インテントセールスとは?意味や注目されている理由・おすすめサービス
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- インテントセールスとは?
- インテントデータとは?
- インテントセールスとデータドリブン営業の関係性
- インテントセールスが注目を集める理由
- インバウンドセールスの限界
- アウトバウンドセールスが抱える課題
- インテントデータの活用シーン
- ターゲット顧客・ユーザー層の明確化
- MAと連携した高精度なターゲティング
- セールスイネーブルメントの実現
- 顧客ロイヤリティの向上
- インテントデータ活用におすすめのツール5選
- Sales Marker
- infobox
- Select DMP
- DealPods
- Bombora
- インテントセールス導入の注意点
- 正確性や鮮度の高い情報を取得できる仕組みを作る
- データを適切に取り扱える専門家を育成する
- 分析結果を具体的な営業施策まで落とし込む
- インテントセールスを活用してデータドリブンな営業を実現しよう
- BOXILとは
インテントセールスとは?
インテントセールスとは、「インテントデータ」と呼ばれるWeb上の行動、興味・関心から自社の商品・サービスに興味を持っている企業について推測し、アプローチする営業手法です。
インテントセールスは、インバウンドセールスとアウトバウンドセールスが持つデメリットを解消し、適切なタイミングで顧客にアプローチをする営業手法として注目を集めています。
近年、勘と経験で営業先やアプロ―チ方法を決めるのではなく、データと分析によって営業を効率化するデータドリブン営業が注目を集めています。そして、インテントセールスもこういったデータに基づいた営業手法の一種です。
インテントデータとは?
「インテントデータ」とは英語の「intent」、すなわち顧客の興味・関心を把握するためのデータのことを指します。具体的には過去の購買履歴やWebサイトの閲覧履歴・滞在時間などの要素がインテントデータとして扱われがちです。
インテンドデータは、1stパーティーデータから3rdパーティーデータまでの3種類に分類できます。
種類 | 詳細 |
---|---|
1stパーティーデータ | 自社サイトでの行動履歴データやアンケート調査の結果といった、社内で保有しているデータ |
2ndパーティーデータ | パートナー企業が収集して提供するデータ |
3rdパーティーデータ | 外部企業が収集・公開している企業データ |
こういったインテントデータを組み合わせてユーザーの興味・関心を分析することにより、それに基づいたインテントセールスが実現可能です。
インテントセールスとデータドリブン営業の関係性
インテントセールスに限らず、こういったさまざまなデータ分析結果に立脚して科学的に営業する手法を「データドリブン営業」と呼びます。データドリブン営業は再現性が高い、属人的にならない営業をするために重要な概念です。
とくに近年はIT技術の発達によりさまざまなデータを取得でき、それらを分析するツールも発達したのでデータドリブン営が可能になりました。
インテントセールスは、多様なデータから顧客の興味・関心を推測してアプローチする手法です。他にも現代の営業にはMAツールに搭載されているスコアリングや、SFAでの営業予測といったデータドリブン営業手法が数多く存在します。
現代の営業においてはインテントデータに限らず、さまざまなデータの収集・分析が不可欠だといえます。
インテントセールスが注目を集める理由
インサイドセールスでもアウトバウンドセールスでもない第三の見込み顧客アプローチ方法として、インテントセールスが注目を集めています。インテントセールスにより、検討段階が進みすぎていない顧客に対して、優先順位を決定したうえでアプローチが可能です。
インテントセールスが注目を集める理由を、インバウンドセールスとアウトバウンドセールスの課題に注目して解説します。
インバウンドセールスの限界
インバウンドセールスとは、さまざまな手法を活用して顧客からの問い合わせを獲得し、それに対して営業する手法を指します。顧客から問い合わせがあった状態で商談できるので、営業の難易度が通常よりも低いといわれています。
インバウンドセールスにおいて、ユーザーはすでに一定程度検討が終了しています。営業の手法で受注率をコントロールしにくい点や、商談の母数が少ない点はデメリットです。
また、充分にニーズが顕在化していないユーザーを、セールスによって検討の初期段階から囲い込みたいのであれば、インバウンドセールスでは不十分です。
アウトバウンドセールスが抱える課題
インテントデータを加味せず、ただリストを作ってアウトバウンドセールスを行っているだけだと、効率は悪くなります。とくに取り扱う商品・サービスの対象ユーザー層がニッチなほど、この傾向は顕著です。
