与信管理システムおすすめ比較!料金やメリット・選び方のポイント
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- 与信管理システムとは?
- 与信管理システムの選び方
- 与信管理システムの導入目的を確認する
- 与信管理システムの機能を確認する
- 与信管理システムを導入する際の注意点を確認する
- 与信管理システムの料金・価格相場を確認する
- おすすめの与信管理システム【与信格付けに強みを持つサービス】
- SMART与信管理サービス
- アラームボックス モニタリング
- 与信管理ソリューション - 株式会社オービック
- Neuro Watcher - AGS株式会社
- おすすめの与信管理システム【スコアリングに強みを持つサービス】
- SCORE LINK - TIS株式会社
- CRD統合ツール - 一般社団法人 CRD協会
- おすすめの与信管理サービス【管理・分析機能に強みのあるサービス】
- 請求まるなげロボ
- 与信管理 - 株式会社日立ソリューションズ
- おすすめの与信管理サービス【未払い保証サービス】
- URIHO - 株式会社ラクーンフィナンシャル
- 与信管理システムを利用するメリット
- 与信管理の手間を軽減できる
- 未回収リスクを最小限にできる
- 取引先を拡大しやすくなる
- 与信管理システムを利用するデメリット
- 情報の管理に注意を要する
- 費用対効果が低くなる可能性もある
- 与信管理システムの導入を検討しよう
与信管理システムとは?
与信管理システムは、取引先の与信情報を一元的に管理できるシステムで、限度額や売上債権の残高などをまとめて確認できるようになります。
貸し倒れによる大きな損失を防ぐためには、取引先の情報をきちんと管理し、合理的な意思決定をしなければいけません。しかし、与信情報の収集・管理や請求業務には相応の手間がかかるため、社員の負担を軽減するために、効率的に業務を進められるシステムの導入が必要です。
与信管理システムはそういったニーズを受けて普及が進んでおり、近年導入する企業が増えています。債権を確実に回収し、安定した事業運営を続けるために役立ちます。
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与信管理システムの選び方
与信管理システムを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- 与信管理システムの導入目的を確認する
- 与信管理システムの機能を確認する
- 与信管理システムを導入する際の注意点を確認する
- 与信管理システムの料金・価格相場を確認する
与信管理システムの導入目的を確認する
まずは、与信管理システムの導入目的を明確にしなければいけません。目的に適う機能を備えたシステムを選ぶのが大前提です。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
与信情報をチェックして、慎重に取引先を選びたい | 与信管理に強みをもつシステムがおすすめ |
取引先や取引を予定している企業が、どの程度信頼できるか整理して確認したい | スコアリングに優れたシステムがおすすめ |
取引先の与信情報を正確に管理し、社員の業務負担を軽減したい | さまざまな管理・分析機能を有するシステムがおすすめ |
与信管理システムの機能を確認する
与信管理システムで利用できる機能は、主に次のとおりです。導入目的を確実に達成できる機能を有するシステムを、慎重に選択しましょう。
機能 | 詳細 |
---|---|
与信判断のサポート | 取引先の基本情報や外部のデータベースなどを活用して、与信判断をしやすくする機能。公式サイトやニュースリリースなど、さまざまな媒体から情報を収集できる。 |
与信情報の管理 | 収集した取引先の与信情報を整理し、必要な情報をすぐに閲覧できるように管理する機能。 |
与信管理に関するルールの作成や運用 | 与信管理の基準や情報の運用などに関して、さまざまな規程を作成できる機能。 |
スコアリング | 任意の基準に基づいて、取引先のスコアリング(格付け)をする機能。 |
