上には無数のサーバーが存在し、私たちは無意識のうちにサーバーと通信をしています。たとえばインターネットでWebサイトを検索する場合、次のような流れで通信を行ってWebページを閲覧します。

  1. WebブラウザにURLを入力
  2. DNSサーバーへURLを送信し、IPアドレスへ変換
  3. 該当IPアドレスのWebサーバーにアクセス
  4. WebサーバーからWebページのデータを提供してもらい、Webブラウザに表示

このように、Webサイトを検索するだけでも複数のサーバーと通信を行っているのです。WebサーバーやDNSサーバーといったサーバーの種類や、IPアドレスについての詳しい説明は後述します。

サーバーの仕組み

前述したように、サーバーはコンピューターの一種であるため、複数の部品によって構造されます。またサーバーは見た目や規模によって、いくつか種類にわけられます。

サーバーを構成する部品

サーバーに含まれる主な部品はマザーボードや電源、CPU、メモリー、ドライブなどです。それぞれの役割を確認しましょう。

部品 意味 イメージ
マザーボード すべての部品の供給・相互通信を行う 体全体
CPU 中央演算処理装置 頭脳
メモリー 記憶装置
ドライブ 情報の出し入れの補助記憶装置 引き出し
光学ドライブ ディスク情報を読み出す
グラフィックカード・サウンドカード 入出力機能を強化する拡張チップ 映像・音楽
電源 直流電流に変換するユニット やる気

サーバー機の種類

サーバー機は、見た目や規模によってタワーサーバー、ラックサーバー、ブレードサーバーにわかれます。

タワーサーバー

タワーサーバーはデスクトップパソコンのように縦に細長いサーバーです。縦に長いためオフィススペースを取らずに設置できます。機能が拡張できず、連携がしにくいモデルがほとんどであるため、個人向けの利用や、小規模システムの開発に適しています。

ラックサーバー

ラックサーバーは専用の棚(ラック)に2台以上収納して使うサーバーです。複数のサーバーをまとめて収納し、連携させて使うためサーバールームやデータセンターが必要です。中規模・大規模なシステムを開発するために、よく企業が利用します。

ブレードサーバー

ブレードサーバーは、小型のサーバーをブレードと呼ばれる細長いケースにまとめて、本体に差し込み利用するサーバーです。多くのサーバーが必要な大規模システムの開発を、少ないスペースで行うために使われるもので、主に大企業が利用します。

サーバーとパソコンの違い

パソコンとサーバーは同じコンピューターではありますが、利用用途や性能が違います。サーバーを構成する部品を見てもわかるように、サーバーとパソコンの構造は基本的に同じです。しかしパソコンは、個人の利用が前提であり、サーバーは複数人が同時に利用する前提でつくられています。

またパソコンは基本的に24時間365日動き続ける必要はありません。一方でサーバーは、データをクライアントに提供する役割を担っているため、いつ誰がリクエストをしてもいいように、動き続ける必要があるのです。

これらのことからサーバーはパソコンよりも高い処理能力や安定性、信頼性が求められるため、専用マシンを用いて、状況に合わせて環境を構築します。

なぜサーバーが必要なのか

サーバーもコンピューターであるため、パソコンをサーバーとして利用することや、役割を兼任することも不可能ではありません。しかし前述したように、サーバーは高い安定性や耐久性を求められるため、パソコンでは能力不足になることがほとんどです。

また、サーバーは故障しないように厳重に管理しなければなりません。パソコンが故障しても困るのは自分だけですが、サーバーは故障すると、Webサービスを利用している人全員に影響します。ただの故障だけならまだしも、重要な情報が消失する可能性も考えると、専門の機器や施設、管理者が必要であることがわかるでしょう。

サーバーの種類(利用環境別)

サーバーは利用環境によって「物理サーバー」「仮想サーバー」の2種類にわかれており、さらにそれぞれ2種類のサーバーにわけられます。どの種類にもメリット・デメリットがあるため、それぞれを比較しましょう。

サーバー名 物理/仮想 レンタル料金 メリット デメリット
共有サーバー 物理 月額100円〜 設定が簡単 他のユーザーの影響を受けやすい
専用サーバー 物理 月額8,000円〜 サーバーを自由に使える 価格が高額
VPSサーバー 仮想 月額600円〜 専用サーバーが安く使える やや自由度が低い
クラウドサーバー 仮想 月額3,000〜10,000円 カスタマイズ可能 専門知識が必要

物理サーバー

物理サーバーとは、物理的に存在するサーバーのことです。1台に1つ専用のサーバーを構築し、ファイルといったデータを管理します。昔は仮想サーバーが存在しなかったため、サーバーといえば物理サーバーでした。

共有サーバー

共有サーバー(レンタルサーバー)とは、1つのサーバーを複数の個人や企業がレンタルして共同で使うものです。費用が安く、保守を行う必要がない点がメリットです。他のユーザーの影響を受けやすいデメリットもありますが、それを防ぐためにメモリの利用上限といった制限が厳しく設定されています。

