TCO（Total Cost of Ownership）とは？その意味と削減方法や削減効果を解説
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TCO（Total Cost of Ownership）とは
TCOとは、「Total Cost of Ownership」の略であり、コンピューターシステム構築時にかかるハードウェアやソフトウェアの導入費用だけでなく、運用後の維持費・管理費・人件費などもすべて含めたシステムの総所有コストを指します。
目に見えるコスト
企業がコンピューターシステムを導入する場合、コンピューター本体・サーバーなどのハードウェアや、必要となるソフトウェアの購入費用や、それに伴うシステム開発費、インストール費用など、初期導入費用として発生するコストについては、予算も含めて十分に検討されることでしょう。
このような初期導入費用として必要になる直接的な費用は、企業にとって目に見えるコストといえます。
目に見えないコスト
しかしシステムの運用開始後も、下記のように維持費・管理費といった形でさまざまなコストが発生します。
- 操作方法の教育、サポートなどを行う人件費
- ソフトのバージョンアップやインストールにかかる費用
- データのバックアップにかかる設備費
- トラブル時の対応や復旧にかかる人件費
このようなシステムの維持・管理にかかるコストの中でも、人件費が占める割合は大きいですが、これらの業務は社内の担当者が通常業務の一環として行っていることが多いため、実際にどの程度のコストが発生しているのか把握しづらいのが実情です。
このことから維持・管理に関わるコストは、企業にとって目に見えないコストとなっている場合が多いといえます。
TCOは、このような目に見えないコストも含めて、システムのライフサイクル全体にかかる総所有コストを考慮するべきだという考え方を示す指標である、と理解してよいでしょう。
御社ではTCOにどれくらいの費用がかかっているかご存じでしょうか？もしすぐにお答えいただけない場合は、経営管理の仕組みを見直すことをおすすめします。経営管理システムを導入すれば、KPIを自動で算出でき、TCOの計算にも手間がかかりません。
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TCOを削減する方法
これにしたがって、自社システム全体のコストであるTCOを見直してみると、思わぬ部分でコストが発生していることに気付くことがあります。こうしたコストを削減し、業務の効率化を図れれば、企業にとって非常に大きな効果が期待できます。
それでは、TCOを削減するにはどのような方法があるのかを紹介します。まず考え方として押さえておきたいポイントがあります。
単純なコスト削減のみを追い求めない
ここまで見てきたように、システムのTCOには初期導入や運用コストに加え、システム管理者の負担などの目に見えないコストが含まれるため、システムのライフサイクル全体でコスト削減を考慮する必要があります。
TCOを構成する各要素ごとに単純なコスト削減だけを追求すると、結果として使い勝手が悪く、効率も落ちてしまうシステムになってしまう可能性があります。
将来的な変化を予測する
企業がコンピューターシステムを導入するのは、事業の拡大や効率化を目指すなどの理由があるはずです。つまり、従業員の増加やデータ量の肥大、拠点の追加など、将来的な要因を考慮する必要があります。
導入したシステムが短期間で陳腐化してしまうことを防ぐためにも、システムが規模の拡大に柔軟に対応できるか、そのための十分なキャパシティを備えているかなど、将来を見据えて検討することが重要です。
以上を踏まえ、具体的にTCO削減を行う方法としては次のものが挙げられます。
- ハードウェア・ソフトウェアを標準化した構成にする
- クライアントマシンを変更できないようにする（インストール権限など）
- ハード・ソフトの更新を最小限にする
- クライアントマシンをリモート管理するツールの導入
- ブラウザ・メールによるサポートの活用
- サポート関連のアウトソーシング
- ネットワークの信頼性確保
- システムの資産管理徹底
従業員の意識向上といった地道な取り組みも重要ですが、ツールの導入やキッティングサービスなどのアウトソーシングを活用することで解決できる課題もあります。
TCO削減はシステム導入効果を最大化する
すでに解説したとおり、企業がコンピューターシステムを導入するのは、業務の効率化を図り、事業拡大を行うという目的があります。
しかし、TCOの意味を理解しないままシステム導入を行ってしまうと、システム管理者の負担増や追加コストが発生する可能性が大きくなり、目的に反して業務効率の悪いシステムが構築される、という本末転倒な結果になってしまいます。
すでに導入されているシステムに対してTCO削減対策を行うことはもちろんですが、全体のコストを見直せる新規導入時や更新時を利用し、システム導入によって得られる効果の最大化を目指すことが重要です。
経営分析に役立つツールの紹介
TCOの見直しによって生まれた余剰資金を、さらなる経営改善に活用できると考えられますが、経営をより良いものとするためには、さまざまな視点から経営を分析する必要があります。そのために役立つ経営分析ツールについて、下記の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください。
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