オフィス移転仲介の業者選定ポイントとは?移転計画ポイント・相場費用を解説
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- オフィス移転に必須の仲介業者
- オフィス移転仲介業者の役割とは
- オフィス移転で考慮すべきポイント・スケジュール
- オフィス移転で考慮すべき4つのポイント
- オフィス移転の一般的なスケジュール
- オフィス移転の計画立案でおさえるポイント
- 新オフィスの立地条件を確認する
- 現オフィスの課題を踏まえた物件条件を確定する
- 決算対策も含めてスケジュールへ落とし込む
- オフィス移転仲介業者の選定ポイント
- 仲介業者の得意分野を見極める
- プロダクトマネジメントの実績を重視する
- 仲介手数料に注意
- おすすめのオフィス移転仲介業者5選
- 三幸エステート
- オフィスナビ
- officee
- 三鬼商事
- CBRE
- オフィス移転時の費用概算
- 新オフィスの契約金
- 新オフィスの内装費用・引越し費用
- 現オフィスの原状回復費用
- 予算を立てるにはプロダクトマネジメントが重要
- ノウハウを持つオフィス移転仲介業者を見極める
- BOXILとは
オフィス移転に必須の仲介業者
企業の中枢機能を司るオフィスの移転は、長期的なスパンで大きな労力を必要とする一大イベントだといえるでしょう。そのプロセスを、社内のプロジェクト担当者だけで管理するのは困難であり、オフィス移転仲介業者の存在が必要不可欠だといえます。
この記事では、オフィス移転の計画立案のポイントや費用概要、立地条件などとともに、仲介業者の選定ポイントを解説し、おすすめのオフィス移転仲介業者を紹介します。
オフィス移転仲介業者の役割とは
オフィス移転仲介業者は、オフィスとして入居・購入可能な物件を持つオーナーとの間に立って仲介してくれます。オフィス移転仲介業者も不動産取り扱い免許を持つため住宅も扱うことがあります。しかしオフィス用物件は居住用と性格が異なるため、ノウハウと実績を持ち、取り扱い件数の多い専門業者が利用されることがほとんどです。
オフィス移転仲介業者は、オフィス移転計画を策定する段階からプロジェクト単位でかかわることも多く、非常に重要な存在であるといえるでしょう。
オフィス移転で考慮すべきポイント・スケジュール
オフィス移転仲介業者を選定する前に、まずは押えておきたいポイントと一般的なスケジュール感をみてみましょう。
オフィス移転で考慮すべき4つのポイント
オフィスの移転が決断されるということは、現オフィスでの業務になんらかの課題を抱えていることを意味します。具体的な移転計画を策定する以前に、そうした課題を整理し、解決策を明確にしておく必要があるでしょう。
また、計画を具体的なスケジュールに落とし込むためにも、一般的なスケジュール感を把握しておくのも重要です。
(1)オフィス移転の目的を明確にする
オフィス移転には、事業拡大に伴った人員増強でオフィスが手狭になる、もしくはリモートワークの推進でオフィス機能自体を縮小するなど、さまざまな目的が考えられます。取り壊しなどによる立ち退きの場合もあるでしょう。
つまり、オフィス移転の方向性によって物件の要件も大きく異なります。まずはオフィス移転の目的・方向性を明確にしておく必要があります。
(2)解約予告のタイミングを確認する
現オフィスが賃貸物件であれば、契約内容に応じた解約予告時期が定められているはずです。理想としては、現オフィスと新オフィスの賃貸期間がなるべく重ならないようにしたいものの、プロジェクトを始動させるタイミングによっては調整が難しい場合もあるでしょう。
二重に家賃を支払う時期をなるべく減らしつつ、余裕を持ったスケジュールとなるよう、まずは解約予告の時期を確認しておくのが肝心です。
(3)オフィス移転にかかる予算を確認する
オフィス移転は、新オフィスの敷金・礼金などの契約金や引越し費用、什器を含めた新オフィスの内装工事費、現オフィスを原状回復するための費用が必要となります。
それぞれの費用を支払うタイミングは異なる場合が多く、プロジェクトを進めるうえでいつ、どのタイミングでキャッシュが必要になるかを把握しておく必要もあるでしょう。費用概要については後述します。
(4)現在の課題をリストアップ
現オフィスで業務を行ううえで課題になっている環境面をリストアップし、その解決法も検討しておくといいでしょう。
たとえば立地条件もそのひとつですし、コミュニケーション促進のためのリフレッシュルーム設置などが必要な場合もあるでしょう。スタッフのパフォーマンスを最大化するためにも、オフィス移転は思い切った改善案を盛り込むチャンスでもあります。
オフィス移転の一般的なスケジュール
企業の規模や業務形態などによるものの、一般的なオフィスの必要面積は、スタッフ一人あたり2坪といわれています。つまりスタッフが30名のオフィスでは60坪が必要な計算となり、この規模のオフィス移転には通常、6か月を要するといわれています。
