CTO(最高技術責任者)の役割・スキル・仕事内容
CTOになるためにどんなスキルが必要か?
みなさんこんにちは!
ボクシル編集部のECEC(イーシーイーシー)です。
近年、IT企業を中心にCTO ( Chief Technology Officer )のポストを設置する企業が増えています。
エンジニアであれば、誰しもがCTOというポジションについて関心を抱くかもしれません。
ちなみにCTOとはご存知のとおり、「最高技術責任者」のことです。
最高技術責任者の意。自社の技術戦略や研究開発方針を立案、実施する責任者のこと。オフィサー制度のなかの役職の一つで、製造業やIT業界など、技術力がコアコンピタンスである企業においてはCEO(最高経営責任者)、CFO(最高財務責任者)などと並んで極めて重要な役割を持つとされる。実際にCTOの肩書を持つ人の役割は会社によって異なり、しばしば技術部門や研究開発部門の長を意味する。ただし、チーフ・オフィサーは本来的にはラインに属さない“経営者”であり、米国のMOT(技術経営)の観点ではその実践者、最高責任者と位置づけられる。
『コトバンク』より引用
https://kotobank.jp/word/CTO-3955
そこで気になったのが、「イケてる企業のCTOは何をしていて、どんなスキルを持っているか」ということです。
そこで、「イケてる企業のCTO」として、直近3年でIPO(新規株式上場)を果たした企業をピックアップし、そこのCTOを合計11人分調査しました。
その結果わかったのが、
イケてる企業のCTOは「ただのエンジニアスキルのすごい人」ではない
ということです。
流れとしては、企業HPやインタビュー記事などから各CTOの経歴や人物面、CTOを務める企業を整理しました。
そして、その中から見えてくるCTOの人たちは何をしていて、どんなスキルを持っているのか」ということをまとめました。
堀 譲治さん - 株式会社シャノン
企業説明
株式会社シャノンはマーケティングオートメーションのベンダー企業です。
「Marketing is Science」を掲げ、マーケティングの再現性を高めて、コストと収益を改善する「真のマーケティングの創造」をミッションにしています。
エンジニア個人の勉強と外部の勉強会などを奨励しているうえに、積極的に新技術を導入しているので、企業の成長とエンジニア個人の成長が同時に達成できる魅力的な環境と思われます。
経歴
1998年に東京工業大学大学院修了後に日本オラクル株式会社に入社。
同社では、国際化のQAエンジニアとして、アプリケーションサーバソフトの不具合への修正パッチを担当。
2005年に企業向けWebサービスを開発のために株式会社シャノンに転職し、翌年に取締役に就任。現在に至る。
人物
日本オラクルという外資系大企業から当時十数人というベンチャー企業であった株式会社シャノンへ冒険心あふれる転職をした方です。
基本的には製品の方向性をはじめに、実際の開発のディレクションをしているそうです。
インタビューでは、「技術だけでなく経営やビジネスにも興味を持ち始めていて、MBAの取得も検討していました。」と答えるなど、根っからの技術屋というよりはマネジメントに強みを持つCTOなのかもしれません。
冒険心あふれる、経営者目線を持ち合わせるマネージャーCTO
小川久仁子さん - 株式会社マクロミル
企業説明
株式会社マクロミルは、ネットリサーチというインターネットを活用した市場調査とともに、アンケートの作成から集計までの一連のリサーチ工程を自動化しするシステムであるAIRsを提供しています。
同社では、ウォーターフォール型の開発も、アドテクノロジーやモバイルなど新しい技術を使った開発も経験できるので、エンジニアとしてのスキルを磨くことができるそうです。
また、サービスのプランニングから実際の開発までの流れを経験することができます。
経歴
1989年 日本アイ・ビー・エム株式会社にシステムエンジニアとして入社。ITアーキテクトとして活躍。後に経営企画担当執行役員、ストラテジックアウトソーシングデリバリー担当執行役員を歴任。
2015年2月 株式会社マクロミル 執行役 グローバルCTOに就任(現任)
人物
