人事評価シートとは?無料Excelテンプレート - 書き方と注意点
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※出典2:One人事「One人事シリーズ含む累計」(2024年12月23日閲覧)
※出典3:スマートキャンプ「BOXIL SaaS AWARD Winter 2024」(2024年12月23日閲覧)
人事評価シートとは
人事評価シートとは、人事評価を実施するにあたって、目標や自己評価、評価者による評価を記入するシートのことです。企業によっては、人事考課シート、人事考課表とも呼ばれています。
人事評価シートを活用することで評価項目や評価基準を明確化でき、適切な人材マネジメントにつながります。人事労務管理を行う人事担当者はもちろんのこと、管理職の方もしっかりとその必要性を知っておきましょう。
人事考課と人事評価の違い、人事考課制度について詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
人事評価シートの目的
人事評価シートを作成する目的や意味について解説します。人事評価シートの主な目的は次のとおりです。
- 公平な人事評価のため
- 人材育成のため
- 企業理念やビジョンの浸透
公平な人事評価のため
人事評価シートの明確な評価基準をもとに人事評価を行うことで、評価の公平性と透明性が保たれます。従業員の昇進や昇給といった人事考課に対する不満や不信感が解消され、納得感のある人事評価制度が運用できます。
公平な人事評価は、従業員のエンゲージメントを高め、離職率の低下につながることが期待できます。
人事評価制度についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。
人材育成のため
人事評価シートによって、従業員はみずから立てた目標に対して自律的に取り組むように促されます。
目標達成のためにどの課題を優先的に解決すべきかという問題解決能力や、目標達成プロセスへのセルフマネジメントする能力が育まれ、自律的な人材の育成へとつながっていきます。
リーダーや上司は、評価結果のフィードバックのほか、1on1ミーティングやコーチングを通して部下をサポートすることで、従業員のモチベーション向上や成長が期待できるでしょう。
また、人事評価シートを通じて、従業員が必要とするトレーニングや研修、スキルアップの機会を提供できるようになります。個人の能力開発を支援することで、組織全体のスキルレベルの向上につながるでしょう。
人材育成についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。
企業理念やビジョンの浸透
人事評価シートで、企業理念やビジョンを定期的に共有することで、従業員が組織が大切にする価値観や行動指針にもとづいて行動しているかを評価・確認します。
従業員は人事評価を通して、企業の社会的存在意義であるミッションやパーパスへの理解を深め、組織やチームが一丸となって目標に向かって進んで行くようになるでしょう。
また、正しい行動指針により組織文化にコンプライアンスが根付いていき、企業価値が高まっていくことも期待できます。
人事評価シートの評価基準
人事評価シートの評価基準は、企業が従業員に期待することを明確にしたものです。人事シートの評価基準は、大きく「業績評価」「能力評価」「情意評価」の3種類に分けられます。評価基準の中のより具体的な評価項目の例も挙げます。
業績評価(成績評価)
業績評価とは、課せられた目標を達成できたかどうか評価するもので、成績評価とも呼ばれます。
「業務目標達成度」の数値目標の達成度や、「課題目標達成度」をもとに評価します。
業績目標達成度は、営業担当者を例に挙げると、売上目標○○○万円に対して何パーセント達成したといった評価です。
課題目標達成度は、課題とした売上増に向けたECサイトのコンバージョン率が何パーセント改善したかといった評価です。
評価項目
- 目標達成
- 正確性
- 迅速性
- 仕事の質
- 創意工夫
能力評価
能力評価とは、自身がもっている能力をどのように発揮したか、新たな能力を開発できたかなどを評価します。能力評価におけるポイントは、能力を有しているかどうかではなく、能力を業務へ生かせているかが重視される点です。
業績に貢献するための資格やスキルの取得も、能力評価に含まれます。
評価項目
- 理解力
- 知識・技能
- 企画力
- 統率力
- 判断力
- 対応カ
- 表現力
情意評価
情意評価とは、従業員のエンゲージメントや仕事への姿勢を評価します。周囲と協力して業務に取り組んでいるかという「協調性」や、課題を見つけて行動を起こす「積極性」、目標やトラブルに対する「責任性」などが評価の対象となります。
評価項目
- 規律性
- 協調性
- 積極性
- 責任性
人事評価シートの書き方
人事評価シートは、人事考課表あるいは評価表とも呼ばれ、期末になると従業員が自己評価をするために配られます。賞与にも関係してくる書類なので、人事考課の点数が上がるように次のポイントを意識して記載するとよいでしょう。
- 達成度
- 来期の目標
- 職場の活性化のために行ったこと
- 自己啓発
達成度
目標に対してどれだけの成果を達成できたのかを記入する項目です。
数値目標の場合は、目標値と達成値を明確に記載し、達成率を算出して記入します。
定性的な目標の場合は、具体的な成果や事例を挙げ、目標との関連性を説明します。客観的な指標を用いると、より説得力が増すでしょう。
また、目標達成に貢献した自身の行動や取り組みも、具体的に記述するとよいでしょう。
目標を達成できたのであれば、具体的に達成したプロセスから結果まで書いておくとアピールにつながります。達成できなかった場合は反省点と改善点、そのときに自分がとった行動などを記入します。
人事担当者は多くのシートに目を通さなくてはならないので、箇条書きで書くとわかりやすくなります。
来期の目標
