サンドボックス製品5選を比較!おすすめサービス・選び方
目次を閉じる
- サンドボックス製品とは
- 従来のセキュリティ対策との違い
- サンドボックス製品の機能
- 仮想環境の構築
- ファイルの分析と評価
- SSL通信を介したデータ分析
- サンドボックス製品の導入メリット
- 標的型攻撃とゼロデイ攻撃への防御
- 情報漏えいリスクの低減
- 開発コストの削減
- サンドボックス製品のデメリット
- サンドボックス製品の選び方
- 導入目的を確認する
- 機能と性能を比較する
- サポート体制を確認する
- コストパフォーマンスを考慮する
- おすすめサンドボックス製品
- Trellix NX シリーズ
- Deep Discovery™ Inspectorシリーズ
- Harmony Browse
- FortiSandbox
- Email Security powered by Trend Micro
- サンドボックス製品の導入でシステムの安全性を高めよう
サンドボックス製品とは
サンドボックス製品は、不審なファイルやプログラムを安全な環境で実行し、分析するためのセキュリティツールです。これにより、実際のシステムを危険にさらすことなく、マルウェアの挙動を検出し、対策を講じられます。
サンドボックスでは実際の本番データは使用せず、開発中のアプリケーションを自由に操作できるため、バグの発見やデータの破損リスクを最小限に抑えられます。
従来のセキュリティ対策との違い
従来のアンチウイルスソフトやファイアウォールは、既知の脅威に対してのみ有効です。しかし、近年は標的型攻撃やゼロデイ攻撃などの高度な脅威が増加しており、従来のセキュリティ対策では対応しきれないケースも増えています。
サンドボックス製品は、未知の脅威に対しても有効な点が最大の特徴です。プログラムを実行しながら分析を行うため、従来のセキュリティ対策では検知できなかった悪意のある動きも発見できます。
サンドボックス製品の機能
サンドボックス製品は、未知の脅威からシステムを保護するために、さまざまな機能を備えています。代表的な機能を紹介します。
仮想環境の構築
サンドボックス製品は、実際のオペレーティングシステムとは隔離された仮想環境を作り出します。この環境内で、マルウェアは自由に実行され、その挙動が分析されます。
ファイルの分析と評価
不審なファイルは、サンドボックス内で実行され、その挙動が詳細に記録されます。この情報をもとに、ファイルが安全かどうかの評価が行われます。
SSL通信を介したデータ分析
サンドボックス製品は、SSL通信を介してもデータを分析できるように設計されています。これにより、暗号化された通信に隠された脅威も検出可能です。
サンドボックス製品の導入メリット
サンドボックス製品は、従来のセキュリティ対策では得られない多くのメリットをもたらします。次では、サンドボックス製品を導入することで得られる具体的なメリットをいくつか紹介します。
標的型攻撃とゼロデイ攻撃への防御
サンドボックス製品は、標的型攻撃、ゼロデイ攻撃、ランサムウェア、ファイルレスマルウェアなどの高度な脅威からシステムを保護できます。また、既知の脅威だけでなく、未知のマルウェアに対しても高い検出率を誇ります。
従来のアンチウイルスソフトやファイアウォールでは検知できない未知の脅威も検知できるため、企業ネットワークのセキュリティを大幅に向上させられます。
情報漏えいリスクの低減
サンドボックス製品は、情報漏えいリスクを低減できます。サンドボックス製品は、プログラムの実行中にファイルの分析、ネットワーク通信の監視、システム動作の観察などを行い、機密情報が外部に流出するのを防ぎます。
個人情報や機密情報などの重要資産を保護することで、情報漏えいなどのリスクを低減でき、コンプライアンス対応の強化にもつながります。
サンドボックス製品を導入することで、組織全体のセキュリティ体制を強化し、ビジネスの継続性を保てます。
開発コストの削減
サンドボックス製品を導入することで、検証環境の構築にかかるコストを大幅に削減できます。従来のようにハードウェアリソースを別途用意する必要がなくなります。
また、サンドボックスにはあらかじめ必要なミドルウェアやデータベースなどのリソースが用意されているため、個別でのリソース調達が不要になり、工数を大幅に削減できます。
サンドボックス製品のデメリット
サンドボックス製品は高度なセキュリティを提供しますが、完璧なソリューションではありません。たとえば、一部の高度なマルウェアは、サンドボックス環境を検知し、その挙動を変えることがあります。
また、サンドボックス製品を利用する上でのデメリットとしては、ネットワーク経由でのアクセスになるため通信の遅延が発生する点と、ベンダーに依存してしまうロックイン懸念があげられます。遅延対策としてはクラウドリージョンを適切に選ぶ必要があり、ロックイン対策としてはマルチクラウド対応製品を選ぶなどの配慮が求められます。
サンドボックス製品の選び方
サンドボックス製品の導入を検討する際は、次の選定ポイントを確認しましょう。
- 導入目的を確認する
- 機能と性能を比較する
- サポート体制を確認する
- コストパフォーマンスを考慮する
