仮想空間「メタバース」とは - VRで会議や雑談する時代って来るの?
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よく目にするようになった「メタバース」
仕事はオフィスへ出勤して進める、会議や営業は相手と会って行う、との考え方は、すっかり過去のものです。ICTが発達し、モバイルネットワークが普及したことで、今ではどこからでもクラウドサービスにアクセスしたり、ウェブ会議システムを利用したりできます。
特に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックがリモートワークを強く推進し、対面が欠かせない作業以外はオンラインで済ませよう、と考える癖がつきました。
そうした影響なのか、このところ「メタバース」という技術が話題になっています。
代表格は「Second Life」
メタバースとは、(厳密な定義はされてはいませんが)アバターを介して活動できる仮想空間のことです。SF分野では古くからなじみのあるテーマで、「ニューロマンサー」や「スノウ・クラッシュ」を筆頭に、アニメ映画「サマーウォーズ」「竜とそばかすの姫」など登場する作品は数えきれません。
現実のサービスとしては、2000年代初めに登場した「Second Life」を思い浮かべる人が多いでしょう。Second Lifeの仮想世界では、ユーザーがリアルな人型アバターを操作してほかのユーザーとコミュニケーションします。「リンデンドル(L$)」と呼ばれる仮想通貨でさまざまな取引が可能なこともあり、世界的な大企業がSecond Life内で商品の販売や、発表会の開催をこぞって行ったほど期待されました。
Second Lifeを利用するには、処理能力の高いPCと高速なインターネット回線が必要です。また、操作も簡単ではなく、予想されたほどの広まりには至りませんでした。ただ、熱心なファンが多かったため、現在もサービスは提供中です。
Second Lifeほどリアルではありませんが、メタバース的な仮想現実(VR)サービスの人気は根強く、オンラインゲームの「Fortnite」や「Minecraft」、ゲーム製作プラットフォーム「Roblox」などにも同様の可能性があります。広い意味では、「あつまれ どうぶつの森」もメタバースと呼べるでしょう。
フェイスブックが火を着けたビジネス向けメタバース
メタバースが改めて注目されるようになり、なかでもフェイスブックの「Horizon Workrooms」が強いインパクトを業界に与えました。
Horizon Workroomsは、仕事で利用する会議室をVR空間で再現するサービスです。ユーザーは、腰から上だけが描かれるアバターとなって参加し、ホワイトボードを見ながら意見交換したりします。離れた人とも、同じ会議室にいる感覚でコミュニケーションができます。
さらに、ウェブ会議サービス「Zoom」と連携し、Horizon WorkroomsのVR空間内でZoomの一部機能が使えるようになりました。これで、ますます本物の会議室のような雰囲気が味わえそうです。
ちなみに、フェイスブックは「Facebook Horizon」というソーシャルVRサービスを、2019年9月に発表しています。こちらは汎用的なSNSを仮想世界化したもので、ゲームのプレイなどが可能です。
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