情報漏洩対策ソフトを徹底比較!ツール・ポイント・システム

企業はヒト、モノ、カネ、そして「情報」で成り立っています。
あなたの会社の情報漏洩対策は万全ですか?企業の機密情報が競合先などに漏れると、事業に多大な損害が発生してしまいます。
また大切な顧客の個人情報が流出すると、企業ブランドが低下するだけでなく、それによって被害を被った顧客への損害賠償の支払いもあり得ます。
パソコン内などに電子化されて保存された情報の漏洩を防ぐ情報漏洩対策ソフトを、徹底的に比較しました!
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情報漏洩対策とは
本来であれば社内のみで管理されているべき情報が、外部に流出してしまわないようにするのが情報漏洩対策です。
紙の書類で管理されている情報は比較的保護がしやすいですが、今やほとんどの情報は電子化されて保存されていることが多く、しかも一か所ではなく複数のデバイスで共有されているのが一般的です。
情報漏洩対策には書類の管理も含まれますが、ソフトを利用した電子情報漏洩対策を紹介します。
情報漏洩の要因
情報漏洩が発生する要因は大きく二つにわかれます。
一つは故意ではなく操作ミスや管理ミス・不備によるもので、もう一つは悪意を持ったものの標的となって情報が流出してしまうものです。現在情報漏洩の原因で一番多いのは管理ミスによるもので、全体の30%以上を占めています。
次に多いのが操作ミスと不正アクセスによるものでそれぞれ約15%となっており、この上位3つの原因が全体の6割以上を占めています。具体的な要因をもう少し詳しくみてみましょう。
意図的ではない操作ミスや管理不備によるものとしては、以下があります。
- 電子メール送信時に宛先を間違えたり、別のファイルを添付してしまうなどのミス
- 情報を内包するパソコンやUSBメモリを社外に持ち出して、紛失したり置き忘れをしてしまう
- 業務用のパソコンで業務とは関係ないサイトを閲覧したり、アプリやソフトをダウンロードしてウィルスに感染する
- 私用のパソコンを業務用のネットワークに接続する
- 業務用のパソコンを社外に持ち出して、セキュリティの安全が確保されていないネットワークにつなげる
意図的なものとしては、以下があります。
- 社員や社内の情報にアクセスできる内部関係者による、営利目的や嫌がらせなどによる情報流用
- サイバー攻撃でウィルスに感染したり、不正アクセスで情報が流出したり公開されたりするもの(特定の企業を狙ったものから、不特定多数を狙ったもまであり)
情報漏洩を防ぐ方法
それでは、情報漏洩を防ぐためにはどのような方法があるでしょうか。
先に説明したとおり情報漏洩は管理不備によるものが多いため、まず管理を強化することが重要となります。サイバー攻撃など意図的なものも、管理の強化によりある程度防止可能です。
業務で使用する機器が増えれば増えるほど情報漏洩のリスクは高まりますから、すべての端末をきちんと管理する体制を整えることが必要です。
電子情報の漏洩対策としては、以下の5つのポイントで管理の体制・方法を見直して強化する方策の導入が重要ですが、社内のルールを明確に規定して社員教育をするだけでなく、ツールによる制御も有効となります。
1.以下の行為の禁止または制限
- 許可されていないオンラインストレージへの情報の保存
- オンライン情報共有サービスでの情報管理
- 私用のパソコンで会社のネットワークに接続
- 業務に関係ないサイトを会社のパソコンで閲覧
- 会社で管理されていないUSBを業務用のパソコンに接続
- 個人のIDとパスワードの他人への貸与
2.メール送信ミスによる情報流出対策
- メール作成後、送信する前に宛先や添付ファイルをチェックする
- 上司や他の社員にCCもしくはBCC送信して、誤りがあった場合はすぐに気がつけるようにする
- 送信ミス対策機能のあるソフトやシステムを利用する
- メールや添付する情報を暗号化するアプリを利用する
3.管理強化対策
- 情報の社外持ち出しルールを設ける。業務用パソコンや情報が格納された電子媒体の社外持ち出しを禁止したり、持ち出す際には許可を得るようにする
- 社外に持ち出すノートパソコンなどは、ディスクを暗号化しておく
- 社外に持ち出した場合は業務以外の目的で使用したり、社外のネットワークに接続することを禁止する
- 紙だけでなく、情報が内包されているパソコンやハードディスク、電子媒体を処分したり破棄する場合は情報を完全に消去してから処分する
4.内部関係者による情報流用対策
- 重要なデータにはアクセス権限を付与しておく