導入目的を確認する
サンドボックス製品を導入する目的を明確にすることが重要です。標的型攻撃対策、ゼロデイ攻撃対策、情報漏えい対策など、導入目的によって必要な機能が異なります。
機能と性能を比較する
サンドボックス製品を選ぶ際には、機能と性能を比較し、自組織のニーズに合ったものを選ぶことが重要です。それぞれの製品の特徴やメリットを比較し、自組織に最適な選択を行いましょう。
サービス選定では、必要な機能が十分に備わっているかをチェックが重要です。CI/CDツールとの連携や、Kubernetes環境での動作サポートなど、ユースケースに合った製品を選びましょう。
また、サンドボックス上でデータを扱う以上、セキュリティ対策は欠かせません。暗号化、アクセス制御、監査ログなどの機能があるかどうかをチェックしましょう。
サポート体制を確認する
製品のサポート体制も重要な選定基準です。トラブル発生時の対応力も製品選定で考慮する必要があります。ユーザーコミュニティの活発さや、ベンダーからのサポート内容を比較しましょう。
コストパフォーマンスを考慮する
サンドボックス製品は、導入コストが高くなります。予算を考慮した上で、最適な製品を選ぶ必要があります。
コストパフォーマンスも重要なポイントとなるため、予算内で最大限のセキュリティを提供する製品を選びましょう。
おすすめサンドボックス製品
今のセキュリティソフトの多くは、サンドボックスを実装されています。その中でも特におすすめの製品をピックアップしました。
- 標的型攻撃を早期に検知
- リアルタイムの脅威対策
- クラウドを介して脅威情報を共有
Trellix NX シリーズは、高度な標的型攻撃インタをはじめインターネット・トラフィックに潜む発見しづらいサイバー攻撃を正確かつ速やかに検知・防御して、甚大な被害をもたらすセキュリティ侵害の発生リスクを最小限に抑えます。
また、オペレーティング・システム(Microsoft Windows または Apple Mac OS X)やアプリケーションのぜい弱性を狙ったサイバー攻撃、インバウンドのインターネット・トラフィックに潜む攻撃などからシステム環境を保護します。
Deep Discovery™ Inspectorシリーズ
- サンドボックスをカスタム可能
- ネットワーク内部の可視化
- サードパーティ製品との連携
Deep Discovery™ Inspectorシリーズは、気づくことが難しいサイバー攻撃をネットワーク上から見つけ出し、早期に対処し被害の深刻化を防ぐための対策製品です。
システム管理者は、管理画面上でリアルタイムに攻撃元のサーバー情報や被害を受けた端末を把握すると同時に、定期的に自動生成されるレポートで必要な対策の確認が可能です。
Harmony Browse
- 業界トップの検出率
- 実用的なインシデント分析
- ゼロデイ・マルウェアを阻止
SandBlast Agent for Browsersは、高度な攻撃やゼロデイの脅威からWebブラウザとエンドポイントを保護します。また、業界トップの検出率を誇り、回避能力を備えたマルウェアにも対応するチェックポイントのサンドボックス検査を活用しています。
FortiSandbox
- 独立機関からトップクラスの評価を獲得
- 広範なセキュリティの統合
- オープン仕様による優れた拡張性
FortiSandboxには、ハードウェアアプライアンス、仮想アプライアンス、パブリッククラウドをはじめとする幅広い提供形態が用意されているほか、ホステッドサービスとしても利用できるため、それぞれの環境に最適な導入オプションを選択できます。
Email Security powered by Trend Micro
- ソーシャルエンジニアリング攻撃対策
- 添付ファイル内の不正コードを99.8%検知
- 標的型メール攻撃の対応をより高度に実現
Email Security powered by Trend Microでは、仮想環境でメールの添付ファイルを実行し、疑わしい動作を検索する「動的解析」を行うことで、標的型メール攻撃の対応をより高度に実現します。
標的型メールを含むソーシャルエンジニアリング攻撃対策や、サンドボックス解析で添付ファイル内の不正コードを検知といった、企業を守る安全なメール環境を作ります。
サンドボックス製品の導入でシステムの安全性を高めよう
サンドボックス製品は、マルウェアを安全に分析するためのセキュリティツールです。主な機能には、仮想環境の構築、ファイルの分析、SSL通信の分析があります。
導入のメリットには、未知のマルウェアへの対策、標的型攻撃の防御、セキュリティ体制の強化が挙げられます。選び方のポイントとして、機能と性能、サポート体制、コストパフォーマンス、ユーザーレビューが重要です。
サンドボックス製品は、高度なセキュリティ対策を求める企業にとって有効なソリューションです。導入を検討する際には、メリットとデメリットを理解した上で、自社のニーズに合った製品を選ぶことが重要です。
製品を実際に試す無料トライアル期間を活用し、自社の要件に合ったサンドボックス製品を選ぶことをおすすめします。SaaSの継続的な運用を見据えた上で、最適な製品を賢く選択することが重要です。