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経産省DX担当課長補佐が熱く語る 企業経営者に伝えたいDX銘柄の真の狙い/後編

最終更新日:(記事の情報は現在から955日前のものです)
経済産業省でDX推進を担う情報技術利用促進課(ITイノベーション課)奥村課長補佐のインタビュー後編です。DX銘柄の選定基準や狙い、「DXグランプリ2021」に輝いた日立製作所とSREホールディングスの先進性について聞きました。

【インタビュー】
奥村滉太郎さん 経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課(ITイノベーション課)課長補佐

グランプリ受賞企業から見えるDXの本質

―「DXグランプリ2021」には日立製作所とSREホールディングスが選出されました。何が評価されたとお考えですか

日立製作所は全社を挙げてDXに積極的に取り組んでいます。もし、同社がDXグランプリを受賞したことに驚かれた方がいらしたら、同社に家電のイメージしか持っていなかったのかもしれません(笑)。

実際にはITベンダーとしての収益も大きいですし、手掛けているさまざまな事業を通じて得られた知見を活かし、ITベンダーとしても新しいビジョンを提示し、その実現に向かって活動されている点が評価されたのではないかと見ています。

老舗の大企業と新しい会社

一方のSREホールディングスは、ソニーのグループ会社としては新しい企業です。最初はソニーグループの不動産会社、ソニー不動産として誕生しました。デジタル技術を活用し、改善の余地の大きい不動産業界の課題を解決して活性化しようと、まずは自社用のテックツールを開発されました。

その出来栄えが素晴らしいということで、既存の不動産会社に対して外販を始め、その後は銀行や証券等の金融業界に対しても販売を拡大しました。その結果、テックツールの外販が不動産事業よりも多くの利益を上げるなど事業の変革を繰り返し、輝かしい成果が出ています。

グランプリの選評をみるところ、日立製作所のような王道のイメージに比べて、変化が速い会社である点が評価された気がします。

DXとは経営の問題だ

この2社が並んでいるのがとても面白いです。共通点は、経営層が明確なビジョンと戦略を持ちながらDXにコミットし、意思決定していることです。歴史の長い企業と、大手のグループ企業とはいえ、設立から間もない新しい会社という両極端の2社がグランプリとして並び、DXとは結局、経営の問題であるということを改めて痛感しました。

現場だけが汗をかくのではなく、経営としても「どんどん変わって行こう」ということを果断に繰り返し、全社としての取組みを継続している点が2社の共通点だと思います。

デジタル技術を活用して変革を続けることで、市場の変化に対応しながら顧客に新たな価値を提供し続けていくのがDXの本質だと考えています。そういう意味でも、この2社の取組は素晴らしいものだと言えます。

アサヒホールディングスのDX人材育成

―グランプリ以外で、特に印象に残った企業や取組みは

個人的に良いと思ったのは、アサヒホールディングスです。色々な取組をしています。まずは社内の人材育成です。

自社で定めた経営ビジョンに基づき、必要な人材とそのスキルを定義し、社内で募集して育成もしっかりと行っています。「これは良いな」と思いました。もちろん、短期的には外部の優秀な人材を連れて来てプロジェクトを進めるというのも有効ですが、長い目で見た際に、企業として継続的な変革を続けるために必要な人材の確保をどのように進めるか、という視点を持つことも重要なのだと思います。

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