[PR] Sansan流「戦略的データ活用」成果創出のポイントとは - SCTX2019特集
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いまデータ活用は、分析から実行支援へ
Sansanは、クラウド名刺管理サービスの企画・開発・販売を手がける会社で、2019年に13期目を迎えた。主な事業は2つ。法人向けの名刺管理・ビジネスプラットフォーム「Sansan」と、個人向け名刺アプリ「Eight」だ。
Sansanの利用企業数は6,000件*にのぼり、業種や業態はさまざまだ。そんなSansanでは、顧客データの戦略的活用のポイントをこう捉えている。
*利用企業数は、クラウド名刺管理サービス「Sansan」および名刺アプリ「Eight」の企業向けサービス「Eight 企業向けプレミアム」をご利用いただいている契約数の合計となります。
久永:いまデータ活用は分析から、いかに実行支援できるかというフェーズに移行しています。データ活用のポイントは、顧客別かつリアルタイムに情報を可視化し、部署横断で成果を出していくことと言えます。
顧客対応業務の複雑化・煩雑化と分業制の導入
背景にあるのは、ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるという概念の「デジタルトランスフォーメーション(以下、DX)」の推進だ。久永氏は「デジタル化することで新たなビジネスモデルやサービスを提供していく、その大きな変革こそDXです」と、Sansanの見解を示した。
DXの例として紹介されたのは2社。高品質タイヤで有名なミシュランと、ウェブホスティング企業からオープンクラウドカンパニーへと移行したRackspace社だ。世のデジタル化に伴い、高度かつ複雑なソリューションサービスを展開し、新たなビジネスモデルによる収益源を確保した好事例である。
しかし久永氏は、「全ての収益源が新しいビジネスモデルに変わるわけではない」と指摘。主な収益源となる既存ビジネスと、高度なソリューション提案を行う新たなビジネスが、共存することになるのだ。よって顧客対応業務は、複雑化・煩雑化していく。
久永:ビジネスモデルを変革していくには、業務オペレーションも変えていかなければならない。従来のように1つの部門ですべてを完結するのではなく、分業制を導入して、顧客対応負荷を分散することで、高度なサービスを継続的に提供できるようになります。
マーケティングやインサイドセールスは、意欲醸成。情報が伝達された外勤営業では、提案を行い契約を獲得する。運用へとフェーズが移行したあとも、要件定義、サービス利用、とフェーズによって顧客と接する部署や役割を変える。顧客に対する成功体験の提供は、カスタマーサクセスが担っていく。
いわゆるサブスクリプション型のサービスでは、こうした分業体制がすでに主流だ。さまざまなチャネルから膨大なデータを収集できる。しかし、顧客データを有効に活用して、事業成長に繋げられている企業は、少数に限られる。
分業制の導入で起きがちな課題と打ち手
Sansanでも顧客のLTV(ライフ・タイム・バリュー)を高めるため、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスとフェーズに応じた組織の分業制を敷いている。
顧客から高い信頼を得ることも、もちろん目的のひとつ。ツール管理も、部門最適でやっていった方が効率的だろうと考えたそうだ。
しかし予測に相反して、業務効率は上がらなかったという。プラットフォームが分けられ、顧客データが分散してしまったことで、業務が煩雑化したのだ。
久永:顧客情報の部門間連携を、タイムリーに行えない。数値を分析するも、属人的なスキルによって打ち手を企画・実行しており、打ち手との因果が不明。こうしてデータと現場が分断された結果、データを事業推進に活用できていなかったのです。
こうした課題に対し、Sansanではデータを分析し現場にフィーバックしていく、独立部門を立ち上げたという。いかに分業制の組織形態を変えずに、生産性を上げていくかに取り組んだ。現場にとってシンプルでわかりやすく、すぐに次のアクションにつなげられることに注力した。
久永:工夫したことは3つ。1つめは、部署を横断した形で、リアルタイムに顧客情報を共有できる、基盤の構築。2つめは、さまざまなフェーズの顧客からのフィードバックを起点とした、オペレーションの改善。3つめは、データを起点に成果向上の打ち手を考える、現場から完全に独立した企画部隊の新設です。
分散していた顧客データを名寄せして、従来は別の企業、別の人物として扱われていた顧客データが、同一企業、同一人物だと判定できれば、自社と顧客との接点情報を正しく把握することが可能だ。
さらにAI分析を活用すれば、リード獲得率、商談獲得率、受注率などあらゆるKPIにおいて、次に重点的にどこをいかに攻めていくべきか、俯瞰的な視点で戦略を立案し実行できるだろう。
データドリブンな文化を、社内に浸透させるために
Sansanでは、どのようにデータドリブンな文化を築いていったのだろうか。久永氏は、「必ずしも現場が最初から好意的だったかというと、そうではない」と明かす。
効果やメリットが不明瞭なのに、工数はしっかり取られてしまう。新しい施策に対し、「経営層のためのものでしょ」と、営業現場がネガティブになるのは当然だ。
打ち手は大きく2つ。1つは、データ活用の成功事例を作っていくこと。そしてもう1つは、データを活用できるためのシステム的な基盤を整えていくこと。Sansanでは、この2つを並行して実施したという。
久永:成功事例を作るためには、フロントの課題を深掘りし、客観的な数字に基づいて振り返りを行うことが大事。どのメンバーのどういう行動パターンが、成果につながったか、成功体験を共有してデータドリブンな文化を作っていきました。
また、顧客データHubという、名寄せエンジンをリリースしました。例えば名刺管理ツール、Webのリード情報、外部の企業情報データベースなど、情報項目の粒度が異なる複数のツールから法人別に名寄せでき、顧客データの正規化は30%、詳細情報の付与率は60%改善されました。
Sansanでは、こうしたデータドリブンなアクションに好意的なマネージャーがいる部署から、スモールスタートした。実際に効果を出して、現場にメリット感が伝わることで、隣の部署からも「やりたい」と声が上がり、自ずと横展開されていったという。
「戦略的データ活用」成果創出のポイントまとめ
本講演でSansanが導き出した、「SaaSの価値を最大化する戦略的データ活用」成果創出のポイントは3つだ。
1.「顧客別」「リアルタイム」「シンプル・アクショナブル」なデータで、フロントが実践に集中できる環境整備
2.データ活用の組織浸透は、「現場との協働・スモールスタート」から。そこでの成果をフックに、徐々に組織を巻き込み業務に浸透させる
3.各部門の業務システムに散財するデータを、スピーディ・柔軟に組み合わせられる仕組みの構築
今後は消費税率引き上げや、4年後のインボイス制度導入に向けて、法人番号をベースに社内の顧客データを寄せていくことが、あらゆる企業で必須となる。Sansanの自社での取り組みおよびサービスは、戦略的データ活用のヒントとなるのではないだろうか。
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