採用方法の種類を新卒・中途別に解説!優秀人材を採用するには
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- 新卒採用における採用方法
- 就職サイト
- ダイレクトリクルーティング
- インターンシップ
- 人材紹介
- 自社ホームページ
- その他の方法
- 中途採用における採用方法
- 転職サイト
- ダイレクトリクルーティング
- ヘッドハンティング
- リファラル
- 人材紹介
- 人材派遣(紹介予定派遣)
- その他の方法
- 採用方法の最新トレンド
- カジュアル面談
- ミートアップ
- 採用代行
- 採用方法の選び方
- 人材の質を重視するなら
- 採用スピードを重視するなら
- 採用担当者の負担を軽減したいなら
- 募集人数が多いなら
- 費用を抑えたいなら
- 人材とのマッチングを重視するなら
- 採用活動のコツ
- 求める人物像を明確化させる
- 採用方法は複数併用する
- 面接のポイント
- ポイント1. 応募者の実力を引き出す
- ポイント2. 積極的に自社アピールをする
- ポイント3. 将来ではなく過去の話を聞く
- ポイント4. 応募者のいいところを見つけ出す
- ポイント5. 応募者の話を最後まで聞く
- ユニークな採用方法を使う企業の事例
- アスリート採用:株式会社IBJ
- 絵ごころ採用:株式会社サーチフィールド
- いちゲー採用:面白法人カヤック
- 最適な採用方法で企業が求める人材を確保
- BOXILとは
日本の経済活動の活況と労働人口の減少が重なり、令和6年11月の有効求人倍率は1.25倍といったデータがあります。このような状況の中、いかに自社に最適で優秀な人材を確保するかが、これから企業が生き残っていくのに重要な要素です。
そのため、人材募集を行う際はターゲットを明確にしたうえで、効果的な採用方法を選択する必要があるでしょう。
新卒採用における採用方法
採用後の教育が必要になる新卒者の場合、採用担当者は人間力に重きをおいた判断を行うためにも、母数を増やした選考が行える採用方法を検討する必要があります。
どのような採用方法が新卒採用に向いているのか、費用面やメリット/デメリットを含め、それぞれ解説します。
就職サイト
まず、多くの就活生が登録するとされるマイナビやリクナビなどの就職サイトがあります。これらのサイトでは、企業が採用情報を掲載し、登録した学生が志望する企業にエントリーすることでマッチングを行う仕組みです。また、企業説明会などのイベントも盛んに開催されています。
掲載費用は150万円以上と高額ですが、インターネットを活用した就職活動が主流となった現在、多くの学生に情報を見てもらえる可能性が高い点が大きなメリットです。一方で、掲載企業数が非常に多いため、自社が学生の目に留まる確率が低くなりがちというデメリットもあります。
ダイレクトリクルーティング
通常の就職サイトと異なり、企業側から学生にアプローチを行うのがダイレクトリクルーティングです。基本的にはダイレクトリクルーティングサービスに登録された学生に対して、企業がスカウトメールを送り、マッチングしたらコンタクトを行う流れです。
企業が学生の情報を確認してアプローチできるため、自社のニーズに合致した人材にリーチしやすいメリットがあります。一方で採用担当者にかかる負担は重く、デメリットにもなりえます。費用はさまざまですが、前金型の場合は求人広告よりも安く、成功報酬型の場合は人材紹介よりも安いのが一般的です。
なおボクシルでは、新卒採用向けのダイレクトリクルーティングサービスを比較できます。ぜひサービス選定の参考にしましょう。
インターンシップ
学校に在籍しつつ、学生に一定期間自社で働いてもらうのがインターンシップです。大学の就職課による斡旋のほか、就職サイトやダイレクトリクルーティングでも、サービスを提供している場合があります。
実際に働いてもらうことによって、学生には自社の業務や仕事内容を理解してもらえ、企業側は面接で判断できない人間性や働きぶりを見られます。そのため戦力となる人材が見極めやすく、ミスマッチによる内定辞退や早期退職を未然に防止できるのがメリットです。
