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就活で重要度の増すインターンシップ - その理由と実情、打開するための事例

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新卒学生の就活早期化が懸念されるなか、内定を視野に入れたインターンシップのあり方が注目されています。売り手市場である採用の現場で、インターンシップが重視される企業のやむない実情とは。その状況を打開するための採用事例の紹介とともに解説します。

2019年卒の就活はすでに半分終わっている?

ほとんどの大学生が3年時から開始するといわれている就職活動、いわゆる就活ですが、2018年卒の実績で見ると、2017年8月頃には就職を希望する学生の80%以上が内定を勝ち取り、現在は2018年4月の正式入社を待つのみという段階になっています。

日本独特の慣習ともいえる、こうした「新卒一括採用」は、採用活動の足並みを揃えるため、各企業が守るべきスケジュールなどを経団連が「指標」として定めています。この春に大学4年生になる2019年新卒生にとって、すでにそのプロセスの半分は過ぎ去っているといえるでしょう。

自己分析・業界研究

就活を行うにあたって、自身がどのような道を選択して、どのような職業を選択すべきなのか、自己分析を行うことで明らかにしていく必要があります。

就職自体を目的にするのではなく、その先にある人生の目標を実現するための職選び、という考え方が理想ですが、それを裏付けるための業界研究も欠かせません。

多くの場合では、就職サイトのツールを活用したり就職ノートを作成することが行われ、OB・OG訪問などでの情報収集も並行して行われます。

インターンシップ

大学3年生時の夏・冬をめどに実施されるインターンシップでは、2018年まで実施条件に盛り込まれていた「5日間以上の開催」が削除され、1日だけでも実施可能となりました。

また、学生への教育効果を最大化するため、インターンシップ受入れ後に「学生へのフィードバックを行う」ことが強く推奨されるとともに、前年同様、実施条件に以下が加えられています。

  • 採用や選考活動と無関係であることを明示する
  • 可能な限り実施プログラムを公開する
  • インターンシップで取得した個人情報を採用活動に流用しない
  • 対象者を就活生に限定しない

これらが意味することは「就活生を早期囲い込みするためにインターンシップを活用してはならない」ということであり、あくまでも「学生が就業体験を行う場として機能する」ことが求められているといえます。

職種・企業研究

自己分析・業界研究を行いつつ、インターンシップを体験することにより、自身が目指すべき職種が絞られてくることになります。これによって、就職を目指すべき企業も絞られてくるようになり、具体的な情報収集や研究を進めていくことになります。

エントリー・企業説明会

2019年卒就活スケジュールでは、3月1日に採用広報活動が解禁されるため、ここで正式に採用概要が公表され、企業説明会などが開催されることになります。

学生側ではそれ受けて希望の企業へのエントリーを行い、企業説明会への参加をすることになりますが、企業側では6月1日解禁となる選考までの3か月間で、自社の魅力をアピールしていく必要があります。

これ以前に、企業が行うことが可能な広報活動は、以下に限定されています。

  • 自社Webサイトでの「文字」「写真」「動画」を使用した情報発信
  • 冊子などの文字情報によるPR
  • 対象は不特定多数に限定

ES・試験・面接・内定

エントリー開始、企業説明会を受け、就職希望企業を絞り込んだ学生はES(エントリーシート)を提出、6月1日以降の「試験」「面接」という選考活動を経て、内定勝ち取りにいたる、という流れとなります。

近年の就活の傾向とは

少子高齢化の進行を背景とした、労働人口減少傾向から、近年の新卒採用は売り手市場であるという報道が盛んになされていますが、こうした状況を反映し、一連の新卒一括採用プロセスでも、ある一定の傾向が見られるようになっています。

早まる就活開始時期

優秀な新卒者の確保が難しくなっている現状から、早い段階から候補者を囲い込みにかかる傾向が加速しており、結果的に、就活開始時期が全体的に早まっています。

これは、年々インターンシップ制度を採用する企業が増加していることに見て取れ、その内容も「学生が就業体験を行う場として機能する」という、本来の目的から逸脱しつつあります。

二極化する就活生

これを反映するように「複数の企業から内定を得ている」学生と「内定がひとつも得られない」学生へと、二極化が進行しています。

複数企業の内定を得ている学生は、就活を早期に始動しているケースが多く、インターンシップにも積極的に参加している一方で、「売り手市場」という言葉に惑わされて始動が遅れた学生は、内定が得られていないという状況になっているのです。

もうひとつの理由として、学生が就職を希望する企業の人気が二極化していることも挙げられ、企業間・職種間での格差拡大が深刻になっています。

就職売り手市場の実態について気になる方は以下の記事を参考にご覧ください。

就職売り手市場でも採用難、優秀な人材を獲得する採用管理の仕組みとは?
新卒就活生の売り手市場が注目されていますが、その実態は就活生にとっても企業にとっても厳しいものでした。売り手優位の...
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重要度の増すインターンシップ