- 重要なデータへのアクセス履歴や操作履歴のモニタリング体制を設定する
- 社員だけでなく、社内の情報にアクセスできるサービス会社などとも守秘義務契約を締結する
- 罰則措置を含む会社のセキュリティポリシーを明確にし、セキュリティ対策を実行するとともに、社員を教育する
5.外部からの攻撃に対する対策
- セキュリティソフトを導入して有効にし、ファイアウォールを導入する
- サーバーのログ管理
- ファイルを共有するソフトを使わない
- ソフトの更新を常に行って、最新バージョンに保つ
- Webサイトやシステムのぜい弱性を診断するセキュリティ診断を、定期的に実施する
情報漏洩が起こったときの対処法
残念ながらすでに流出してしまった情報を取り戻すのは困難です。
そこで、流出した情報の処理だけでなく、原因を追求して二度と同じことが起らない対策をとることが大切です。
情報漏洩が継続しないようにする、被害を最小限に食い止める、再発しないようにする、二次被害を引き起こさないようにする、といったこれらの為に行うべき対処方法として以下が挙げられます。
- 社外に持ち出したパソコンを紛失したり盗難にあった場合は、ログイン時のIDとパスワードを変更する。
- メールの誤送信による情報流出の場合は、どのような情報がいつ、どこに流出したかを調査して受信者に通知して破棄してもらう。
- 情報が公開されてしまった場合は、アクセス制限措置により外部から参照できないようにする。
- 企業が管理する個人情報の流出の場合は、事実を公表して謝罪し、問い合わせ窓口を設定する。早急に原因を究明して対策をとる。
- 社内の犯行の場合は、イントラネットのサーバーや共有ファイルサーバーから犯行者のIDやアクセス権をブロックする。
- WinnyやShareなどのファイル共有ソフトの使用で情報漏えいが起こった場合は、これらの利用を禁止し、予想される二次被害を確かめる。
- ウィルス感染や不正アクセスされた場合は、感染した、または不正アクセスされたパソコンをネットワークから隔離して重要なデータを外部媒体にバックアップする。ただしバックアップに不正プログラムが入っている可能性もあるため、取り扱いに注意する。
おすすめの情報漏洩対策ソフト
では上記のような情報漏洩対策をサポートする、おすすめの情報漏洩対策ソフトを紹介します。
フォレンジックサービス - 株式会社レイ・イージス・ジャパン
ポイント
- 調査システムにファイルをアップロードして検査
- 1回のみまたはAI Sandboxのレンタルでもサービスを利用可能
- 拡張子のないファイルや対応していないOSでも検査を実施
フォレンジックサービスは、独自開発のAIエンジンを搭載し、既知はもちろん、亜種や新種のマルウェアも検知できるサービスです。表層解析、静的解析、IP/URL レピュテーション、動的解析といった独自の4つのフェーズで処理することで、あらゆる脅威に対する検査を実施します。
AI技術による類似性比較や、AI Sandboxによる疑似的な動作解析により、一般的に利用されているアンチウィルスソフトでは検出できないマルウェアも検出が可能です。他にも、ソフトウェアに不正なコードを仕込む攻撃方法のマルウェアも検出します。
i-FILTER
ポイント
- URLフィルタリングで万全のWebセキュリティを実現
- 組織の端末のWebアクセス制御で出口対策
- 各端末のWebアクセスとアップロードされたファイルをログ管理
i-FILTERのURLフィルタリング機能は世界各国の言語に対応し、スマートフォン専用サイトや出口対策専用情報を搭載。万が一マルウェアに感染しても、通信先をブロックし、フリーのオンラインストレージも制御して防御を強化します。アクセス許可のグループ設定機能もあり、業務時間と休憩時間とに分けたフィルタールールの設定も可能。SSL通信を利用した攻撃も可視化が可能です。30日間無料試用版あり。
L2Blocker
ポイント
- 社内ネットワークへの不正接続を検知・遮断
- 既存LAN構成の変更不要
- 社内端末の台帳管理で、端末の利用状況を一元管理
L2Blockerは、社内LANにセンサーを設置して、私用のスマホやPC、業者の端末など、許可された端末以外からのネットワークへの接続を遮断します。ブロックされた端末への通知機能や、管理者への接続許可申請機能付。またネットワークの利用状況を分析してグラフでレポートする機能もサポートされています。オンプレミス版とクラウド版とあります。
AssetView
ポイント
- 標的型攻撃の脅威に対するトータルな対策
