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「社員を監視することは絶対にするな、信じろ」、先代の教えを守り進化させた4代目の話

最終更新日:(記事の情報は現在から718日前のものです)
大阪府八尾市の木村石鹸工業株式会社。受託製造を中心に事業を展開してきましたが、4代目である木村祥一郎氏の社長就任後は自社ブランドの開発に力を入れて、事業を伸ばしてきました。なぜ躍進を果たせたのか。先代から「社員を信じろ」と言われて会社を継いだなかで信頼関係を前提に、「自己申告型給与制度」というユニークな給与制度を導入して、会社もメンバーも未来を考えられる環境を作ってきたからこその現在があります。木村氏にこれまでの経営と、社員を信じることについて聞きました。

【インタビュー】
木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長 木村 祥一郎氏
1995年、大学時代の仲間数名とIT企業を立ち上げる。以来18年間、商品開発やマーケティングなどを担当。2013年6月に同社の取締役を退任し、家業である木村石鹸工業株式会社へ。2016年9月、4代目社長に就任。自社ブランドの開発に取り組み、オリジナルブランド石鹸「SOMALI(そまり)」を筆頭に、次々と製品を世に送り出している。社員数約50名。

事業承継に二度失敗した家業を継ぐ

大阪府八尾市の木村石鹸工業株式会社は、大正13年創業の老舗石鹸メーカーです。これまで主には生協向けのOEM生産(受託製造)と業務用石鹸の製造を主軸とし、現在ではオリジナルブランド石鹸「SOMALI(そまり)」などの自社ブランド製品も手掛けています。

私自身は家業に戻ったのは2013年のこと。それまで私は大学時代の仲間とIT企業を立ち上げて経営をしていました。私が継ぐ以前に木村石鹸は事業承継に二度失敗しています。一度目は現場の職長に任せたものの、先代の父と折り合いが合わず……。2度目は私が紹介した人に経営を任せたのですが上手く行かなかったのです。

当時の木村石鹸はOEM生産が中心でOEM売上の9割が取引先2社に集中していました。デフレ基調もあり、商品価格は据え置きのまま原価は上がり、利益率がどんどん下がっている状態だったのです。そんな折に私は社長に就任。木村石鹸は長年OEMを手掛け、安心安全な素材を用いて作ることは長けていましたから、「多品種少量生産の強み」を活かした自社直販ブランドを立ち上げました。

木村石鹸では今も手作業で職人が釜炊きで石鹸を作る

継いだ当初の売上規模は7.5億円。現在、売上は15億円にまで成長しました。今や自社ブランドの比率は全体の40%弱へ。ただ、OEMも40%、業務用分野も20%あり、実はどちらも売上は当時より伸びてます。自社ブランド製品を行うとOEMの売上が下がると思っていたのですが、そちらも増えて相乗効果があったからです。

事業承継時に先代から言われた「社員を信じろ」

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