SES契約(システムエンジニアリング契約)とは?請負契約や派遣契約との違いを解説
【今さら聞けない】SES契約(システムエンジニアリング契約)とは?
IT業界で働く人には、正社員として雇用される以外に複数の雇用形態があります。SES契約(システムエンジニアリング契約)は、その中の一つです。
今さら聞けない「SES契約」について、考え方や派遣契約・請負契約との違いについて解説します。これから独立を検討している方や、IT人材の雇用を考えている企業のご担当者の方は、ぜひ参考になさってください。
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SES契約(システムエンジニアリング契約)とは
SES契約とは、準委任契約や業務委託、タイムマテリアル契約(タイマテ)とも呼ばれる契約形態です。エンジニアの能力を契約の対象とした手法です。つまり、エンジニアが働く時間に応じて報酬を支払う形態となります。
「作業時間についてのみ報酬が発生し、成果物に対しての責任は一切発生しない」という点が、SES契約の最大のポイントです。つまり、契約期間中にまったく成果物が納品できなかった場合でも、報酬は支払う必要があります。
エンジニアが作り上げた成果物に対して報酬が発生する請負契約とは、大きく異なります。
SES契約の報酬の決め方
SES契約の報酬については、一般的に1か月あたりで決まります。この単価(人月単価)は、エンジニアの経歴や経験によって大きく異なり、単価が50万円程度の方もいれば、100万円を超える場合もあります。
SES契約の指揮監督権は?
委任契約で客先に常駐する場合、エンジニアとして注意すべき点は、報酬や労働時間だけでなく、「指揮命令系統」も含まれます。
SES契約の場合、たとえばA社がB社に発注したケースでは、SES契約の労働者の作業場所がA社(発注先・客先常駐)であっても、エンジニアに指示を出せるのはB社(受注会社)のみとなります。
しかし、実際にはこの原則が守られていないことも多く、トラブルの原因となるケースも少なくありません。
SES契約のメリット
SES契約を選択すると、企業としては必要とするスキルを持つ人材を集められます。たとえば、大規模なシステムを開発する場合、一時的に多くのエンジニアが必要になることもあります。そのような場合、自社でエンジニアを育成する必要がなく、スポット的にエンジニアを調達できるSES契約は、大きなメリットがあります。
また、エンジニアにとっても、受注側企業の正社員という立場であるため、安心感が得られる点も特徴です。さらに、常駐先でさまざまな企業の文化に触れられるため、スキルアップにもつながります。
SES契約と派遣契約との違い

SES契約と混同される契約形態の一つに、「派遣契約」があります。
SES契約は、エンジニアが客先に常駐して業務を提供する働き方であり、基本的には担当企業が変わることはほとんどありません。一方、派遣契約の場合は、特定のプロジェクトを担当するために派遣され、プロジェクトが終了すると別の企業へ派遣されます。
業務内容にはほぼ変わりがないものの、大きな違いは「指揮命令系統」です。派遣契約は、SES契約と違って指揮命令は発注側(クライアント)の企業が行います。
SES契約と請負契約との違い
SES契約と似た契約には「請負契約」もあります。請負契約とは、成果物に対して報酬が支払われる契約形態です。そのため、成果物に対する責任が生じます。成果物に不備があったり、納期が遅延した場合には、受注者側が責任を負う必要があります。
なお、SES契約と請負契約を組み合わせた「混合契約」というものも存在します。基本的にはSES契約ですが、一部の特定業務に関しては請負契約とするケースも見られます。
SES契約(システムエンジニアリング契約)とは?のまとめ
新たにエンジニアを雇うより、SES契約を活用するほうが得られるメリットが大きいかもしれません。IT業界も日々変化しており、専門性の高いエンジニアを正社員として雇用することは、企業にとって大きなコスト負担となります。SES契約をうまく活用して、必要なスキルに対して報酬を支払うことは、ひとつの有効な解決策となります。
働く側にとっても、独立前のスキルアップの機会として、正社員でありながらさまざまな企業で経験が積めるSES契約は、多くのメリットがある雇用形態といえるでしょう。
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