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DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは?削除申請方法と悪用への対処

最終更新日:(記事の情報は現在から1408日前のものです)
DMCAとはデジタルミレニアム著作権法のことで、デジタルコンテンツに関する著作権保護に関する法律です。GoogleやTwitterでは、自身のコンテンツの著作権を保護するために、著作権侵害しているコンテンツの削除申請ができます。しかし、DMCAを悪用する被害が発生しており、著作権者はどのように対処すればよいのでしょうか。

DMCA(デジタルミレニアム著作権法)とは

DMCAとはデジタルミレニアム著作権法(Digital Millennium Copyright Act)の略称であり、2000年にアメリカ連邦法として成立した、デジタルコンテンツに関する著作権保護に関する法律です。

DMCAは、アメリカで制定されたインターネット上の著作権に関する基準であり、日本では適用外です。そのため、日本ではデジタルコンテンツの著作権を保護する法律として、プロバイダー責任法が適用されます。

しかし、アメリカに法人があるGoogleやTwitterなどに関しては、日本でもDMCAの適用範囲内となります。

DMCAの意義

DMCAは、悪意をもって行った他人の著作物の盗用から、著作権者を保護するために制定されています。

Googleのサイトでは、盗用を行ったサイトが本来のサイトよりも検索エンジンで上位に表示されることがあります。このような場合に、DMCAに申請することで悪質なサイトを検索エンジンから排除できるようになりました。

従来はコンテンツやサイトの著作権が侵害されたら、サイト管理者に削除要請を行い、対処を待つという手順で、盗用コンテンツの削除には時間を要しました。

DMCAでは、プロバイダーに対しても盗用コンテンツやサイトの削除申請が可能になります。

GoogleのDMCAへの削除申請方法

Googleでは、DMCAに基づいた著作権保護をポリシーとして、盗用コンテンツやサイト、インデックスの削除申請を受け付けています。

Googleにサイトを掲載している方で、悪意をもった盗用により検索順位が下がっている場合は、次の手順でDMCAへの削除申請を行いましょう。

1. オンラインフォームにアクセス

Google Search Console

Googleに盗用サイトの削除を申請するには、「著作権侵害による削除」オンラインフォームを使用します。このフォームを利用するには、Google Search Consoleへのログインが必要です。

冒頭に削除申請に関する注意点が記載されているので、必ず目を通してください。

2. 個人情報の入力

次に、申請者の個人情報を入力します。

google 著作権侵害の報告

  • 必須項目・・・氏名、著作権所有者の選択、メールアドレス、国/地域)
  • 任意項目・・・会社名

「著作権所有者を選択」のポップアップは、デフォルトで「本人」のみになっているため申請者によって変更を行いましょう。申請者が著作権所有者の場合は「本人」へ、申請者が代理人の場合は「自分が代理を務める著作権所有者を追加」をクリックして、著作権所有者の名前を追加します。

3. 著作権対象物の詳細を記載

次に、著作権対象物を記載します。

google 著作権侵害物の記載

  • 著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明
    写真や文章など、著作権を持つコンテンツがどのようなものか、どのように著作権を侵害されているか記載
  • 当該著作物が許可を受けて掲載されている場所
    著作権を持つコンテンツが掲載されているURLを入力
  • 権利を侵害している著作物の場所
    盗用したコンテンツが掲載されているURLを入力

複数の著作物が侵害されている場合はまとめて記載せずに、「新しいグループを追加」をクリックし、同様に記載してください。

4. 宣誓供述書にチェックと署名

最後に、署名して送信します。申請できたかどうかは、Web上から削除用ダッシュボードで申請状況を確認できます。

削除申請する場合の注意点

  • 報告者が、著作権所有者本人もしくはその代理人である
  • 異議申し立てをされる可能性がある
  • 削除申請中は第三者が閲覧できる

削除申請は対象者にも告知されるため、異議申し立てをされる可能性があります。実際に異議申し立てが裁判に発展して削除申請者が敗訴した例があり、著作権侵害に確信が持てない場合は、弁護士に相談しましょう。