こういったインバウンド・アウトバウンドの良い点を活かし、デメリットを軽減させるのがインテントセールスだといわれています。インテントデータに基づいてアプローチすることにより、アウトバウンドセールスより効率的にターゲットを絞れます。そして、インバウンドセールスより検討段階が進んでいない顧客にアプローチできるのがインテントセールスです。
インテントデータの活用シーン
インテントデータはセールスだけではなく、マーケティングにも活用可能です。また、インテントデータを活用してマーケティング部門とセールス部門が緊密に連携することにより、大きな成果を獲得できます。インテントデータおよびインテントセールスの活用方法について説明します。
ターゲット顧客・ユーザー層の明確化
インテントデータを活用すればターゲット顧客・ユーザー層を明確にできます。
インテントデータを取得できない場合、営業のターゲット設定は既存顧客の属性やこれまで営業してきた感覚に左右されます。しかし、こういった手法でのターゲット設定は感覚が多分に含まれており、実際に商品・サービスの購入を検討している潜在顧客の属性を必ずしも正しく反映していません。
インテントデータに基づいてターゲット像を設定することにより、現在検討中の顧客の属性に基づいて、根拠のあるターゲット設定ができるようになります。
MAと連携した高精度なターゲティング
インテントデータをMAツールと連携してスコアリングし、そのスコアをもとにマーケティング・セールス施策を展開することにより、精度の高いリードナーチャリングが実現可能です。
潜在顧客の情報を取得して顧客を育成し、ホットリードとして本格的な営業を実施するためには手間がかかります。そして、ホットリードまでの育成は営業担当者だけではなく、マーケターがMAツールを利用して顧客育成をするケースも数多く存在します。
セールスイネーブルメントの実現
セールスイネーブルメントを実現するためにもインテントデータ活用は重要です。セールスイネーブルメントとは、セールスコンテンツや営業担当者への教育によって、優れた営業力の組織を作ろうとする施策を指します。
もちろん優れた営業組織を作るためには顧客理解およびそれに基づいた営業戦略、コンテンツ、トークスクリプトの作成などが求められます。正確なインテントデータを収集することにより、セールスイネーブルの精度向上も期待可能です。
顧客ロイヤリティの向上
インテントセールスには顧客ロイヤリティの向上効果も期待できます。顧客ロイヤリティを高めるためには接遇や営業力といった要素も必要ですが、さらに重要なのは顧客を理解することです。
顧客データを理解することにより、顧客ごとの適切な対応をイメージしやすくなります。そして顧客ごとに合わせたきめ細やかな対応はロイヤリティを醸成可能です。インテントデータに基づいた接遇を実現することにより、顧客ロイヤリティ上昇はもちろん、売上・収益アップ効果や事業の安定性確保といった効果を期待できます。
インテントデータ活用におすすめのツール5選
Sales Marker - 株式会社Sales Marker
- リアルタイムで顧客ニーズや検討状況を見える化
- 部署・人物情報をもとに直接キーマンに接触
- セールスシグナルを検知した企業に複数チャネルでアプローチ
Sales Markerは、独自の時系列分析アルゴリズムにより、ニーズの発生したタイミングでアプローチできるインテントセールスツールです。Web検索データから把握した検索キーワードとボリュームにより、ニーズや検討状況を把握できます。
ターゲットの商材に対する興味関心度を数値で把握できるため、アプローチの優先順位を明確化できるほか、部署や人物情報も把握できるので、受付突破率やキーマン接触率を向上可能です。電話や広告、フォームなど、複数チャネルを組み合わせたアプローチも行えます。
- 企業情報、人物情報、リサーチ情報を統合
- 顧客のWeb行動履歴ログを解析し検討度合いをスコア表示
- 過去の受注リストとデータをもとに傾向分析も可能
infoboxは、市場リサーチからキーパーソンへのアプローチまで一気通貫でサポートする営業データプラットフォームです。企業や人物、利用サービスなどのデータを統合データベース化し、部署情報をはじめ豊富な検索軸で営業リストを作成できます。
表示スコアにより見込み顧客のシステムやサービスの検討度合いを把握できるほか、過去の受注データを取り込めば相性のよい企業の傾向も分析でき、優先順位の把握やリスト強化も可能です。役職情報、部署直通電話番号なども確認できるので、受付突破率の向上にも役立ちます。
Select DMP
- 膨大な法人のWEB閲覧データを活用
- 商談獲得率を高める”企業・部署データ”を提供可能
- 潜在層から顕在層までカバーする幅広いサービスラインナップ
