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VR(仮想現実)とは?AR・MRとの違い - 注目の利用分野・サービス紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から1584日前のものです)
VR(バーチャルリアリティ)とは仮想現実のことであり、現実とは異なる空間をあたかも現実のように感じる環境を作り出すシステムです。2016年頃からサービスが急増したVRの特徴や利用方法、活用事例について紹介し、VRと混同しがちなAR・MRとの違いも説明します。

VRとは

VR(Virtual Reality)とは、現実とは異なる空間をあたかも現実のように感じる環境を作り出すシステムのことです。VRは仮想現実と訳され、表面的には現実ではないものの、本質的には現実と同じような空間を作り出すシステムです。

VRの特徴

VRにはいくつもの特徴があります。今まではなかった技術であるため、どのような効果があるのかわからない方は多いのではないでしょうか。

VRの歴史やできること、メリット・デメリットを理解することで、さらに興味が深まるかもしれません。

VRの歴史

年代 出来事
1930年代 VRの前身技術が登場
1960年代 HMDが作られる
1970年代 Aspen Movie Map(ストリートビューの前身)
1989年 初めてVR機器が商用化
1990年代 VRブーム
2007年 Googleマップにストリートビューが実装される
2012年 Oculus Rift(VRゴーグル)が登場
2016年 VR元年

2016年は「VR元年」と呼ばれ、VR商品が多く開発され、安い価格で発売されていました。VRを体験するにはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)が必要な場合が多く、1,000円~10万円程度で購入可能です。

VRの起源は、1930年代にリンク氏によって開発された飛行機シミュレーターと言われており、1960年代になると、HMDも初めて開発されました。今のVRよりも性能は劣りますが、両眼立体視は可能だったようです。

そして1989年に、VR機器が初めて商用化され、1990年代にはVRのゲームが盛んに作られはじめました。2000年代に入り、Googleマップのストリートビューや安価なHMDによって、VRが身近に感じるようになりました。

VRでできること

VRゴーグルを装着すると視界の360°が覆われ、限りなく現実に近い世界に没入する感覚を得られます。また、VR空間内をリモコン操作により動けるため、よりリアルな仮想空間を楽しめるようになりました。

VR技術を医療やゲーム、スポーツに活用されておりVRの普及に貢献しています。VRの活用事例の詳細については後述します。

VRを見るのに必要な装置

VRを見るためには、VR機器本体(HMD、VRゴーグル)、コントローラーやリモコンなどの付属品、スマートフォンやゲーム機が必要となります。

どのアプリやゲームを利用するかによって必要な装置は異なりますが、ほとんどの場合は上記の3点があればVRを楽しめます。

VRのメリット

VRの大きなメリットは、不可能が可能になることです。物理的な制約がなくなるため、すぐに宇宙空間や地球の裏側にも行けるようになります。

またVRにより新たな可能性が広がり、ゲームや勉強などがさらに楽しくなると考えられます。

物理的な制約がなくなることに関連して、家にいても会議に参加できるVR会議について説明しているので、気になった方は次の記事をご覧ください。

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VRのデメリット

VRのデメリットは、VR中毒になり現実世界に支障をきたす可能性があることです。VRは理想の世界に没入できるため、ニートや引きこもりの増加が懸念されています。

また、VR技術が高まることで現実と仮想現実の区別がつかなくなる可能性もあります。その結果、現実世界で犯罪を引き起こしてしまうかもしれません。

VRの仕組み

VR空間を作り出す仕組みは、VRゴーグルによって生み出されています。VRゴーグルは、映像の立体視をディスプレイの液晶を右目と左目に区切って映像を分けることでVR空間を実現可能です。左右のレンズ配置もそれぞれの映像が見やすいように工夫されています。

また、多くのVRヘッドセットにレンズのピント調整機能が備わっており、高い没入感を得られるようになっています。

VRとAR・MRとの違い

AR・MRとVRとの違いについて紹介します。ARは拡張現実(Augmented Reality)を、MRは複合現実(Mixed Reality)と訳されていますが、VRと何が違うのでしょうか。

VRとARの違い

ARは、現実世界にCGといった仮想現実を追加・反映した空間や世界を構築しているシステムです。つまり、ARはあくまでも現実世界を主体としている点がVRとの大きな違いです。

ARを使ったものでは、スマートフォンのゲームアプリ「ポケモンGO」が活用例です。他にも交通事故のシミュレート、旅客機のパイロットの視線移動を最小限にするためのヘッドアップディスプレイがあります。

VRとMRの違い

MRとは、仮想現実の世界と現実の世界を組み合わせ、ミックスさせた世界を構築しているシステムです。つまり、VRやARをさらに進化させたものといえます。

MRの特徴は、ARとは異なりカメラから得た現実世界の情報を展開された仮想世界上に反映することです。仮想現実がメインでありながらも現実との共有可能であり、同じく仮想現実がメインのVRとは大きく異なります。

VRを体験する方法

VRについて説明してきましたが、どうすればVRを体験できるか気になっている方もいるのではないでしょうか。VRの体験方法を4つ紹介します。

VRスマホアプリ+VRゴーグル

スマホ用のVRゴーグルを装着し、専用のスマホアプリを起動するだけでVR体験ができます。スマホ用のVRゴーグルは、家電量販店やインターネット通販で購入できます。ゴーグルの価格は1,000円台~1万円程度と廉価となっています。

スマホ用のVRゴーグルは、内部にスマホをセットして、画面の半分が左目だけ、もう半分は右目だけに見えるようになっています。VRアプリとしてYouTubeも利用でき、プラネタリウムのアプリでは特殊な雰囲気を感じられます。

