統合運用管理ツールとは?概要・ツール比較・機能・メリット

現代のインターネット社会にはなくてはならないものがサーバやPCなどのIT機器。これらの機器を一元化して管理できるようにするのが統合運用管理ツールです。統合運用管理ツールを利用すれば運用費の削減にも繋がります。
今回は、統合運用管理ツールとは?という疑問から導入のメリット、おすすめのツールを紹介します!
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1. 統合運用管理ツールとは
統合運用管理とは、サーバやネットワーク機器、動作するソフトウェア等で構成されるシステムに対して、そのシステムの状態や資産管理を個別ではなく、集中して管理することです。そして、この集中管理を実現するのが統合運用管理ツールです。
2. 統合運用管理のメリット
まず、システム運用が統合管理されることのメリットを説明します。
IT運用の一元化
システム運用を統合管理にするとIT運用を一元化できます。それにより、関連した複数の情報を関連付けることができるので一目で状況把握が可能となります。
この結果、トラブルが発生した時の対処手順切り分けが容易になり、運用品質が向上します。システムの構成を図に表す機能を使うことで、自動的にエラー発生箇所が図で表示され被疑箇所の特定がすぐにできるのもメリットです。
運用管理の自動化
- システム監視や定型化された作業を24時間365日自動化
- 複雑な処理が必要な業務・人間の手作業では難しい業務も可能
- 手作業で発生するミスをゼロに
- 勤務時間内外に関わらずスケジュール実行可
夜間は無人で運用していたとしても異常時に管理者へメールなどで通知する機能などにより、早い初動で対応できます。自動化のメリットはとても大きいです。
IT運用の費用削減
複雑で高度な作業を自動化することにより、高いスキルを持つ作業者を常時配置する必要がなくなります。特に24時間365日稼働しているシステムにおいては、夜間も有人対応が必要な場合があります。
一般的に夜間は人件費が割増になります。特に高スキルな作業者を夜間に配置するのは人件費が高くなり、人材の確保自体も困難ではないでしょうか。
IT資産管理の一元化
IT資産がいつから、どこに、どのバージョンで導入されているかを全て把握することは、資産管理上重要なことです。サポート期限が切れる前までに、ソフトウェアであればバージョンアップ、ハードウェアであれば機器更新といったことが必要となります。
IT資産を一元的に把握することにより、ソフトウェアやハードウェアが多く存在したとしても、資産管理を円滑に、しかも少人数で進めることができます。
IT資産管理についてや、IT資産管理を実現することができるサービスについてはこちらもご覧ください。

3. 運用管理ツールの構成
先程述べた統合運用管理のメリットを実現するための具体的な方法について説明します。製品によってはさらに追加機能もある場合もありますが、ここでは殆どのツールで共通して備えている機能を対象とします。
ジョブ管理
業務処理を自動化する機能を管理します。一連の業務処理をフローで管理し、処理の最小単位をジョブ、ジョブで構成された一連の処理をジョブネットと呼びます。ジョブネットは前工程の条件別に後工程のフローを変える構成を持たせることもできます。これにより、複数条件に分岐する業務があったとしても自動的に対応できます。
このジョブネットをスケジュール実行したり、手動実行したりすることで、作業者の操作数をゼロまたは少数にできます。また、ある処理でエラーとなり停止してしまったとしても、エラー発生状況を表示させることができるので、その時の対応方法を手順化しておけば処理の続行や安全な停止操作が可能となります。
可用性管理
ここでは、エラーが発生したとしても、システムを利用するユーザへの影響を最小限に抑えることを目的とした監視と回復操作について管理します。
逆にいえば、エラーが発生しつづけていてもユーザが問題なく利用できていれば、可用性という観点では問題ないのです。
なお、もしこの段階で影響を回避できない場合は、問題が発生したことを管理者へ通知します。
性能管理