日本アイ・ビー・エムに、当時としては珍しい女性のシステムエンジニアとして入社された方です。そこでは、アジア太平洋地域でのe-businessインフラストラクチャのITアーキテクトとして活躍されています。
その後は2009年 日本アイ・ビー・エム株式会社の経営企画担当執行役員、ストラテジックアウトソーシングデリバリー担当執行役員といった重職を歴任されています。
そして株式会社マクロミルへ移り、CTOに就任。日本アイ・ビー・エムもマクロミルも多国籍企業なので、語学はもちろんのこと、国際的な感性を必要とされているのではないでしょうか。
世界的IT企業で培った高いビジネススキルを持った女性CTO
朴 イビンさん - LINE株式会社
企業説明
LINE株式会社では、エンジニアがプログラミングだけを行うということはありません。企画を練りながら、チームのメンバーと協力して、戦略を立て、プロジェクトに取り組むそうです。
企画部門にいなくても自分のやりたいサービスを企画できる環境になっています。
エンジニア部門では基本を重視する文化が根づいていて、エンジニアの採用基準は「基本のできている人」であると朴さんはおっしゃっています。
同社では、グローバルな環境の中で、様々な国籍のエンジニアと一緒に仕事できる可能性を秘めています。
経歴
2002年にゲーム開発企業である韓国NeoWizに入社。
検索サービスの1noonでの開発業務などを経て、2007年にNHN Corporationで検索エンジンや検索サービスの開発をする。
2012年にLINE株式会社(当時はNHN Japan)へ移り、2014年4月より現職。
人物
朴さんは、一日に100億を超えるメッセージが飛び交うLINEのディレクションを行っている方です。
CTOとして、大きく変化する外部環境に対応するために、業務の優先順位付けと品質維持のバランスを取ることをしているそうです。
一方、開発者の育成にも力を入れていて、開発者が成長できる場を整えることが最も大切な取り組みだと朴さんはおっしゃっています。
プロダクト開発とエンジニア育成を同時に達成するグローバルCTO
田中勇輔さん - 株式会社アカツキ
企業説明
株式会社アカツキは、「ゲームの力で世界に幸せを」をミッションとしてスマホゲームの企画開発をしています、
同社には好奇心旺盛なエンジニアが多くいると田中さんは答えていて。また、コードレビューをチーム外のメンバーからももらえるので、技術スキルを高めていきたいエンジニアが集まっています。
業務効率化にも積極的で、現場の提案をもとにHoundCIを導入しています。開発スタイルとしては、企画から開発、デザイン、運用までを自社で一気通貫して行っているそうです。
経歴
専門学校卒業後、ユーザー系SIerでERPの導入支援などを担当。
当時のエンジニアが4-5人というアカツキに2012年に入社。Rubyが専門領域で、アプリケーション開発とともに社内システム・インフラの整備に従事。
人物
田中さんは、エンジニアチームの文化の醸成や労働環境の構築をCTOの役割と捉えているそうです。会話をスムーズにすることで、仕事を進めるやすくすることを重視しているとインタビューで答えています。
また、「これからは経営にも積極的にコミットしていきたいです。」と言う一方、「現場でコードを書きながら、かつ組織マネジメントもやるというのが理想」とコメントしています。
ここから、とてもプログラミングや「もの作り」が好きな方だというところがうかがえます。
出典 https://geechs-magazine.com/job/interview/detail/4
https://career.levtech.jp/guide/pickup/column/15/
チームビルディングを進める技術好きCTO
大久保 俊さん - シンクロ・フード株式会社
企業説明
シンクロ・フード株式会社は、「飲食店.com」を始めとして、食に関わる人のためのビジネスを展開しています。
同社では、短期的な利益にこだわることなく、新しい企画や仕組み作りに実験的にチャレンジする風土ができていると思われます。ですから、 自由にやりたいことがやれる環境があり、期限も柔軟なので、納得がいくまで開発を進められるそうです。
