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機関設計とは?会社法に即した各機関の役割と設置要件

最終更新日:(記事の情報は現在から2998日前のものです)
「 機関設計」とは、会社法に定められた「機関」を、どうやって設置するかの組み合わせを決定することです。本記事では言葉そのもの意味から、付随するキーワードである「新会社法」についても解説します。

機関設計とは

機関設計とは、会社法に定められた「機関」を、どうやって設置するかの組み合わせを決定することです。
「機関」とは、会社の運営や意思決定について行う株主総会・取締役・代表取締役・取締役会・監査役・監査厄介・会計参与・会計監査人などのことを指します。これらの機関は、必ず設置しなければいけないもの、会社の体制によって設置しなければいけないもの、任意で設置を選べるもの、に分かれています。会社を設立する場合には、どのような経営方針にするのかを見越した上で会社法に即した機関設計を決める必要があります。

それぞれの機関の役割

それぞれの機関の役割と、設置条件は以下のとおりです。

  • 株主総会:会社の組織や運営など、会社に関するすべてのことを決議できる機関。すべての株式会社が設置する必要あり。
  • 取締役:会社の業務執行を行う機関。最低1人。取締役を設置する場合は3名以上必要。
  • 代表取締役:取締役が複数いる場合、それを代表する機関。
  • 取締役会:取締役3名以上で構成される、業務執行についての意思決定、取締役の業務を監督する機関。任意設置。
  • 監査役:取締役の業務を監査する機関。取締役会がある場合は設置が必要。それ以外は任意設置。
  • 監査役会:監査役3名以上で構成される、監査方針の決定や報告の作成を行う機関。大会社(資本金が5億円以上か、負債総額が200億円以上)では必須。設置には、取締役会の設置が必要。

  • 委員会:指名委員会(取締役の選任解任を行う)、監査委員会(取締役などの業務を監査する)、報酬委員会(取締役などの報酬を決定する)を設置する機関。各委員会は、過半数の社外取締役が必要。また、監査役がいる場合、会計監査人を設置しない場合は不可。

  • 執行役:委員会設置会社で、会社の業務を行う機関。※

  • 会計監査人:計算書類についての監査を行う機関。会計監査人になれるのは、公認会計士か監査法人。大会社のみ必須。

  • 会計参与:取締役や執行役と一緒に、会計書類の作成を行う機関。会計参与に慣れるのは、公認会計士・監査法人か、税理士・税理士法人。原則として任意設置。

※委員会が設置されている会社においては、会社の業務は執行役が行い、取締役は業務執行に関与しません。委員会設置会社では、会社業務を監督する人と、執行する人が分けられています。

新会社法で変わったこと

新会社法が施行されて、会社の機関設計も変更が加えられました。主な変更点は、下記のとおりです。

  • 取締役会を設置しなくても良い  ※株式譲渡制限会社のみ。
  • 監査役を設置しなくても良い  ※株式譲渡制限会社のみ。
  • ”会計参与”という機関が追加

こう見ると、機関設計の観点からも、より会社設立のハードルが低くなるように変更が加えられていることがわかりますね。

一般的によく採用される機関設計

株主総会+取締役会+監査役(または会計参与)

複数人で起業する場合や小規模な場合は、複数人の取締役と、監査役を設置することが多いです。取締役以外の株主がいる場合には、意思決定を取締役会で対応するほうがスムーズだからです。(そうでなければ、わざわざ業務執行について株主総会を開く必要があります)

株主総会+取締役

中小企業が取り入れる、一番シンプルな形です。この場合、取締役=株主にしてしまえば、1人のみで会社の期間が完成します。株主は自分ひとりだから、”株主総会”と言えども形としては成立するのです。一人でも会社設立できるというのは、この形式が認められたからですね。

株式会社を設立するときには欠かせない”機関設計”

期間設計の仕組みは理解できましたか。どういった組織にするかによって、必要な機関も異なります。スムーズに会社運営ができるように、どのように機関を組み合わせるかを決めましょう。

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