仮想化とは?さまざまな仮想化と概要、クラウドとの違いなど
仮想化とは
まず仮想化を簡単に言うと、「物理的な環境にとらわれずリソースを論理的に分割・統合する」ことです。
これだけではわかりにくいため、具体例を挙げて説明します。
一台のハードウェアがあると仮定した場合、そこにインストールできるアプリケーションは一つだけとします。
実際には複数のアプリケーションをインストールできる場合もありますが、システムの安定性を確保するためには、一つのアプリケーションのみのインストールが推奨されています。
このように「一台のハードウェアに一つのアプリケーション」ではシステムの安定性を確保できても、リソース(CPUやメモリ)に余剰が出ている状態です。
つまり、ハードウェアの性能を十分に活用できていないことになります。
そこで仮想化技術を用いると、一台のハードウェアリソースを論理的に分割することが可能。
これにより一台のハードウェア上で複数のハードウェアが稼働しているように見せかけることが出来ます。
しかも、見かけ上だけでなく、それぞれが独立したハードウェアとして動作しています。
従って、それぞれにアプリケーションをインストールすることで安定性を保ったままハードウェアの性能を100%引き出すことが出来るのです。
これが「物理的な環境にとらわれず、リソースを論理的に分割・統合する」ということです。
しかし上記はあくまでも一例に過ぎませんので、次に仮想化の種類について紹介します。
1-2.仮想化の種類
以下に、代表的な仮想化を紹介します。
サーバ仮想化
先ほどの例がまさにサーバ仮想化です。物理サーバのリソースを論理的に分割することで、まるで複数のサーバが稼働しているように見せかけることができます。
サーバ仮想化には、サーバ台数の削減、省スペース化、管理業務の負担軽減、システムの一元管理、それによるコスト削減といったメリットがあります。
しかし、耐障害性対策の強化や管理技術などの課題もあるので注意が必要です。
ストレージ仮想化
ストレージ仮想化とは、リソースを分割するサーバ仮想化とは異なり、リソースを統合するための技術です。
複数台のストレージサーバを一つのものに統合し、巨大なストレージプールを仮想的に作り上げます。
ストレージ仮想化によって、ストレージリソースの有効活用や一元管理などのメリットがあります。
デスクトップ仮想化
デスクトップ仮想化とは、サーバ仮想化により作り出された複数の仮想マシン上に、PCを動作させるために必要な環境(OSやその他のアプリケーション)を集約する技術です。
つまり手元にあるPCに必要な機能は画面出力とキーボード、そしてマウスのみとなります。
デスクトップ仮想化では、同一ネットワークに接続していれば、どこからでも同じデスクトップ環境を利用できるため、多様化するワークスタイルへの対応や災害時の事業継続でメリットがあります。
ドライブ仮想化
ドライブ仮想化とは、PCに内蔵されているCD/DVD/BDドライブを仮想的に作り出す技術で、主に個人の利用者に広く使われています。
ドライブを搭載していないPCでもディスクデータを読み取ることができるほか、ディスクデータをイメージファイルとして保存することで、ディスクの入れ替えが不要になります。
2.クラウドとの違い
そもそもクラウドとは、「IaaS」「PaaS」「SaaS」などからなるサービスの総称であり、仮想化とは「技術」と「サービス」という大きな違いがあります。
ちなみに「IaaS」はサーバのCPUやメモリといったリソースを、「PaaS」は前者を含めた総合的なシステム動作環境を、そして「SaaS」は様々なアプリケーションをインターネット経由で提供します。
この「インターネット経由で提供する」という点がまさにクラウドであり、実体のないインターネット上の世界を「Cloud(雲)」という言葉で表現しています。
しかし仮想化とクラウドには深い関わりがあります。
それは、「クラウドは仮想化技術によって支えられている」という点です。
例えばDropboxを始めとしたオンラインストレージサービスは、仮想化技術により膨大な量のストレージを提供可能にし、さらにインターネット経由でサービスを展開しています。
このようにほとんどのクラウドサービスは仮想化技術によって支えられているのです。
まとめ
仮想化や混同しやすいクラウドとの違いについてまとめましたが、どんなビジネスパーソンでも、これらの知識が必要になる場面は必ず訪れるでしょう。
もしかすると、上司から「仮想化って何?」や「仮想化を導入することについてどう思う?」と尋ねられて、答えに困った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
そのような状況が今後必ず起きるとは限りませんが、ビジネスパーソンとして知っておきたい知識であることに変わりはありません。
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