パフォーマンス管理とも呼びます。ITシステムの利用状況をリアルタイムに計測し、これをシステム拡張や更新の計画にフィードバックします。
システム計画・設計や導入前の性能テストで性能に関する事前検証は実施しており、その段階でおおよその性能は把握しているのですが特にインターネット向けのWebシステムのようなものでは実際の負荷を予測することは難しいです。したがって、大規模なシステムになるほど実際に計測することは欠かせません。
構成管理
現時点でのハードウェア、ソフトウェアがどのように関連付けられて構成しているかを管理します。さらにそれらを運用していくために必要な業務プロセス、ドキュメントとの関連も管理します。
これら管理する構成要素に変更があった場合は最終的に構成管理にも反映することで、常に最新の情報を保ちます。
セキュリティ管理

IT資産にアクセスするのに必要な人に必要なだけの権限を付与し、管理することができます。さらに、それ以外の権限ではアクセス不可能にするための管理も含みます。
具体的には、Active Directoryといったユーザ認証システムであったり、ウイルス対策ソフトであったりします。
IT資産管理
ITシステムを構成するソフトウェアやハードウェアの導入日、導入場所、バージョン等の管理を容易にします。構成管理と混同されがちですが、IT資産管理の方は減価償却や原価計算といった会計業務に関わることを最終的な目的としています。
4. おすすめの運用管理ツール
それでは、おすすめの統合管理ツールを紹介します。
漏洩チェッカー - 株式会社スタメン
- 内部からの情報漏えい防止をサポート
- 端末単位で必要な機能を組み合わせ可能
- 初期費用無料、最低契約期間1か月
漏洩チェッカーは、内部からの情報漏えい防止をサポートする情報管理サービスです。IT資産やログ、労務管理などに役立つ監視機能を、端末ごとに1機能単位で契約可能です。
パソコンでのファイルの操作や、USBドライブの利用などを監視でき、重要情報の動きを検知しアラートしてくれます。監視する端末と従業員を紐づけし自動でモニタリングできるので、運用管理にかかる工数削減に役立ちます。
SmartStageサービスデスク
- 操作履歴・作業ログをクラウド上に記録
- インシデント管理状況や作業ボリューム可視化
- ITILのコアプロセスを活用した運用
SmartStageサービスデスクは、クラウド上にインシデントや運用に関する情報を集約して、ITILに準拠したサービスデスクを設置し、ユーザからの問い合わせに迅速に対応するフローを構築するサービスです。インシデント管理状況を可視化し、リソース管理の精度を高めます。他のIT監視ツールが発したAPIやメールアラートを取り込み、一箇所に集約して表示可能です。インシデント発生時にはエスカレーション処理毎に進捗記録し、関係者へ通知・共有を行います。
システムマネジメントサービス
- 運用代行・コンサル・障害対応をサポート
- 業務内容・運用体制に合わせた柔軟な対応
- Zabbix認定パートナー
システムマネジメントサービスは、システム基盤の設計、構築、運用から障害対応まで全面的にマネジメントするサービスです。回線契約情報や機器構成情報・保守契約を管理。障害発生時に対応やエスカレーションを行うための情報を、専用のクラウド版リマインダに登録。運用情報の属人化を排し、異動・交代を円滑に進めます。監視ツールは、高機能で拡張性にすぐれたOSS「Zabbix」を使用しています。
SS1
- Windows・Mac・Linux全対応
- IT資産管理と運用支援を統合
- 充実したオンラインセミナー
SS1は、IT資産管理を行うソリューションであり、オプション機能としてリモート操作によるサポートや、インシデントの管理を行っています。帳票印刷の制限・SDカードなどを識別して利用制限・フォルダの読みこみ書きこみ監視など、情報漏えいにつながるインシデントを予防し、コンプライアンス体制を強化。OSの種別を問わずインベントリを収集し、大規模なシステムのIT資産管理と運用を支援します。
puzzle
- ビッグデータの変動・揺らぎを検知
- 仮想サーバの障害検知
- 人工知能によるIoTデータコントロール
