ビジョン・ステートメントとは?ミッションステートメントとの違い・具体例・作成方法
今回は、ビジョン・ステートメントの具体例などを紹介するとともに、作り方のポイントをまとめてみました。
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- ビジョン・ステートメントとは
- ビジョンとは何か?
- ビジョンの重要性
- ミッション・ステートメントとの違い
- ミッション・ステートメントとは
- ビジョン・ステートメントとミッション・ステートメントの違い
- ビジョン・ステートメントの具体例
- アマゾン(ジャパン)
- アップル・コンピュータ(Apple)
- フェイスブック(FaceBook)
- セブン&アイホールディングス
- ファーストリテイリング
- ビジョン・ステートメントの作り方・ポイント
- 自社の「原点」を理解する
- 達成までの道のりをイメージする
- 達成までの道のりでもっとも重要視すべきことを考える
- 周囲で共有し、問題がないか確認する
- ビジョン・ステートメントは、企業の「命」
- BOXILとは
ビジョン・ステートメントとは
ビジョン・ステートメントとは、企業が持つ経営理念などを、明文化して共有するためのものです。
ビジョンとは何か?
そもそもビジョンとは、会社が思い描く将来像であり、起業家が会社を設立する際に最初に描くものです。つまり、「こうありたい」という、企業が長期的に目指すべき方向性と言えるでしょう。
そして、全社員が理解しやすく共有しやすいように、できるだけシンプルな言葉で表現することも大切です。
また、これは必ずしも一つの企業だけで実現しなければならないものではなく、業界全体で目指す目標であっても問題ありません。
ビジョンの重要性
ビジョンは、どのような時でも会社の行動指針となります。
会社が事業計画などを具体的に立てていく過程で、迷ったときの拠り所となるべきものです。
だからこそ、ビジョンは会社にとって重要な存在であり、全社員で共有し、実践することが欠かせません。会社のビジョンが明確でなければ、ステークホルダーの協力も得られません。
つまり、ビジョンは会社の「命」と言っても差し支えありません。
ミッション・ステートメントとの違い
ビジョン・ステートメントについて語る際、ミッション・ステートメントと混同されることがよくあります。似ているようで実は異なる言葉なので、違いをはっきりさせておきます。
ミッション・ステートメントとは
ミッション・ステートメントとは、企業や従業員が共有すべき価値観・社会的使命であるミッションを、実際の行動指針や方針として具体化したものです。
ミッションとは、使命や存在意義などと定義されます。さらに言えば、何のために活動しているのかという「目的」を指し、どちらかというと社外よりも社内に深く浸透させる必要があります。
そのため、多くの場合「ミッション・ステートメント」として文章化されます。
ビジョン・ステートメントとミッション・ステートメントの違い
一方、「ビジョン・ステートメント」は、企業の目標や将来の方向性を言葉で表したものです。いずれも企業の戦略を考えるうえで重要ですが、両者には明確な違いがあります。
つまり、ミッション・ステートメントは「現在」について、ビジョン・ステートメントは「未来」について述べている点が大きな違いです。すなわち、ビジョンはミッションよりもさらに先を見据えたものといえます。
ビジョン・ステートメントの具体例
アメリカのIT企業などでは、創業時に掲げられたビジョン・ステートメントが有名なので、いくつか紹介します。
また、日本の有力企業でもビジョン・ステートメントやそれに近いものを公表しているため、いくつか例を挙げます。
アマゾン(ジャパン)
Amazon.comには、次のような企業理念があります。
「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」
「地球上で最も豊富な品揃えを提供し、お客様のすべてのニーズに応え続けます。」
アップル・コンピュータ(Apple)
創業者のスティーブ・ジョブズは、次のようなビジョンを掲げていました。
「a computer in the hands of everyday people」
(普通の人々にコンピューターを届ける)
「improve the lives of millions of people through technology」
(テクノロジーを介して何百万人もの人の生活を変える)
フェイスブック(FaceBook)
CEOのマーク・ザッカーバーグは、「友人・家族・グループをつなぐサービス」というメッセージを立ち上げ当初から10年間発信していましたが、新たなビジョンとして次の内容を発表しています。
「Bring the world closer together」
(世界の絆を強める)
セブン&アイホールディングス
セブン&アイホールディングスは企業理念として次の3つを掲げています。
「私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい。」
「私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい。」
「 私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい。」
また、「新しい今日がある」というシンプルなキャッチコピーも発表しています。
ファーストリテイリング
ユニクロを国内外に展開しているファーストリテイリングでは、次の企業理念を掲げています。
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
また、持続可能な目標を掲げるために、「サステナビリティ・ステートメント」という表現も用いています。
ビジョン・ステートメントの作り方・ポイント

優良企業には、ほぼ例外なく優れたビジョン・ステートメントが存在します。
ビジョン・ステートメントを作成するにあたっては、押さえておくべきポイントがいくつかあります。これからビジョンを策定する企業は、これらのポイントがきちんと盛り込まれているかを確認してください。
自社の「原点」を理解する
まず、なぜ事業を始めたのかという自社の原点をぜひ振り返ってみてください。会社にとって売り上げの向上も大切ですが、「社会に貢献したい」などの純粋な思いもあるはずです。
その原点をあらためて見つめ直したうえで、ビジョンを構築することが大切です。
達成までの道のりをイメージする
そのビジョンを実現するまでの道のりをストーリーとして描き、自分自身でイメージしてみることも大切です。各プロセスが進むことで世界がどのように変わるのか、どのような景色が待っているのかも想像してみてください。
達成までの道のりでもっとも重要視すべきことを考える
次に、イメージしたストーリーの中でも、もっとも重要なことは何かを考えます。いわばプロセスの中でキーとなるものであり、それがビジョン達成のための核となります。
重要視すべきことが決まれば、それを中間的な目標として設定し、最終的なビジョンの達成につなげられます。
周囲で共有し、問題がないか確認する
ビジョンは、トップマネジメントだけが共有していればよいものではなく、全社員にしっかり浸透させてこそ意味があります。
そのため、ビジョンを共有した際に、理解や共感が得られているかどうかを確認しましょう。もし十分に伝わっていない場合は、言葉が複雑すぎるなど何か課題がある可能性があるため、見直しが必要です。
ビジョン・ステートメントは、企業の「命」
ここまでビジョン・ステートメントについて、簡単にまとめてきました。
ビジョンは将来の目標だからこそ、経営の舵取りに実際に役立つものでなければなりません。ビジョンが社内でしっかりと共有されていれば、会社の価値観が明確になり、個々の意思決定のスピードも大きく向上します。
このような道しるべがきちんと文章化され、しっかりと共有されている会社は、自然と強くなります。つまり、ビジョン・ステートメントは企業にとって大きな力となると言えるでしょう。
もしも現在のビジョンがうまく機能していない場合は、会社の全体に共有した上で、ビジョン・ステートメントの見直しを検討する必要があります。
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