しかし、現場サイドの受け入れ態勢を整える必要があり、それなりに手間がかかるのはデメリットといえます。サービスを利用する場合でも、インターンシップの場合は本来のサービスより安くなることが多いようです。
人材紹介
人材紹介会社や就職サイトが行っているサービスで、企業のニーズに応じてスクリーニングした人材を紹介します。
ダイレクトリクルーティングより費用は高額ですが、専門性の高い人材をピンポイントで確保できるのがメリットです。またほとんどが入社承諾書にサインしてから支払いを行う成功報酬型のため、無駄な投資にはならないこともメリットといえます。
しかし採用方式の性格上多くの新卒人材を採用できないため、そういったニーズの企業にとってはデメリットが大きい方法といえるでしょう。
自社ホームページ
自社ホームページに採用ページをつくり、コンテンツを追加しながら新卒募集を行う方法です。すでに自社サイトをもっていれば作成コストはほとんどかかりません。また採用条件や募集要項はもちろん、企業理念や業務内容、既存従業員のインタビューなど、求人サービス利用よりもはるかに多くの情報を盛り込みやすく動画の制作も可能です。
そのため自社に興味をもっている学生に対しては、ホームページから多くの情報を提供し、しっかりアプローチできるのがメリットです。しかし自社に興味をもたない学生には情報を見てもらえない、受け身の募集方法でもあります。
競争が激しいため、自社の採用ページが検索エンジンで上位に表示されるためのSEO(検索結果でページを上位に表示させるための対策)といった工夫が必要なのはデメリットです。
その他の方法
合同説明会
大規模な会場に複数の企業が集まり、合同で説明会を開催する方式です。一度に多くの学生と直接コンタクトでき、企業アピールを行いやすいのがメリットです。しかし説明会の規模によって参加費用が10万円〜と高額なうえ、学生に関心をもってもらえるよう、他社と差別化を図る工夫が必要な点はデメリットといえます。
リファラル
リファラルとは、自社社員の知人や大学の後輩など、信頼できるネットワークを通じて優秀な人材を推薦してもらう方法のことです。
対象者をある程度理解したうえでの紹介となるため、面接では判断できない人間性がわかります。しかし大量の候補者を集めるのは難しく、この点はデメリット要素です。
大学の就職課
大学の就職課は、キャリアセンターや就職支援センターなどで学生への就職斡旋や紹介を行っており、これを利用する方法です。
特定の大学や学部に絞り込んで選考ができ、採用実績といった将来的な学生紹介が見込めること、コストがかからないことはメリットです。しかし採用の専門家ではない大学職員の主観による紹介となるため、ミスマッチが起こる可能性はあります。
Web広告
Web上にバナー広告、リスティング広告などを掲載して新卒募集を行う方式です。リンク先には自社の採用ページを指定するのが一般的で、効果測定が容易で修正もすぐ行えるメリットがあります。
一方で広告料金の幅が広いため、掲載するメディアを慎重に選ぶ必要があり、リンク先のページを充実させなければ効果が薄くなる点はデメリットです。
ハローワーク
ハローワークに登録して人材募集を行う方法です。コストがかからないメリットはありますが、新卒予定者がハローワークを利用する確率は少なく、効果は薄いのがデメリットです。
求人誌
有料の求人専門誌やフリーペーパーに募集掲載するなど、紙媒体を利用する方式です。とくに掲載コストがかからないフリーペーパーは、飲食店やコンビニなどで気軽に手に取れるため、地方といった地域を限定した場合は有効な手段です。しかし掲載の内容がパートタイマー中心であるため、新卒採用に向いているとはいいがたいでしょう。
ソーシャルリクルーティング
FacebookやX(旧:Twitter)など、SNSを利用して人材募集を行う方式です。普段からSNSを利用している大学生といった、若年層がターゲットの新卒採用に有効な手法であり、コストがかからない点もメリットです。しかし、採用担当者がSNSの特性を理解したうえで活用しないと、情報がすぐ埋もれてしまうデメリットもあります。