また、大久保さんの話では、規模がまだ小さいということもあり、1人のエンジニアがインフラ構築・運用からページ制作まですべての工程に参加できますとのことです。
経歴
大学在学中に株式会社シンクロ・フードにインターンとして参画。新卒として株式会社ミツカングループ本社。
2008年シンクロ・フーズ入社。2015年に執行役員開発部長CTOに就任。
人物
大久保さんはシンクロ・フード株式会社の設立時にインターン生として参画した方です。一度大手メーカーに就職しましたが、 シンクロ・フードに戻ってきたという経緯があります。
CTOとしての業務領域としては、自身もプログラミングをする傍ら、システムチームのマネジメントをなさっているとインタビューで答えています。
また、システム会社出身のエンジニアが少ないうえに若手が多いとので、同社での社内教育に力を入れているそうです。
マネジメントとプログラミングを両立する二刀流CTO
竹内秀行さん - 株式会社ユーザベース
企業説明
株式会社ユーザベースは、企業・業界分析のためのオンライン情報プラットフォームの「スピーダ」や、ソーシャル機能を兼ね備えた経済ニュースプラットフォームの「NewsPicks」を提供しています。
同社のエンジニアリングはサービスのシステム設計からアプリ開発を担うそうです。サーバーの運営から機械学習まで幅広い分野で開発業務をしているので、様々な開発環境で自分のスキルを磨ける可能性を増やしたいという方にはぜひチャレンジしても良いのではないでしょうか。
経歴
東京工業大学大学院数理・計算科学専攻でソフトウェア工学を学びながら、システム開発の受託を行う会社を2社起業。
その後、ユーザベースの稲垣氏と知り合い、2011年5月に同社へ入社する。「SPEEDA」「NewsPicks」の設計・開発を担当。
人物
竹内さんは有名な「SPEEDA」「NewsPicks」といったサービスの生みの親です。そして、珍しい技術専業のCTOです。人材マネジメントやタスク管理といったことはせずに、開発にのみ集中しているそうです。
だからといってビジネスサイドに疎いということではなく、2社の起業経験があります。インタビューでは、「ビジネスの視点がエンジニアには必要」とおっしゃっています。
それが理由の一つになって、CTOとしてのマネジメントを学ぶために、Life is Tech!社での「留学CTO」としても活躍されています。
珍しいエンジニア専業の大物エンジニアCTO
小林俊仁さん - 株式会社 Aiming
企業説明
株式会社 Aiming では、オンラインゲーム制作、オンラインゲームプロデュースをしています。「剣と魔法のログレス」などの代表作があります。
採用に関しては、本当にプログラミングやもの作りが好きなのかを知るために、コードを見るそうです。
コーディングやゲームを作ることに強いモチベーションを持っている人材を求めているからだそうです。同社では、鍛えることのできない情熱というものに重きをおいて採用を行っています。
経歴
京都大学大学院在学中からコミュニティーエンジン株式会社でオンラインゲームの開発に関わる。
2003年に同社取締役に就任後、北京に移住して子会社である稀億網絡軟件(北京)有限公司を設立。
中国版プレイオンラインの設計・開発などに従事。2007年から技術ディレクター・プロジェクトマネージャを務める。
2010年から ONE-UP 株式会社で開発グループマネージャなどを務めた。2011年 Aiming に入社し、2013年からCEnO(他社ではCTOに相当)就任。
人物
小林さんは、エンジニアとしてのキャリアはもちろんのこと、マネージャーとしての経験が豊富な方です。
経営と現場をつなぐマネジメントを中心に据えて、合わせて技術PRや採用教育となどをされています。
小林さんのエンジニアの組織作りをするうえで重視しているのは「風通しを良くすること」です。これを突き詰めていくことで、結果的にプロダクトの質が向上するそうです。インタビューでは、「今後は、組織内での権限の移譲をすすめて、さらに優れたプロダクトを生み出せる組織を目指しています。」とおっしゃっています。
企業経営を持つ経験豊富なマネージャーCTO
明石信之さん - 株式会社フリークアウト
企業説明
