ホワイト企業アワード5回受賞 アキュラホームはいかに働き方改革を推進したか
木造住宅メーカーのアキュラホームは、住宅建築業界の中でもいち早く働き方改革や業務改善に着手しました。2016年には全社員を対象に「長期休暇制度」を導入し、ノー残業デーやしあわせ一時金、木に囲まれたオフィス空間の創造など、様々な取り組みを実施しています。その企業姿勢が評価され、2016年から通算5回もホワイト企業アワードを受賞しました。
前編では、働き方改革を進めるために、どんなプロセスでSaaSを選んだかを聞きました。後編では、導入したタレントマネジメントシステム「カオナビ」がもたらしたメリット、働き方改革にコロナ禍が及ぼした影響などを、総務人事部長の池沢篤人氏、人財開発課長の清水保博氏、主任の泉洋平氏の3人にお聞きしました。
社員マネジメントに時間を割けるように
―タレマネをどのように活用されたのでしょうか
池沢:メインは人事評価です。以前は、評価自体の結果は保管してあったのですが、社員に紐づいていませんでした。上長はその時点での評価は確認できますが、過去の情報は見られませんでした。
「カオナビ」の人材データベースでは、異動履歴や評価履歴のほか、この事業年度ではどういうことをしたのか、研修に参加した時の結果がどうだったか、上司とどんなやりとりをしてきたのかというパーソナルな情報もスムーズに検索することができます。さまざまな情報を確認できる体制が整ったことで、管理職は社員やチームがどうしたらもっと成長できるかというマネジメントにより時間を割くことが可能になりました。
以前は誰かが異動してきたら、「この人の過去の情報を教えてほしい」と人事に依頼する管理職も一部にはいました。何も聞いてこない管理職もおり、「どうやって育成するのだろう」と思ってしまいました。人事としても何も情報を提供できておらず、何とかしなくてはという気持ちがありました。そこが一番大きな要素でした。
以前の評価シートそのままで移行
泉:評価フローでも使っています。評価シートは等級や職種で異なるので、フォーマットが30種類以上あります。でも、カオナビだと情報の入力も閲覧も簡単にできるので、管理職からすると評価業務がかなり楽になった気がします。
池沢:書き方とレイアウトは多少違いますが、現場での混乱がないようエクセルや紙の目標・評価シートをそのままの状態で移行しました。今まで使っていたシートを大きく変えていたら、社員からの抵抗感があったかもしれません。社員には「前とほとんど一緒だな」という印象だったと思います。社員が最初に使うのはこのシートなので、そこには気を遣いました。
泉:他には、9日間の長期休暇制度を取得していない社員の情報を管理職と共有する際にも活用しています。管理職は、自分の部下で誰が未取得者なのかすぐに把握できますし、人事としてもどの部署で未取得者が多いかわかるので、改善を促せます。
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