モニタリング | 取引先の情報やスコアリング情報などを適宜モニタリングして、変更があった際にアラートで知らせる機能。 |
反社チェック | 取引先が反社会的な勢力と関わりがないか、コンプライアンスの状況も含めて判断するための機能。 |
与信判断のサポート機能に関しては、システムベンダーが独自に構築しているデータベースを利用できるサービスも多く、与信限度額の算出ができるシステムも少なくありません。
またベンダーによっては、支払いが滞った場合や取引先が倒産をした場合などに、債権分を保証してもらえるケースもあります。100%の売掛保証を受けられるサービスならば、貸し倒れのリスクヘッジが可能です。
与信管理システムを導入する際の注意点を確認する
与信管理システムを導入する際には、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
予算内で必要な情報が得られるか | 適切なコストで十分な与信情報を得られるか判断する。システムの導入・運用にかかる費用と、得られる効果のバランスを考える。 |
与信情報は正確か | 取引先の与信に関する正確な情報を得られるか、スコアリングの精度はどの程度かなど、きちんと確認する必要があります。 |
使いやすいシステムか | 誰にとっても使いやすく、必要な機能をすぐに呼び出せるシステムか、事前にチェックしておきましょう。無料トライアル版が利用できるものも多いです。 |
売掛保証が受けられるか | 貸倒れのリスクを低減したいならば、売掛保証が受けられるシステムやサービスを優先的に選ぶ |
海外企業の与信管理は可能か | 海外企業と取引しているならば、海外にも対応しているシステムを導入する必要がある |
サポート体制 | システムベンダーから十分なサポートを受けられるか確認する |
連携サービス | 社内で運用しているSFAやCRMなどと、スムーズに情報を連携できるかもチェックしておく |
与信管理システムの料金・価格相場を確認する
与信管理システムは、大きく分けてライセンス型と従量課金型の料金体系があります。ライセンス型は40,000~50,000円程度(1ライセンス)の費用がかかる傾向にあり、従量課金型は月額3,000円程度から費用負担が発生します。
ただし、あくまでも相場であり、具体的な費用はシステムによって大きく異なるので、事前によく調べておきましょう。
おすすめの与信管理システム【与信格付けに強みを持つサービス】
それでは、おすすめの与信管理システムを紹介していきます。まずは、格付けに強みを持っているサービスから紹介するので、取引先の与信判断に迷っているならば、導入を検討してみましょう。
SMART与信管理サービス - 三井物産クレジットコンサルティング株式会社
SMART与信管理サービスは、精度の高いMCC格付が可能な取引先与信管理サービスです。三井物産グループのノウハウを凝縮した与信判断ロジックにより、スムーズな意思決定が可能になります。取引先の情報収集から与信の判断、定期的な見直しまで、明確な基準のもとで運用できるのが特徴です。
海外企業の与信管理にも対応しているので、グローバルに活動している組織におすすめです。現状を正確に把握し、リスクを定量化したうえで、与信管理・債権管理体制や経営戦略に活かせる体制を構築できます。
アラームボックス モニタリング - アラームボックス株式会社
アラームボックスは、企業調査を自動化し、与信管理業務のDXを推進するためのシステムです。500万社の情報を網羅したデータベースから、取引先や取引候補の風評や反社チェック・支払状況などの情報を収集でき、与信判断のアドバイス付きで利用できます。
取引先の情報に変化があった場合、自動で知らせてくれるので、迅速なリスクヘッジが可能になるのも特徴です。未入金が発生した際、保証を受けられるサービスも利用できるため、積極的に取引先の拡大を検討している組織にもおすすめです。
与信管理ソリューション - 株式会社オービック
与信管理ソリューションは、オービック社が提供しているサービスです。取引先の財務情報を多角的に分析したり、定量・定性評価によって信用を格付けしたりできるのに加えて、収集した情報を一元的に管理できます。
