PaaSとは?SaaS/IaaSとの違い、おすすめサービス比較9選

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PaaSの意味とは?
PaaS(Platform as a Service)とは、アプリケーションを実行に必要なプラットフォームであるネットワークやサーバー、OSやミドルウェアをインターネットを通じて提供するクラウドサービスです。PaaSは、「パース」と読みます。
クラウドサービスとは、手元のコンピュータで利用していたデータやソフトウェアを、ネットワーク経由でサービスとして利用者に提供するものです。クラウドサービスにはPaaSのほかSaaS、IaaSがあります。
クラウドサービスについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

SaaSとの違い
SaaSとは「Software as a Service」の略で、パッケージとして提供されていたアプリケーションを、インターネット上で利用するために提供するクラウドサービスです。
つまり、SaaSは基本的にソフトウェアやそれに付随するサービスの提供をし、PaaSはミドルウェアも含むアプリケーションやプログラムの開発環境を提供するといった違いがあります。
SaaSについて詳しく知りたい方は、次の記事や動画を参考にしてください。

IaaSとの違い
IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略で、OSやサーバー、ストレージ、ネットワークなどのハードウェアやインフラを提供するクラウドサービスです。
PaaSはソフトウェアの開発環境をサービスとして提供するものであり、IaaSはその土台となるネットワークインフラを提供するといった違いがあります。
PaaSは工業製品をつくるための工場を提供し、IaaSは工場を建てるための土地を提供するとイメージしましょう。IaaSについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

