eKYCサービス比較!選び方・メリット・本人確認の効率化とコスト削減
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- eKYCサービスとは
- eKYCサービスにおける本人確認の方法
- ホ方式:本人確認書類の画像+本人の顔写真
- へ方式:本人確認書類のICチップ読み取り+本人の顔写真
- ワ方式:マイナンバーカードのICチップ読み取り
- eKYCサービスの選び方
- eKYCサービスの導入目的を確認する
- eKYCサービスの機能・できることを確認する
- eKYCサービスを導入する際の注意点を確認する
- eKYCサービスの料金・価格相場を確認する
- おすすめeKYCサービス比較
- TRUSTDOCKのオンライン本人確認eKYCサービス
- ネクスウェイ本人確認サービス
- ProTech ID Checker
- GMO顔認証eKYC
- オンライン本人確認サービス
- eKYCサービスを導入するメリット
- セキュリティの向上・コンプライアンスの強化
- 事務作業の効率化とコスト削減
- ユーザーの離脱を防げる
- ユーザーのサービス利用開始までが早い
- eKYCサービスの導入で本人確認を効率化
eKYCサービスとは
eKYC(Electronic Know Your Customer)とは、顧客の身元をデジタルで確認するプロセスのことを指します。従来のKYCプロセスと比較して、より迅速かつ安全に顧客情報の検証が可能です。
eKYCサービスは、金融機関や通信キャリアなど、本人確認が必要な業界で広く利用されています。本人確認にもさまざまな方法があり、サービスの利用はユーザーと事業者の双方にメリットがあります。
eKYCサービスにおける本人確認の方法
犯収法(犯罪収益移転防止法)では、オンラインにおける本人確認の方法がいくつか定められており、中でも主に利用されている方法として、次の3つが挙げられます。
- ホ方式:本人確認書類の画像+本人の顔写真
- へ方式:本人確認書類のICチップ読み取り+本人の顔写真
- ワ方式:マイナンバーカードのICチップ読み取り
従来はホ方式が主流でしたが、マイナンバーカードの普及や、本人の写真を必要としないことなどから、ワ方式も広く使われるようになっています。またeKYCサービスにおいては、どのサービスでもホ方式は採用しているものの、それ以外はサービス・システムによって異なるため、事前に確認が必要です。
それぞれの方式について詳しく紹介します。
ホ方式:本人確認書類の画像+本人の顔写真
運転免許証のように、本人の顔写真がついた身分証明書と、本人撮影の画像を照らし合わせることで本人確認する方法です。本人の顔写真に関しては、正面や横といったさまざまな角度から撮影し、精度を高めることで偽造を防止します。情報の確認は、AIが行うこともあります。
へ方式:本人確認書類のICチップ読み取り+本人の顔写真
身分証明証のICチップにある情報を読み取り、本人撮影の画像を照らし合わせて本人確認する方法です。ICチップは、スマホに搭載されたNFCと呼ばれる無線の通信技術を使って情報を読み取ります。交通系ICカードの読み取りやおサイフケータイなどでも利用されている技術です。
ICチップの読み取りは写真のピントがずれるといったトラブルが起こらないため、スムーズに認証ができます。またICチップは偽造が難しいため、なりすましのリスクを防げます。ただしパソコンはカードリーダー、スマホはNFC対応スマホが必要であるため、人によっては利用できない可能性があるでしょう。
ワ方式:マイナンバーカードのICチップ読み取り
マイナンバーカードに搭載されたICチップを読み取り、暗証番号を入力することで本人確認を行う方法です。マイナンバーカードのICチップは偽造が難しく、認証も公的個人認証サービス(JPKI)を利用するため、安全性の高い方法と言えます。
ただし、認証時に暗証番号の入力が必要であり暗証番号は6~16桁とやや長めです。また3回入力に失敗するとロックがかかり、これを解除するには役所へ行く必要があります。そのため暗証番号を正確に記憶もしくは記憶していないユーザーは、スムーズに認証を進められない場合もあります。
eKYCサービスの選び方
eKYCサービスを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- eKYCサービスの導入目的を確認する
- eKYCサービスの機能を確認する
