統合運用管理ツール比較!概要や導入メリット・選び方・おすすめサービス
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統合運用管理ツールとは
統合運用管理とは、サーバーやネットワーク機器、動作するソフトウェアなどで構成されるシステムに対して、そのシステムの状態や資産管理を個別ではなく、集中して管理することです。そして、この集中管理を実現するのが統合運用管理ツールです。
統合運用管理のメリット
システム運用が統合管理されることのメリットには次のようなことが挙げられます。
- IT運用の一元化
- 運用管理の自動化
- IT運用の費用削減
- IT資産管理の一元化
それぞれについて解説します。
IT運用の一元化
システム運用を統合管理にするとIT運用を一元化できます。それにより、関連した複数の情報を関連付けられるので一目で状況把握が可能となります。
この結果、トラブルが発生したときの対処手順切り分けが容易になり、運用品質が向上します。システムの構成を図に表す機能を使うことで、自動的にエラー発生箇所が図で表示され被疑箇所の特定がすぐにできるのもメリットです。
運用管理の自動化
- システム監視や定型化された作業を24時間365日自動化
- 複雑な処理が必要な業務・人間の手作業では難しい業務も可能
- 手作業で発生するミスをゼロに
- 勤務時間内外に関わらずスケジュール実行可
夜間は無人で運用していたとしても異常時に管理者へメールで通知する機能により、早い初動で対応できます。自動化のメリットはとても大きいです。
IT運用の費用削減
複雑で高度な作業を自動化することにより、高いスキルを持つ作業者を常時配置する必要がなくなります。特に24時間365日稼働しているシステムにおいては、夜間も有人対応が必要な場合があります。
一般的に夜間は人件費が割増になります。特に高スキルな作業者を夜間に配置するのは人件費が高くなり、人材の確保自体も困難ではないでしょうか。
IT資産管理の一元化
IT資産がいつから、どこに、どのバージョンで導入されているかをすべて把握することは、資産管理上重要なことです。サポート期限が切れる前までに、ソフトウェアであればバージョンアップ、ハードウェアであれば機器更新といったことが必要となります。
IT資産を一元的に把握することにより、ソフトウェアやハードウェアが多く存在したとしても、資産管理を円滑に、しかも少人数で進められます。
IT資産管理についてや、IT資産管理を実現できるサービスについてはこちらもご覧ください。
統合運用管理ツールの選び方
統合運用管理ツールを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- 統合運用管理ツールの導入目的を確認する
- 統合運用管理ツールの機能を確認する
- 統合運用管理ツールを導入する際の注意点を確認する
- 統合運用管理ツールの料金・価格相場を確認する
統合運用管理ツールの導入目的を確認する
統合運用管理ツールの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
人件費やその他コストを抑えて、24時間・365日体制でプログラムやバッチ処理などの運用監視を行いたい | ジョブ管理や運用監視に特化したタイプがおすすめ |
すべてのIT資産を一元管理して、トラブル発生時にも迅速に対応できる体制を整えたい | IT資産管理に特化したタイプがおすすめ |
統合運用管理ツールの機能を確認する
統合運用管理ツールでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
ジョブ管理 | 業務処理を自動化する機能 |
可用性管理 | ITシステムが一定の水準を保てるように監視する機能 |
性能管理 | データ処理能力やスピードなどのITシステムの性能が、一定の水準を満たしているか管理する機能 |
構成管理 | ITシステムを構成する要素を管理する機能 |
セキュリティ管理 | アクセス権限やネットワーク制限などのセキュリティ管理を行う機能 |
IT資産管理 | IT資産を一元管理する機能 |
インシデント管理 | システムが正常に利用できなくなった際のインシデントを自動で登録する機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