こちらの記事では新卒採用におすすめの採用サイトや、ダイレクトリクルーティングサービスを紹介しています。気になる方はぜひ参考にしましょう。
中途採用における採用方法
企業が中途採用を検討する際、ほとんどの場合で特定スキルをもった即戦力の人材を求めているケースが考えられるでしょう。
そのため、採用担当者は新卒採用とは違った採用方法の検討が求められます。また求職者が転職情報収集にインターネットを利用するケースが増えていることや、求職活動を行っていない層にも潜在的な転職希望者がいることを理解し、採用方法を選択する必要があります。
転職サイト
新卒採用の就職サイト同様、転職用のマイナビ転職やリクナビNEXTなどの転職サイトを利用する方式です。企業が採用情報を掲載し、登録している人材が志望する企業にエントリーする形でマッチングを行います。企業説明会といったイベントを活発に行っているのも特徴です。
掲載費用は長期に渡る新卒採用より安く、明確な意志をもって転職活動を行っている求職者に見てもらえる可能性が高いことはメリットといえます。しかしサイトへの掲載企業数が多いため、自社の注目される確率が低くなる点は、新卒採用の場合と同様のデメリットといえるでしょう。
ボクシルでは中途採用向け転職サイトを比較できます。ぜひサービス選定の参考にしましょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングには、転職希望者を登録するサービスもあり、どちらかといえばこちらの方が主流かもしれません。ダイレクトリクルーティングサービスに登録された転職希望者に対して、企業がスカウトメールを送り、マッチングできたらコンタクトを行う流れも同様です。
企業が転職希望者の情報を確認してアプローチすることで、自社のニーズに合致した人材にリーチしやすいメリットは、より中途採用に向いています。しかし採用担当者にかかる負担が重いのは変わりません。前金型の場合は求人広告よりも安く、成功報酬型の場合は人材紹介よりも安いといった相場観も同様です。
ヘッドハンティング
エグゼクティブサーチ型ともいわれる方式で、企業ニーズに合致する人材を、幅広いネットワークを駆使して探し出し、転職までをサポートするサービスです。
企業が必要とするスキルはもちろん、人間性に至る細かな条件に合致した人材を、潜在層を含む労働市場全体から採用できる点は大きなメリットです。しかしエージェントが足を運びサーチするタイプでは、着手金や経費の他に採用した人材の年収の約3割程度となる成功報酬が必要で、高額になりがちなコスト面はデメリットといえるでしょう。
リファラル
主に自社従業員に優秀な人材を推薦してもらうリファラルも、中途採用の場合は有効です。このリファラルは欧米でも主要な採用方法であり、いわゆる縁故採用とは区別されています。
対象者を理解したうえでの紹介となるため、面接では判断できない人間性や仕事ぶりがわかるメリットは、新卒採用の場合と同様です。しかし、大量の候補者を集めるのが難しいデメリット要素も同様に存在します。また採用後のパフォーマンスが悪かった場合は、紹介者側との関係が悪化する可能性も否定できません。
こちらの記事でもリファラル採用について紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしましょう。
人材紹介
企業のニーズに応じてスクリーニングした人材を紹介するサービスで、人材紹介会社や就職サイトが転職向けにも行っています。
専門性の高い人材をピンポイントで採用でき、ほとんどが入社承諾書にサインしてからの支払いとなる成功報酬型ゆえ無駄な投資にはならないメリットは、より中途採用に向いているといえるでしょう。ダイレクトリクルーティングより費用は高額になりますが、ヘッドハンティングよりは割安だともいえます。
多くの人材を採用したい企業には向いていない点も、中途採用を検討する際にはあまりデメリットとならないかもしれません。
