日本オラクルはどのようにDX推進役となったのか 【BOXIL EXPO】
本記事は、2021年9月15〜17日に開催したオンライン展示会「BOXIL EXPO 第2回 財務・経理・総務・法務展」の特別講演「日本オラクル 自身が体現したデジタルトランスフォーメーションの歩みとその真髄」をまとめたものです。
【登壇者プロフィール】
善浪広行氏 日本オラクル株式会社 常務執行役員 クラウド・アプリケーション事業統括
2002年に日本オラクル入社。営業や新規事業立ち上げの経験した後、営業部長、アプリケーション・ビジネスのアライアンス本部長、事業開発本部長を歴任した。2017年にデジタル価値を提供する営業組織「オラクル・デジタル」を新設し牽引。翌年18年に執行役員に就任したほか、米国本社バイスプレジデントERP/HCM クラウド事業本部を経て、2021年8月より現職。日本のDXに貢献すべく組織を率いている。
中村庸介氏 日本オラクル株式会社 Oracle Digital Senior Sales Director
2002年に新卒でサン・マイクロシステムズ(サン)入社後、一貫して営業畑を歩む。2010年のオラクルによるサン買収で日本オラクルに参画した後も、主に通信業担当営業として業務の稼働に不可欠な大規模ミッションクリティカルのシステム構築に携わる。 2018年にオラクル・デジタルで営業部長を務めたほか、2020年12月より同組織シニアセールスディレクターとして、エンタープライズ・ミッドマーケット・ベンチャーの顧客に向けたクラウド活用の支援を行う。
山本華佳氏 株式会社マネーフォワード 同ビジネスカンパニー執行役員CCO
新卒で外資銀行にて投資商品の営業に従事した後、2014年マネーフォワードに入社。 同社のバックオフィスSaaSマネーフォワードクラウドの士業向け営業組織の拡大に従事した。 地方拠点立ち上げ、アライアンス構築、IPO時の事業拡大にも寄与。 全国8拠点70名に拡大した組織の本部長を経て、2020年2月よりマネーフォワードシンカへ参画し、スタートアップ企業の成長支援に従事。 同年5月にスタートアップ支援を目的としたアントレプレナーファンド「HIRAC FUND(ヒラクファンド)の組成を担当し、30.4億円のファンド運営にも携わる。 2021年6月より、広報・人事・採用に関する発信の責任を担うマネーフォワードビジネスカンパニーCCO(最高顧客責任者)として執行役員に就任した。
DXを牽引する日本オラクル
日本オラクルは2021年度、複数のソフトウェアサービスを搭載したSaaSスイート「Oracle Cloud Applications」と、IaaS/PaaSを提供する「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で構成されるOracle Cloudの顧客への販売で成果を残すなど、国内ベンダーの中で目立った動きを見せました。
そうしたクラウド製品の販売を下支えしているのが、製品提供に先立つ、自社でのデータドリブンなDXです。日本オラクルは、自社のサービスを使ってDXを行い、そこで得られた知見やノウハウを製品やサービスに反映させ、顧客に還元する「Oracle@Oracle」に注力。業績向上につなげています。
自社の業績向上に直結する自社でのDXは一体どのようなものでしょうか。同社常務執行役員の善浪広行氏とOracle Digital Senior Sales Directorの中村庸介氏が、モデレーターを務めた株式会社マネーフォワード 同ビジネスカンパニー執行役員CCOの山本華佳氏との対談の中で、自社のDXの歩みと真髄を語りました。
クラウド移行に遅れた
山本:まずオラクルが体現したDX についてお伺いできればと思います。
善浪:まずオラクルにおいてDXはどんな意味があったのかをお話したいと思います。
実はオラクルはここ数年、オンプレミス製品の販売を中心とした業態から、クラウドの世界への移行に乗り遅れたのではないかという評価がありました。
これを受けて、我々自身がDX をやらざるを得なかったと思います。結果として、市場の評価が「クラウドベンダー」に変わってきた上に、大きな商談も取れるようになってきました。現在は、時価総額ベースで、世界30番台となっています。
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