PCログ勤怠管理 | PC端末のログオンやログオフ日時を記録して勤怠管理を行う機能 |
USBドライブ監視 | いつどのデータをUSBに保存したかを管理する機能 |
IT資産管理とあわせて、たとえば在宅ワーク中や外出先での業務の勤怠管理を行いたい場合には、PCログ勤怠管理機能があるツールがおすすめです。
統合運用管理ツールを導入する際の注意点を確認する
統合運用管理ツールを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
導入形態 | 導入には主にクラウド型とオンプレミス型があります。自社の体制に合うを選びましょう。 |
ITILへの準拠 | ITサービスを適切に管理するためのお手本を集めた書籍群といわれる、ITILへ準拠しているか確認しておきましょう。 |
操作性 | ツールの操作性や使用感を無料トライアルを活用して確認しておくと安心です。 |
セキュリティ対策 | ITシステムを管理するため、セキュリティ対策が万全かどうかを確認しておきましょう。 |
サポート | サービス導入時や導入後のサポート体制や、何かあった場合のフォロー体制が整っているかを確認しておきましょう。 |
統合運用管理ツールの料金・価格相場を確認する
統合運用管理ツールの料金は、オンプレミス型かクラウド型かで異なります。さらに、クラウド型の場合には月額従量課金タイプか月額固定費用タイプで異なります。必要な機能と要件が搭載されているサービスの料金を確認しましょう。
ツールによって、利用する機能の範囲やライセンス数によって別途見積もりが必要なケースがあります。気になるツールは公式サイトから見積もり依頼や相談の問い合わせをしましょう。
運用や監視に特化したタイプ
サーバー管理や運用の監視に特化したタイプです。24時間・365日体制でプログラムやバッチ処理などを行います。システム障害の検知や解析、復旧作業にも対応しています。
人件費を抑えながら運用監視を効率よく行いたい場合におすすめです。
システムマネジメントサービス
- 運用代行・コンサル・障害対応をサポート
- 業務内容・運用体制に合わせた柔軟な対応
- Zabbix認定パートナー
システムマネジメントサービスは、システム基盤の設計、構築、運用から障害対応まで全面的にマネジメントするサービスです。回線契約情報や機器構成情報・保守契約を管理。障害発生時に対応やエスカレーションを行うための情報を、専用のクラウド版リマインダに登録。運用情報の属人化を排し、異動・交代を円滑に進めます。監視ツールは、高機能で拡張性にすぐれたOSS「Zabbix」を使用しています。
puzzle
- ビッグデータの変動・揺らぎを検知
- 仮想サーバーの障害検知
- 人工知能によるIoTデータコントロール
puzzleは、IoTや仮想サーバーの統合運用を行うマネージドサービスです。運用はAiにより自動化されています。AWSをはじめとする仮想サーバーにおける、システム障害を検知。ロードバランシングを自動調整してネットワークの負荷を軽減し、ネットワーク上のセキュリティを安定させます。
SteelCentral Controller for SteelHead
- 単一画面にまとめて表示
- AIロボット技術による自動制御
- クラウドやオンプレミスなど形態を問わず監視
SteelCentral Controller for SteelHeadは、物理基盤・仮想化基盤・モバイルデバイスなどのハイブリッド環境におけるアプリケーションの動作状況を可視化し、一元管理するソリューションです。統合ダッシュボードを用意し、ネットワークの全体像を把握できます。
VAQuest
- ソースコードレベルで調査し障害対応
- 複数OSS製品の連携方法サポート
- Linux基盤に特化したサービス
VAQuestは、基盤系オープンソース・ソフトウェアやLinuxで構成されたシステムに対して、障害解析・対応を行うサービスです。ログ解析や過去に発生したアクシデントの調査を行い、障害の回避方法を提案します。対応時間は営業時間内となります。Linuxカーネルに標準機能として実装されている「KVM」を用いて仮想化したOSの解析も可能です。
arGuss
- 監視・運用をスクリプトで自動化
- 商用オープンソース・ソフトウェアなどと連携