グループ企業全体のリスク管理も精緻化でき、与信判断業務の効率化・簡略化を図れるので、事業規模を問わず広く導入・運用が可能です。販売・会計システムに加えて、調査機関とも連携して取引先の情報を管理し、与信統合データベースを構築できます。
Neuro Watcher - AGS株式会社
Neuro Watcherは与信管理に関する意思決定を、AI(人工知能)がサポートしてくれるサービスです。金融機関の融資審査ノウハウを活かして、取引先の与信判断が可能です。
東京商工リサーチの有する企業情報や財務情報をベースとして、取引先を9段階の信用スコアリングで判定し、与信判断に必要な情報として取得できます。スコアリング機能に加えて、与信限度額算出機能や与信情報継続管理機能なども有しており、ほかの調査会社とは異なる切り口で評価できるのも特徴です。
おすすめの与信管理システム【スコアリングに強みを持つサービス】
次に、取引先のスコアリングに強みを持つ与信管理システムを紹介します。取引先の信頼性をできるだけ正確に把握したい企業におすすめです。
SCORE LINK - TIS株式会社
SCORE LINKは、AI(人工知能)の活用により、決算書や確定申告書などの入力オペレーションを自動化し、生産性を向上できる与信管理システムです。
財務諸表入力業務や財務診断業務を支援する機能が多く実装されており、取引先の分析に加えて、事務作業負担の軽減やペーパーレス化を実現します。ほかのサービスとのデータ連携も可能なので、組織全体の業務フローを改善し、社員の生産性を向上できるでしょう。銀行を中心に導入が進んでいるサービスです。
CRD統合ツール - 一般社団法人 CRD協会
CRD統合ツールは、CRD協会の提供する3つのサービスを統合した与信管理ツールです。PCにインストールすれば利用できるオンプレミス型で、手軽に導入・利用できるのが魅力です。
取引先の財務データをベースとして、経営状態を統計的手法により構築したモデルで分析し、倒産の確率を算出できます。さらに中小企業診断システムによる財務診断も可能で、決算データ異常値判定機能により、粉飾決算の可能性も把握できます。基本的に会員向けに提供されているツールなので、まずはCRD協会に問い合わせをしてみましょう。
おすすめの与信管理サービス【管理・分析機能に強みのあるサービス】
続いて、情報の管理・分析機能に強みを持つ与信管理サービスを紹介します。取引先に関する情報を有効に活用するとともに、社内の業務プロセスの改善を図りたい企業におすすめです。
請求まるなげロボ - 株式会社ROBOT PAYMENT
請求まるなげロボは、取引先の与信管理から売掛金の回収まで、まとめて代行してもらえるサービスです。1つのプラットフォームで請求管理が可能で、与信審査を通過したものはもちろん、審査に落ちた請求に関しても管理できます。
さらに、ダッシュボードで債権の回収状況を「見える化」し、取引先の滞納や未収金の状況をリアルタイムで確認できるのが特徴です。もし取引先から支払いがない場合でも、100%の売掛保証が受けられるので、貸し倒れによる損失を防げます。
与信管理 - 株式会社日立ソリューションズ
日立ソリューションズの与信管理は、グループ会社全体や取引先の部門ごとに、与信限度額や受注残高・債権残高などをまとめて管理できるシステムです。
与信限度額を超過したり期限切れが発生したりする場合のために警告を表示する機能を有しており、取引先ごとに細かく設定が可能です。これにより、正確で効率のよい与信管理ができます。親会社と子会社、会社と事業所など、多段階での管理にも対応しています。
おすすめの与信管理サービス【未払い保証サービス】
取引先の未払いが発生した際に、保証を受けられる代表的なサービスも紹介します。取引先の倒産や支払いの滞納などに備えて、導入を検討してみましょう。
URIHO - 株式会社ラクーンフィナンシャル
URIHOは、取引先の代金未払いに備えるための保証サービスです。取引先の倒産や1か月以上の支払い遅延があった場合に保証を受けられます。
月額9,800円から利用でき、それ以外の料金は一切かかりません。最低利用期間も設けられていないので、必要な期間のみ保証を受けられることも魅力的です。卸売業やサービス業・製造業などで導入が進んでおり、保証引受額も年々上昇しています。