株式会社フリークアウト・ホールディングスはDSP(デマンド・サイド・プラットフォーム)の運営を行っています。
同社では、自社開発の広告システムの他に、ビッグデータを活用し、多様な配信ロジックを構築しています。
このサービスの開発チームに求められているのは、日々進化する最新技術をいかに取り込むことができるかでしょう。
経歴
システム開発会社を経て、2000年にヤフー株式会社入社。同社では、Yahoo! JAPAN の広告配信システムなどの開発に従事。ヤフー広告技術を通じ、日本インターネット広告技術を牽引し、 2009年に同社 CTO に、2013年にシニアフェローに就任。
2014年に株式会社フリークアウト執行役員就任。2017年1月、フリークアウト・ホールディングス執行役員就任、 Tech ラボを担当。
人物
「ミスター・アドテク」と呼ばれている明石さんは、技術部門の責任者という一般的なCTO像とは一線を画す方かもしれません。
ヤフーという大企業でのマネジメント経験があるので、マネジメントに力を入れていて、現場でエンジニアリングをすることはないそうです。主な業務としては、成長中のフリークアウトでの組織の基盤作りやエンジニア採用のサポートなどをされています。つまり、技術的な顧問という側面はもちろん、大企業のマネジメント経験を活かす業務をしています。そこで明石さんは部門名を色にするなどのユニークな施策をとっています。そんなところから明石さんのユニークな人柄がうかがえます。
出典 http://tenshoku.mynavi.jp/it-engineer/knowhow/naoya_sushi/05
出典 http://tenshoku.mynavi.jp/it-engineer/knowhow/naoya_sushi/06
マネジメントとしてもエンジニアとしても一流CTO
福村彰展さん - メドピア株式会社
企業説明
メドピア株式会社は「Supporting Doctors, Helping Patients.」をミッションに医師専用コミュニティサイト「MedPeer」の運営を主にしています。
同社では、各エンジニアに裁量が与えられているため、 現場レベルでどんどんリニューアルを図られるそうです。そこでサイトが成長していく過程をより身近に学べます。
また、最近にメイン言語を Ruby に変更するなど、慣れていなくても勉強する文化が醸成されているそうです。
経歴
2004年に横浜市立大学理学部卒業後、株式会社フジシステムズに入社。大手ISPのサービス開発に従事。
2006年に株式会社ミクシィに入社。転職サイト「Find Job!」の開発責任者を務めたのち、新規事業室で新サービスの開発を担当。
2012年にメドピア株式会社に入社し、2014年に同社の執行役員CTOに就任。「MedPeer」をはじめとした、サービス開発を統括する。
人物
福村さんは、チャレンジングで、本当に開発ということが大好きな人と思われます。現在ではメドピア株式会社のCTOですが、いずれは現場に戻りたいと言うほど、エンジニアリングが好きなところをうかがわせるコメントをしています。一方、「プロダクトをいかにしてユーザーにとって有益なものに改善するか」ということを重視しているそうです。また、メドピアに転職するときの決め手に、医療業界に特化しているIT企業が少ないことを挙げるなど非常にチャレンジ精神あふれる方です。
ITで医療を変えるエンジニアCTO
市橋 立さん - 弁護士ドットコム株式会社
企業説明
弁護士ドットコム株式会社は「弁護士ドットコム」や「CLOUDSIGN」の運営をしています。
同社では、エンジニアのキャリアパスとして、「エキスパート」と「マネージャー」のいずれかを選択する制度を設けています。各エンジニアが将来どんな姿になりたいか意見を聞き、可能な限り希望する仕事を担当させるそうです。
また部門としては、長期的な視点を持っているので。技術的負債を減らせるように、リファクタリングや自動化の時間を割いているということでした。
出典 https://www.codeal.work/contents/archives/88
出典 https://mixi-agent.jp/career/919/
経歴