人材派遣(紹介予定派遣)
人材派遣とは、人材派遣会社が雇用する人材を自社に派遣してもらうサービスのことです。数多くいる人材の中から自社の求めるスキルや業務経験にマッチした人材を探し出し、すぐに派遣してもらえることから、効率的に最適な人材が確保できます。
雇用期間も決められるため、繁忙期だけ、育休中の人材補填といったワンポイントでの雇用ができるのもメリットです。採用までの時間も短く、コストはやや割高なものの成果報酬が基本であるため採用にならなければコストもかかりません。
一方で自社の社員ではないため雇用期間が終了すれば会社を辞めてしまうのがデメリットです。ノウハウも自社には蓄積されにくいでしょう。ただし、「紹介予定派遣」と呼ばれるサービスも存在します。
紹介予定派遣は最大6か月間派遣社員として働いてもらい、この期間を見極め期間として働きぶりやチームとの相性などを確認し、正社員に採用するかを決める方法です。人材派遣と人材紹介の性質を兼ね備えた方法であり、採用のミスマッチを防止できます。
その他の方法
自社ホームページ
自社ホームページに採用ページのコンテンツを追加する方法も、自社に興味をもつ転職希望者には非常に効果的です。しかし自社に興味をもたない転職希望者にはリーチができず、想定した人数が集まるとは限らないこと、SEOといった工夫が必要など新卒採用と同様のデメリットがあります。
転職フェア
大規模な会場に複数の企業が集まり、合同で転職説明会を開催する方式で、専門性の高い業種に絞って行われる場合もあります。
多くの転職希望者と一度にコンタクト・面談が可能で、企業アピールを行いやすいのがメリットです。しかし参加費用が50万円〜と割高であり、関心をもってもらうような工夫が必要な点は合同説明会と同様です。
Web広告
Web上にバナー広告、リスティング広告などを掲載して中途募集を行う方式です。効果測定が容易で修正もすぐ行えるのがメリットです。しかし広告料金がさまざまで、掲載するメディアを慎重に選ぶ必要があり、リンク先のページを充実させないと効果が薄くなる点は、新卒採用の場合と同様にデメリットといえます。
ハローワーク
ハローワークに登録して人材募集を行う方法です。幅広い求職者に情報提供ができ、コストがかからないうえ、助成金・給付金支給を受けられるメリットがあります。しかし求職者が主体で応募するため、企業が望む人材からのアプローチが得られず、ミスマッチの起こる可能性が高くなるのはデメリットです。
求人誌
有料の求人専門誌やフリーペーパーなど紙媒体を利用し募集掲載する方式です。掲載コストがかからないフリーペーパーは、中途採用でも地域を限定した場合は有効な手段です。しかしパートタイマー中心の内容であるため、望む人材の採用には向いておらず、インターネットを利用した転職活動が主流の現在では、有料の求人専門誌も効果が薄いかもしれません。
ソーシャルリクルーティング
FacebookやX(旧:Twitter)など、SNSで人材募集を行う方式です。普段からSNSを利用している層には有効な手法であり、転職活動を行っていない潜在層にもリーチ可能な点やコストがかからない点はメリットです。
しかし、採用担当者がSNSの特性を理解したうえで活用しないと、情報がすぐ埋もれてしまう点はデメリットといえます。また希望する人材像によってはSNSをあまり利用していない可能性があり、効果が薄くなることも考えられるでしょう。
アルムナイ採用
アルムナイ採用とは、過去に自社で働いていた人材(アムルナイ)を再度採用する方法です。人材と定期的にコミュニケーションを取って関係性を維持しつつ、双方のニーズが合致したタイミングで採用さを行います。候補者本人から直接応募されたり企業側から直接アプローチを行ったりするため、採用コストはほぼかかりません。
企業風土や働き方を理解しているため、ミスマッチが起こりにくく、教育コストがほぼかからないのもメリットです。ただし、こちらからアプローチをかけてもすでに他社で働いていることも多く、採用につながらないケースも多々あります。また過去に自社で働いていた人材が対象になるため、一度に多くの人数を採用できないのもデメリットです。