単体のVRゴーグル

単体で装着するだけで、VRが体験できるゴーグルがあります。「スマホ+VRゴーグル」が一体になった製品であり、画質は非常に鮮明になっています。VR専用のコントローラが付属している場合もあります。

価格は2万~5万円程度と少し高くなりますが、よりきれいな画面でVR体験をしたい方におすすめです。

PlayStation VR

家庭用ゲーム機「PlayStation4」に接続して使うVRシステムがあります。専用カメラでプレイヤーの動きを検知し、コントローラーで手の動きを精密に認識してくれます。

PlayStation VRでは専用のVRゲームをプレイでき、高度なゲームを高画質で楽しめます。PlayStation VRは4万円程度ですが、別途PlayStation4を購入する必要があります。

パソコン+VRゴーグル

パソコンに接続するタイプのVRゴーグルもあります。パソコン用に開発されたVRゲームを利用でき、VR動画の視聴も可能です。VRゴーグルは6~12万円ですが、処理能力の高いパソコンも必要になります。

本格的にVRを楽しみたい方は、パソコン用のVRゴーグルの購入をおすすめします。

VRの活用事例

VRを体験するためのソフトウェア、ハードウェアの充実だけでなく、VRコンテンツ制作のプラットフォームが進化してきたことにより、現在ではさまざまな形でVRを体験できるサービスが増えてきています。

ここからは、どのような分野でどのようなVRサービスが行われているかを、具体的に紹介していきます。

次の記事では、VRを活用している事例について紹介しているので、あわせてご覧ください。

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医療

VRは医療分野でさまざまな活用事例があります。手術の様子をVRで見学可能にし、世界各国の医師と共有する使い方は、医師の技術向上に役立ちます。

また、事前にVRで手術を行うことで、3Dモデルを用いて手術のシミュレーションができるようになりました。このようなVRの活用により、難しい手術の成功率が高まることが期待されています。

ホームゲーム

ゲームとVRの親和性は非常に高いです。Play Station VRに代表されるように、VRヘッドセットを用いた臨場感溢れるVRゲームが増加中です。

複数プレイヤーでのゲームや、オンラインマルチゲームへのVR対応はもちろん、今後は専用デバイスを使用したさらなる臨場感向上も期待できます。

スポーツ

スポーツ観戦とスポーツ選手のトレーニング、両面でVRの有用性が確認されています。

観戦の面ではテレビ放送やネット配信のカメラワークとは異なり、360°好きなところを見回すことで、高い没入感と臨場感が味わえます。監督の視点や特定の選手を常に追えることは、スポーツファンにとって大きな魅力です。

トレーニング面では、東北楽天ゴールデンイーグルスによるVR技術を用いたトレーニングシステムの例があります。選手の過去の投球内容をVRで再現して仮想体験することで、試合でのパフォーマンス向上につながりました。

広告

VRによる「体験型」広告が、新たな広告として注目されています。VRによって商品ディスプレイの自由度が格段に上がったことで、視聴者が見ている映像に全方位型の広告を流したり、商品に触れたりできるようになりました。

不動産分野

さまざまな物件に足を運び、内容の確認を行わなければならない不動産分野でも、VRの導入が進んでいます。

スマートデバイスを使い、現場に行かずに物件を内見できます。さらに、中古ミテクレが提供するサービスでは、物件の内覧から一歩踏み込んで、リフォームを行った場合の様子をシミュレートできるというシステムも登場しています。

エンターテインメント分野

近年テーマパークを中心に本格的なVRアトラクションが登場し、人気を博しています。

VR ZONE SHINJUKUでは、アニメの世界を体験する非現実のVRから、実際のアクティビティ体験をシミュレートするVRまで、多彩なVR体験が可能なエンターテインメント施設となっており、VRを身近に楽しめるようになってきています。

ファッション分野

商品を実際に確認できないオンラインショッピングでも、VR技術が応用されるようになりました。

試着によるサイズ感や質感の確認をしたい、というニーズに対応すべくVRを利用したサービスが提供されています。

たとえば、Psychic VR Labでは、ファッションブランドと提携したVRショッピングサービス「STYLE」の開発を行っています。さらに、さまざまなクリエイターがクラウド上でVRブランド空間を作成できるプラットフォーム「STYLE suite」も公開しています。

おすすめのVR動画制作会社

現在では、VR技術がゲームだけでなくファッションや不動産といった分野でも取り入れられています。

自社でもVRを活用し、マーケティングや顧客満足度向上に利用したいと考えている企業は多いのではないでしょうか。そこで、VR動画を制作してくれるVR動画制作会社をに紹介します。

VR制作会社のおすすめ8選を比較していますので、気になった方は次の記事をご覧ください。

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今後のVR市場はどうなるの?

世界におけるVRの市場規模は、2023年に1606.5億ドル(約17兆3,000億円)に達すると予測されています。また、日本においても2023年には約34億ドル(約3700億円)になると考えられています。

VRが急速に注目を集めるようになった背景には、ハードウェア・ソフトウェアを含むテクノロジーの進化と、さまざまなアイディアで広い分野に応用されたことが挙げられます。

さらなるテクノロジーの進化によって、VRの普及が期待されます。一方で、ユーザーの立場に立ったインターフェースの開発はもちろん、幅広いアイディアに基づいた、魅力的なコンテンツ開発が必要となってくるでしょう。

まだ発展途上の市場であり、今後市場は急速に伸びていくと予測されているため、VRに関する理解は深めておきましょう。

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