puzzleは、IoTや仮想サーバの統合運用を行うマネージドサービスです。運用はAiにより自動化されています。AWS等の仮想サーバにおける、システム障害を検知。ロードバランシングを自動調整してネットワークの負荷を軽減したり、ネットワーク上のセキュリティを安定させます。
SteelCentral Controller for SteelHead
- 単一画面にまとめて表示
- AIロボット技術による自動制御
- クラウドやオンプレミスなど形態を問わず監視
SteelCentral Controller for SteelHeadは、物理基盤・仮想化基盤・モバイルデバイス等のハイブリッド環境におけるアプリケーションの動作状況を可視化し、一元管理するソリューションです。統合ダッシュボードを用意し
VAQuest
- ソースコードレベルで調査し障害対応
- 複数OSS製品の連携方法サポート
- Linux基盤に特化したサービス
VAQuestは、基盤系オープンソース・ソフトウェアやLinuxで構成されたシステムに対して、障害解析・対応を行うサービスです。ログ解析や過去に発生したアクシデントの調査を行い、障害の回避方法を提案します。対応時間は営業時間内となります。Linuxカーネルに標準機能として実装されている「KVM」を用いて仮想化したOSの解析も可能です。
arGuss
- 監視・運用をスクリプトで自動化
- 商用オープンソース・ソフトウェア等と連携
- インシデント発生による追加費用不要
arGuss(アーガス)は、複数のクラウドシステムの障害対応・運用を一括で代行するBPOです。監視するフレームワークには、業界の定番となっている「Zabbix」を使用しています。完全月額制であるため、インシデントが発生した回数によって支払い金額は変動せず、固定額でサービスを利用できます。オンプレミス、他社基盤、クラウドでのデータセンターに対応しています。
AOSMS
- 監視間隔やエラー回数を指定しポーリング
- 障害時の1次対応可
- 現地駆け付けによるオンサイト対応可
AOSMSは、クラウドで稼働しているシステムを監視・運用するBPOサービスです。リモートで、アプライアンスの死活監視やサーバリソースのログを取得します。オプションサービスとして、他のサーバ監視システムから送信された警告メールを、担当者へ報告することも可能です。インシデントやアクシデントの発生時には、予め定義した簡易手順書を実行し、復旧作業等を行います。
ITマネジメントサービス
- 拠点にエンジニアが常駐し、オンサイト保守
- 障害時エスカレーション対応
- 年中無休でオンラインシステム管理・監視可
ITマネジメントサービスは、Windowsサーバや、システムメインフレームの運用を代行するBPOです。エンジニアを、貴社サーバの所在地に直接派遣し、常駐させます。ITシステムを最良の状態に保ち、RAS(可用性・信頼性・保守性)を向上します。データのバックアップから、障害の一次対応、二次対応、ベンダへのエスカレーション(対応引き継ぎ)まで、全域に渡ってサポートを行います。
SKYARCH
- AWSへの移行サポート
- 提案依頼書や手順書への対応可
- 夜間はメール、日中は電話で対応
SKYARCHは、WindowsとLinux上で、クラウド・オンプレミスサーバの管理を、ワンストップで提供するソリューションです。IT運用におけるナレッジ「ITIL」をベースに開発された「ISO20000」を取得しています。監視は『対応時間30分を1インシデント』とし、構築は依頼後10営業日ほどで完了とのことです。短期であればエンジニアの派遣も行っているようです。
5. 大規模なシステムほど統合運用管理ツールのメリットが大きい
大規模で複雑なシステムでは、その管理を単純にエクセルシートで管理したり人の頭に頼るとかいうことはなかなか難しいです。したがって、大規模なシステムではほぼ統合運用管理ツールが導入されているといっていいでしょう。そうでない場合は、運用作業者へ不当な負荷がかかっているということになります。
もしシステム運用の現場に改善すべき点がある場合は、"おすすめの運用管理ツール”も参考にして、統合運用管理ツールに関しても検討してみてください。
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