- eKYCサービスを導入する際の注意点を確認する
- eKYCサービスの料金・価格相場を確認する
eKYCサービスの導入目的を確認する
eKYCサービスの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
単純な本人確認作業だけを効率化させたい | 画像識別やAPI連携といった、シンプルな機能を搭載したeKYCサービスがおすすめ |
自社だけでチェックができる体制を構築し、業務を効率化したい | マスキング機能やコミュニケーション機能、検索機能などを搭載したeKYCサービスがおすすめ |
本人確認に関連した作業をまとめて委託し、業務を効率化したい | 確認作業の代行も依頼できるeKYCサービスがおすすめ |
eKYCサービスの機能・できることを確認する
eKYCサービスでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。ただし、機能やできることはサービスによってもある程度差があるため注意してください。
機能 | 詳細 |
---|---|
画像識別 | オペーレーターやAIが、アップロードされた2種類の画像・情報が一致しているかを確認する、AIは精度の高いものも多く偽造を見破る真贋判定機能も搭載している |
本人確認の履歴保存 | 本人確認を行った履歴が、アップロードされた画像や動画とともに保存できる |
なりすまし防止機能 | IDやパスワードによる認証だけでなく、生体認証といった他要素認証によって本人認証を行う機能、不正ログインや不正操作などを防止できる |
API連携 | eKYCサービスを自社サービス・システムと連携するための機能、これにより画像撮影や画像のアップロードができるようになる |
マスキング機能 | 身分証明書に配慮すべき情報が記載されていた場合に、マスキングを行ってから画像を保存できる機能 |
コミュニケーション機能 | 審査の画面上で、社内メンバーとチャットといったコミュニケーションができる機能、効率的に話を進められる |
検索機能 | 過去に本人確認で利用された画像や情報を検索で探し出せる機能、スピーディーに再確認ができる |
確認作業の代行 | 本人確認は申請情報との突合確認や反社チェックといった付随する業務も多く、これらの作業をまとめて依頼できるサービスも多くある |
eKYCサービスを導入する際の注意点を確認する
eKYCサービスを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
本人確認の方法 | ホ方式・へ方式・ワ方式のどれが自社サービスに適しているか、検討しましょう。サービスのセキュリティレベルや利便性なども考え、ユーザー目線で考えるのが重要です。 |
対応している本人確認書類 | サービスによって種類や数が異なるため、事前に確認しましょう。一般に利用される書類や幅広い書類に対応していると、多くのユーザーが利用しやすくなります。また有効期限や発行日といった条件もサービスで異なるため注意が必要です。 |
対応している端末・OS・ブラウザ | ユーザーが画像の撮影・送信に使う端末・OS・Webブラウザの種類も重要です。スマホやタブレットのみのサービスや、特定のブラウザ・OSのバージョンにしか対応していない場合もあるため、事前に確認しユーザーが利用しやすいか検討してください。 |
セキュリティレベル | 非常に重要な個人情報を多く取り扱うため、セキュリティも重要です。どのようなセキュリティ対策を行っているか確認し、セキュリティレベルの高いサービスを選びましょう。 |
カスタマイズ性 | 自社のニーズに応じて郵送への対応や、本人確認の方法に関するカスタマイズができるかチェックします。実際の業務フローを考えながら、どこにカスタマイズが必要で、それが可能なサービスか考えましょう。 |
使いやすさ | いくら本人確認作業が効率化したとしても、ユーザーが不便さやストレスを感じるようでは意味がありません。誰でも簡単に操作できるか、操作中に離脱するポイントがないかなどを、ユーザー目線で確認しましょう。 |
多言語対応 | 海外の利用者が多い場合は、利用者の言語で表記や案内ができるか確認します。これにより、日本語に慣れていないユーザーも取り込みやすくなるでしょう。 |
eKYCサービスの料金・価格相場を確認する
eKYCサービスには、料金や価格の設定がサービスによって異なります。一般的には、次のような料金体系があります。