- インシデント発生による追加費用不要
arGuss(アーガス)は、複数のクラウドシステムの障害対応・運用を一括で代行するBPOです。監視するフレームワークには、業界の定番である「Zabbix」を使用しています。完全月額制であるため、インシデントが発生した回数によって支払い金額は変動せず、固定額でサービスを利用できます。オンプレミス、他社基盤、クラウドでのデータセンターに対応しています。
AOSMS
- 監視間隔やエラー回数を指定しポーリング
- 障害時の1次対応可
- 現地駆け付けによるオンサイト対応可
AOSMSは、クラウドで稼働しているシステムを監視・運用するBPOサービスです。リモートで、アプライアンスの死活監視やサーバーリソースのログを取得します。オプションサービスとして、他のサーバー監視システムから送信された警告メールを、担当者へ報告できます。インシデントやアクシデントの発生時には、あらかじめ定義した簡易手順書を実行し、復旧作業を行います。
SKYARCH
- AWSへの移行サポート
- 提案依頼書や手順書への対応可
- 夜間はメール、日中は電話で対応
SKYARCHは、WindowsとLinux上で、クラウド・オンプレミスサーバーの管理を、ワンストップで提供するソリューションです。IT運用におけるナレッジ「ITIL」をベースに開発された「ISO20000」を取得しています。監視は『対応時間30分を1インシデント』とし、構築は依頼後10営業日ほどで完了とのことです。短期であればエンジニアの派遣も行っているようです。
IT資産管理に特化したタイプ
IT資産管理をメイン機能としているタイプです。端末管理やログ管理、セキュリティ管理を行います。
IT資産の一元管理をしたい場合におすすめです。
漏洩チェッカー - 株式会社スタメン
- 内部からの情報漏えい防止をサポート
- 端末単位で必要な機能を組み合わせ可能
- 初期費用無料、最低契約期間1か月
漏洩チェッカーは、内部からの情報漏えい防止をサポートする情報管理サービスです。IT資産やログ、労務管理などに役立つ監視機能を、端末ごとに1機能単位で契約可能です。
パソコンでのファイルの操作や、USBドライブの利用などを監視でき、重要情報の動きを検知しアラートしてくれます。監視する端末と従業員を紐づけし自動でモニタリングできるので、運用管理にかかる工数削減に役立ちます。
SmartStageサービスデスク
- 操作履歴・作業ログをクラウド上に記録
- インシデント管理状況や作業ボリューム可視化
- ITILのコアプロセスを活用した運用
SmartStageサービスデスクは、クラウド上にインシデントや運用に関する情報を集約して、ITILに準拠したサービスデスクを設置し、ユーザからの問い合わせに迅速に対応するフローを構築するサービスです。インシデント管理状況を可視化し、リソース管理の精度を高めます。他のIT監視ツールが発したAPIやメールアラートを取り込み、一箇所に集約して表示可能です。インシデント発生時にはエスカレーション処理ごとに進捗記録し、関係者へ通知・共有を行います。
SS1
- Windows・Mac・Linux全対応
- IT資産管理と運用支援を統合
- 充実したオンラインセミナー
SS1は、IT資産管理を行うソリューションであり、オプション機能としてリモート操作によるサポートや、インシデントの管理を行っています。帳票印刷の制限・SDカードなどを識別して利用制限・フォルダの読みこみ書きこみ監視といった、情報漏えいにつながるインシデントを予防し、コンプライアンス体制を強化。OSの種別を問わずインベントリを収集し、大規模なシステムのIT資産管理と運用を支援します。
大規模なシステムほど統合運用管理ツールのメリットが大きい
大規模で複雑なシステムでは、Excelシートでの管理や人間に頼るだけではなかなか難しいものです。
したがって、大規模なシステムではほぼ統合運用管理ツールが導入されているといっていいでしょう。そうでない場合は、運用作業者へ不当な負荷がかかってしまいます。
もしシステム運用の現場に改善すべき点がある場合は、おすすめの運用管理ツールを参考にして、統合運用管理ツールに関しても検討してみてください。
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