下図は、60坪のオフィスへ移転する場合の一般的なスケジュール表です。
このうち、キャッシュが必要になるタイミングは一般的に、「新オフィスの賃貸借契約」「新オフィスの工事・家具発注」「現オフィスの原状回復工事発注」です。
オフィス移転の計画立案でおさえるポイント
新オフィスに求められる要件は、計画策定以前の目的・方向性の明確化、現オフィスの課題によってある程度見えてきました。これをより具体化し、実際のスケジュールに落とし込むのがオフィス移転計画です。
新オフィスの立地条件を確認する
課題の項目でも触れたように、新オフィスの立地条件は重要課題だといえます。現従業員の通いやすさはもちろん、最寄駅の多さなどは来客にも有利に働き、新たなスタッフ増員などの際は、募集時の反応が立地条件に左右されることもあるでしょう。
そのほか、業種によっては競合他社の状況を考慮し、戦略的に立地を選定するケースも考えられます。
現オフィスの課題を踏まえた物件条件を確定する
現オフィスの課題リストをもとに、それを解決する新オフィスの物件条件を確定させ、適切に移転仲介業者へ要望として伝えられるようにしておくべきです。
たとえば、リフレッシュルーム設置が決定したならば、スタッフの人数あたりに必要な坪数よりも広い物件が必要となります。すべての要望を形にするのは困難だとしても、移転を機会に改善できる点は考慮すべきでしょう。
決算対策も含めてスケジュールへ落とし込む
新オフィスの敷金や礼金などは除くとしても、移転にかかるコストの多くは経費として計上できます。このため、決算以前に急いで移転を決める企業も少なくありません。
しかし、引越しが重なる時期はコストが増加する傾向もあるため、外的要因も考慮してスケジュールへ落とし込むことが重要になります。
オフィス移転仲介業者の選定ポイント
移転計画を策定する頃には、オフィス仲介業者の選定も行わなければなりません。適切な業者を選定するには、どのようなポイントに気を付けるべきでしょうか。
まずは、さまざまなオフィス移転仲介業者に接触し、担当者とのコミュニケーションを経て決定にいたる方法が安全です。
注意点として、複数の業者に物件の選定・価格交渉を依頼するのは避けた方がいいでしょう。場合によって、物件オーナー側はひとつの企業からの価格交渉を複数業者から受けることになり、それが不信感につながりかねないからです。
仲介業者の得意分野を見極める
オフィス移転仲介業者にも、それぞれに強みを持つ分野・得意領域があり、これはどのような業界にもいえることです。
たとえば、移転費用を削減するノウハウを持ち、ベンチャー企業などの案件を得意とする業者、エリアに特化したさまざまな物件を確保している業者などが存在します。新オフィスの要件と照らし合わせ、希望する物件に強いと思われる業者を、情報収集しつつ絞り込んでいくのが重要でしょう。
プロダクトマネジメントの実績を重視する
上述したように、移転先の新オフィスが決定してからのプロダクトマネジメントは、オフィス移転プロジェクトのなかでも特に重要です。しかし、自社スタッフが通常業務を行いつつ、これを兼務するのは相当の負担がかかります。
オフィス移転仲介業者のなかには、このプロダクトマネジメントの実績を持つ業者も存在し、こうした業者を選定することで、さまざまな面でのアドバイスやヘルプが得られる可能性が高まります。
仲介手数料に注意
仲介手数料は、住宅用の賃貸物件でも業者を介した際に発生する、仲介業者の利益となる手数料です。これは宅地建物取引業法で「月額賃料の(税抜)1か月分」が上限と決められています。
これを1.5か月などとしている業者には注意が必要でしょう。一方、一部の物件では、オーナー自身が仲介手数料を負担することで、これが無料となるケースもあります。
おすすめのオフィス移転仲介業者5選
以下からは、特に移転需要の多い首都圏を中心としたオフィス移転のパートナーとしておすすめできる、オフィス移転仲介業者を厳選して紹介していきます。
三幸エステート
- 業界最大手の賃貸オフィス専門仲介業者
- 非公開物件を含めた全国10万件以上のデータベース
- 豊富なプロダクトマネジメント実績
三幸エステートは、賃貸オフィスを専門的に扱うオフィス仲介業者であり、非公開物件を含め、全国に10万件以上の物件データを保持する、業界最大手企業です。
1977年創業の長い歴史と経験から、豊富なプロダクトマネジメントの実績を持ち、物件の量だけではなく、サービス提供の質・スピードにも定評があります。
オフィスナビ
- オフィス専門検索サイト「オフィスナビ」運営
- 全国6万件のオフィスビルから常時3万件を公開
- 仲介のみならず、オフィス開設・移転までをサポート
オフィスナビは、全国6万件におよぶオフィスビルデータから、常時3万件を超える空き室情報を公開する検索サイト「オフィスナビ」を運営するオフィス物件仲介業者です。
