ストラテジッド、事業者向けiPaaS「Master Hub」リリース - SaaSをもっと使いたおすための武器に
画像出典:ストラテジッドホームページ
iPaaSでデータを一元管理し、SaaSを最大限に活用
スマートキャンプが発行するSaaS業界レポート2019によれば、SaaS市場は年々成長を続け、23年には約8,200億円まで拡大する見通しである。また1社あたりのSaaS利用数も増加している。
利用数増加に伴い、新たな課題として浮上してきたのが「データの分散化」だ。たとえばMA(Marketing Automation)とCRM(Customer Relationship Management)を導入していても、各々のサービスで顧客情報を管理しているため、情報共有にタイムラグや齟齬が生じてしまう。たとえば1社あたり数十のSaaSを導入している企業であれば、業務プロセスにおいてかなりの無駄が発生している可能性があるのだ。
そこで近年注目されているのがiPaaS。クラウド上で企業のデータ統合を構築・展開するためのプラットフォームで、各SaaSサービスに点在するデータを連携し、業務プロセスの最適化やコスト削減が期待できる。
矢野経済研究所が19年4月に発表した調査リリースによれば、クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)市場規模は2020年に5,400億円、2022年には8,400億円まで拡大する見込みだという。
グローバルのキープレイヤーとしてはInformatica、Dell Boomi、Snaplogic、Oracleなどがあげられるが、国産iPaaSも出てきている。
Master Hubで「品質は2倍、コストと期間は半分」を目指す
SaaSの導入・開発を行うストラテジットは2月、SaaS業者向けのiPaaS「Master Hub(マスターハブ)」のリリースを発表した。
同社によれば、ユーザー企業からSaaS事業者へシステム連携の要望は多いものの、エンジニアやリソース不足により専任担当者をおくことも難しい。また、日本のSaaSはAPIを公開しておらず、連携ツールのコストが高いという問題もあると指摘する。
そこでMaster Hubは、高品質なシステム連携を短時間で実装を可能にするための機能を搭載している。
他のSaaSと連携するためのマスターデータの正規化(社員情報、取引先、勘定科目など)
バリデーションチェック(妥当性の確認)
エラー監視
利用状況のレポート
チャットツールとの連携、帳票出力などの多様なライブラリ
自社のプロダクトにAPIが無くても利用可能
同社はfreee、Cybozu、NetSuite、Hub Spot、Trello、Slackなどと連携実績があり、一般的な受託開発に比べ、半分以下のコストで運用可能だという。
国産iPaaSとしては、クラウドネイティブ型の「Anyflow (エニーフロー)」、財務会計領域エンタープライズ向け「ActRecipe(アクトレシピ)」などが今年にかけて続々と登場している。今後さらに、SaaS事業者の熱い視線が注がれることになるだろう。