【2023年最新】EDRおすすめ比較!機能や選び方

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EDRとは?
EDR(Endpoint Detection and Response)とは、利用者端末(エンドポイント)におけるセキュリティ対策の1つです。端末に侵入したマルウェアを検知し、システムの隔離や停止などの処理により、被害の拡大を防ぎます。
ゼロトラストを前提とした仕組み
従来、マルウェアの感染を防ぐための対策が主流でしたが、それだけでは完全に被害を抑えるのは難しいため、近年はEDRの考え方が広まってきました。いわゆる「ゼロトラスト」の考え方をベースとして、防御の仕組みを構築するのがEDRの特徴です。
マルウェアの感染・侵入を前提とした対策であり、被害を最小限に抑えるための取り組みといえます。入口対策だけではなく、マルウェアの侵入を素早く検知し、対応するEDRの必要性が広く認識され始めています。

EDRの代表的な機能
EDRの代表的な機能としては、次のものが挙げられます。
- マルウェアの検知・侵入防止
- マルウェアの監視
- 動作ログの記録
- マルウェアの解析
- プロセスの停止やネットワークの切断など
マルウェアの検知・監視と動作ログの記録、解析後の対応がEDRの基本的な機能です。EDRによってはEPPの機能が実装されているものがあり、マルウェアの侵入阻止ができる製品・サービスも少なくありません。
EPPとの相違点
EPP(Endpoint Protection Platform)はEDRと同様にエンドポイントへの侵入を防ぐためのソフトです。マルウェア対策として有効ですが、いわゆるアンチウイルスソフトの類であり、感染後の被害の拡大を防ぐEDRとは役割が異なります。
マルウェアに感染してしまうと、EPPだけでは対処できないため、EDRと組み合わせて運用する必要があります。EPPで侵入を防げなかったマルウェアに対して、EDRが対応して感染の拡大を防止できる体制にしておけば、社内の重要なシステムを感染被害から守れる確率が高まります。
EDRを選ぶ際の比較ポイント
製品のタイプ
EDRには感染の拡大を防ぐための機能に特化した製品と、EPPの機能を兼ね備えているものがあります。すでにEPPを導入している場合は、EDRのみの機能で問題ないでしょう。
初めてエンドポイントセキュリティを導入する場合は、EDRとEPPのいずれの機能も有する製品がおすすめです。
近年は本来のEDRとしての機能に加えて、「NGAV(Next Generation Anti-Virus)」と呼ばれる防御機能を備えたソリューションも提供されています。環境に適した製品タイプを慎重に選択しましょう。
検知方法や封じ込めの精度
マルウェアの検知から封じ込め、システムの復旧に至るまでの精度は、最も注目すべきポイントです。
近年リリースされているEDRはいずれも、マルウェアの検知から封じ込めに至る精度が高いですが、一部の機能のみ提供されている製品もあるので、調査から復旧までの機能も実装されているか、ログの監視・分析機能などが利用できるかも確認しましょう。
導入形態
EDRはクラウドで提供される製品が多い一方で、オンプレミス型の製品もあります。
クラウド型はインターネット環境があれば、端末が社内ネットワークに接続していなくても管理が可能です。社員の出張が多い企業や、テレワーク・リモートワークを導入している企業などにおすすめです。
一方、オンプレミス型は社内のサーバーにインストールして利用するタイプなので、社内でネットワークを完結させたい場合に適しています。完全オフラインで運用する端末が多い場合は、オンプレミス型のEDRの導入を検討してみましょう。
ログの収集方法
ログの収集精度や保存場所もEDRによって変わってきます。端末上にログが保存される製品と管理サーバー上に保存されるものがあり、前者はログのスムーズな解析が可能ですが、ネットワークにつながっていない端末に関しては、EDRの機能を発揮できません。
一方、後者はサーバーに一度ログを集めるため、解析に時間がかかるのが難点ですが、その時点でオフラインの端末でもログがアップされた際の情報で解析を進められます。
ただし、クラウド型の製品で海外に管理サーバーがある場合、ログの保存ができない場合もあるので注意しましょう。
機能の拡張性
EDRは近年特に進化している製品であり、さまざまな機能が拡張されています。資産管理機能やぜい弱性管理機能など、オプションで追加できる製品や、IT資産管理ツールにEDRの機能が実装されるケースも出てきました。
