ソーシャルコマースとは?トレンドや動向をECサイトの実例とともに解説
ソーシャルコマースとは
ソーシャルコマースとは、「Facebookなどのソーシャルメディアとeコマースを組み合わせて販売促進を行う手法」のことです。ソーシャルメディアのユーザーの行動はログとして記録されるため、運営者はユーザーの嗜好を推測しやすくなりました。
今回は、このソーシャルコマースについて解説していきます。実際のビジネスで活かすための知識を身につけていきましょう。
ソーシャルコマースの特徴
友人がSNSに投稿した商品を購入したいと思った場合、ソーシャルコマースではその投稿からそのまま商品 ページに移動し、購入することができるようになってます。
これまでは、自分で商品を検索してネットショップや実店舗で購入するという流れが一般的だったので、購買行動が変化しています。このように、SNSのページから直接購入ページに接続できるようになっているところに特徴があります。
ソーシャルコマースのメリット
これまではSNSで見つけた商品を購入したいと考えた場合、一度そのサイトから離れ、ブランドサイトや通販サイトを開き、手間のかかる登録をその都度行うというプロセスが必要でした。
ソーシャルコマースの場合、わざわざページを離れたり、登録情報を打ち直したりする必要がなく、決済もSNSサービスに登録した支払情報を使って済ませることができます。
ソーシャルコマースの種類
ソーシャルコマースは、サイトの特性により以下の7つのタイプに分類されます。それぞれの詳細を見ていきましょう。
C2Cタイプ
C2Cタイプは、個人同士が直接コミュニケーションを取って売買を行うサイトです。eBayやAmazon Market Placeが該当します。
ソーシャルメディアタイプ
ソーシャルメディアタイプは、既存のソーシャルメディア上で他ユーザーのシェアなどをもとに取引を行うサイトです。FacebookやPinterest、Twitterなどが該当します。
グループタイプ
グループタイプは、他のユーザーと協力し、企業側が指定した希望人数が達成されれば商品やサービスの割引を受けることができるサイトです。グルーポンが該当します。
レコメンドタイプ
レコメンドタイプは、Amazonに代表されるように同じ趣向の利用者が購入している商品やその評判を参考に取引を行うサイトです。
ソーシャルメディアを使用して商品やサービスをシェアした利用者には特典を付与するサイトもあります。
ユーザーキュレーションタイプ
ユーザーキュレーションタイプとは、各ユーザーが作成しシェアしたショッピングリストをもとに取引を行うサイトのことを言います。The Fancy、Lystといったサービスが該当します。
ユーザー参加タイプ
ユーザー参加タイプとは、利用者が「投票」や「ファンディング」を行うことで、実際に商品の制作に携われるサイトです。Kickstarterなどのクラウドファンディングサイトをイメージしていただけるとよいでしょう。
O2Oタイプ
実店舗で買い物をする際に、サイトを通して友人や他ユーザーのアドバイスや意見を交換できるサービスです。MotiloやFashismが該当します。
ソーシャルコマースの実例
ソーシャルコマースの実例について紹介していきます。
- 自社カタログ配信や広告掲載が可能
- メッセンジャーを通じて消費者と直接取引の連絡
- 事前登録した支払い情報でワンクリック決済が可能
Facebookでは年々ソーシャルコマース利用企業が増加しています。企業はFacebookページ上で自社カタログを配信したり広告を掲載したりすることができます。また、メッセンジャーを通じてユーザーと直接取引の連絡もでき、自社サイトさながらのショップページを開設できます。
アメリカの時計販売会社では、開設後90日間で60,000人からのアクセスがあり、15,000ドルの利益を記録するなどの成果が上がっています。
- アプリ上の写真からそのまま商品を購入が可能
- ビジュアルコンテンツをその場で直接購入に結びつける
- アパレルブランドにとってはキーとなる
Instagramの広告は元来、ブランドの認知度を高めるためのものであり直接的に購入を促すものではありませんでした。しかし、2015年6月より「Shop now」ボタンや「Install」ボタンを導入し、これらのボタンをInstagram広告に設置できるようになりました。これによってInstagramで商品・サービスを見たユーザーがその場で購入できるようになりました。
- アメリカではユーザ誘導率がTwitterと並ぶほどの影響力