PaaSの例
PaaSの代表例としては、Amazon Web Services(AWS)、Google App Engine、Microsoft Azureといったものが挙げられます。
PaaSには、IaaSと同様にインフラストラクチャ(サーバー、ストレージ、ネットワーク)も含まれます。これらに加えて、ミドルウェア、開発ツール、ビジネス インテリジェンスサービス、データベース管理サービスを利用できます。
PaaSは、Webアプリケーションのライフサイクル全体(作成、テスト、デプロイ、管理、更新)に対応するように設計されています。
PaaSのビジネスモデル
PaaSのサービスモデルは、プライベートクラウドに分類されます。クラウドには、プライベートクラウドとパブリッククラウドがあります。
プライベートクラウドとは、企業が自社のネットワーク内で社員を対象につくるクラウド環境を指します。
パブリッククラウドとは、クラウド事業者が提供するクラウドコンピューティング環境をインターネットを通じて企業や組織といった不特定多数の利用者に提供するサービスです。
PaaSのサービス一覧比較9選
PaaSのおすすめサービスを紹介します。次表は、サービスの無料トライアル期間です。サービスによっては情報を公開してないものもあるため、公式サイトも確認しましょう。
PaaSサービス | 無料期間 |
---|---|
Amazon Web Services(AWS) | 12か月 |
Microsoft Azure | 12か月 |
Google App Engine | 12か月 |
kintone | 30日 |
Salesforce Platform | 30日 |
NEC Cloud PaaS | ー |
Zenlogic | 2週間 |
AnalyticMart on Demand | ー |
Alibaba Cloud | 終了 |
Amazon Web Service
- 日本国内で10万社以上の導入実績
- 毎月750時間分のインスタンスが無料利用可能
- 料金は従量課金制で利用した分だけ支払う
Amazon Web Serviceは、ビジネスのニーズを満たすのに役立つ信頼性の高いクラウドベースのソリューションを提供しています。世界各地でリソースを提供しており場所の制限を受けないため、あらゆる顧客にソリューション提供ができます。
料金形態は従量課金であり、秒単位です。グローバルでも国内でもシェア1位を誇り、APIが充実しているため、運用管理を自動化しやすい特徴があります。
Microsoft Azure - 日本マイクロソフト株式会社
- AndroidやiOSなどのプラットフォームに対応
- サービス内容が豊富
- 災害時のデータ復旧に向いている
Microsoft Azureは、Webコンテンツのホスティングが可能なAzure Webサイト、仮想マシンを利用できるVirtual Machines、データベースSQL Databaseを中心としたプラットフォームで、開発用言語として.NET、Java、PHPが利用できます。
他にも、仮想マシンにWindowsサーバーを選べるといった、マイクロソフトならではのサービス内容となっており、無料トライアルを12か月利用できます。
- 多くの大手企業が利用
- 200以上の国と地域で利用可能
- 多層セキュリティでデータを保護
Google App Engineは、検索エンジン「Google」やメールサービス「Gmail」を提供するGoogleのクラウドサービスです。PHP・Python・Java・Goといったプログラミング言語を利用して開発したサービスを、Googleのインフラで実行し保管できます。
Google App Engineは無料トライアルを12か月分用意しています。
kintone - サイボウズ株式会社
- 導入後のサポートも充実
- セキュリティがしっかりしている
- 豊富な拡張機能
kintoneは、クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門顧客満足度調査でNo.1を獲得しており、30日間すべての機能を無料で利用できます。
Salesforce Platform - 株式会社セールスフォース・ジャパン
- 高品質のAI搭載最先端アプリを誰もが手軽に開発
- ビジネスアプリの世界最大級のマーケットプレイス
- IoT/AI 時代のクラウド基盤となる
Salesforce Platformでは、プログラミングの知識がなくても、ドラッグ&ドロップといった簡単な操作でアプリケーションを開発できます。また、プログラミング言語を使用すれば高度な機能も実現できる、プロの開発者向けの機能も備わっています。
- 統合IoT基盤でシステム全体の運用までカバー
- AIを活用したサービス
- 幹業務から新ビジネスまでをサポートする豊富なサービスメニュー
NEC Cloud PaaSは、統合IoT基盤、AI・アナリティクス、ビジネス共通機能、アプリ開発・実行環境を提供しています。IoTを駆使したデータ収集や、AIを活用したデータ分析が可能です。
Zenlogic ホスティング on IDCF Cloud - 株式会社IDCフロンティア
- 初心者でも利用しやすいパッケージ
- AWSやAlibaba Cloudからのパートナー認定
- クラウド型グループウェアの提供やクラウドの最新情報を発信
Zenlogicは、共有サーバーと同じ価格で高い安定性や拡張性を提供するサービスです。初心者でも扱えるようにパッケージ化されており、サーバーの保守や管理を全面的に任せられます。
AWSやAlibaba Cloudのパートナー企業であるため、AWSの導入や移行、運用まで相談できます。
- BIツールで素早く分析
- 高性能データベースで検索可能
- 導入・運用が簡単
AnalyticMart on Demandは、インターネット接続履歴や売上データを分析し、高性能なデータベースにより経営をサポートします。導入によるビジネスへのメリットとして、戦略的意思決定を支援、内部統制の強化があります。
- グローバル市場シェア第3位
- 40以上の製品やサービス
- 19か国、56の地域で利用可能
Alibaba Cloudは、IaaSにPaaS機能を付加されており世界的にシェアを誇っています。世界第3位のIaaS市場シェアを持ち、多くの国と地域で利用できるメリットがあります。
PaaS製品を比較する際のポイント
PaaS製品のおすすめを9選紹介しました。他にもPaaSに関するサービスは数多くあるので、どのような基準で選べば良いのでしょうか。
種類で選ぶ
まず1つ目の基準として、種類で選びましょう。PaaSには「Proprietary PaaS」と「Open PaaS」の2種類があるので、それぞれの特徴を理解しましょう。
Proprietary PaaS
Proprietary PaaSとは、サーバーやネットワークといったITインフラから、OSやミドルウェアまで含めて一つのベンダーによって設計されたPaaSです。仕様や構造はベンダーのみが把握しています。
安定したサービスを開発したい場合は、Proprietary PaaSがおすすめです。新しいビジネスを始める際には向いていません。
Open PaaS
Open PaaSは、オープンソースのPaaSのことです。Open PaaSは特定のIaaSに依存せず、復数のプログラミング言語やフレームワークに対応しているため、より自由度の高い開発が可能になります。
Open PaaSは自由度が高い一方で、Proprietary PaaSほど完成度が高くなく、サポートの充実度でも劣ります。
セキュリティ対策
クラウドサービスはクラウドコンピューティング技術を用いており、オンプレミスとは違うセキュリティ対策が必要です。他社と同じ仮想空間を共有する場合が多く、情報漏えいのリスクがあります。
PaaSのセキュリティとしては次の項目を確認しましょう。
PaaS導入のメリット
PaaS導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
インフラの開発や準備が不要
PaaSを導入すると、インフラ設計や管理が必要なくなります。環境を整えるためのインスタンス、OS、データベースや各種ミドルウェアのインストールが必要なくなることで、設計・管理にかかるコストを削減できます。
開発に集中できる
インフラ環境をすべてクラウドサービス側で提供されるため、エンジニアは開発に集中できます。IaaSではユーザー側が考慮し実施しなければいけないことをマネージドサービスとして提供されるため、PaaS導入によるユーザー側のメリットは大きいです。
PaaS導入のデメリット
PaaS導入によるメリットはある一方で、デメリットも存在します。デメリットも理解したうえで、サービス導入を検討しましょう。
自由度が制限される
製品のインストールに制限が付く場合や、監査ログの取得に対応していないためセキュリティ要件を満たせないときがあります。また、利用したい言語や組み合わせが利用できない場合もあります。
セキュリティが不安
PaaSのようなクラウドは、インターネットを介して多くのユーザーが利用するサービスであり、情報が漏えいする可能性があります。
多くのクラウド事業者がセキュリティの強化に力を入れているため、セキュリティは高まっていますが問題が起きないとは限りません。
PaaSのほかに知っておきたい「~aaS」
本記事では、PaaSを中心にSaaSやIaaSとの違いについても紹介しました。これらのほかにも、「~aas」という用語は存在しています。
PaaS、SaaS、IaaSの違いを理解した次いでに、他の「~aaS」の用語を理解しましょう。詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

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