サイトでの積極的な情報更新はもちろん、オフィス開設・移転などのプロダクトマネジメントにいたるまで、ワンストップでサポート。物件オーナーとの交渉にも高いスキルを持って対応可能です。
officee
- 賃貸オフィス情報サイト「officee」
- 全物件、仲介手数料が無料
- IT関連企業からの依頼が多数
賃貸オフィス情報サイトofficee(運営元:47株式会社)は、全物件仲介手数料無料でオフィス移転の仲介を行っているのが特徴です。物件の提案から内見・交渉・契約にいたるまでのサポートも充実。希望によっては内装工事まで依頼することも可能です。スタートアップをはじめとしたIT関連企業の仲介実績が豊富です。
三鬼商事
- 業界最古参のオフィス物件仲介業者
- 全国6万件を超えるオフィスビル情報を保有
- プランニングから入居までをトータルサポート
三鬼商事は、日経新聞などのオフィスに空き室データを提供するなど、豊富な実績を持つオフィス物件仲介業者の最古参です。
オフィスビルオーナーの信頼が厚く、全国6万件を超える物件情報を保有、自社サイトで各地区の平均坪単価、前週との変動率などを公開しています。蓄積された経験で、プランニングから入居までをトータルサポートできるのも魅力です。
CBRE
- 世界中に拠点を持つCBREの日本拠点
- 全国に86万室以上の物件情報を保有
- 1970年創業の歴史と経験
CBREは、世界中に400の拠点を持つグローバルCBREの日本拠点であり、1970年創業の長い歴史と経験を賃貸オフィスのほかにも、貸し倉庫・貸店舗にも生かす、オフィス物件仲介業者です。
物件オーナーとの長い信頼関係により、全国に86万室以上の物件情報を保有、日本全国に在籍する、200名を超える賃貸仲介のプロフェッショナルが高品質なサービスで対応します。
オフィス移転時の費用概算
最後に、オフィス移転時にかかる費用について、その概算はどのくらいになるか紹介します。仲介業者と相談する際などに参考にしてください。
新オフィスの契約金
新オフィスの立地や物件の規模によって賃貸価格は大きく異なります。一般的には、立地による金額を坪単価で表すことが多く、東京の200坪前後のオフィスであれば、千代田区・中央区・港区・渋谷区などで坪単価2〜4万円程度が相場といわれています。
オフィスの契約金は、この坪単価に面積をかけ、さらに敷金として数か月分かけた金額となることが一般的です。たとえば、坪単価2万円の100坪物件に6か月の敷金が必要であれば、2 x 100 x 6 = 1,200万円となります。
実際にはこれに加え、保険料や移転仲介業者への仲介料も必要となります。
新オフィスの内装費用・引越し費用
オフィスの内装工事は、最低限で坪10万円、少しこだわった内装であれば坪20万円あたりが相場です。企業ブランドにこだわる内装を想定するのであれば、これ以上必要と考えた方がいいでしょう。
この相場をもとにすれば、100坪のオフィスで少しこだわった内装工事をするケースで、2,000万円が必要となる計算になります。加えて引越し業者へ支払う費用も必要なことを念頭に置き、余裕を持った予算を考えておきたいものです。
現オフィスの原状回復費用
多くの場合、退去するオフィスを借りる前の状態に戻さなければなりません。その原状回復工事費用としては、坪4万円程度が相場とされています。たとえば、現オフィスが60坪であるならば、240万円が必要となる計算です。
予算を立てるにはプロダクトマネジメントが重要
ここまでの解説でもわかるように、計画どおりにオフィス移転が進んでいったとしても、実際にさまざまなタスクを処理しなければならないのは、移転先となる新オフィスが決定してからです。
オフィス移転スケジュールのなかでも、この時期は複数のタスクを同時にこなさなければならず、これを管理していくプロダクトマネジメントが重要となります。このプロジェクトのキーを握る大事な役割・機能を、だれに持たせるのかは計画策定以前に決定しておく必要があります。
適宜仲介業者の力も借りながらプロジェクトを進めていきましょう。
ノウハウを持つオフィス移転仲介業者を見極める
オフィス移転の方向性には拡大と縮小があり、その目的や立地を含めた各種要件も企業によって千差万別です。紹介したオフィス移転仲介業者は、いずれも経験と実績を持ち、幅広い要望に応えられるものの、企業や地域ごとに最適な業者は異なってくるでしょう。
検討しているオフィス移転仲介業者がこれまでにどのような物件を手がけてきたのか、どのような特徴を持つのかをもとに、実際にコンタクトを取り、自社要件に最適なノウハウを持っているのかを見極めるのが重要だといえそうです。
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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