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Spotify、radiko、ポッドキャストに見るデジタル音声広告 前年比20%超成長のワケ/後編【BOXIL EXPO】

最終更新日:(記事の情報は現在から1076日前のものです)
コロナ禍による生活スタイルの変化で、Spotify、radikoなどの音声メディアが注目されています。その勢いに乗り、デジタル音声広告市場も急成長しています。なぜ今デジタル音声広告なのか、スポティファイジャパンとradiko、音声広告事業を展開するオトナルの担当者がその魅力を語る講演をリポートします。

今、音声広告とその効果に多くの企業が興味を示しています。なぜ今デジタル音声広告なのか、「音」をユーザーに届けるスポティファイジャパンとradiko、音声広告事業を展開するオトナルの3社がその実情を語り合いました。

前編では、デジタル音声広告市場の概要や成長、radikoのビジネスモデルを紹介。後編では、世界中で利用される音楽サービスSpotify(スポティファイ)、様々な音声番組を配信するポッドキャスト、デジタル音声広告の特徴について、業界の最前線を知る3人に議論してもらいました。

前編はこちら

本記事は、2021年10月に開催したオンライン展示会「BOXIL EXPO 第3回 営業・マーケティング展」の特別講演「Spotify、radikoと考える、これからのデジタル音声広告」をまとめたものです。

【登壇者プロフィール】
藤井 哲尚氏 スポティファイジャパン株式会社 広告営業事業統括
1999年 株式会社博報堂入社 プロモーションデザイン局・ブランドデザイン局で顧客体験を基軸とした統合コミュニケーション開発に従事。 海外留学を経て、デジタル統合マーケティング領域のビジネスプロデューサー、海外M&A、事業開発など。2017年より現職。趣味は登山・釣り・開墾。

小平 誠氏 株式会社radiko 業務推進室 次長
2008年にWeb制作会社に入社。 システム開発や、Webサイトコーディング、デザインを経験後、Webディレクターを経験。 2017年に広告会社に入社、デジタル広告のプランニングとバイイングを担当。 2018年9月より、「株式会社radiko」に参画。 radikoオーディオアドの開発・運用、セールスに関する業務を担当。

八木 太亮氏 株式会社オトナル 代表取締役
2013年ウェブメディアを運営する株式会社オトナルを創業。ウェブメディア事業を事業売却ののち、音声コンテンツと音声広告領域に特化し、アドテクノロジーを活用した広告出稿とクリエイティブ制作をトータルサポートできる”音声広告カンパニー”としてデジタル音声広告事業を展開。そのほかラジオ局や新聞社など大手パブリッシャー向けの音声コンテンツの配信支援事業とデータ運用支援も行っている。 著書:『いちばんやさしい音声配信ビジネスの教本 人気講師が教える新しいメディアの基礎』(インプレス)

世界178の国・地域で利用される「スポティファイ」

スウェーデン発の「スポティファイ」は世界中で利用されている音楽やポッドキャストを楽しめるサービスだ。国内でも多くのユーザーが利用しており、特に若年層から支持を集めている。そんなスポティファイのサービス内容や広告の優位性について藤井氏が語った。

藤井氏:スポティファイは4半期ごとに約10%成長しているサービスです。誕生から10年以上が経った今、世界178の国と地域に展開しており、世界のアクティブユーザー数が3月末時点で3.65億人に達しています。

スポティファイには、広告で支えられている無料サービスと、月額課金型のサービスの2つがあり、フリーサービスでは2.1億人のユーザーがいます。最近ではアフリカやインド亜大陸周辺などを新たな展開エリアとして進めています。

1日の平均利用時間は2時間以上、配信楽曲数は7,000万曲、ポッドキャストの番組数は290万番組となっています。アメリカを中心にポッドキャストが市場として成熟してきたこともあり、新たな注目を集めるようなコンテンツ領域になってきているのが現状です。日本語のポッドキャストでいうと、数を正確にカウントしたことはありませんが、この半年間は非常に多くの番組が誕生しています。

フリーのサービスでビジネスを成立させる

藤井氏:フリープランのシャッフル再生では、自分の好きな曲を選択すると、その曲に似た曲が流れてくるようになっています。CDから乗り換えると違和感のある体験かもしれません。

ただ、聴きたい曲とは違うものをスキップしたり、好きなアーティストの曲を再生したりしていると、機械学習でユーザーのテイストやシチュエーションにあった曲を選ぶようになります。おおよそ2週間程度利用していただくと、自分で曲を選ばなくても心地よい音楽が再生できるようになります。

また、20年前に好きだった曲と再び出会ったり、まったく知らなかったけれども好きな曲を新たに発見できたりと、さまざまな音体験ができるのもフリープランの特徴です。

スポティファイとしては、創業以来フリーのサービスをいかに作っていけるのか、それをどうビジネスとして成立させるのかにフォーカスして世界展開してきました。そのため、フリーでもプレミアムでもユーザーは等しく大切です。フリーのユーザーにいつかプレミアムに移行してほしいと考えているわけではありません。フリープランでもサービスとしてしっかり作り込んで、フリーならではの体験を提供しています。

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