債権管理システム比較13選 | メリット、デメリット

取引先からの入金を管理するのに便利な債権管理システム。しかし、微妙に差の異なるサービスやERPに内包されているサービスなど、違いがわかりづらいのも事実です。本記事では、債権管理システムのメリットやデメリットを踏まえつつ、システムの違いを解説していきます。
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- 債権管理システムとは
- 債権管理システムの選び方
- 債権管理システムの導入目的を確認する
- 債権管理システムの機能を確認する
- 債権管理システムを導入する際の注意点を確認する
- 債権管理システムの料金・価格相場を確認する
- おすすめの債権管理システム13選
- V-ONE クラウド
- マネーフォワード クラウド請求書Plus
- GRANDIT miraimil
- Victory-ONE【検収照合】
- freee債権|入金管理
- Lecto
- SMART与信管理サービス
- ZAC
- GRANDIT(グランディット)
- GLOVIA きらら
- 債権奉行クラウド
- 請求管理ロボ
- カンタン!残高管理表クラウド
- 債権管理システムのメリット
- 一括管理が可能
- 回収効率アップ
- ミスの減少
- 債権管理システムのデメリット
- 導入まで時間がかかる
- コストがかかる
- 債権管理システムの導入で回収を効率化
債権管理システムとは
債権管理システムとは、サービス提供によって得た売掛金を回収するための管理システムです。入金のチェックにかかる工数を削減できるほか、いつまでにいくらの現金を手に入れられるのかわかるのも強み。会計ソフトと組み合わせて使うとさらに活躍の幅が広がります。システムによってはERPに内包されているものもあります。
債権管理システムの選び方
債権管理システムを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- 債権管理システムの導入目的を確認する
- 債権管理システムの機能を確認する
- 債権管理システムを導入する際の注意点を確認する
- 債権管理システムの料金・価格相場を確認する
債権管理システムの導入目的を確認する
債権管理システムの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
入金消込の属人化やミスをなくしたい | 入金消込業務に特化し債権管理を一元化できるシステムがおすすめ |
請求業務の流れで入金消込業務を自動化したい | 請求書発行の流れで入金消込業務を行えるシステムがおすすめ |
販売管理全体の業務プロセスを効率化したい | ERPや販売管理システムがおすすめ |
債権管理システムの機能を確認する
債権管理システムでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
一括入金消込 | 入金消込を一括で行える機能 |
個別消込 | 個別に入金消込を行う機能 |
売掛金計上 | 商品やサービス代金を債権データとして計上する機能 |
入金データ自動連携 | 入金データを自動で取得、更新する機能 |
前受金管理 | 前受金の自動仕訳を行える機能 |
請求書発行 | 請求書の作成・発行を行える機能 |
口座振込データ出力 | 口座振込データを一括出力できる機能 |
入金予定登録 | 入金予定を事前に登録できる機能 |
API連携 | 業務で使用しているシステムと連携できる機能 |
請求書作成予約 | 請求書作成を予約できる機能 |
AI-OCR | 紙帳票をデータ化する機能 |
ツール連携 | 外部ツールと連携できる機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
マスタ管理 | 得意先の情報を管理する機能 |
与信管理 | 取引先の与信審査、管理を行う機能 |
売上レポート | 請求書のデータから売上レポートを作成する機能 |
すでに使用しているシステムとの連携を考えている場合はAPI連携やツール連携機能があるものを、販売管理を中心に行う場合にはマスタ管理機能や与信管理機能があるシステムがおすすめです。
債権管理システムを導入する際の注意点を確認する
債権管理システムを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
セキュリティ | 取引先や顧客情報を扱うシステムのためセキュリティ体制についてしっかりと確認しておきましょう。 |
サポート体制 | 導入サポートや運用中に不明点が出た場合どのようなサポートが受けられるのか事前に確認しておくと安心です。 |
多言語対応 | 請求書等の書類について取引先や顧客の言語に対応しているかを確認しておきましょう。 |
外貨対応 | 海外との取引がある場合には外貨に対応しているかの確認も必要です。 |
インボイス制度、電子帳簿保存法への対応 | 法令対応できるか確認しておきましょう。 |
債権管理システムの料金・価格相場を確認する
債権管理システムの料金は、月額従量課金タイプか月額固定費用タイプで異なります。オプション機能を追加する場合は別途料金が必要になることもあります。必要な機能と要件が用意されているサービスの料金を確認しましょう。
債権管理システムは企業によって、必要な機能や対応件数、希望の形態などが異なります。気になるシステムは公式サイトからプランの相談、見積もり依頼をしましょう。