与信管理システムを利用するメリット
与信管理システムを利用するメリットとしては、主に次の点が挙げられます。
- 与信管理の手間を軽減できる
- 未回収リスクを最小限にできる
- 取引先を拡大しやすくなる
与信管理の手間を軽減できる
与信管理にかける手間やコストを削減できるのが、与信管理システムを導入する大きなメリットです。取引先の情報を詳細に調査し、倒産や貸し倒れのリスクを算定するためには、相応の時間をかけなければいけません。組織によっては、十分なリソースを割けないこともあるでしょう。
そこで、与信管理システムを導入すれば、取引先の情報を効率的に収集でき、スピーディーかつ高精度な与信判断が可能になります。時間と費用のロスを削減できるのに加えて、社員の業務負担も軽減できます。
未回収リスクを最小限にできる
システムの導入により与信管理を徹底すれば、取引先の倒産や貸し倒れなどによる未回収リスクの最小化が可能です。
信用度の高い取引先と積極的に契約する一方で、信用力の低い相手との取引を制限できるようになるので、不良債権を抱えるリスクを軽減できるでしょう。反社チェック機能により、反社会的勢力と関わりのある企業との取引も避けられます。
取引先を拡大しやすくなる
与信管理の最適化で企業の信用度を測れるようになれば、取引先を拡大しやすくなるメリットもあります。判断に必要な情報を効率的に収集・蓄積する体制を構築できるので、迅速な与信判断が可能になり、取引をスムーズに進められるようになるでしょう。
システムの力で判断のプロセスを簡略化できるので、タイムリーな意思決定が可能になります。優良な取引先を見つけられるようになれば、市場における競争優位の確立にもつながるでしょう。
与信管理システムを利用するデメリット
与信管理システムを導入する際には、次の点を意識しなければいけません。
- 情報の管理に注意を要する
- 費用対効果が低くなる可能性もある
機密情報の取り扱いに十分注意するとともに、システムの費用対効果を算出したうえで、環境に合ったものを選択する必要があります。
情報の管理に注意を要する
取引先となり得る企業の信用情報を含め、外部に漏らせない機密情報を取り扱うことになるので、セキュリティには十分配慮しなければいけません。
万が一、他社の情報を外部に漏らしてしまった場合、大きな信用問題に発展するおそれがあります。企業として信用を失ってしまい、周りから取引をしてもらえなくなる場合もあるでしょう。情報を安全に管理できる体制を構築するとともに、導入するシステムのセキュリティにも目を向けることが大事です。
費用対効果が低くなる可能性もある
取引先が増加し、管理すべき情報が膨大になると、システムの費用対効果が下がってしまう可能性もあるで注意しましょう。毎月の費用負担と、システムから得られる情報の有効性とのバランスを考慮し、現状のシステムで本当に問題ないか、定期的に確認する必要があります。
もし、ほかのサービスの方がコストパフォーマンスが高い場合や、料金プランの変更が必要な場合などは、できるだけ早く対応するようにしましょう。料金や管理コストに見合ったサービスを利用できているか、定期的に見直すことが重要です。
与信管理システムの導入を検討しよう
与信管理システムは取引先の与信情報を一元管理できるシステムで、倒産のリスクや信用度などの分析・把握が可能です。取引先の倒産や支払いの滞納により、予期せぬ損失を被らないために、与信情報はしっかりと収集し、意思決定に活かせるようにしておきましょう。
システムを選ぶ際には、必要な機能が網羅されているか確認するのに加えて、次の点も意識する必要があります。
- 適切なコストで必要な情報を得られるか
- 正確な与信情報を集められるか
- 誰にとっても使いやすいシステムか
- 売掛保証を受けられるサービスか
- 海外企業の与信管理は可能か
- システムベンダーのサポート体制は評価できるか
- 連携できるサービスは何か
なお、取引先の情報を効率的に管理するには、CRMとの連携も有効です。CRMのおすすめや選び方のポイントは次の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。