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入金消込・債権管理を自動化せよ!経理部門の月末業務を劇的に短縮するポイント

最終更新日:(記事の情報は現在から2467日前のものです)
働き方改革や生産性向上といった言葉が注目されている。これらは我々の生活や日本経済にも直接かかわる重要な課題ではあるが、それゆえに総論的、概念的になりがちで、現実的ではない議論で終わることも多い。現場には直接的な自動化の仕組みが必要で、「この作業は本当に人間がやらなければならないものか」について考える必要がある。そんな視点で注目すべきなのが、単純だが自動化しにくい経理部門の「とある業務」である。

記事内で紹介の入金消込/債権管理に特化したクラウドサービス「Victory ONE」詳細はこちら。

入金消込・債権管理は自動化が遅れる?その理由

経理部門の入金業務は、自動化、合理化が遅れている分野のひとつだという。さまざまな理由はあるが、一つは「入金管理がお金を受け取る側の業務であり、イニシアチブが相手に存在する」という点だ。

支払い業務は自社側にイニシアチブがあるため、自分たちのルールを設定しやすく、システムを汎用化しやすい傾向にある。支払いが遅れれば、相手からクレームが入ることも考えられるため、厳格にシステム化して処理を行おうという意識が生まれる。

その一方、入金業務は相手が得意先となるため、どうしても先方に合わせる必要が出てくる。そのため、システムを汎用化しにくい。特に自動化が遅れているのが、販売管理システムが発行した請求書について、その入金を確認する「消込処理」である。

「消込処理」は、仮にこの業務を怠ったとしても相手企業からクレームが入ることはない。たとえシビアに管理しなくてもキャッシュが潤沢でさえあれば、会社は回る。つまり、自分たちがその必要性を認識しない限り、「消込処理」に対するシステム化への意識は薄いままだ。これが入金業務、とりわけ消込処理の合理化・自動化が遅れる原因だ。

「消込処理」自体は行っていたとしても、じつはまだ多くの企業の経理・会計・管理部門が目視と手作業で行っている。

担当者ならわかるはずだが、銀行口座に入金される金額は締め日一括処理なので、個別の請求書ときれいに対応しているわけではない。多くのシステムで自動化が十分でなく、手作業に頼らざるをえない。

AIが囲碁で人間に勝てる時代に、なぜこの程度の作業が自動化できていないのか?単純な作業に見えるが、過不足があった場合、どの請求が回収できていないのか、どれが重複しているのかの判断は複数のデータや項目をあたったり、記録をしらべたり、人間の目で判断する必要がある。

単価が小さく、商品点数が多い小売店、コマースサイト、Webアプリやサービスプロバイダ、あるいはホテルなどの消込作業は人手で処理する負荷を超えるといっても過言ではないのである。

入金消込・債権管理を自動化・合理化するポイントとは

「経理部門の業務効率化を実現するためには、入金消込・債権管理に目を向けるべき」と語るのが、R&AC 代表取締役社長 高山 知泰氏である。

R&AC 代表取締役社長 高山 知泰氏

販売管理や会計管理がシステム化されている企業でも、高山氏は「債権管理の業務に関しては現場では意外なほど手作業が多く残っている」と語る。

特に問題なのは、消込処理のような地味な業務は、他の部署や管理職・経営者が現場の実態や負荷を過小評価しがちな点だ。財務会計システムを導入しているのだから、入金消込もシステムがやってくれるのだろうと、間違った認識で「そもそも課題に気づいていない経営者も少なくない」と高山氏はいう。

「販売管理システムには、通常、入金入力処理や債権管理の機能も存在しているため、これらのシステムが入ってさえいれば『入金消込や債権管理が最適化されている』と考える経営者は少なくありません。しかし、販売管理システムは『数量 ✕ 単価』という『物』の管理に重点を置いたシステムであり、請求・入金といった『お金』とは、必然的に管理レベルが異なるため、最適化されていないことが多いのです」

実態として、請求書に対する入金実績を手入力するなど、人間判断で時間と手間をかけて差額処理していたりしているという。

「また、会計システムも同様で、会計システムにバンドルされている債権管理のオプションだけではなかなか合理化は進みません。会計システムではその時点での債権残高把握がメインであるため、一見、債権管理ができていると思われますが、請求したものに対して、いくら入金されているか、という「請求粒度」の管理は得意ではありません。あくまでも仕訳ベースのため、督促管理にも向かないという構造的な問題が発生します」

マシンラーニングで入金消込を自動化・合理化する特化型ソリューション「Victory ONE」

R&ACが開発・提供する自動化ソリューション「Victory ONE」は、上記の問題から生まれた入金消込特化型自動化ツールだ。

債権管理全般に対応しているが、特に注力しているのは請求情報と入金情報の自動照合だ。コア技術にAIの中核要素であるマシンラーニングを活用した独自の照合ロジックを実装しており、自動照合率が極めて高い。大手上場企業を含む200社以上が導入しており、多くの企業が「もう手作業には戻れない」と答えているという。

「入金消込や債権管理で合理的に使いやすい処理を実現しようとするならば、実は、この分野には専門特化したシステムを導入するのが効率的です。実際、弊社のシステムはこれら販売管理や会計システムと競合するのではなく、共存しています。狭間にある業務のため、特化していること自体が構造的なメリットとなり、圧倒的な使い勝手を実現します」(高山氏)