こちらの記事では、おすすめの求人媒体や採用メディアを紹介しています。気になる方は参考にしましょう。
採用方法の最新トレンド
採用方法における新しいトレンドとしては、次のものが挙げられます。
- カジュアル面談
- ミートアップ
- 採用代行
それぞれ詳しく紹介します。
カジュアル面談
カジュアル面談とは、カフェで食事をしながらといった、リラックスした状態で互いに情報交換する方法のことです。基本的には候補者の選考を行う前に実施するものであり、合否には一切関係させないのが特徴です。
履歴書は基本的に不要であり、カジュアルな雰囲気で会話をすることで、双方向での理解や興味を深められます。企業側としては早い段階から接点をもち、自社をアピールして好感度や志望度を高められるのが大きなメリットです。
通常の選考よりも担当者の負担が増加しやすい面もありますが、相互理解が進むことでミスマッチによる内定辞退や早期離職も防止できるため、導入する企業は増加傾向にあります。
ミートアップ
ミートアップ(meetup)とは、同じ目的をもつ人同士が集まって交流することです。元々はアメリカの企業がつくったプラットフォームの名前でしたが、現在は交流会自体をミートアップと読んでいます。
日本では2015年ごろに採用手法の1つとして、取り入れられるようになりました。企業が自社や会場に求職者を集め、交流を行いながら自社の魅力をアピールするのが目的です。低コストで好感度・志望度を高めやすく、マッチング精度の向上にも期待できます。
またミートアップには主に「交流会型・勉強会型・説明会型」の3種類があり、職種やターゲット層に合わせて使いわける必要があります。
採用代行
採用代行とは、採用活動の一部もしくはすべてを外部の代行会社に委託することです。採用計画の立案から求人広告の作成・運用、求職者の管理、説明会・面接の代行までワンストップで対応してくれます。
ここまで紹介してきたように採用方法は多様化しており、採用に至るまでの工数は増加する一方です。また代行会社は採用の専門家として豊富な知識・ノウハウで自社の求める人物を採用してくれます。そのため自社の負担を軽減し、より優秀な人材を採用するために、採用代行を利用する企業が増加傾向にあります。
ただし、代行会社と密な連携や打ち合わせができていないと、どういった人物を求めているかがうまく伝わらず、ミスマッチにつながる可能性もあるため注意が必要です。
採用方法の選び方
労働における生産性の向上が重要なのと同様に、採用においても生産性を向上させる必要があるでしょう。そのためには採用方法のメリット/デメリットを理解したうえで、重視するポイントに応じて最適な採用方法を選択し、効果的に人材を確保する必要があります。
それぞれ重視するものに応じて、最適な採用方法を紹介します。
人材の質を重視するなら
人材の質が最優先で、優秀な人材を確保したい場合は
- ヘッドハンティング
- ダイレクトリクルーティング
- 人材紹介
- 自社ホームページ
を候補にするのがおすすめです。
このうち、最も質の高い人材を確保できる可能性が高いのは、潜在層を含めた幅広い層にリーチできるヘッドハンティングですが、代わりかかるコストは高額になりやすいでしょう。
ダイレクトリクルーティング/人材紹介は、ヘッドハンティングよりもかかるコストは低くなりますが、学生を含めそれぞれ明確に求職活動を行っている層のみが対象です。自社ホームページは最もコストはかかりませんが、最適な人材が見つかるまで待ちの姿勢になるのがデメリットです。
採用スピードを重視するなら
優秀な人材は確保したいものの、何よりもスピード感のある採用を行いたい場合は
- リファラル
- ハローワーク
- ソーシャルリクルーティング
- 人材派遣
を候補にするのがおすすめです。
人材派遣は採用の意味では主旨から外れますが、緊急時に人材を確保するには有効です。ハローワーク/ソーシャルリクルーティングは、幅広い層にスピーディにアプローチできる意味では有効ですが、応募は求職者の主体に依存するためマッチングに不安が残ります。また、リファラルの場合は、関係者の身近に候補者がいる場合は有効ですが、これは確かなものとはいえないでしょう。