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専用サーバー

専用サーバーとは、個人・自社用にサーバー1台を丸ごと購入・レンタルしたサーバーのことです。そのため、自社の環境に合わせてOSやアプリを自由に選択でき、独自のセキュリティも構築できます。個人が所有するサーバーは自宅サーバーとも呼ばれます。導入や運用、保守には多額の費用と手間がかかる点がデメリットです。

仮想サーバー

仮想サーバーとは、1台の物理サーバーにソフトウェアを入れて仮想化し、複数の環境を構築できるようにしたサーバーのことです。通常物理サーバーには1つのサーバーしか構築できませんが、ソフトウェアを使うことで、複数のサーバーOSを動かせるようにしています。

費用を安くでき、保守運用の手間もかからないうえ、柔軟性が高いなどメリットが多く、近年利用が広がっています。

VPSサーバー

VPSサーバーとは、Virtual Private Serverの略で、日本語に訳すと「個人用の仮想サーバー」といった意味があります。1台の物理サーバーを複数のユーザーで使用するのは、共用サーバーと同じです。しかしソフトウェアを使って複数のOSが動かせるため、専用サーバーのようにアプリのインストールといった設定や、環境の構築が自由にできます。

共有サーバーよりも自由度が高く、専用サーバーよりも保守運用の手間やコストを抑えられるのがメリットです。

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クラウドサーバー

クラウドサーバーとは、複数のサーバーやデータセンターを使って1つの大きな仮想サーバーとして構築したものです。ユーザーはこの中からニーズに応じてCPUやストレージの量などを選択し、自分用の仮想サーバーをつくりあげます。

カスタマイズ性は非常に高く、使った分だけ費用を支払うためコストも抑えやすいのがメリットです。ただし、自分用の仮想サーバーをつくるには、専門的な知識が求められ、保守運用もみずから行う必要があります。

サーバーをレンタルするメリット・デメリット

上記で紹介した物理サーバーや仮想サーバーは、基本的にすべてレンタルが可能です。サーバーを企業・個人で所有するには負担が大きく、多くの企業・個人はサーバーをレンタルし負担の削減を図っています。

サーバーをレンタルするメリット

サーバーをレンタルする最大のメリットは、初期費用がかからないことです。物理サーバーを購入する場合、サーバー本体代だけで最低で10万円近くかかります。またそのほかにもルーターや設定をするためのパソコンの費用、ネットワークの設計・構築費用などもかかるでしょう。

それに比べてサーバーをレンタルする場合は、初期費用3000円程度であり、クラウドであれば初期費用0円で使った分だけの支払いで済みます。また、物理サーバーをレンタルする場合も、OSやアプリケーションのインストールがすでに完了していることが多いため、すぐに運用できる点もポイントです。

サーバーをレンタルするデメリット

サーバーをレンタルする場合やや割高な月額費用がかかる点が大きなデメリットです。長期間利用することで、結果的に物理サーバーを購入するよりも費用がかかる可能性があります。


こちらからはレンタルできるサーバーのおすすめランキングを、一覧で閲覧できます。各サービスの評判や口コミもチェックできるため、ぜひ参考にしてください。

サーバーの種類(主な用途別)

サーバーは、サービスやシステムごとに環境を構築することで、特定の機能を実現していることも多々あります。そこで次にIT初心者の方に向け、インターネット上でよくみられる、用途別のサーバーの種類について紹介します。

Webサーバー

Webサーバーとは、Webページをクライアントに表示するために必要なサーバーです。
文章が書かれたHTMLファイル、ページ内の構成やデザインを調整するCSSファイル、画像ファイルといったデータを管理・提供しています。

Webサーバーは、クライアントに要求されたWebページの情報を抽出し、クライアントの画面に反映させます。Webサイト運営には必須のサーバーです。

ファイルサーバー

ファイルサーバーとは、ファイルを保存・共有するためのサーバーで、ストレージサーバーとも呼ばれます。個人がもっているファイルの共有や、共同作業を実現させるためのサーバーであり、閲覧やダウンロードの権限なども変更できるため、企業でもよく利用されています。

機能の追加やストレージの増設など、利用者の好みに応じてカスタマイズが可能です。組織の成長に合わせてストレージの容量を変更できて、非常に便利です。またファイルサーバーは、自社にサーバーを設置するオンプレミス型(物理サーバー)と、サービス提供者の管理者のクラウドを利用するクラウド型(仮想サーバー)の2種類があります。

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メールサーバー

メールサーバーとは、メールの送受信を行うためのサーバーです。送信用や受信用、メールの保管用などでサーバーがわかれており、それぞれが連携することでメール機能を成立させています。

  • SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバー:メールの送信
  • POP(Post Office Protocol)サーバー:メールの保管
  • IMAP(Internet Message Access Protocol)サーバー:メールの受信
  • DNS(Domain Name System)サーバー:宛先の問い合わせ
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データベースサーバー

そもそもデータベースとは、膨大なデータを整理してまとめた情報群のことです。データベースサーバーとは、このデータベースから必要な情報をスムーズに照会・追加・削除できるよう管理しているシステムのことです。