入金消込の自動化が放置されてきたのにはいくつかの理由がある。高山氏は次のように説明する。

「まず、前提として、日本の商取引の慣習が理由です。日本の商慣習では掛け売りが一般的で、請求に対して月単位でまとめられてしまい、売上と入金は1対1にならないのです。また手数料や税金によって、そもそも請求額と入金額が一致しないことも頻繁に起こります」(高山氏)

サービスはオンプレミス型とクラウド型の2種類で提供

Victory ONEは、オンプレミス型とクラウド型の2種類がある。オンプレミス型は、システム構築やコンサルティングを含む提案で、既存の業務システムの入金消込処理を行う。システム・インテグレーションが伴うので、稼働中のシステムとの連携やカスタマイズにも対応できる。

「Victory ONE」システムの全体像

連携実績としては、弥生会計、OBC、TKC、ミロク情報サービスといった主だった会計システムはほぼ対応可能だ。SAPやOracleなどのERPとも連携可能だという。Salesforceに対応する計画もある。

クラウド型は、アカウント数に応じた月額課金モデルだ。情報システム部門を持たない企業であっても、希望すれば、専任SEによる導入コンサルティングを受けることもできる。

なお、PCAやラクスのシステムは標準機能で製品間連携に対応しており、クラウド型でも作り込みが可能。APIの公開、CSVなど標準データの入出力に対応しており、自社システムへの対応を内製化することも可能だ(これはオンプレミスでも同様)。

入金消込を自動化し、工数を20日から2日に短縮した事例も

Victory ONEのユーザーにはB2B企業が多いというが、近年はB2Cビジネスを手がける利用者が増えているという。

「B2C領域では、モール型のECサイトを使ったり、クレジットカード会社を利用したり、決済代行業者を利用したり、回収処理を第三者に委託するスタイルが広がっています。それも複数の代行業者を利用し、決済手段の多様化が進んでいます。代行業者の場合、売上や請求ごとの対応は任せられるし明細も作ってくれるので、消込処理はしなくてもよいと思うかもしれません。しかし、監査が入った場合や上場を計画している会社の場合、代行業者から取得できる決済情報が明細レベルで適正かどうかを自分たちでも照合して把握しておくことが求められます」(高山氏)

R&ACでは、複数の決済手段での照合処理を自動化するサブシステム(Victory ONE【決済管理】)を用意して、B2Cビジネスのニーズに対応している。

では、入金消込の自動化で実際にどれくらい省力化が可能なのか。導入企業の声として、専任1名が20日間かかっていた作業が2日に短縮された事例、3、4人で30時間かかっていたものが2人で15時間になったという事例もある。

導入メリットは工数削減だけでなく、ヒューマンエラーを減らすことによる未収金の減少も期待できる。請求漏れなどは、2年で時効となり、請求権がなくなるため、未回収の請求が増えると、経営にそれなりのインパクトを与えるリスクになる。また、すでに入金されているのに督促してしまうという、督促業務におけるミスは会社の信用力を大きく傷つける大変神経質なミスである。回収業務の一部を自動化・機械化することで照合の精度が上がり、担当者の精神的なプレッシャーが軽減されるという声もでている。

「照合精度を上げるため、Victory ONEではマシンラーニングを取り入れ、履歴から請求と入金の自動照合も行っている。将来的にはAIの機能も取り入れた、照合先の予想機能の実装も考えています」(高山氏)

業務自動化で注目されるRPAとも共存可能

業務の自動化では、RPA(Robotic Process Automation)という動きもある。ホワイトカラー領域でも、自動化ツールやAIの活用が広がっている。最後に、RPAとVictory ONEソリューションの関係について高山氏に聞いた。

「現状、主流といえるRPAは、どれも既存の業務システムを前提に、それらを統合制御(オーケストレーション)する作りになっています。Victory ONEは、入金消込に特化したツールで、それまで手動でつないでいた会計システムや販売管理システムを連携させます。RPAとはカバーしているレイヤーが異なるので、RPAがVictory ONEと連携したり、Victory ONEを既存システムの連携ツールとして利用したりすることで、より大きな効果を生むことができると思っています」

事例報告として、従来作業から半分、半分以上の時短につながっているなら、月末の残業抑制など現実的な効果もありそうだ。

時短や生産性向上に具体的な成果が必要なら、残っている手作業や業務プロセスを今一度振り返ってみるとよい。昔は有効な対策がない、自動化はほぼ無理と思われていた作業も、Victory ONEのようにソリューションが存在する場合があるかもしれない。

入金回収特化型ソリューション「Victory ONE」

  • 入金・債権管理業務に特化
  • AIによる業務自動化
  • 債権残高管理や回収状況の自動配信

Victory ONEは、入金消込・債権残高管理から滞留督促管理、営業現場へのWEBやメールによる回収情報配信まで幅広くカバーする特定業務特化型のソリューションサービスです。

これまで業種業態や企業規模問わず、200社以上の大手・中堅中小企業に採用されています。特徴として、AIの中核要素であるマシンラーニング(ML)の仕組みを活用した独自の照合システムを実装しており、使えば使うほど自動化率が向上し生産性があがります。

また、柔軟なインターフェース仕様により、既存の基幹システムとシームレスに連携が可能。これにより既存環境を大きく変更する事なくピンポイントで素早く導入できます。クラウド型とオンプレミス型の2つのタイプを展開しており、自社の状況や予算に応じた採用が可能となっています。

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