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副業禁止は絶対か | 会社の就業規則と法律の関係・懲戒の可能性は?

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会社の就業規則などで副業が禁止されている場合、副業は絶対に不可能なのか、主に憲法や労働法など法律的な観点から説明します。企業に勤めるサラリーマンで、これから副業に取り組んでみようと考えている方はぜひお読みください。

ここ数年の副業従事者の増加を背景に、これまで会社勤めをしていたサラリーマンの間でも副業をはじめる人が増えてきました。

しかし、会社の就業規則によって副業が禁止されている場合もあり、それを破ってまでこっそりと副業に営むとなると、相応のリスクを背負う必要があります。そういった人は、会社が副業を禁止した場合の拘束力や、それを破ってしまった場合にどうなるか知りたいと思っている方も多いはずです。

そこで、副業の法律的な位置づけや、会社に禁止された場合に副業が可能かどうかを解説していきます。

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副業とは

まず、副業とはどういうものかを明確にしておきましょう。そのうえで、副業の法的な位置づけを知っておくことが重要です。

副業とはどういうものか

副業の定義についてですが、実はこれといって決まった定義というものはなく、一般的に本業をもっている人が、それとは別の手段で収入を得るための仕事やビジネスのことを副業と呼んでいることがほとんどです。

あくまでもメインの仕事があって、それを収入面で補助するためにアルバイトをしたり、自分でビジネスをしてお金を稼いだりするケースが副業ということです。

人によっては副業のことをサイドビジネスや兼業という場合もありますが、どれもほぼ同じ意味で使われているため、すべて副業と呼んでしまって差し支えないでしょう。

副業の形態

副業は収入の種類によって給与収入事業収入、そして雑収入の3つに分けられます。

たとえば、本業のほかに店舗などでアルバイトをしている場合それは給与収入となり、自分でビジネスを運営している場合は事業収入となります。そして、アフィリエイトやクラウドワーキングのように、パソコンを使って稼ぐようなものの多くは雑収入となるケースが多いようです。

一口に副業といっても、それぞれ収入の形態が違うため、確定申告などの際に、それぞれ扱いが変わってきますので注意しましょう。

企業の多くは副業を禁止している?

   
冒頭でも述べたように、最近は副業を営む人が増加傾向にあり、特に会社員で副業をはじめる人が増えています。しかし、公務員や大企業などでは、会社の規定で副業を禁じているケースも多くあり、そのため副業を始めたくても始められないという人も少なくないようです。

2018年は副業元年

2018年は副業元年であると言われていました。

その理由は、2018年1月31日に厚生労働省が定めているモデル就業規則に、副業と兼業が追加されたからです。あくまでこれはモデルケースであるため、必ず実行するべきというものではありませんが、これを機に副業を容認する企業も増えていくと予想されています。

政府の働き方改革による影響も

副業を禁止している企業が多い中でも、副業解禁に対して前向きになっている企業が増えていることもまた事実です。その背景には、政府の働き方改革の影響が大きく、副業を容認し、社員にとって働きやすい環境を整備することで人材を確保する目的があります。

副業禁止の理由

なぜ企業は副業を禁止しているのでしょうか?その理由としては、主に以下のものが挙げられるでしょう。

会社の業務に支障をきたす可能性があるため

企業としては、自社スタッフが副業に力を入れすぎて、本業の業務に支障が出ることは問題視せざるを得ません。

週末に数時間作業をする程度ならば、それほど問題にならないかもしれませんが、副業にのめりこんでしまい、普段の会社での業務と同じくらいの時間やエネルギーを使っているとなると、当然、本業の方にも支障が出てきてしまうでしょう。場合によっては、副業の疲れから本業で欠勤が多くなってしまうかもしれません。

そういったリスクを防ぐために、あらかじめ自社スタッフに副業を禁じている企業は多くあります。

守秘義務の観点から禁止している

副業をはじめる人のなかには、本業に関係のある仕事を副業に選ぶ場合があります。その方が諸々の業務に慣れているため、そうでない場合に比べて早く収入に結びつくからです。

しかし、副業を通じてさまざまな相手と接触するなかで、本業に関する業務上の秘密や、社外秘とされているような情報やノウハウなどを副業で応用する可能性もあります。

特に本業の秘密を部外者に話してしまうことは明らかな情報漏えいですから、企業としては当然、看過できるものではありません。

そういったリスクを排除するために、副業を禁止している企業は多くあります。

就業規則への記載

特に理由を明示しているわけではないものの、古くからある会社の就業規則に副業禁止の項目がある企業は少なくありません。

特に数十年以上も続いている企業ならば、上司を含めた多くのスタッフにとって「なぜ副業が禁止されているのかわからない」というケースもあります。副業の禁止を決めた創業者が、すでにその企業にいないこともあるでしょう。

そうなると、たとえ直属の上司が副業に理解のある人だったとしても、就業規則に書かれているからという理由だけで、慣習的に副業が禁止になっている可能性があります。

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副業は本当に「禁止」なのか?