おすすめの債権管理システム13選
債権管理をしっかりフォローしてくれるシステムを紹介します。
V-ONE クラウド - 株式会社アール・アンド・エー・シー
- 入金・債権管理業務に特化
- AIによる業務自動化
- 債権残高管理や回収状況の自動配信
V-ONE クラウドは、機械学習アルゴリズムを用いた、入金消し込み・債権管理業務の自動化システムです。
債権回収・未収の情報を可視化し、共有できます。債権残高管理と入金消し込み業務専用のツールがあり、一括での消し込みやCSV経由でのデータ取り込みを行います。回収や支払い遅延の通知は、残高情報とともにわかりやすく提供され、営業部門と会計部門を有機的に連携します。
マネーフォワード クラウド請求書Plus - 株式会社マネーフォワード
- 取引先ごとの分割請求書を一括作成
- 債権の残高表はリアルタイム更新
- 法改正に合わせて無料で最新版へアップデート
マネーフォワード クラウド請求書Plusは、請求書の一括作成から売上の計上、債権の確認と債権管理にかかるコストを削減できるサービスです。インボイス制度や電子帳簿保存法のような、変更される制度にも対応しており、システムの移行は不要。請求書は、PDFで出力できるので保管場所がいらず請求書を簡単に管理できます。
また、債権残高はリアルタイムで更新されるので、現時点で対応が必要な債権を見つけやすいです。さらに、マネーフォワード クラウド会計Plusと併用すると、請求書の発行から仕訳入力までを自動化できます。
GRANDIT miraimil - GRANDIT株式会社
- リアルタイムで残高や支払日管理
- 手形決済可
- 消込や支払い処理の自動化
GRANDIT miraimilは、ERPソリューション「GRANDIT」に含まれるモジュールです。支払い・決済は銀行振込、手形、電子記録債権、期日決済など、さまざまな入出金シチュエーションに対応。消し込み処理を自動化し、業務フローをショートカットします。外貨建てでの取引や電子記録された債権も管理できるので、先鋭的な業務モデルや、グローバル企業にもマッチするシステムといえるでしょう。
Victory-ONE【検収照合】 - 株式会社アール・アンド・エー・シー
- 売上データと検収データをマルチ照合
- 検収データのインポートレイアウトを得意先ごとに設定可能
- 自動消込や入金消込に対応
Victory-ONE【検収照合】は、出荷データと検収データの明細照合に特化した、メーカー、卸売業向けシステムです。
検収データの受取レイアウトパターンを9,999種類※保持でき、初回設定後は、ボタンクリックのみで検収通知データを取り込めます。また、得意先ごとにどのキー項目で照合するかを設定でき、部分照合やマルチキー照合のロジック設定が可能です。
※ボクシル掲載資料参照(2022年11月閲覧)
freee債権|入金管理 - freee株式会社
- 請求書の電子発行と郵送代行に対応
- 利用中の会計システムを変更せずに導入可能
- 請求書のスキャン代行や電子保存、債務管理などのBPOサービスを提供
freee債権|入金管理は、請求書の発行から入金消込まで対応できる債権管理システムです。債務、支払管理にも対応し、ワークフローによる稟議や振り込み実施も管理可能です。
また、電子取引もまとめて管理でき、損益、資金繰りなどをリアルタイムでレポート化してくれます。購買明細の自動仕訳や請求書データのOCR読み取りなど、経理業務自動化に役立つ機能を搭載しています。
- 債権管理から督促、回収、消込、償却まで自動化
- 提供サービスやポリシーにあわせたカスタマイズに対応
- 金融関連の新規事業立ち上げや運営も支援可能
Lectoは、必要情報を統合し、督促を自動化できるプラットフォームです。取引データを連携することで督促管理、債権データ、督促履歴などの統合管理、分析に対応できます。
債権データをもとに、連絡サイクルごとに設定した内容で、メールやSMS、自動架電による督促回収を自動化できます。導入した結果、月間で約60時間の督促業務を削減できた事例※があります。
※Lecto公式サイトより(2023年3月閲覧)
SMART与信管理サービス - 三井物産クレジットコンサルティング株式会社
- 国内取引の信用リスク管理をサポート
- 国内企業の定性、定量情報の変動を把握可能
- オリジナルの与信限度額算出ロジックを作成
SMART与信管理サービスは、与信管理業務をサポートするサービスです。企業の信用格付や倒産確率の把握から、国内企業の企業情報、財務データ、信用調書の取得、管理まで可能です。
業態、規模、取引形態、与信方針などをもとに与信限度額算出ロジックを作成し、取引ガイドラインとして業務運用への落とし込みまで支援してくれます。利用中のシステムへのデータ取り込みやワークフロー導入なども相談可能です。
- ワークフロー機能や電子申請
- 給与系などの外部システムと連携
- グループウェアでの非数値情報共有
クラウド ERP ZACは、クラウド・SaaS型で提供されている、ERPパッケージです。共通のマスタでデータを管理し、他のシステムと連携。ガントチャートでの管理やフローの可視化を行います。プロジェクト個別の原価計算や予算実績対比をアウトプットし、分割管理が可能。交通経費精算においては「駅すぱあと」をプラグインとして呼び出し、利用できます。
GRANDIT(グランディット)
- ワークフロー、EDI、EC、BIなどを標準搭載
