ロジックツリーとは?問題解決の手法、作成ノウハウと3つの種類を解説
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ロジックツリーとは
ロジックツリーとは、問題の要因を分解してツリーの形に整理することで、根本となる原因を理解し解決策を模索するものです。
論理的に(Logic)考えるために樹木(Tree)状に分解することから、ロジックツリー(Logic Tree)と呼ばれ、分析のためには、5階層以上深く掘り下げるのが基本とされています。
ロジックツリーのメリット
問題発見が容易
ロジックツリーは、問題の要因を広く深く具体的に掘り下げる手法のため、全体像を把握し易く、原因の根本を発見することが簡単になります。
問題を把握して、多くの視点から解決法を探る場合などに、ロジックツリーは有効だといえるでしょう。
議論のズレが見つけやすくなる
解決策を全体で議論する場合も、階層ごとに具体的要因を掘り下げるロジックツリーによって、問題の全体像を共有でき、論点のズレを見つけやすくなります。
これは、異なる階層の要因を同列に議論しても意味がないことが視覚的に理解できるからです。
対応策の優先順位がつけやすい
ロジックツリーによってさまざまな解決策がひと目でわかるようになるので、優先順位がつけやすくなります。チームで対応する際には、必要性・優先順位・振り分けなどがしやすくなる点もメリットといえるでしょう。
ロジックツリーの種類
ロジックツリーは、問題解決のための有効な手段ですが、その目的によって「原因究明ツリー(WHYツリー)」「問題解決ツリー(HOWツリー)」「要素分解ツリー(WHATツリー)」「KPIツリー」に分類できます。
それぞれの実例図を交えて解説していきます。
原因究明ツリー(WHY)
原因究明ツリー(WHYツリー)は、「なぜそうなっているのか?」という視点で、問題を分解して階層化し、真の原因を分析することによって解決法を導く手法です。
物事の「何かが上手くいっていない」ときには、会議で議論を重ねても答えが得られなかったり、打ち出した対策が機能しなかったりする場合があります。これは議論を重ねている主題が、問題の真の原因ではなく、議論の前提が間違っていたり、ズレてしまっているためです。
原因究明ツリー(WHY)を使えば、原因の分析はもちろん、議論のズレを防げるので、真の原因にたどり着きやすくなります。状況・課題・解決策をメンバー全員でひと目で確認できる点もメリットといえるでしょう。
具体的にWHYツリーを作成する際には、真の原因が見えていない場合が多いため、上手くツリーを作成できない場合が多いかもしれません。
そのような時は、思いつく要因をすべて書き出してから整理していく方法がおすすめです。
例
問題解決ツリー(HOW)
問題解決ツリー(HOWツリー)は、「どのようにすべきか?」の視点で、問題を分解して階層化し、実践する具体的な方法や解決策を導く手法です。
問題解決のために対策を講じても実践されない、新たな事業を開始しても計画倒れに終わってしまう、などはよくあることです。
これは、担当者個人のレベルまでやるべきことが分解されていないため、対策や計画が実践に移されていないことが原因です。
具体的にHOWツリーを作成する場合は、個々の問題や課題にフォーカスし、バランスよくポイントを挙げていくことが重要です。
例
要素分解ツリー(WHAT)
要素分解ツリー(WHATツリー)は、<>このように複雑なもの、膨大なものなどの要素を、漏れなくダブりなく挙げていくことにより「何で構成されているのか?」を整理して導きだす手法です。
大企業が進めるプロジェクトなどは、多数の部署や担当者がかかわる大規模なものが多くありますが、プロジェクトの進行が遅々として進まない場合がありますこれは、部署や担当者の構造が分解されていないため、指揮系統が不透明なものであることが原因です。要素分解ツリーはこのような場合に有効です。
WHATツリー作成の場合は、挙げていく要素にモレがないことが特に重要です。
例
KPIツリー
KPIツリーとは、問題解決ツリーに具体的な売上をはじめとした数字目標を設定し、日々の業務につなげることを目的としたロジックツリーです。KPIとは、重要業績評価指標のことです。
KPIツリーを用いることで進捗状況や課題を見つけやすくなり、アクションプランとしても活用できます。
ロジックツリー作成ノウハウ
ロジックツリーは、問題や課題の把握、解決を行うための有効な手段ですが、より論理的に理解して考えやすくするには、押さえておくべきポイントがあります。
MECEとは
論理的にロジックツリーを作成する場合に必要とされる概念に、バーバラ・ミントが持ち込んだMECEがあります。
- M = Mutually(互いに)
- E = Exclusive(重複しない)
- C = Collectively(全体に)
- E = Exhaustive(漏れがない)
MECEとは上述の単語の略語となり、そのまま「相互にダブりがなく、全体でモレがない」ことを意味します。問題を要素に分解して分析するロジックツリーでは、MECEの概念で要素を「ダブりなくモレなく」挙げていくことが基本になります。
MECEについては次の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
左から右へピラミッド型に展開
ロジックツリーは問題を要因に分解するため、樹木のようにピラミッド型の展開になります。必ずしもホリゾンタル(水平)である必要はありませんが、左から右への展開が世界標準であるため、ホリゾンタルでの展開が理解されやすいといえます。
階層を同列に揃える
ロジックツリーでは階層ごとに要因を分解しますが、同じ階層の要因は同列に揃える必要があります。これは、同じ階層にある要因を比較検討する際、要因が同列化されていないと比較検討の対象とならないためです。
シンプルな言葉でつなぐ
ロジックツリーで分解する要因は、MECEの概念に基付き、シンプルな言葉を使う必要があります。
ここでいうシンプルな言葉とは「それ以外の意味はない」ことであり、ダブりなくモレなく要素を挙げる際に重要になります。
広がるにつれて抽象度を下げていく
解決すべき問題や課題に取り組む場合、その主題は一般的に抽象度が高くなる傾向があります。
このため、ロジックツリー作成に際しては、ピラミッドの裾野が広がり階層が深くなるごとに、構成する要因を具体的な言葉で表現し、抽象度を下げていく必要があります。
このような構成でロジックツリーを作成することにより、問題や課題の要因を具体的に理解することにつながり、より具体的な解決法を導きだせるようになります。
論理的思考をロジックツリーで具体化する
私たちの日常生活でも、なんらかのアクションを行う際、論理的な思考で無意識のうちに決断や選択を行っています。
たとえば、旅行に行く場合に交通機関は何を利用するのか?飛行機利用と新幹線利用では、時間的/コスト的なメリットが異なるが、両者を天秤にかけた場合、どちらにプライオリティをおくのか?といった具合です。
しかし、日本人は論理的な思考を持つのが難しいとされており、経験の中から論理的判断を行えても、論理的な思考を仕事に適用することは簡単ではありません。
問題や課題を要因に分解して整理することで、論理的に解決策を導きだすロジックツリーは、仕事を効率的に進めるためのツールとなるだけでなく、論理的思考を養うための大きな武器にもなるでしょう。
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