次の期に挑戦してみたい、もしくは達成したい目標を記入する項目です。できるだけ具体的に数値化すればわかりやすくなります。
また、立てた目標に対し、どのように実行していくのか、行動や課題、対策などを具体的に書いていきます。予想される市場や環境の変化も考えて書くと、より具体性が増すので効果的です。
職場の活性化のために行ったこと
この項目は書いていない従業員も多いようですが、職場の活性化は企業にとっては非常に大切なことです。人事評価シートでも重要なポイントとなるので、必ず書きましょう。
書く内容としては、後輩の指導やチームワークへの貢献、職場や仕事上で改善してほしいことを上司に相談したことなど、具体的に職場が明るく活性化し、働きやすい職場になるよう貢献したことを記入します。
自己啓発
ほとんどの人事評価シートの最後に出てくる項目に、自己啓発があります。要は、自分を高めるために進んで勉強したことです。自己啓発の項目は自己アピールしやすい項目なのでできるだけ書くようにしましょう。
スキルを上げるために資格の取得に励んでいる、知識を増やすために参考書籍を読んでいるなど、会社に貢献できるように自分を高める努力をしていることがあれば記入しましょう。
こちらの記事では、人事評価シートのコメント例文を、営業職、事務職、公務員、保育士、看護師・介護士の職種別に紹介しています。コメントの書き方、ポイント、注意点をぜひ参考にしてください。
人事評価シートを書くときの注意点
人事評価シートを作成する際は次のポイントに注意しましょう。
- 第三者の目線から見る
- 評価の期間を必ず確認する
- 人事評価シートの意味を理解しておく
それぞれの注意点について説明します。
第三者の目線から見る
評価のための成果は大きいほうがよいと考えて、できてもいない業績を書いたり、小さな業績を大きく盛ったりすることはやめましょう。その逆の過小評価もよくありません。
人事評価シートに記載する時期にあてはまる行動や成果を、第三者の目線で振り返って客観的に書くことが大切です。
評価の期間を必ず確認する
人事評価シートには必ず期間が書かれています。
〇年度上期、〇年度下期、〇年度のように書かれているので、この期間の行動や実績を振り返って書いていきます。
人事評価シートの意味を理解しておく
人事評価シートは人事考課表とも呼ばれ、このシートから従業員の努力や内容を見て昇給や進級、昇格、昇進などの査定が行われます。
また、賞与査定にも使われるので、それぞれの地域や部署によって賞与が変わる場合は、この人事評価シートが大きな役割を果たしています。
人事評価シートから頑張った人のランクを付け、会社が挙げた利益の分配方法が変わるので、とても重要な書類であることを覚えておきましょう。
人事評価シートの自己評価の例文
自己評価コメントは、具体的な成果や改善点、今後の目標を書くことが大切です。
人事評価シートの自己評価の例文を、営業職、事務職、技術職(製造業)、公務員、保育士、看護師・介護士の職種別に紹介します。これらの例文は、あくまで一例として評価シートの書き方の参考にしてください。
- 営業職の自己評価例文
- 事務職の自己評価例文
- 技術職(製造業)の自己評価例文
- 公務員の自己評価例文
- 保育士の自己評価例文
- 看護師・介護士
営業職の自己評価例文
来期は営業スキルのさらなる向上のために、時間管理と効率的なルート計画について改善したい。
営業職は、他の職種に比べて成績を具体的な数字として出しやすい職種なので、目標達成度を数字として示し、評価する点と改善したい点を自己評価しましょう。
事務職の自己評価例文
今後はさらにITスキルを磨き、より高度な分析業務にも対応できるよう努力したい。
事務職は、いかにミスをなくし業務の効率化を行ったかが評価のポイントになります。改善すべき課題を明確にし、目標を定量化しておくと自己評価がやりやすくなるでしょう。
技術職(製造業)の自己評価例文
来期は、持続可能な製造方法への知見を深め、環境に配慮した生産活動を推進したい。
技術職(製造業)の自己評価は、課題に対していかに技術貢献ができたかという点です。品質向上や製造工程の効率化など、具体的に数字を挙げて成果をあげたことをアピールしましょう。
公務員の自己評価例文
今後は、行政サービスのデジタル化を推進し、よりアクセスしやすい行政を目指したい。
公務員は業務分野が広いため、数値化しにくい業務の場合は、作業効率の改善など具体的な取り組みを書きましょう。数字で評価できる部分は評価しつつ、小さなことでも成果を積極的に自己評価しましょう。
保育士の自己評価例文
今後は、保育の専門性をさらに高めるために、最新の教育理論について学びたい。
保育士は、数値で評価しづらい仕事のため、事故を防ぐための安全対策や保護者への対応方法など、日々改善に取り組んだ内容を拾って自己評価しましょう。
看護師・介護士の自己評価例文
今後は、専門的な知識や技術をさらに磨き、より質の高い介護サービスの提供に努めたい。
看護師や介護士は、突発的な事態が発生することも多く、場合によっては人命に関わることもあります。成果を数値化するのは難しいものの、ミスなく日常業務に努める姿勢や、改善のために具体的に工夫した点などをポジティブに自己評価するとよいでしょう。
人事評価シートの作成方法
Excel
Excelはほとんどの企業が導入している表計算ソフトなので、人事評価シートを作りやすいのではないでしょうか。ただ、ゼロからフォーマットを作るのは大変なので、既存のテンプレートをうまく活用するのがおすすめです。
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クラウド型人事評価システム
人事評価システムは、人事評価シートの作成・配布・回収・集計・分析に役立つシステムです。さまざまな評価プログラムが搭載されているので、客観的かつ多角的に人事評価が行えます。
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