- 初期費用+月額費用+本人確認件数に応じた従量費用
- 初期費用+本人確認件数に応じた従量費用
- 本人確認件数に応じた従量費用のみ
初期費用の相場は5万円程度ですが、無料の場合もあります。月額費用の相場は最低2~3万円程度です。月額費用の場合多くは月に何件までと上限が設けられており、これをオーバーした場合に従量課金が発生します。従量課金の相場は1件数十~百数十円程度です。ただし料金を公開していないサービスも多くあります。また、サービスによっては、次のようなオプション料金が発生する場合もあります。
- 本人確認書類の種類や枚数に応じた追加料金
- 本人確認方法に応じた追加料金
- 本人確認の結果に応じた追加料金
- 本人確認の対応時間や速度に応じた追加料金
そのため、気になるeKYCサービスは資料請求や見積もりを行い、自社の場合はいくらになるかをしっかり確認するのがおすすめです。
おすすめeKYCサービス比較
eKYCサービス・オンライン本人確認サービスを紹介します。各サービスの特徴を記載しているので、比較する際の参考にしてください。
TRUSTDOCKのオンライン本人確認eKYCサービス - 株式会社TRUSTDOCK
- 個人身元確認や法人確認、リスク確認などをオンライン経由で代行
- 24時間365日対応のアウトソーシング体制
- Webブラウザ、カメラ撮影など複数の本人確認書類の提出方法に対応
TRUSTDOCKのオンライン本人確認eKYCサービスは、ニーズにあわせ必要な機能のみを選択できる、幅広い業界にフィット可能なオンライン本人確認サービスです。
フィンテックや決済、証券など、多様な業界のビジネスニーズに合った各種確認業務を任せられます。各種業法対応の本人確認業務はもちろん、法律準拠不要の業界の本人確認も依頼でき、ビジネスに合った設計が可能です。
料金プラン
利用料金 | 無料トライアル |
---|---|
要問い合わせ | なし |
ネクスウェイ本人確認サービス - 株式会社ネクスウェイ
- 目視確認から転送不要郵送の追跡までワンストップでサポート
- 入力情報の突合や要配慮情報のマスキングなどを代行
- 確認依頼と確認結果ステータスをAPI連携で取得可能
ネクスウェイ本人確認サービスは、eKYCから書類の目視確認、転送不要郵便の発送追跡までワンストップでサポートするサービスです。SMSでの本人確認やマイナンバーカード認証に対応しています。世界最高水準の顔照合精度を誇り、高セキュリティで安全に本人確認が可能です。
本人確認書類と入力情報の突き合わせチェックと、顔照合の目視確認などをサービス提供会社が代行してくれます。すべてのサービスをパック利用したり、一部サービスのみを利用したり課題に応じた導入が可能です。
料金プラン
利用料金 | 無料トライアル |
---|---|
初期費用:50,000円 月額料金:25,000円〜 |
なし |
ProTech ID Checker - 株式会社ショーケース
- 自動審査により作業負担を軽減
- わかりやすいガイダンスと操作画面で途中離脱を防止
- マスキング機能や審査項目機能など機能が豊富
Protech ID Checker(プロテックIDチェッカー)は、情報や画像の比較を自動で行ってくれるオンライン本人確認(e-KYC)システムです。すべて自動で情報を突合してくれるため、作業者の負担を軽減できます。
またユーザー側の画面にはわかりやすいガイダンスが表示され、操作も簡単であるため申し込み時の途中離脱を防止できます。くわえて画像のマスキング機能や審査項目が自由に設定できる機能など機能が豊富であり、自社だけで本人確認の体制を整えたい場合に便利なシステムと言えるでしょう。
料金プラン
利用料金 | 無料トライアル |
---|---|
初期費用:要問い合わせ 月額料金:18,000円〜 |
要問い合わせ |
GMO顔認証eKYC
- AIが文字識別や顔判定で本人確認
- 選べる2タイプのeKYC
- 最短翌日から利用できる
GMO顔認証eKYCはGMOが提供するスマホで撮影した画像をアップロードするタイプのeKYCです。アップロード情報を元にAIが文字識別や顔判定を行い、本人確認をします。通常のAPI連携による本人確認はもちろん、メール経由で本人確認ができるサービスも選択可能です。
メール経由の場合カスタマイズが不要であり、最短翌日から利用できるため、スピーディーにサービスを導入したい事業者の方におすすめです。