- ぜい弱性対策作業を自動化
- 15種類の豊富な機能
AssetViewでは、不正PC遮断やWebフィルタリング、電子メール監視など15種類の豊富な機能の組み合わせにより、標準型メール攻撃対策、内部不正による情報漏洩対策、ぜい弱性対策などの総合対策の構築が可能です。各機能単体での購入のほか、スタンダードパッケージとセキュリティパッケージが提供されています。画面はWebプラウザのような高い操作性で、使いやすさも特徴です。
リスクマネージャーファイル消去&チェック10plus
ポイント
- 電子記憶媒体の機密情報を完全に削除
- パソコンデータ丸ごと抹消も、不要なファイルだけの抹消も可能
- 低スペックの古いパソコンも対応可
AOSテクノロジーズ社のリスクマネージャーファイル消去&チェック10plusは、OSは残して機密データやプライバシー情報のみを復元できないように完全に消去する、データ漏洩リスク管理ソフトです。ファイル消去、メール消去、ディスク消去、メールパスワード消去、スケジュール消去、秋領域消去、履歴消去、ページファイル消去などの多彩な機能の他、消去確認ツールも提供。データを完全に抹消するダウンロード版と、パソコンやハードディスクの廃棄時にOSを含むすべてのデータを抹消するパッケージ版とあります。
秘文
ポイント
- 標的型サイバー攻撃や内部不正、盗難・紛失から機密データを守るセキュリティソフト
- 機密データを出さない、見せない、放さないの3種の製品
- ファイル失効機能で、漏洩したファイルは閲覧不可能に
日立ソリューションズの秘文では、モバイルやUSBメモリの利用をコントロールするDevide Control、パソコンや記録媒体、ファイルサーバーのデータを暗号化する Data Encryption、流出したファイルを失効させて閲覧できなくする Data Protectionの3製品が提供されています。年間利用ライセンスのサブスクリプション版と、買取ライセンスのパッケージ版とあります。
Crossway/データブリッジ
ポイント
- USBを使わないデータ受け渡しツール
- データブリッジ上のデータは受け渡し後に自動消去
- 端末や利用者は管理者が制限
NTTテクノクロスのCrossway/データブリッジは、データの受け渡しをするデバイスを端末を介してUSBケーブルで接続し、データを一方通行で移動させるセキュリティ機器です。ネットワークから分離された環境でデータの受け渡しができ、受け渡したデータは機器から自動で消去されて漏洩リスクが低減。利用者の認証要求機能や、自動ウィルスチェックと駆除機能もあります。
Intersafe ILP
ポイント
- 情報漏洩対策のすべてがそろったオールインワンのシリーズ製品
- ファイルの自動バックアップによるランサムウェア対策機能追加
- クラウドでの導入も可
Intersafe ILPは、情報保護、外部への不正持ち出し、持ち出し後のファイルの安全活用、送信データの漏洩防止をオールインワンで実現。デバイス制御、持ち出し申請・承認管理、ファイルの自動暗号化、セキュリティUSB作成の機能別の4製品で構成され、単独でも組み合わせでも使えます。30日間無料評価版あり。
発見伝
ポイント
- USBやプリンタなどあらゆる電子媒体への出力を監視
- ファイルの暗号化で盗難や紛失にも安心
- 機能別に4製品がラインナップ
発見伝は、USBメモリ、CD・DVD、プリンタなどの外部記録媒体への出力と添付メールを監視して、不正アクセスの発見と情報持ち出しを抑制する情報漏洩対策ソフトです。不正なデバイス検知は管理者へメールで通報し、警告アラートが表示されます。操作ログの集中監視機能もあり。15日間の無料体験版もあり。
ディフェンスプラットフォーム
ポイント
- 米国商務省セキュリティ新基準準拠
- ランサムウェアやサイバー攻撃から守るエンドポイント・セキュリティ
- 官公庁の導入実績あり
ディフェンスプラットフォームは、標的型攻撃、ランサムウェア、未知のマルウェアなどあらゆるサーバー攻撃から守る最強のセキュリティ対策ソフトです。個人向けホームエディションの他、クラウド型で中小企業向けのビジネスクラウドエディション、クライアントサーバー型で一括管理が容易なビジネスエディションの3タイプがあります。
Malion Cloud
ポイント
- 情報漏洩対策とIT資産管理がセットになったクラウドサービス
- WindowsとMacの一元管理可能
- マニュアル不要の直感的な操作性で、一日で導入可能
