動画マーケティングのスゴさとは?ストリーミング主流時代に成果を生む最新戦略【2025年版】
デジタルデバイスの多様化や高速通信など、インターネットを取り巻く環境の変化に伴い、動画コンテンツを導入するソーシャルメディアが増えています。
このような時代の潮流を受けて、多くの企業が自社のWebサイトに動画コンテンツを掲載し、商品やサービスを紹介しています。
現在、動画マーケティングの存在感は急速に高まっています。
動画マーケティングは、なぜ今これほど存在感を増しているのか
デジタルデバイスが多様化し、高速通信が当たり前になった結果、主要なソーシャルメディアは、動画を中核機能として進化させ続けています。2025年初頭の包括レポート※1では、YouTubeが“もっとも利用されるソーシャルプラットフォーム”と位置づけられ、視聴の主戦場が確実に動画へ移行していることが示されました。
テレビの視聴行動でも同じ流れが進んでいます。米Nielsenの「The Gauge」※2によれば、2025年5月に米国でストリーミングの視聴シェアが44.8%へ拡大し、放送とケーブルの合計を初めて上回りました。
しかもYouTube単体でテレビ視聴全体の12.5%を占め、リビングルームの大画面でもオンライン動画が主役に躍り出ています。
各プラットフォーム内でも成長スピードは加速しています。YouTube公式によれば、Shortsの平均日次視聴数が70億回を超えたと発表されており、短尺フォーマットが発見や想起のきっかけとして定着しています。
インターネット全体のトラフィックでも、動画の占める割合が大きく、2025年春に公表された調査※3ではYouTubeが世界のインターネットダウンロードトラフィックの約16%を担うとの指摘があります。動画がインターネット全体の基礎的なトラフィックを押し上げているという事実は、マーケティング投資の判断にも直接影響します。
※1 出典:DataReportal「Digital 2025: top social platforms in 2025」(2025年10月28日閲覧)
※2 出典:Nielsen「ストリーミングがテレビの歴史的な節目に到達、初めて放送とケーブル視聴の合計を上回る」(2025年10月28日閲覧)
※3 出典:Forbes「YouTube Responsible For 16% Of Global Internet Traffic」(2025年10月28日閲覧)
動画マーケティングの重要性を支える“成果”のデータ
単なる視聴時間の増加にとどまらず、動画は購買までのあらゆる段階に影響を及ぼしています。GoogleとBCGがまとめた調査では、動画が認知だけでなく検討や選択の過程にも“深く影響する”ことが示され、戦略をファネルから“影響ポイント中心”に再設計する重要性が語られました。
実際の行動指標でも同様の傾向が見られます。Think with Googleの公開データでは、YouTubeを見たことがきっかけでブランドから購入したと答えた視聴者が63%にのぼると報告されています。動画と商品情報が組み合わさった体験は、発見から購入までのプロセスを確実に短縮しています。
広告投資の重点はどこに置かれているのか
広告費の配分は、生活者の視聴実態に追随するかたちで変化しています。IABの年次レポート※4では、米国のデジタル動画広告費が2024年に前年比18%増の640億ドルへ伸長し、2025年は720億ドルへ到達見込みと発表されました。パフォーマンス重視のKPIやコネクテッドTV(CTV)の普及が、動画投資を後押ししています。
日本でも同様の潮流が確認できます。電通の「2024年 日本の広告費」※5では、インターネット広告費が3兆6,517億円(前年比+9.6%)で過去最高を更新し、なかでもSNSの縦型動画広告やCTV広告の需要拡大が市場成長のけん引役となりました。動画に対する企業の期待が、さまざまな媒体を横断して着実に高まり続けていると言えます。
※4 出典:IAB「2025 Digital Video Ad Spend & Strategy Full Report」(2025年10月28日閲覧)
※5 出典:電通「2024年 日本の広告費」(2025年10月28日閲覧)
いま、成果につながる動画活用とは
短尺の縦型動画は、画面をスワイプする瞬間に発見や関心を生み出す「入口」として機能します。一方、CTVや長尺コンテンツは、商品やサービスへの理解を深め、想起や好意を育む「納得」の場となります。
最初の数秒で要点が伝わる導入、無音でも理解できる字幕やビジュアル設計、商品詳細や体験談へ自然に誘導する導線設計など、こうした要素を、検索と動画の往復行動を前提に組み合わせることが、発見から購入までの距離を短縮します。
成果の測定は再生回数だけでなく、売上・獲得・来店などの事業KPIで評価する姿勢が不可欠です。IABの最新動向が示すとおり、CTVやソーシャル動画への投資は“リーチの大小”より“成果の有無”で継続可否が判断される段階に入っています。
今こそ見直すべき、従来の定番フレーズ
かつて広く引用された「1分の動画は180万語に匹敵」「世界で毎日1億人が動画を視聴」といった比喩的・曖昧な数字は、現行の意思決定には向きません。2025年現在では、Shortsの日次視聴規模や、テレビ視聴に占めるストリーミングやYouTubeのシェア、動画が購買に与える具体的な影響、広告費の配分や成長率など、検証可能な指標に置き換えることが現実的です。