このような就活傾向のポイントとなるのが、インターンシップの存在です。

上述したように、インターンシップを採用活動に組み込んでいる企業は増加傾向にあり、2018年には50%を超える企業が実施するにまでなっています。

建前としては、こうしたインターンシップでの活動を新卒採用に結びつけることは禁止されていますが、現実には早期囲い込みに活用している企業が多いといえるでしょう。この意味でも、就活生、企業双方にとって、インターンシップの重要性はますます増してきているといえます。

企業側の新卒採用実情

こうした新卒就活に関する実情は、もはや公然の秘密となっており、就活生を送り出す側の大学でも大きな問題として把握しています。

特に、現状のインターンシップに関しては、6割の大学が反対の姿勢を表明しており、就活の早期化による学業への影響、地域格差による不公平感などが懸念されているのです。

なぜ新卒一括採用なのか

記事の冒頭でも触れたように、新卒一括採用という慣習は、ほぼ日本独特のものだといえるものですが、なぜ長期間に渡ってこの慣習が定着しているのでしょうか。

それぞれの企業が独自の採用活動を行えば、新卒採用におけるさまざまな問題も起こらないようにも思えますが、そうならないのにはいくつかの理由が考えられます。

  • 可能性のある若者を育てるという意識が強い
  • 人材の流動性を考慮していない
  • 就活プロセスに乗って母数を増やしたい
  • 採用活動を限定することでコストを削減したい

このほかにも、さまざまな理由が考えられますが、これらの理由を元に新卒一括採用を進める過程で、売り手市場の現状が加わり「就活の早期化」「勝ち負けの二極化」が、就活生、企業の双方で起こっているといえるのではないでしょうか。

新卒就活生を確保する手法

このように、混沌としているともいえる就活生採用ですが、それでも優秀で若い労働力を確保していく必要がなくなるわけではありません。

状況を打破するため、新たな取り組みを行う企業も現れていますが、それを含め、現在多くの就活生が活用すると思われる手法を紹介しましましょう。

就職サイト

まずは就活生のほとんどが登録するという、マイナビ、リクナビなどの就職サイトです。

企業が採用情報を掲載し、登録した学生が志望する企業にエントリー、という形でマッチングを行うのが基本となり、企業説明会などのイベントも活発に行っています。

掲載費用は150万円〜というのが相場のようですが、インターネットを活用した就職活動が当然である現在、ほとんどの学生に見てもらえる可能性が大きいというメリットがある反面、サイトへの掲載企業数が多いため、自社が注目される確率は低くなります。

ダイレクトリクルーティング

通常の就職サイトと異なり、企業側から学生にアプローチを行うのがダイレクトリクルーティングです。

さまざまなサービスが存在するため一概にはいえませんが、ダイレクトリクルーティングサービスに登録された学生に対して、企業がスカウトメールを送り、マッチングをしながらコンタクトを行うという流れになっています。

企業が学生の情報を確認してアプローチすることが可能なため、自社のニーズに合致した人材にリーチしやすいメリットがありますが、その分、採用担当者にかかる負担は重く、デメリットにもなりえます。

以下の記事では、ダイレクトリクルーティングについてより詳しく解説しています。

ダイレクトリクルーティングとは?ツール比較 - 新卒・中途採用向け転職サービス
ダイレクトリクルーティングとは、企業が人材に直接アプローチする採用手法をさします。ダイレクトリクルーティングの概要...
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模索される新たな手法

こうしたベーシックな採用手法のほかにも、FacebookやTwitterなど、SNSを利用した人材募集を行うなどが模索されてきています。

普段からSNSを利用している大学生など、若年層がターゲットの新卒採用に有効な手法であり、コストがかからない点もメリットですが、どのように活用していくかが課題だといえるでしょう。

イノベーションに必要とされるものとは

日本の就活では、面接時に重視されるのがコミュニケーション能力であり、次いで、主体性やチャレンジ精神、協調性などを見られる傾向にあります。これが意味するところは「基本的な人間性」「将来性」が重要視されているということであり、即戦力となる実績は期待されていないことになります。

こうした事実は、年功序列の給与体系や待遇をもたらし、成果主義が導入しにくいという、日本の労働市場を生み出しているとはいえないでしょうか。

すべての企業が、市場のグローバル化に対応していかざるを得ない状況のなかで、日本企業から真のイノベーションが生まれない理由がここにあるようにも思えます。

このような状況を打破するためには、企業を形成する根本となる、人材採用を見直していくことがポイントとなってくるのではないでしょうか。

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