Googleマップが進化! 使いこなしたい新機能が盛りだくさん - 米国ではワクチン情報も
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GoogleマップがAIで進化
スマートフォン用の地図アプリといえば、グーグルの「Googleマップ(Google Maps)」が代表格でしょう。
Googleマップは、移動経路を調べたり、自動車移動時にナビゲーションを利用したり、さまざまな目的に使えます。店舗などのレビューや写真を投稿して公開するなど、情報共有サービス的な側面もあり、今やなくてはならないツールです。
そんなGoogleマップがさらに進化します。日本で使える新機能はまだ多くありませんが、米グーグルは3月30日(現地時間)、アップデート内容をグーグルのブログで公表しました。AIを活用した注目機能が目白押しです。
このうち、日本での公開が待ち遠しい3つの新機能を紹介します。
1.「ARナビ」でビルの中もラクラク
Googleマップも屋内は苦手。ビルの中や地下街などではGPSの電波が届きづらいいためナビゲーションが行き届かず、あまり役に立ちません。Wi-Fiアクセスポイントを利用する技術や、地磁気情報から建物の構造を把握する技術は存在しますが、さほど普及していません。
これに対してグーグルは、スマートフォンのカメラを使いました。周囲を撮影した映像と、大量に蓄積された屋内用ストリートビュー画像を比較することで、建物のどこにいるのかを判断し、進むべき方向を矢印で表示します。この矢印にしたがえば、屋内でもスムーズに移動できるでしょう。慣れない空港などで特に役立ちそうです。
「ライブビュー(Live View)」と呼ばれるこのARナビゲーション機能は、2019年にGoogleマップへ追加されたものです。これまで屋外の徒歩ナビゲーション専用だったものが、今回の機能強化で屋内にも対応しました。
ライブビューの利用可能な施設は今のところ限定的ですが、徐々に増えていくはずです。
2.「エコフレンドリー」なルートを自動で決定
「脱炭素社会」への関心が世界的に高まっており、グーグルもエコに着目した新機能を考えました。「エコフレンドリー」なルートを教えてくれる機能です。
ガソリンや軽油を燃やして走る自動車で移動すると、どうしても地球温暖化につながる二酸化炭素(CO2)を出してしまいます。とはいえ、すべての移動を徒歩か自転車で済ませることなど非現実的です。そこでグーグルは、CO2排出を少しでも減らせる移動ルートを提案することにしました。
新たなGoogleマップで自動車用ナビゲーションのルートを探索すると、移動にかかる時間や通行料などの条件に加え、移動時のCO2排出量も考慮されます。そして、移動にかかる時間が比較的短くCO2排出が少ないルートを、自動的に選ぶのです。排出を減らせるルートだと移動時間が長くなってしまう場合は、ユーザーが決められるよう判断材料としてCO2排出量と移動時間を表示します。
また、国によってはCO2排出量が厳しく管理されていて、エンジン車の走行が制限される地域が存在します。Googleマップで移動ルートを決めれば、そうした地域が地図上に示されるので安心です。
さらに、CO2を排出しない電気自動車(EV)で移動する際にも、Googleマップは役立ちます。ルート探索時に、充電ステーションへ効率よく立ち寄りながら移動できるルートを提案してくれるのです。
フル充電で走行できる距離が限られ、充電ステーションが少ない現状では、とてもありがたい機能といえます。
3.目的地の天気確認も地図上で完結
宿泊を伴う出張や旅行で遠方へ移動する場合、目的地が予想外に暑かったり寒かったりするため、事前に確認する方も多いでしょう。
その確認作業が、Googleマップだけで可能になります。Googleマップに天気予報レイヤーが追加され、地図上に気温などを表示できるのです。もちろん、天候の変化も調べられます。
さらに、健康に悪影響を与えそうな大気の汚染状況も表示されます。大気汚染が深刻な地域へ行く必要がある人にとっては、見逃せない情報になりそうです。
その他のアップデート情報
Googleマップは絶えず機能強化され、機能が次々と追加されています。
たとえば、自転車ライドシェアと交通機関を組み合わせたルートが探索できるようになりましたし、駐車場の料金決済をアプリ内で済ませられるようになりました。
最寄り駅から自宅やオフィスへの道のりを分かりやすく伝えたいときには、Googleマップ上で「マイマップ」を作って共有すると良いでしょう。出張先で美味しい食事がしたいのなら、レストランやホテルについて投稿されたレビューが参考になります。移動したルートを後日確認したい場合には、「タイムライン」が役立ちます。
最近では、米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種に関する情報の掲載まで始まりました。接種可能な施設を検索して地図で場所を確認したり、そこから予約が必要かどうか調べたりできます。
Googleマップを使いこなして移動をスムーズに
春になり、就職や進学で新生活を始めた人が多いでしょう。見知らぬ土地へ移動し、新しい職場や学校へ向かうときは、無事に到着できるか不安になります。
スマートフォンが普及していなかったころは、初めて訪れる目的地の場所を紙に印刷した地図で確かめたものです。鉄道やバスなどの公共交通機関と徒歩を組み合わせた移動なら、地図を広げて確認することは難しくありません。しかし、自分で車を運転して移動するなら、移動経路を予習して覚えたり、簡単なメモをあらかじめ自作したりするなど、事前の準備が必要でした。
それが今では、スマートフォンさえあれば、GPSと地図アプリの力を借りてスムーズに移動できます。しかも、紙の地図と違って情報は随時更新されるので、鉄道や道路、建物に変化が生じていても迷うことがありません。便利な時代になりました。
すでにGoogleマップは、単なる地図アプリでなくなっています。GoogleマップのAPIを使えば新しいサービスを生み出すことも可能で、地理情報システム(GIS)の中核インフラと呼べる存在です。普段の仕事でも、事業の展開でも、活用しない手はありません。