Select DMPは、企業の検索キーワードをベースにインテント分析ができるツールです。ニーズとして検知可能なキーワードは20億キーワード以上※あり、さまざまな企業のニーズをリアルタイムに検知し、企業リストを抽出します。測定したいWebページにタグを埋め込めば、来訪者データも蓄積可能です。アカウントベースドマーケティング機能も搭載されているので、企業名だけではなくその企業を開拓するのに役立つ情報も同時に取得できます。
※出典:インティメート・マージャー「Select DMPとは - 株式会社インティメート・マージャー」(2024年5月29日閲覧)
DealPods
- 大型商談を成約に導くためのインテントセールスツール
- 顧客社内の関与者情報を一覧化
- 検討スケジュールを双方で管理できるプロジェクト機能搭載
DealPodsは、大型商談を成約に導くために必要な機能を搭載したインテントセールスツールです。顧客との資料共有やプロジェクト管理機能だけでなく、顧客の社内の相関図を可視化する機能、エンゲージメントレポートといった機能が含まれています。大量の営業案件を効率よくさばくというよりは、一つひとつの大型案件について社内で丁寧に情報共有し、顧客エンゲージメントを高めて受注率を高めるためのツールです。
Bombora
- 5,000※を超えるサイトと提携
- 独自のビジネスIDグラフによって新規の見込み客のデータを確認できる
- Audience Solutionsと連携すれば、ABM機能も使用できる
Bomboraは、5,000を超えるプレミアムB2Bウェブサイトでの見込み顧客のデジタルジャーニーを測定する、インテントセールスツールです。Co-opと呼ばれるB2Bデータコミュニティを運営しており、そこから収集したさまざまな顧客の行動データをユーザーに提供します。Bomboraには自動メッセージ機能も搭載されており、インテントデータに合わせてアプローチするため高い確率でユーザーからの返答を得られます。また、同社が提供しているAudience Solutionsを利用すれば、さらにインテントデータを効率的に使用し、ABMとして簡単に利用可能です。
※出典:Bombora「ホームページ - ボンボラ」(2024年5月29日閲覧)
インテントセールス導入の注意点
インテントセールスと一口にいっても、企業によって使うデータと現場業務の活かし方は異なります。インテントセールスを実現し、収益をあげるための注意点を3つを紹介します。
正確性や鮮度の高い情報を取得できる仕組みを作る
データに基づいた営業を成功させるために、情報の正確性や鮮度の高い情報を取得できるようにしましょう。ただツールを導入するだけではなく、データの取得方法についても事前に考える必要があります。
インテントデータの正確性や鮮度を担保できない環境なら、無理にインテントセールスをしようとせずに他のセールス手法を実施するか、まずはデータが取得できる環境を整備するべきです。
データを適切に取り扱える専門家を育成する
インテントデータを収集できても、そのデータを適切に取り扱える専門家が社内に存在しないとインテントセールスは成立しません。インテントデータはWebサイト・CRM・MAツールのようなさまざまな場所に一次的に蓄積されます。
こういったデータを統合して、分析するためには専門家が必要です。専門家を社内で育成または採用するパターンもあれば、外注するパターンも考えられます。ただし、そもそも業務改善のための仮説が存在しないと、データを分析しても何も活用できない懸念点も考えられるでしょう。
分析結果を具体的な営業施策まで落とし込む
インテントデータは営業で成果をあげるために分析します。よってインテントデータを分析しても、何の営業改善の施策も実行されなければ意味もありません。
分析や定点検査で情報を収集、サポートを作成・共有して終わるのではなく、その分析結果を具体的な営業改善につなげましょう。
インテントセールスを活用してデータドリブンな営業を実現しよう
インテントセールスとは、顧客のWeb上での行動履歴、商品の購買履歴といったインテントデータを活用した営業手法のことを指します。純粋なアウトバンド、インバウンドの中間的な手法で、データをもとに比較的検討段階の浅い潜在的な顧客を発見して、セールスによってアプローチする手法です。
SFA、CRMといった営業・顧客管理ツールとは別に、近年インテントセールスの実現に特化したシステムも開発・提供されています。こういったシステムを活用することによりデータドリブンな営業が実現可能です。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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