1社あたりのSaaS利用数「11個以上」が前年比+5% -「SaaSに利用に関する調査」2024年版
SaaS比較サイト「BOXIL SaaS(ボクシル サース)」を運営するスマートキャンプ株式会社(以下、スマートキャンプ)は、SaaSを利用している全国のビジネスパーソン1,500名を対象に、「SaaS利用に関する調査」の2024年版を実施した。
調査期間:2024年7月18日~7月23日
調査結果サマリ
- 1社あたりのSaaS利用数は「10個以下」が約70%を占める
- 「11個以上」のSaaSを利用している企業の割合が前年比5ポイント増加
- 企業規模が大きいほど多数のSaaSを利用する傾向にある
- 全体の4分の3がSaaS導入に効果を感じており、「業務効率化」がもっとも多い
- 2023年は中堅企業でSaaS導入が進んだか
調査結果
本調査では、全国のビジネスパーソン(会社員・会社役員)10,436名へWeb上でアンケート調査を実施した。回答者のうち、「SaaS・クラウドサービスを利用している」を選択した1,500名へ追加質問を行い、回答を得ている。
本調査結果は『SaaS業界レポート2024』(2024年10月発刊)でも紹介している。
SaaSの利用数
SaaSの導入率を地域別にまとめた。全国平均は31.3%で、関東、近畿のみ30%を超え、もっとも多い関東は43.3%だった。
全社で利用しているSaaSの個数について、所属企業の従業員数ごとに集計したところ、小規模企業ほど利用しているSaaS数が少なく、規模が多くなるほどSaaS利用数も増える傾向にあることがわかる。
全体では、10個以下(「1〜5個」「6〜10個」の合計)が69.4%、11個以上(「11〜20個」「21〜30個」「31〜50個」「51個以上」の合計)が30.7%だった。前年調査と比べると、10個以下が約5ポイント減少した分11個以上が増加しており、1企業あたりのSaaS利用数が増加したことを示唆している。
2023年に新たに導入したSaaSの個数について尋ねると、全体の39.8%が1個以上導入していた。所属企業の従業員数ごとに集計したところ、唯一「301〜1,000名」でSaaSの新規導入が半数を超えた。中堅企業※に相当する企業が多く含まれる。
所属部署の業務で利用しているSaaSの個数については、「商品企画・マーケティング」「人事」で比較的多い一方、「法務・特許・関連事務」では70%近くが「1〜5個」と回答している。ただし「51個以上」が他部署より多く、全社で多くのSaaSが導入されている、比較的規模の大きい企業に勤めている方が多く含まれると推察している。
※中堅企業について:慣例的に中小企業と大企業の中間に位置する企業を指す言葉として使われてきたが、令和6年度税制改正において、従業員数2,000人以下の会社・個人(ただし中小企業をのぞく)を「中堅企業者」とする区分が新設された
SaaS導入の効果
SaaS導入による効果について尋ねると、「業務効率化、生産性向上」が全部署でもっとも多かった。部署によって差があった項目は「データに基づく意思決定」で、「人事」「経営・経営管理」では約30%が選択している一方、「法務・特許・関連事務」では約8%と、20ポイント以上の差が開いた。
生成AI搭載SaaSへの期待
SaaSにも生成AIを組み込んで提供する動きが本格化しており、米大手を中心に実装が進んでいる。そうした生成AI搭載SaaSを念頭に置き、期待効果を尋ねたところ、「業務効率化、生産性向上」(40.9%)、「コスト削減」(22.4%)、「技術的ハードルの低下」(15.1%)、「売上増加」(7.2%)の順に多かった。
<調査概要>
主体:スマートキャンプ株式会社
調査名:「SaaS利用に関する調査」
実施期間:2024年7月18日〜7月23日
調査方法: Webアンケート
サンプル数:本調査1,500ss、スクリーニング前10,436ss
調査委託先:株式会社アスマーク
※各割付の不足分は、同じ部署の違う地域から補填