メリットだけではない?仮想化が持つデメリットをまとめてみた
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仮想化とは
物理的な環境に囚われずハードウェアリソースを柔軟に統合・分割する技術である仮想化は、今や多くの企業で導入されている技術の一つです。
サーバ台数の削減や一元管理による業務効率化といったさまざまなメリットがあることから、現在導入を検討している企業も多いでしょう。
導入を成功させるためには、仮想化のメリットだけでなくデメリットもしっかりと理解しておくことが重要です。
ここでは仮想化(特にサーバ仮想化)が持つ主なデメリットについてまとめました。
仮想化の6つのデメリット
1. 専門知識が必要
ハードウェア台数の削減やシステムの一元管理で業務効率化できる反面、仮想化には仮想化の専門知識が必要になります。
これまでの物理環境での管理とは大きく異なるため、専門的な技術を持つ情報システム担当者が必要不可欠です。
しかし、そう簡単にはいかないため、仮想化技術を持つ人材を確保するか、社内の情報システム部門に対して仮想化の教育を行う必要があります。
そのため、導入までの期間が長期化するおそれがあることにも注意が必要です。
2. コスト削減
一般的に仮想化にはコスト削減効果があると言われていますが、実際にはコスト面でのメリットが得られない場合も多いようです。
後述しますが、仮想化を実現するためにはサーバの冗長化用ハードウェアや、運用管理ツールの導入が必要です。
そのため、当初想定していたほどコストメリットが得られない場合や、かえってコストが増加してしまう場合もあります。
仮想化を導入する際には、コスト削減ばかりを追求せず、主に管理業務の負担軽減や業務効率化といったメリットに目を向けることが重要です。
3. 仮想化ソフトの選定
仮想化には専用ソフトウェアを使用しますが、現在リリースされている仮想化ソフトは一つだけではありません。
VMwareやMicrosoft Hyper-Vなど、さまざまな製品があり、選定には仮想化に関する専門知識が求められます。
この選定でつまずく企業も多く、自社に適した仮想化ソフトを導入できずに失敗するケースも少なくありませんので、注意が必要です。
4. 物理環境に性能が劣る
仮想化によって構築された環境は、それぞれが独立したサーバとして稼働していますが、結局は一つの物理サーバリソースを分割して利用している点に変わりはありません。
そのため、物理サーバと同程度のリソースを割り当てても、必ずしも同じ性能が得られるとは限りません。
VPSやクラウドなどで仮想サーバを利用する際は、期待した通りの性能が得られない場合もあるため、注意が必要です。
5. 耐障害性
物理環境では、一台のサーバに障害が発生しても、影響を受けるのはそのサーバ上で稼働しているシステムだけです。
しかし、仮想化環境の場合は、そのサーバ上で動作しているすべてのシステムに影響が及びます。
そのため、サーバの冗長化を図るなど、対障害性の強化が不可欠になります。
6. 運用管理ツール
仮想化では、従来の物理環境とは管理手法が異なり、サーバを目視するだけでは稼働状況を把握できません。そのため、仮想環境用の運用管理ツールが必要です。
運用管理ツールの導入によってコストが増加する可能性もあるため、導入時には長期的な視点でツールを選定することが重要です。
まとめ
最後に、ここまで紹介したデメリットを以下にまとめておきます。
- 1. 導入には仮想化の専門知識が必要
- 2. 環境によってはコスト削減にならないことも
- 3. リリースされている仮想化ソフトが多く選定が難しい
- 4. 物理環境と比較して性能が劣る
- 5. 対障害性への対策強化が必要
- 6. 運用管理ツールの導入が必要
仮想化は導入によって多くのメリットを得られますが、このようにデメリットもあることを十分に理解しておく必要があります。
デメリットを理解しておくことで、導入に失敗しないためのポイントが自ずと見えてくるはずです。ここで紹介したデメリットをぜひ参考にしてください。
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