料金プラン
利用料金 | 無料トライアル |
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初期費用:無料 月額料金:22,000円〜(最小50件) |
なし |
オンライン本人確認サービス
- 銀行口座の情報で本人確認ができる
- 独自のなりすまし防止技術
- FIDOに準拠したセキュアな本人照合
オンライン本人確認サービスは、日本のインフラや官公庁向けの大規模なシステムも開発・提供する、NECのeKYCサービスです。ホ方式やワ方式に対応しているのはもちろん、メガバンクを含む複数銀行の保有情報と連携し、本人確認書類と銀行が保有する本人確認の情報と照合して本人確認ができます。
またFIDOと呼ばれる国際的なオンライン認証標準にのっとった、セキュアな本人照合が可能です。NEC独自のなりすまし防止技術も採用されています。
料金プラン
利用料金 | 無料トライアル |
---|---|
要問い合わせ | なし |
eKYCサービスを導入するメリット
eKYCサービスを導入するメリットは次のとおりです。
- セキュリティの向上・コンプライアンスの強化
- 事務作業の効率化とコスト削減
- ユーザーの離脱を防げる
- ユーザーのサービス利用開始までが早い
セキュリティの向上・コンプライアンスの強化
eKYCサービスを導入するメリットの一つは、セキュリティの向上とコンプライアンスの強化です。eKYCサービスでは、本人の容貌の画像やICチップの情報などを利用して、本人確認の精度を高められます。
また、生体認証やまばたきチェックなどの技術を用いて、本人確認の偽造やなりすましを防ぎます。くわえてサービスの導入により、自社のパソコンに個人情報を保持しなくなるため、サイバー攻撃を受けたとしても情報漏えいは発生しません。
eKYCサービス自体は24時間365日体制でシステムの監視や検査を行い、取得した個人情報は暗号化してから保存されます。そのため安心してサービスを利用できるでしょう。
事務作業の効率化とコスト削減
eKYCサービスを導入するメリットのもう一つは、事務作業の効率化とコスト削減です。eKYCサービスでは、本人確認の手続きをオンラインで自動化するため、事業者は本人確認書類の確認や保管などの業務に人員やコストを割く必要がありません。
また、郵送や来店などの本人確認の手段を減らすことで、環境負荷も低減できます。eKYCサービスを導入することで、事務作業の効率化とコスト削減を実現できます。
ユーザーの離脱を防げる
eKYCサービスを導入するメリットのもう一つは、ユーザーの離脱を防げることです。これまでの方法では、本人確認書類を印刷して封筒に入れて郵送し、もし不備があった場合は書類が返却されるため、再送する必要がありました。また窓口に来店するの場合もわざわざ時間をつくる必要がるため、ユーザーが途中で離脱しやすい状況にありました。
しかしeKYCサービスでは、本人確認がスムーズに行えるため、ユーザーが離脱するリスクを低減できます。これにより本人確認のプロセスが面倒だと感じるユーザーを逃さずに、サービスの利用に誘導できるでしょう。
ユーザーのサービス利用開始までが早い
eKYCサービスを導入するメリットのもう一つは、ユーザーのサービス利用開始までが早いことです。郵送で本人確認を行う場合には、まず書類が到着するまでに日数を要します。また書類に不備があれば、返却・再送でさらに多くの日数が必要です。
しかしeKYCサービスでは、本人確認書類の画像や本人の顔写真をオンラインで送信するだけで、本人確認が完了します。情報の照合作業にはやや時間がかかるものの、郵送や再送といった時間を省略できるため、スピーディーにサービスを利用してもらえるでしょう。
eKYCサービスの導入で本人確認を効率化
eKYCサービスは、本人確認作業の効率化やサービス提供のスピードアップ、セキュリティ・コンプライアンスの強化といったメリットがあります。そのため本人確認の件数が多い場合や、本人確認作業に手間や時間が取られている場合におすすめのサービスです。選定の際は次のポイントに注意して選ぶのをおすすめします。
- eKYCサービスの導入目的を確認する
- eKYCサービスの機能を確認する
- eKYCサービスを導入する際の注意点を確認する
- eKYCサービスの料金・価格相場を確認する
eKYCサービスのサービスをより深く検討したい方は、サービス資料を請求し比較するとよいでしょう。