- 少ないカスタマイズで豊富な機能を実現
- 操作性のよさと運用性の高さが魅力
GRANDITは、さまざまな企業への導入実績がある、次世代ERP(統合基幹システム・ERPソフトウェアパッケージ)です。ユーザーの目線で扱いやすいように、操作性の良さにこだわっています。経営層向けレポート作成、管理者の承認管理をはじめ、社員のルーチンワークまで正確に行えるような機能を搭載。債権・債務はもちろん、人事・給与、経理など自社に合った組み合わせで導入可能なところもポイントです。
GLOVIA きらら
- 業務の一元化・省略化を促進できる
- オンプレミス型・クラウド型双方に対応
- 操作性を追求したユニバーサルデザイン
GLOVIA きららは、中堅企業向けの統合基幹業務アプリケーションです。販売・会計・人事給与と製品のラインナップがそろっています。2つのアプリケーションがシームレスに連携できるところが特徴。外部システムとの連携にも対応しているので、現在利用中のソフトウェアと統合できるところもメリットです。債権管理機能は販売のサービスに含まれています。自社の欲しい機能だけを自由に組み合わせたいなど、カスタマイズ性にこだわりたい企業におすすめです。
債権奉行クラウド
- Excelによる手作業から解放できる
- 債権回収関連機能を強化
- 債権管理に関わる業務をデジタル化
債権奉行クラウドは、クラウド型の債権管理システムです。多くの基幹システムと自動連携可能なので、従来の業務フローや既存システムの変更がいらないところが特徴。今までExcelの手作業で時間がかかっていた業務も自動化できるので、業務の効率化が期待できます。さらに、請求書の電子化・自動送付も行えるので債権関連業務のペーパーレス化を実現可能で、デジタルインボイスにも標準対応しています。債権管理業務を幅広く網羅しているので、債権管理部門の業務時間の短縮化を目指している企業におすすめです。
- 面倒な請求業務を短縮できる
- 煩雑な請求業務を楽にする機能を搭載
- インボイス制度や電子帳簿保護法にも対応
請求管理ロボは、請求業務の作業時間の短縮に着目した債権管理システムです。入金消込の自動化や、複数の決済手段をクラウド上で管理できる決済連携機能など、スムーズに請求書発行や送付を行える機能を多数搭載しています。SFA/CRMや会計ソフトとの外部連携可能なため、他の業務も一元化も可能です。導入から3か月間、徹底的にサポートしてくれるので使い方が不安な方も安心して任せられるところもメリットです。
カンタン!残高管理表クラウド - ipartners株式会社
- 毎月の更新作業の手間を削減
- 数式の知識が不要で簡単に操作可能
- 管理業務の属人化を回避できる
カンタン!残高管理表クラウドは、数式の知識がなくても、正しく迅速に残高管理表の作成、管理ができるサービスです。作業は必要情報を入力していくだけで完了し、簿記やExcelの知識レベルに関係なく操作が行えます。
説明が必要な操作については、備考記入欄にて記入が可能。入力は必須のため「なぜこの数値なのか」といった説明不足を回避できます。他にも、会計システムとの差額をチェックができる機能や、取引先ごとに自動で小計計算してくれる機能など搭載。
債権管理システムのメリット
債権管理システムのメリットには、まとめて管理できる点、回収の状況チェックしやすい点、ミスを減らせる点などがあります。いずれも人間より早く正確にこなせるシステムに任せることで得られるメリットです。
一括管理が可能
購入日や入金日が取引先で異なり入金も分割で行われると、Excel管理や会計ソフトでの管理が手間になります。債権管理システムなら売掛金や入金を一括で管理できるため、債権管理を適切に行えます。
回収効率アップ
債権管理で問題となるのが未回収や未入金の延滞です。人の手で1つ一つ調べるとかなりの手間を要しますが、専用のシステムだと自動で知らせてくれるので回収タイミングを逃しづらくなり回収効率がアップします。
ミスの減少
債権管理作業はチェックが多く、手作業だとミスが多くなりがちな点はかねてからの問題でした。そんなミスを改善するためにも自動で行ってくれる部分を増やすのは重要なことだと言えます。
債権管理システムのデメリット
債権管理システムのデメリットには、導入に時間を要する点とコストの発生する点があります。しかし、適切に導入できればメリットがデメリットを上回るためそれほど気にならなくなるでしょう。
導入まで時間がかかる
新しいシステムを導入するとなると、社員が操作に慣れるようになるまで時間がかかります。社員へのレクチャーやデータ移行など、導入工程を見積もっておきましょう。
コストがかかる
システムを導入する以上、初期費用や月額費用がかかってきます。どのような機能のシステムが必要か検討したうえで、費用対効果が見合っているか確認しましょう。
債権管理システムの導入で回収を効率化
似たような債権管理システムっでも強みはさまざま。たとえば、国外も含めての債権管理が必要な場合は、複数通貨や他言語に対応したシステムを選ぶ必要があります。各社の形態に合わせてシステムを選ぶことで、最大限に機能を使えます。
債権管理システムを選ぶうえで抑えておきたいポイントは次のとおりです。最後にもう一度チェックしておきましょう。
- 債権管理システムでどんな業務を行うか
- 外部システムとの連携はできるか
- 債権管理システムは誰が使うのか
債務管理を改善したい方は、ぜひこの記事を参考にしてシステムを導入してください。