採用担当者の負担を軽減したいなら
採用担当者が少ない、もしくは業務兼任であるため負担を減らして採用活動したい場合は
- リファラル
- 求人誌
- 人材紹介
- ヘッドハンティング
を候補にするのがおすすめです。
リファラル/求人誌の場合、それぞれ関係者/出版社に依頼を行ったあとは待ちの体制になるため、負担を減らせます。しかし、待ちになる分最適な人材を確保できるかどうか確実ではないでしょう。人材紹介/ヘッドハンティングは、担当者の負担を減らしつつ、優秀な人材を確保できる有効な手段ですが、かかるコストは大きなものになります。
募集人数が多いなら
必要な人材数が多く、とにかく大きな母数の中からなるべく優秀な人材の採用を行いたい場合は
- 就職サイト/転職サイト
が効果的です。
繰り返しになりますが、新卒・中途を問わず、現代の就職活動の中で大きなウェイトを占めるのがWebの情報です。中でも就職サイト/転職サイトは、就職活動を行う人材がほぼ登録しているといっても過言ではありません。不特定多数へのアプローチといった点ではSNSも有効ですが、多くの候補者母数が必要な場合は就職サイト/転職サイトの有効性は揺るぎないものといえるでしょう。
費用を抑えたいなら
最大のプライオリティがコスト面であり、何よりも費用を抑えて採用活動したい場合は
- SNS
- ハローワーク
- リファラル
- 自社ホームページ
を候補にするのがおすすめです。
いずれの場合も、求職者からのアプローチを待つことになるため、スピード面や人材の質、募集人数の多さを期待するのは難しいでしょう。しかし、コスト面では圧倒的なアドバンテージがあり、計画的な人員補充を行わないのであれば有効な手法といえるかもしれません。
人材とのマッチングを重視するなら
採用後のミスマッチを防止し、自社に合った人材を採用したい場合は
- インターンシップ
- リファラル採用
- アルムナイ採用
- 紹介予定派遣
を候補にするのがおすすめです。
インターンシップと紹介予定派遣では、ある程度の期間自社で働いてもらった後に採用するかどうかを決められるため、人材の適正や相性を理解したうえで採用可能です。また候補者側からも、社風や働き方などを理解したうえで入社するため、ミスマッチが起きにくくなるでしょう。
リファラル採用とアルムナイ採用では、ある程度人材の人柄や価値観を理解したうえで採用を行えるため、ミスマッチを防止できます。またアルムナイ採用は過去に働いていた人材を再度採用するため、候補者は社風や業務について深い理解があります。
リファラル採用でも候補者が友人・知人から自社の社風や働き方を聞けるため、他の採用方法よりはミスマッチが起こりにくいでしょう。
採用活動のコツ
採用活動を行ううえでのコツとしては、次のようなものが挙げられます。
- 求める人物像を明確化させる
- 採用方法は複数併用する
それぞれ詳しく紹介します。
求める人物像を明確化させる
採用活動を行う場合には、新卒・中途を問わず事前に求める人物像を明確にするのが重要です。あらかじめ人物像をはっきりさせることで、採用活動において人材の見極めがしやすくなるのはもちろん、ミスマッチが起こりにくくなるため内定辞退・早期退職も未然に防止しやすくなるでしょう。
現場の社員や関係部署にしっかりヒアリングを行い、必要なスキルや人柄などをまとめて採用要件を定義します。またここからさらに「ペルソナ」を設定するのもおすすめです。ビジネスにおけるペルソナとは、具体的につくり込まれた人物像のことです。
採用においては、求めるスキルや年齢といった基本的な情報のほかにも過去の職歴や趣味、価値観、家族構成といった部分まで詳細に設定します。これにより必要な人材をより具体的にイメージしやすく、求めている人材を正確に見極めやすくなるでしょう。
採用方法は複数併用する
上記で紹介している採用手法は、複数の種類を組み合わせて併用するのがおすすめです。近年は人材が不足しているのにくわえ、人材の多様化も進んでいるのが現状です。そのため企業側もターゲットに合わせて、柔軟に採用のやり方を変える必要があります。