このように、副業を禁止している企業にもさまざまな理由があるわけですが、これを法律的にみるとどうなるのでしょうか?言い換えれば、会社員の副業が禁止される法律的な根拠があるのかどうかということです。

副業の禁止と法律

  
実は、法律的な観点からいえば、たとえ会社の就業規則において副業が禁じられていたとしても、法的な拘束力はもちません

現行の憲法および、その付属法(民法や商法など)においては、特に会社員の副業を禁ずる旨の条文は定められていないのです。むしろ、会社側が就業規則をはじめとして組織内の規定によってスタッフの副業を全面的に禁ずることが、法律上許されないという見方が大勢となっています。

就業時間以外は基本的に何をしてもいいのが原則

これは企業のスタッフといえど一個人であることに変わりはなく、企業とは雇用契約によって決められた時間に労務を提供することになっているわけですから、それ以外の時間は一人ひとりが自らの意思で自由に使えるのが当たり前だからです。

多くの企業にとって、副業を禁止している根拠は就業規則によるものですが、スタッフのプライベートタイムにまで介入し、その時間の活動に制限を設けることは法律上許されないというのが法律的観点からの見方です。

つまり、本業以外の時間を家族と過ごしたり、友人と遊びに出掛けるのが自由であるように、副業を行っても何ら問題がないだろうというわけです。

労働関連法規における副業

また、労働基準法などの労働関連法規にも、特に副業に関する規定はありません。個人が同時に複数の企業と雇用契約を結ぶことや、会社員として働きながら個人事業主としてビジネスをすることに対する規制は、本来は存在しないということです。

ただし公務員の場合は、国家公務員法の103条と104条により副業が禁止されています。もし公務員の方が副業をしたい場合は、上司の許可を得るなどの特別なアクションが必要になります。

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副業で懲戒を受ける可能性のあるケース

ただし、そうはいっても、会社の就業規則を完全に無視して副業してもまったく問題ないとは言い切れない部分もあります。

事実、企業の就業規則の拘束力については、実際の裁判でも判断がわかれることがあり、就業規則違反を根拠とした懲戒処分が正当だとみなされたケースもあります。特に副業で懲戒を受ける可能性があるケースとしては、以下のものが有名です。

本業に明らかに支障をきたす場合

過去の判例において、本業に明らかな悪影響があるほどの長時間の副業が認められた場合、就業規則を根拠とした当該スタッフの懲戒解雇を有効としたケースがあります。

企業との雇用契約では、決められた勤務時間内に確実に価値のある労務を提供することが求められるわけですが、長時間の副業によって債務者(企業)への労働の誠実な提供に支障をきたす場合は、解雇判断も正当であると裁判所が認めたわけです。

逆に、本業の余暇を利用してアルバイトをするなど、本業に悪影響が認められないと判断された案件においては、裁判所は解雇の無効を言い渡したこともあります。

同業他社のスタッフとして働いた場合

同業他社に勤務したことで、本業の企業に損害を与えたとみなされるケースがあります。

本来はどんな企業で働いても問題はないのですが、競合の利益に貢献することによって本業の会社に間接的な損害を与えたと判断された事例があるようですので、本業と同じ業種の企業に勤めるのもやめた方がよいでしょう。

副業が本業との競合関係になる場合

同様に、本業に関連する事業を副業として営んでいた人が、勤めていた企業から背信的行為を理由に解雇を言い渡された事件で、裁判所もそれを正当だと認めたケースもあります。

たとえば、本業の顧客に同じ商品やサービスを副業として提供したり、本業の取引先から仕入を行った場合、それが本業の会社への背信的行為とみなされる可能性が高くなります。

副業を営む場合は、できるだけ本業と同じ業種のものは避けるに越したことはないでしょう。どうしても事業領域が重なってしまう場合でも、本業の顧客や取引先と関わらないようにするのが無難です。