今後さらに多くの機能が実装される可能性もあるので、必要に応じて機能の拡張に積極的なベンダーの製品を選択するのもよいでしょう。

他のツールとの連携が可能か
他のセキュリティ製品と連携が可能かも重要な視点です。すでに何らかのセキュリティソフトやEPPなどを導入している企業も多いでしょう。
より強固なセキュリティ体制を構築するためにも、既存のセキュリティソフトや管理システムなどと、スムーズに連携できるEDRを選択しましょう。製品によっては、他のベンダーのサービスでもシームレスに連携できるものもあります。
ベンダーによるサポート
ベンダーからどういったサポートを受けられるかも、EDRの重要な選択基準です。特に初めてセキュリティ関連のサービスを利用する際には、導入サポートを受けられるものがよいでしょう。
社内にセキュリティに関する専門スタッフがいない企業も多いので、具体的にどういった支援を受けられるか、事前に確認しておく必要があります。導入支援に加えて、システムトラブルが起こった際、迅速に対応してもらえるか、どのような形でサポートしてもらえるかチェックしましょう。
おすすめのEDR比較
それでは、おすすめのEDRを紹介していきます。上記の選択基準を参考にしながら、環境にマッチした製品・サービスを選びましょう。
LANSCOPE Cyber Protection
- 高いセキュリティ水準が求められる組織での導入実績
- 高い検知率でマルウェアの特徴を判定
- 安心のサポート体制
LANSCOPE Cyber Protectionは官公庁や金融業界、通信業界など、高いセキュリティ水準を求められる多くの企業で導入されている、AIアンチウイルスです。まだ広まっていないマルウェアでも、ファイルの特徴からAIが判定し、高い検知率で社内のシステムを守れます。
海外ベンダーの製品ですが、エムオーテックス社による充実した国内サポートが受けられるほか、運用代行も依頼可能です。社内環境に合わせて、サポートを選択するとよいでしょう。
Symantec Endpoint Security
- マルウェア対策に防御機能が追加
- クラウドで端末を一括管理
- より多くの標準型攻撃を検出
Symantec Endpoint Securityは、業界最高レベルのエンドポイントセキュリティを実現できるサービスです。EDRとしての役割に加えて、独自機能を搭載することで、より多くの標準型攻撃を検出できるのが特徴です。
クラウド上で社内外にある端末をまとめて管理でき、さらにセキュリティ商品を統合したサービスであるため、セキュリティ製品同士の相性やコストの問題をクリアできます。環境に合わせてクラウドとオンプレミス、ハイブリッドでの運用ができるのも魅力です。
SentinelOne
- 対策実行型のセキュリティソリューション
- 分散型AIであらゆるロケーションや通信環境に対応
- 悪意をもつ動作と正規の振る舞いを素早く判断
SentinelOneは全世界で導入されているセキュリティソリューションで、マルウェアの検知から監視、運用を幅広い範囲で実行できます。パターンマッチングでは識別が難しいマルウェアも検知でき、分散型AIによってさまざまなシステム構成やロケーション、通信環境に対応できるのが特徴です。
悪意のあるイベントと正規の振る舞いを自動的に関連付け、数週間から数年規模でイベントデータを収集できるため、適宜セキュリティ環境の更新が可能です。デモ版の利用ができるので、まずは機能と操作性を確認してみましょう。
Cybereason EDR
- マルウェアの状況を直感的に可視化
- 侵入後のダメージを制御
- 数万台ものエンドポイントに対応
Cybereason EDRはマルウェアの侵入後の振る舞いを検知し、攻撃を封じ込めるEDRです。クラウド上のAIエンジンにより攻撃を分析し、わかりやすく可視化できるのが特徴です。数万台ものエンドポイントをリアルタイムに監視でき、Windows・Mac OS・Linuxのすべてに対応しています。
独自の分析エンジンにより取得したログを横断的に分析し、異常な行動の証拠を収集して攻撃パターンを見極められるのが特徴です。日本語の管理画面も使いやすく、直感的に状況を把握できます。
ESET Enterprise Inspector
- 大量のエンドポイントデータを解析
- 検知感度の調節が可能
- ライブレスポンスによるリアルタイム調査
ESET Enterprise Inspectorは多層型エンドポイント保護プラットフォームを活用したEDRで、大量のエンドポイントデータの解析が可能です。状況に応じてマルウェアの検知ルールの調整が可能で、新たな検知ルールによって新しいアラートの特定ができます。