2005年東京大学大学院卒業。同年アクセンチュア株式会社入社、戦略グループ通信ハイテク事業本部コンサルタントとして活躍。起業を経て、2014年1月に弁護士ドットコム株式会社入社、2015年より執行役員CTOに就任。
人物
市橋さんは、CTOとして異色の道を歩んできた人です。新卒で戦略コンサルタントという別職種で活躍し、様々な業界の実情を知ったそうです。その後自ら立ち上げたベンチャーでは、ほぼ一人で開発を担当されたとインタビューで答えています。そして現在は弁護士ドットコムのCTOとしてサービス開発もマネジメントも幅広く担当しています。市橋さんのケースを見ているとCTOには、様々な視点で俯瞰する力が必要だと気付かされます。
異色の経歴を持つビジネスマンCTO
貝畑 政徳さん - 株式会社カヤック
企業説明
カヤックは「日本的面白コンテンツ事業」というオンラインゲームの他に、飲食事業や葬儀事業までをしている企業です。
開発環境としても、本人の希望によっては子会社で開発することが可能であるなど、自由さが大きな特長です。
同社では、ユニークな評価基準が導入されており、「サイコロ給」や「スマイル給」、「カヤック検定」などがあります。
とにかく面白いことをしていこうという活力の溢れている企業です。
経歴
1998年に慶応大学大学院卒業。卒業後に大学の友人であった柳澤大輔、久場智喜と共に合資会社カヤックを設立。取締役CTOとして、"面白法人"カヤックの技術陣を統括している。
人物
貝畑さんは「とにかく面白いものづくりをしよう」という気概を感じさせる方です。、CTOとして、マネジメントはもちろんのこと、開発もすこしなさるそうです。その理由としては、「ものづくりをしていないと良いアイデアは生まれないから」で、その気概は同社でのエンジニア採用基準にも表れていて、「ものづくりが好き」ということで仲間を集めているそうです。
出典 https://www.kayac.com/team/kaichi
出典 https://blog.codecamp.jp/kayac
様々な施策でマネジメントを進める"面白"CTO
今回紹介したCTOのタイプ別分類表を作ってみました!
せっかく11社のCTOの方々をご紹介したので、その情報を踏まえてタイプ分けをしました。また、それを参考にCTOの方の分類表を作成しました。
これは、紹介を簡単に可視化したものと思ってみていただけると嬉しいです。
ちなみに、具体的には次の4つのタイプに分けました。
- 旅人系CTO
- 生え抜き系CTO
- スペシャリストCTO
- マネージャーCTO
このタイプは1と2は対になっていて、主に勤務した企業の数で測ることができます。
また、3と4も同様に対になっていて、全体の業務の内のマネジメントの比率の高さで測ることができます。
各タイプの簡単な説明は以下の通りです。
旅人系
それまでの環境から躊躇せずに離れて、新たな環境に身を投じた経歴をもつ。ざまざまな企業を渡り歩いてきた経験豊富なCTO。
生え抜き系
それほど転職をせずに、長い間サービスやその企業の発展に寄与している。自社のサービスを技術的に知り尽くしているCTO。
スペシャリスト系
エンジニアとしての圧倒的なスキルを武器に技術的な側面に集中しているCTO。
マネージャー系
開発部門のマネジメントに強みがあって、自身がエンジニアリングをすることは少ない。マネジメントによって開発を進めていくCTO。
各CTOタイプ紹介
シャノン 堀さん
堀さんの転職は日本オラクルからシャノンへ移った一度のみです。ですから比較的生え抜きタイプとしての度合いは高いと思います。
また、コンセプトのプランニングと開発部門のディレクションが中心になっているとインタビューで答えているので、マネージャーとしての度合いも高いと思いました。
マクロミル 小川さん
小川さんも転職の回数は1回です。日本アイ・ビー・エムでマネジメントの経験や職歴が豊富であるのと、またマクロミルが人数的に大規模な企業です。こういうことから、マネージャーとしての度合いが高いと判断しました。
LINE 朴さん
朴さんは、月の半分以上を自国以外で過ごすなど多忙な日々を送っているそうです。
朴さんは典型的なマネージャーCTOと考えられます。
また朴さんは、グループ企業内での転職があるので、単純な転職の回数よりも生え抜きに近いのではないかと考えました。