本業の信用を失墜させる可能性がある場合

副業において犯罪行為を行ったり、反社会的な勢力と関わりをもった場合、それが理由で本業でも懲戒処分を受けることがあります。そういった人間が自社で働いていたとなれば、その企業の信用を大きく失墜されてしまうことは想像に難くありません。

これは常識的な話として、だれもが頷けるところでしょう。常識的・倫理的に考えて避けるべきだと思われる行動はとらないのが鉄則です。

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副業解禁のメリットとデメリット

副業解禁することで得られる企業のメリットとデメリットについて紹介します。副業を解禁することは、企業にとって現段階ではまだまだ一長一短であることを理解しておきましょう。

メリット

副業解禁による企業側のメリットを2つ紹介します。

コストのかからない社員研修

副業はコストのかからない社員研修にもなります。なぜなら、普段の業務とは違う仕事をすることで、本業では気づけない学びや、本業にも活かせる能力が身につくことがあるからです。副業をすることで、社員自身が成長する機会にもなり、副業はコストのかからない社員研修として活かせます。

人材採用の選択肢が広がる

これまでは副業が禁止だったため、働くことを諦めていた人もたくさんいました。
しかし、副業を解禁にすることによって、これまで採用できなかった層まで人材採用の選択肢が広がるため、人材不足の問題を解消するきっかけになります。

デメリット

逆にデメリットについては何があるのでしょうか。副業解禁のデメリットを2つ紹介します。

社員の長時間労働

副業を行うことによって、社員の労働時間が長時間になってしまう可能性が高まります。それによって、睡眠不足や疲労困憊となり、本業に影響が出てしまうリスクがあります。

責任の所在が不明確

万が一副業をしている社員が、長時間労働により過労死をしてしまった際、責任の所在はどこにあるのかが不明確であるという問題があります。そのため、企業としては副業を容認しにくいという難しさがあります。

人材流出のきっかけ

副業によって人材流出につながる可能性があります。はじめはお小遣い稼ぎ程度で始めたものだとしても、場合によってはビジネスとして軌道に乗り、それを本業として独立するというケースも多くあります。そのため、副業が軌道に乗り始めた場合には、人材流出のきっかけになる可能性があることを理解しておく必要があります。

安全に副業を営むためには?

最後に、これまでの内容を踏まえて、安全に副業を営むためのポイントについて解説しておきましょう。

本業に支障が出ない範囲で可能なものを選ぶ

上述の判例でも、本業に支障が出ていると認められる場合は、就業規則を根拠として懲戒処分が認められる可能性が高くなります。したがって、安全に副業をするためには、本業に影響が出ない範囲で可能なものを選択するのが利口な判断といえます。

たとえ副業が自由に認められている企業であっても、そのために労務の提供が疎かになってしまえば、雇用契約の不履行として解雇されてしまう可能性もあります。いずれにしても、副業を営むならば、確実に本業と両立できるものを選んだり、本業に支障をきたさない体制を整えておくことが重要です。

いざというときの対応について知る

副業が就業規則で禁止されていても、どうしても副業をしたいという方は、万が一会社から副業を理由とした懲戒処分や受けた際に、どう対応すべきかを知っておく必要があるでしょう。

会社と十分な話し合いをもつことが前提とはなりますが、それでも解決しないケースが多いと思われますから、その際は労働者と使用者(企業)との民事紛争に関する解決をあっせんしてくれる「労働審判制度」を利用するとよいでしょう。

労働問題のプロである労働審判委員会が両者の間に入って紛争の解決に協力してくれる優れた制度ですから、ぜひ具体的な利用方法を知っておくことをおすすめします。

裁判所のホームページに詳しく掲載されています。

本業の就業規則は確実にチェックしておこう

主に会社の就業規則で副業が禁止された場合に、副業が可能かどうかについて解説をしてきました。

たとえ企業側が副業を禁止していたとしても、法律的な観点では副業は禁止されていませんから、絶対に副業ができないというわけではありません。ただし、副業によって勤めている企業の信用を失墜させたり、直接的・間接的に損害を与えると、就業規則によって懲戒処分を受けてしまう可能性がありますから注意しましょう。

副業を営むうえでもっとも重要なのは、本業と確実に両立できるかどうかです。副業をする目的を明確にして、どうすれば安全に副業ができるかを自分なりに調べてみることをおすすめします。

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