たとえば、ソーシャルリクルーティングでターゲット層に対して認知度を高めたり交流を深めたりしつつ、求職者からコンタクトがあればカジュアル面談を実施、といったように切り替えます。これにより、お互いがスムーズに採用活動を進められるようになるでしょう。
採用方法にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、これらを十分に理解したうえでそれぞれのデメリットをカバーできるように組み合わせるのが重要です。
面接のポイント

さまざまなサービスの利用を経て採用候補者を集めることに成功しても、最終的に採用に至る人材を選定するために面接は欠かせないものであり、マッチングを見極める重要なステップです。
ただし有効求人倍率が高くなるつつある現状では、企業が面接で候補者を見極めようとするのと同様、候補者が企業を見極めようとしていることを忘れてはいけません。採用面接を行う面接官はそれを踏まえたうえで、面接を行う必要があります。
面接を行う際のポイントについて詳しく紹介します。
ポイント1. 応募者の実力を引き出す
採用面接を受ける応募者は、自身の将来を左右する面接に対して、ほとんどの場合で緊張を強いられます。プレッシャーにさらされて実力以上のものを発揮する場合もあるかもしれませんが、たいていの場合は充分に実力を発揮できないでしょう。
面接官は応募者の実力や、素の状態での人間力を判断するために面接を行うため、この状態がお互いのためによくないのは明白です。これを回避するため、応募者の緊張を解きほぐし、実力を引き出す方向へ促すのも面接官の仕事といえます。
ポイント2. 積極的に自社アピールをする
上述したように有効求人倍率が高い現在では、漫然と待っているだけでは優秀な人材を確保できません。そのため、面接時には「自社の魅力」や「入社した場合のメリット」など、面接官が応募者へ積極的にアピールする必要があります。
これは応募者が企業側を見極めることにも関連し、面接官のイメージが企業イメージを代表することは、忘れてはなりません。
ポイント3. 将来ではなく過去の話を聞く
応募者はある程度の受け答えを予測して面接に臨んでいます。つまり、将来やりたいことといった未来への展望については、面接官の印象を損ねないように優等生的な受け答えを用意している可能性があります。
もちろん、応募者が将来どうしたいか展望を聞くのは間違いではありません。しかしそれよりも企業側が知りたいのは、「なぜ将来それをやりたいのか」や「そのためにどれだけ頑張れるか」などです。
そのためなぜこの選択肢となったか、なぜこの結論になったか過去の話を深堀して聞きましょう。これにより応募者が「大事にしていること」「考えていること」「行動の動機」が、見えてきます。
ポイント4. 応募者のいいところを見つけ出す
面接官も人間であるため、応募者のダメなところが目に付くと、ダメなところばかり探すようになり、不採用にするための理由を探しがちです。
しかし最初のポイント1でも解説したように、応募者は緊張のあまり実力を出し切れなかったり、思ったことがいえなかったりする可能性があります。そのためこういった部分をケアし、互いに納得のいく面接にするためにも、面接官が応募者のいいところを探すよう努力しましょう。
ポイント5. 応募者の話を最後まで聞く
面接官の質問に対して、結論から話せない応募者がいても、最後まで話を聞くべきです。とくに新卒予定の応募者は、面接で緊張しているうえに社会経験のない学生であり、要点を押さえた受け答えができるようなトレーニングも受けていません。
またこうした受け答えは入社してからの教育で改善できますが、人間性や考え方を変えるのは難しいといわざるを得ないでしょう。面接時は応募者の成熟度を見るよりも、人間性や考え方を見て判断を行うべきであり、そのためにも応募者の話を最後まで聞く必要があります。
ユニークな採用方法を使う企業の事例