また、削除によって表現の自由が制限されるため、削除申請中は第三者が閲覧できる状態にあります。

TwitterのDMCAへの削除申請方法

Googleに並び、Twitterにおいても著作権侵害によりDMCAへの削除依頼がされています。どのような場合に削除申請をしているのか、手順とともに説明します。

DMCAによるTwitterアカウントの凍結

Twitterでは、著作権によって保護された画像が無断でプロフィール画像や投稿されていた場合の著作権侵害の報告に対応するとしています。

Twitterの著作権侵害を繰り返すユーザーに関しては、アカウントが凍結される可能性があります。

Twitterの著作権に関するポリシーに関して詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

TwitterのDMCA申請方法

著作権侵害を報告する際は、次の手順からTwitterに報告してください。

1. Twitterのヘルプセンターから「著作権侵害の報告」

まずは、Twitterのヘルプセンターから「著作権の侵害行為を報告したい」までタップします。

2. 報告者の個人情報の入力

報告者が著作権者本人の場合は「私は著作権者です」を選択し、必要事項を記入します。代理人である場合は「私は著作権者の正式な代理人です」を選択し、同様に必要事項を入力してください。

3. 著作物と著作権侵害物に関する詳細を記入

著作物と著作権侵害物に関する質問事項がいくつかあるので、詳細を記入してください。

DMCAを悪用した虚偽申告

最近はDMCAを悪用した虚偽申告が行われ、それにより善意のコンテンツが削除される被害が起きています。報告者にとって不利益のある内容を、DMCAに虚偽申告することで当該コンテンツを削除してもらうためです。DMCAの悪用は、DMCA攻撃とも呼ばれます。

DMCAを悪用した虚偽申告による被害を受けないためには、どのような対策をすれば良いのでしょうか。被害例とともに説明します。

逆SEOへの悪用

Googleに投稿したサイトを検索上位にする対策として、SEO対策があります。検索順位が高ければ高いほどPV数が伸び、多くの方にサイトが閲覧されるようになります。

一方で、上位サイトに記載されている内容が、ある企業にとって不利益を被る場合があります。そのようなときに行われるのが逆SEOです。

DMCAへの虚偽申告を行うことで、当該サイトの検索順位を下げることが目的です。企業にとって閲覧されたくないサイトは、企業の悪評・批判・誹謗中傷が書かれているものです。

DMCA悪用への対処法

DMCAを悪用した攻撃に対する、完璧な対処法はありません。そのため、DMCA攻撃を受けた場合は、異議申し立てを行いましょう。異議申し立てをするには、削除されたサービスの手続きの詳細を確認してください。

もちろん著作権侵害を行っている場合は、異議申し立てが認められませんが、善意のサイトであるならばDMCAに正当な主張をしましょう。完璧な対策はできませんが、Googleにおいては異議申し立てをするために次の準備をしておきましょう。

まず、Google Search Consoleへの登録を行い、新規のDMCA申請をメールで受信できる体制を整えましょう。

次に、自身のコンテンツやサイトが削除されていないかを確認し、削除されているコンテンツがあれば、本当に問題があったのか、フェアユースに従って確認します。

削除されたコンテンツに問題がないと確認できたら、異議申し立てを行いましょう。異議申し立てが通ると、コンテンツが再掲載されます。

DMCAへの虚偽申告による罰則

DMCAに虚偽の申告を行ったものは、偽証罪の罰則が科せられます。具体的には、DMCA虚偽申請は、米国著作権法第512条第f項の「不実の表示」に該当します。

故意に重大な不実の表示を行う者は、サービス・プロバイダが侵害にあたると主張された素材もしくは行為を除去しもしくはアクセスを解除するにあたってまたは除去された素材もしくはアクセスを復活させるにあたってかかる不実の表示に依拠した結果、かかる不実の表示により被害を受けた侵害者と主張された者、著作権者もしくはその許諾を受けたライセンシーまたはサービス・プロバイダが被ったすべての損害(費用および弁護士報酬を含む)を賠償する責任を負う。

公益社団法人著作権情報センターから引用

GoogleのDMCAへの削除申請の現実

著作権は保護されるべきものであるため、デジタルコンテンツの著作権を保護するDMCAは意義があるといえます。

しかし、DMCAの性質を悪用し、虚偽申告によって善意の権利者を攻撃する被害が多発しています。Googleの透明性レポートでは、2020年8月時点での著作権侵害に関する申請については次のとおりです。

  • 削除申請されたURL:4,731,889,018
  • 指定されたドメイン:2,967,973
  • 著作権者:218,730
  • 申立団体:212,640

このように、非常に膨大な著作権侵害に関する申請が行われており、申請されたURLの約98%以上が削除されているそうです。これらがすべて正当な主張であれば、著作権者が保護される状態であるため理想的です。

しかし、DMCAの悪用により善意の著作権者が被害に遭っています。DMCAの悪用を防ぐためにも、正当でないコンテンツの削除には、異議申し立てを行うようにしましょう。

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