実際の動作としては、クライアントからのリクエストに対して、データベースの検索処理を行い、処理結果を返します

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アプリケーションサーバー

アプリケーションサーバーは、WebサイトにおいてWebサーバーでは対応しきれいない、クライアントからのリクエストに対応するサーバーです。具体的にはJavaやPHP、JavaScriptといったプログラミング言語の情報処理を行います。

たとえばWebサイトに表示されるポップアップやチャット機能など、動的な機能を実行するためのサーバーです。また、アプリケーションサーバーは、Webサーバーやデータベースサーバーと連携することで、1つの機能を実現させます。

DNSサーバー

DNSサーバーとは、IPアドレスとドメインをリンクさせるためのサーバーです。まずIPアドレスとは、インターネット上でWebサーバーの場所を示す住所のようなもので、数字の羅列で表記されます。ドメインとは、IPアドレスを人間が覚えやすいよう文字列にしたもので、URLの中核部分を担います。

たとえばこの記事のURLでいえば、「https://boxil.jp/mag/a991/」の「boxil.jp」部分がドメインで、それ以降はページの場所を示す文字列です。DNSサーバーは、クライアントからリクエストされたURLをIPアドレスに変換し、Webサーバーの場所を見つけ出す役割があります。

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FTPサーバー

FTP(ファイル転送プロトコル)サーバーとは、ファイルの送受信を行うサーバーのことです。FTPサーバーによってできることは、次の4つです。

  • FTPサーバーに接続しデータを操作(ソフト利用で容易に可能)
  • 物理的に離れたサーバーにアクセス
  • ファイルのアップロード (クライアント→サーバー)
  • ファイルのダウンロードとバックアップ(サーバー→クライアント)

SSHサーバー

SSHサーバーとはSecure Shellの略で、ネットワークに接続された機器を遠隔操作し、クライアントの情報を暗号化するためのサーバーです。

サーバーの多くはインターネットからアクセスするため、不正アクセスによって個人情報が漏えいする可能性があります。しかしSSHサーバーを間に挟むことで個人情報が暗号化され、サーバーが認識するユーザーのみがアクセスできるようになり、セキュリティを強化できます。

サーバーのその他の用途

サーバーの種類は、上記で紹介したもの以外にもさまざまなものがあります。参考程度に、いくつかサーバーの種類を紹介します。

リモートアクセスサーバー

リモートアクセスサーバーとは、VPN接続を可能にするサーバーを指します。VPN接続とは、送信側と受信側それぞれに機器を設置し処理を行うことで仮想の専用線をつくり、通信でやり取りを行うことです。

通信時には認証や暗号化を行うため、離れた場所同士の通信でもセキュリティを高められるのが魅力です。VPN接続を行う場合は、使用している端末から直接社内ネットワークに接続するのではなく、リモートアクセスサーバーを中継してから接続します。

近年は多くの場所で公衆無線LANが利用でき、実際に機密情報が漏えいするトラブルも発生しています。しかしリモートアクセスサーバーを使うことで、離れた場所からでも社内のネットワークに安全に接続ができるようになるのです。

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ローカルサーバー

ローカルサーバーとは、自身のパソコンの中に設置した局所的なサーバーのことです。Webサイトといった開発をスムーズにできるよう構築したテスト環境であり、PHPやJavaScriptといったプログラムが画面で実際にどのように動くかがチェックできます。

ローカルサーバーを設置すると、外にいても作成したファイルの閲覧ができ、端末に多くのデータを入れておかなくても済むメリットがあります。

踏み台サーバー

踏み台サーバーとは、目的のサーバーにログインするための中継サーバーです。サーバーを踏み台に目的のサーバーにアクセスすることで、安全に運用を行えます。踏み台サーバーはクラウド、オンプレミス環境に関係なく利用できます。

目的のサーバーに対してさまざまなところからアクセスができる場合、アクセスの管理は非常に大変です。しかし踏み台サーバーを経由することで、アクセス管理が簡単に行え、不正アクセスの発見も可能になります。

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サーバーにおける保守とは、あらかじめトラブルを予想しサーバーが通常どおり動くよう準備することや、トラブルが発生した際、できる限りスピーディーに復旧できるよう作業することです。類似する言葉に「運用管理」がありますが、こちらは日々の点検やアップデートが主な作業であり、保守はトラブルに対する準備と対応がメインです。

前述したように、サーバーは24時間365日クライアントに情報提供を行う役割があるため、自社で物理サーバーを管理する場合、保守は非常に重要な業務といえるでしょう。通常物理サーバーはサーバーの購入時にメーカーの保守サービスを受けますが、期間が決められていることもあるため、期間終了後は別に保守を担当してもらえる企業を探す必要があります。

サーバーと一緒に覚えておきたいIT用語

IT初心者の方にとって、サーバー以外にもわからない用語は多いのではないでしょうか。そこで最後に、覚えておきたいIT用語をまとめました。

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ブラウザは一般的に、スマートフォンやパソコンにWebページを表示するためのソフトのことです。
Google Chrome・Safari・FireFoxが有名です。

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ソースコードとは、ソフトウェアといったコンピュータプログラムのもととなる、テキストデータのことです。

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OS(Operating System)は、コンピュータの操作・運用・運転を司るシステムソフトウェアです。

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