アカツキ 田中さん
田中さんは転職の回数は1度と少ないものの、転職先が当時まだまだ小さかったアカツキということで、旅人としての要素が強いと感じました。
インタビューでマネジメントが中心になっているということだったので、少しマネージャー寄りだと思いました。
シンクロ・フード 大久保さん
大久保さんは、学生時代にインターンをしていた企業に戻ってきたということで、生え抜きの度合いは相当高いです。
インタビューでは、大久保さんもプログラミングをしていると答えたので、おそらくスペシャリスト寄りだと考えました。
ユーザベース 竹内さん
竹内さんは今回調べたなかで唯一マネジメントをしていないCTOです。ですから全11人の中でもっともスペシャリストに近い人物とさせていただきました。
しかし、ライフイズテック株式会社での"留学CTO"で、CTOとしてのマネジメントを学んでいるということなので、マネージャーとしての一面が見られると考えました。
また、竹内さんは自身が2回の転職を経験しているということで、けっこう旅人系の要素を持っていると感じました。
Aiming 小林さん
小林さんは、マネジメントが中心になってきているとインタビューで答えているので、マネージャー系の要素の強い方だと判断しました。
また、転職の回数が多めなのですこし旅人系寄りと考えました。
フリークアウト 明石さん
明石さんは「ミスターアドテク」という異名をとるようにエンジニアスキルに関しては言わずもがなな方である一方で、フリークアウトではマネジメントに徹しているとインタビューで答えています。
ですから11人のCTOのなかでも最もマネージャー系であるCTOの一人と言えます。
また、多くの企業を渡り歩いてきているのですが、長期間ヤフーに在籍されていたことから旅人系の要素はそこまで高くはないと思いました。
メドピア 福村さん
福村さんは、いずれは現場に戻りたいとコメントをしているので、考え方がスペシャリスト系に近いと思いました。
転職は2回と少なめではありますが、どちらも元々いた業界と少し違う企業に移っているので、旅人系としての度合いをすこし高めにしました。
弁護士ドットコム 市橋さん
市橋さんは、もっとも旅人系といっても良いと思います。
特に、まず新卒で戦略系コンサルティング会社に就職していらっしゃるところからその印象がとても強くなりました。
現在では、自身もプログラミングをしながらマネジメントをしているとのことなので、ややスペシャリスト寄りにはなっていますが、真ん中に近い位置にするべきだと感じました。
カヤック 貝畑さん
貝畑さんは、面白法人カヤックの起業メンバーとということで生え抜きとしての度合いは最高です。
面白いものを作るために、もの作りを続けているということなので、スペシャリスト寄りにおきました。
まとめ:イケてる企業のCTOは「ただのエンジニアスキルのすごい人」ではない!
分類表を作成してわかったのが、イケてる企業のCTOは「ただのエンジニアスキルのすごい人」ではない!
ということです。
より具体的に言うと、
「イケてる企業のCTOは、マネジメントスキルを持ちあわせている」
ということがわかりました。
理由としては、分類表を見てみると純粋なスペシャリスト、つまり「ただのエンジニアスキルのすごい人」はいないということがわかります。
これの背景としては、"ほぼ" すべてのCTOが開発部門のマネジメントをしていることがあげられます。
IPOを果たすぐらいの規模の企業では、企業単位はもちろんのこと、部門単位でもしっかりマネジメントをしなければなりません。
成功している企業のCTOは、開発部門でマネジメントスキルを発揮しています。
そうして、自社のエンジニアたちの力を企業の成長へとつなげていると考えられます。
そのようなマネージャーとしての一面があるので、成長している企業のCTOは「ただのエンジニアスキルのすごい人」ではないのかもしれません。
もっと踏み込んで言うならば、「イケてる企業のCTO」とは「エンジニアスキルもマネジメントスキルもすごい人」と言えるのではないでしょうか。
BOXILとは
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