- アプリ上から商品を直接購入できる「Buyable Pins」を導入
- 日本では楽天モールの店舗に「Pinボタン」を設置
Pinerestでは2015年にアプリ上から商品を直接購入できる「Buyable Pins」を導入しています。日本では、2012年5月に楽天がeコマースに絡めたPinterestのビジネスモデルに目を付け、1億ドルもの出資をしました。これに伴い、楽天はワンクリックでPinterestサイトに商品を追加(pin)することができる「Pinボタン」を楽天モール内の店舗に追加しています。
- 「モノの百科事典」として高い人気を誇るSNS
- 「欲しい商品が出品されたら通知が届く」通知機能
- wantしている人が多いほど売れる可能性が高まる
「モノの百科事典」として高い人気を誇っているSNSがSumallyです。Sumallyは、EC面にも力を入れており、自分の持っているアイテムの出品も可能です。「欲しい商品が出品されたら通知が届く」という通知機能が備わっています。そのため自分が出品しているアイテムへのwantが多いほど、売れる可能性が高くなります。値下げした場合も通知が届くようになっているので、個人間売買のマッチングがスムーズに行えます。
- アメリカで誕生した画像共有型のSNSサービス
- アメリカでは多くのセレブが利用
- ボタン機能でアイテムのリストや自分だけのカタログを作成
FANCYは2012年にアメリカで誕生した画像共有型のSNSサービスです。翌年の2月に日本上陸し、アメリカではレディー・ガガやマーク・ザッカーバーグなど、さまざまなセレブが愛用しています。Facebookの「いいね!」ボタンと同様の「Fancy」ボタンがあり、これによりアイテムのリストや自分だけのカタログを作成できます。商品に対するコメントをすぐに見ることができ、気に入ったらすぐさま購入することも可能です。
- App Store BEST OF 2013に選出
- 著名人や自分の友人をフォローして最新情報を入手
- 気に入ったアイテムがあればその場で購入が可能
Origamiは、 「App Store BEST OF 2013」にも選ばれたショッピングアプリです。自分の好きなブランドやショップ、著名人や自分の友人をフォローすることで、新製品やイベントなどの情報を入手できます。また、気に入ったアイテムがあればその場で購入が可能、自分に近いさまざまなショップがOrigami内で検索することもできます。UX/UIデザインの美しさに特徴があり、高い評価を得ています。
ソーシャルコマースの今後
ここではソーシャルコマースの最新動向と今後のトレンドについて紹介していきます。特に中国や東南アジアにおいて、ソーシャルコマースが著しく成長しており、注目となっています。
東南アジアで成長の兆し
ソーシャルコマースの最新動向で、特に注目に値するのは東南アジアにおける成長です。東南アジアにおける2016年のオンライン販売のうち、30%がソーシャルメディアを通じて購入されていると言われています。
また東南アジアの消費者のうち80%が商品のリサーチにソーシャルメディアを用いていることも明らかになっています。特に南アジアではパソコンが普及しておらず、ほとんどがスマホ経由での利用となっています。今後もまだまだ成長の余地はありそうです。
中国市場におけるライブストリーミングの急増
中国でもソーシャルコマースは成長しています。中でも特にライブストリーミングアプリが非常に盛り上がっています。人気のあるユーザーのライブストリーミングは、1日に何万人もの人々が視聴しています。
ライブストリーミングによる販売促進は、インフォマーシャルとして活用されています。仕組みとしては、ライブストリーミング上にソーシャルアカウントが記載され、そこから注文を受けるようになっています。
ソーシャルコマース市場の動向とトレンドを知る
ソーシャルコマースはソーシャルメディアを活用してeコマースの販売促進を行っていくものです。FacebookやInstagramなどのSNSアプリを活用して、商品のアピールから販売まで行えるようになっています。
最近では、日本でもメルカリのように動画を使ったライブ配信での販売も登場してきており、今後も新しい販売促進の形としてソーシャルコマースの成長が予想されます。無料でサービス利用できるものも多く、上手に活用して売上増加につなげていきましょう。
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