エンドポイントをリモートで調査可能なターミナル機能を備えており、既存の業務ワークフローを変更せずに、インシデント対応ができるのが特徴です。環境に合わせてカスタマイズして導入が可能なので、まずはベンダーに問い合わせをしてみましょう。
Cisco Secure Endpoint
- エンドポイントを全体的に可視化
- 業界最高水準の検知率
- 無料のトライアル版が利用可能
Cisco Secure Endpointはユーザーのエンドポイント全体をスムーズに見える化し、マルウェアの侵入範囲の特定と封じ込め、修復を自動で行ってくれるセキュリティソリューションです。業界最高水準の検知率を誇っており、マルウェアの感染前後における多層的なシステム防御を実現できます。
感染経路は自動的に追跡・確認され、被害に遭った端末を高速で特定し、迅速な封じ込めとシステムの修復が可能です。EssentialsとAdvantage、Premierの3つのプランが用意されており、30日間の無料トライアルも利用できます。
Trend Micro Apex One
- さまざまな脅威に対応できる自動検出機能
- EDRとEPPの融合により多角的な防御を可能に
- SaaSとオンプレミスの導入が可能
Trend Micro Apex Oneはファイルレスやランサムウェアなど、近年増え続けている脅威へ多角的に対応できるエンドポイントセキュリティです。EDRとEPPの融合により、マルウェアの侵入防止と侵入後の検知・封じ込めまで対応でき、社内のセキュリティを大幅に強化できます。
AI技術を活用した高度な検出精度を誇っており、機械学習を繰り返すことで、さまざまなマルウェアを正確に判断可能です。多様な攻撃に対して効果的なシステム防御を実現できるので、社内のセキュリティ体制を刷新したい企業におすすめです。
KeepEye
- 高度な検知・防御能力を有する国産EDR
- 通信量が低く動作が快適
- 直感的でわかりやすい管理画面
KeepEyeはEDRとマネージドサービスが一体化した国産のEDRです。高度な検知・防御能力を有しており、不審な挙動をAIが素早く検知し、アナリストに通知してくれます。通信量が低く快適に動作するのが特徴で、HTTPS通信のためファイアウォールの設定変更も不要です。
誰にでもわかりやすい画面設計で、稼働状況やアラートの発生状況を一目で確認でき、管理画面上から製品サポートやアナリストとのやり取りが可能です。
EDRの導入メリット
EDRを積極的に導入するメリットとしては、マルウェアに素早く対応できる点や被害の拡大を食い止められる点、さらにセキュリティ状況の見える化ができる点などが挙げられます。
サイバー攻撃やマルウェアに迅速に対応できる
EDRの導入によって既存のマルウェアはもちろん、未知のマルウェアやサイバー攻撃にも迅速に対応できるようになる点がメリットです。
近年は攻撃の方法が多様化しており、多くの新種のマルウェアが誕生しているため、EPPだけでは十分なセキュリティを担保できないのが実態です。
そこで、マルウェアの感染を前提としたEDRを導入すれば、たとえ侵入を許しても迅速に封じ込めができるようになり、社内の重要なシステムを守れます。
被害の拡大を食い止められる
もし社内でマルウェアの被害が出ても、EDRによって拡大を防止できる点も大きなメリットです。守りたいネットワークとは別の領域で対処でき、感染したファイルやプロセスを停止できるので、大切なシステムへの侵入を防げます。
さらに、侵入経路の割り出しも可能なため、インシデントが発生してしまった原因もわかるでしょう。攻撃の状況を可視化できるので、抜本的なセキュリティ対策が可能になります。
EDRの導入で強固なセキュリティ環境を構築
EDRはマルウェアの感染を前提に、被害の拡大を防止するとともに、素早く隔離してシステムの安全を担保できるセキュリティシステムです。
導入にあたっては次のポイントを意識して、環境に合ったサービスを選択しましょう。
- 製品のタイプ
- 検知方法や封じ込めの精度
- 導入形態
- ログの収集方法
- 機能の拡張性
- 他のツールと連携が可能か
- ベンダーのサポート体制
それぞれのサービスについて詳しく知りたい場合は、サービス資料を請求して確認することをおすすめします。資料を比較するとともに、セキュリティ環境の見直しもしておきましょう。社内の状況を把握したうえで、計画的に導入を進めましょう。
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