企業の中には、独自に生み出したユニークな採用方法を使って採用活動を行っているケースもあります。通常と異なる採用方法は、他社との差別化を図りやすく、それ自体を企業のPRとして利用できます。
また通常の採用方法以上に、幅広い人材を確保しやすいでしょう。そこで最後に、参考となるようユニークな採用方法を使っているいくつかの企業を紹介します。
アスリート採用:株式会社IBJ
婚活アプリや結婚相談所など、婚活事業を幅広く手掛ける株式会社IBJでは、「アスリート採用」を行っています。スポーツで培った精神力は仕事にも活きるものであり、活躍の場を広げ幅広い視野で仕事に打ち込めるといった理由から、新卒採用・中途採用を問わずスポーツで実績のある人材を募集する方法です。
またアスリート採用で採用された人材に対して、企業側では次のような支援を行っています。
- ウェア一式支給
- 遠征費といった費用の負担
- 有給休暇の優先取得
- その他必要に応じてサポート
このようにスポーツ活動に関しても支援を行うことで、仕事と競技を両立させマルチキャリアの実現をサポートしています。
※出典:株式会社IBJ「仕事とスポーツの両立を支援する『アスリート採用』スタート」(2024年12月13日閲覧)
絵ごころ採用:株式会社サーチフィールド
クリエイターの支援事業やイラスト制作事業を展開する株式会社サーチフィールドでは、過去に「絵ごころ採用」を行っていました。これは中途採用において履歴書による書類選考を廃止し、応募者が過去に作成した、イラストといった作品で選考する方法です。
この作品をもとに、応募者から今後のキャリア志向やマッチングをチェックし、技術テストや最終面接を経て採用を決定します。導入の背景としては、次のようなことが挙げられます。
- クリエイターにとって履歴書を作成する労力は大きく応募の障壁だった
- 作文の得手不得手が影響して人材を適正に評価できていなかった
そのため、書類選考を廃止することでより多くの人材が応募でき、書類ではわからない魅力的な人材を確保できるようにしています。また面接の回数は2回のみであるため、全体的にスピーディに採用が行え、採用担当者の負担を軽減できるでしょう。
※出典:valuepress「株式会社サーチフィールド、中途採用において履歴書・職務経歴書による選考を廃止。イラストレーター向け『絵ごころ採用』を導入」(2024年12月13日閲覧)
いちゲー採用:面白法人カヤック
ゲーム開発やeスポーツ関連事業などを中心に幅広く事業を展開する面白法人カヤックでは、「いちゲー採用」を行っています。ゲームは突破口を見つける発想力、困難を乗り越える問題解決力などビジネスに役立つスキルが自然に磨かれるものであると考え、ゲームに捧げた情熱や時間を高く評価する方法です。
採用活動ではゲーム機のPS4®とコラボ行い、次の3つのコースから選んで応募が行えます。
- プラチナトロフィー(獲得率の低い称号)があれば一次選考が免除されるコース
- ゲームの履歴書で選考を行うコース
- 実際に用意されたゲームを協力プレイして選考するコース
さまざまな角度からゲームが得意・好きな人材を集められるようにコースが準備されており、自分の得意をアピールしやすい選考方法といえるでしょう。
※出典:面白法人カヤック「ゲームの上手さで、内定出します。「いちゲー採用」をはじめました。」(2024年12月13日閲覧)
最適な採用方法で企業が求める人材を確保
採用方法ごとに、新卒・中途別にメリット/デメリットを解説し、採用方法のトレンドや採用活動・面接時のポイントなどもお伝えしました。
企業が求める優秀な人材を確保するには、「どのような人材が欲しいか明確化すること」や、「ターゲットにリーチする効果的な方法を考えること」が重要です。そこから最適な採用方法へと落とし込んでいきましょう。
また企業活動が継続する限り、新たな人材は必要になります。将来的に優秀な人材を確保していくためにも採用の結果を効果測定し、次回採用時の糧にしましょう。
BOXILとは
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