Malion Cloudでは、デバイス操作や、Webアクセス、アプリケーション起動、無線LAN接続、印刷、送信メール、ファイルアクセスのすべてを制限するオールインワンの標準機能が搭載されています。情報漏洩対策の他、IT資産管理、ログ解析とレポート、運用管理支援で合計50種類以上の標準機能あり。クラウドなので、サーバーの構築や維持管理や初期費用は不要です。
おすすめソフトの機能比較
こちらでは、おすすめソフトの機能比較をしています。各ソフトの機能を一目で比較できるようになっているので、ぜひ参考にしてください。
また、価格比較もありますので一緒に活用してください。
故意の漏洩防止 | 操作ミスによる漏洩防止 | ウイルス・ファイル共有ソフトによる漏洩防止 | 盗難・紛失の漏洩防止 | |
---|---|---|---|---|
i-FILTER | - | - | 〇 | - |
L2Blocker | 〇 | - | 〇 | - |
AssetView | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
リスクマネージャーファイル消去&チェック10plus | 〇 | - | - | - |
秘文 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
Crossway/データブリッジ | 〇 | 〇 | 〇 | - |
Intersafe ILP | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
発見伝 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ディフェンスプラットフォーム | - | - | 〇 | - |
Malion Cloud | 〇 | 〇 | 〇 | - |
おすすめソフトの価格比較
価格 | |
---|---|
i-FILTER | スタンダード標準価格17,000円(ライセンス数1)~ |
L2Blocker | オンプレミス版L2Bマネージャー24,000円、センサー14,000円~|クラウド版月額使用料 L2Bマネージャー20,000円、センサー3,000円~ |
AssetView | 3つの機能のセキュリティパッケージ:クライアント数50から6,900円~ |
リスクマネージャーファイル消去&チェック10plus | ダウンロード版3,990円(法人は5台まで)パッケージ版 4,600円(法人は5台まで) |
秘文 | サブスクリプション版5,000円、パッケージ版10,000円 |
Crossway/データブリッジ | ファイルの受け渡し完全自動化:398,000円、ファイルの受け渡し手作業:198,000円 |
Intersafe ILP | 要問い合わせ |
発見伝 | 1年・1ライセンス 4,500円~ |
ディフェンスプラットフォーム | 要問い合わせ |
Malion Cloud | 要問い合わせ |
自社に合ったソフトを選んでしっかり対策を
導入してみたいと思うソフトは見つかりましたか?冒頭でも述べたように、企業の機密情報が競合先や悪意を持った人になどに漏れてしまうと、事業に多大な損害が発生します。
経済的なものももちろん大きいですが、社会的な信頼といったもののほうが取り返すのは難しいかもしれません。今一度自社の情報管理体制を見直してみてはいかがでしょうか。
人気のセキュリティソフト3選
不正アクセス・迷惑メール対策に、セキュリティソフトを導入しておくと安心です。ここからは人気の高いセキュティソフトを3つ紹介します。
ウイルスバスター
ウイルスバスターは日本で1番売れているトレンドマイクロのセキュリティソフトです(2017年BCNランキングシリーズ別より集計)。コンシューマ向けセキュリティ製品のシェアでも46.6%で1位(2017年国内市場ベンダー別売上額シェア)。ウイルスバスタークラウドを1つ導入すれば3台まで利用可能です。
ノートン
ノートンの特徴として、クレジットカードの不正使用保険が付帯しており、年間100万円まで補償される点が挙げられます。万が一PCがウイルス感染した場合の復旧費用として年間1万円まで補償されるのも安心です。
カスペルスキー
カスペルスキーは性能比較テストで7年連続NO.1の評価(2011年から2017年AV-Comparativesの評価)。ウイルス・ランサムウェア・不正アプリ対策もしっかりと行われています。30日間の無料体験もついているので気軽に利用できます。
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